【渾身】法務:株主の権利

皆さん、こんにちは

ゴールデンウィーク明けから送りしてきた渾身シリーズもいよいよラスト。来週土日に開催されるTAC模試に向けて、ブログテーマもガラッと変わっていく予定です。本日は渾身2度目の経営法務。覚えているようでうろ覚えになりやすい株主の権利について、お伝えしたいと思います。

■株主の存在感
私が「株主」という存在を初めて意識したのは漫画の中の世界でした。父親が読んでいた「課長 島耕作」や「ナニワ金誘導」の劇中で使われており、こども心に、「株主ってすごいんだなぁ」と思ったことを覚えています。

持ち株比率を巡り、一進一退の攻防を繰り返す。現実世界でも似たような例が起こっています。例えば、西武HDvsサーベラス。2013年6月にサーベラスは西武HDへのTOB(株式公開買い付け)に応募があったことを発表しました。それまで32%強の保有比率が、このTOBにより、サーベラスの西武HD株の保有比率は35.48%に上昇し、重要な経営事項を株主総会で否決できる3分の1超を確保する運びになりました。

もちろん中小企業でも、このような騒動が発生してもおかしくありません。そのような事態に備えて、経営法務では株主の権利について出題範囲に設定されています。

■株主の権利
そもそも株主の権利の定義とはどのようなものでしょうか。日本証券業協会のHPでは次のように説明されています。「株主は、その発行会社に対して出資額に応じた権利、すなわち「株主権」を持ちます。~中略~株主権には、権利行使の結果が個人の利益のみに関係する自益権と、権利行使の結果が株主全体の利害に影響する共益権があります。さらに共益権は、1株(1単元株)の株主でも行使できる単独株主権と、一定割合以上の株式数を持つ株主でなければ行使できない少数株主権に分けられます。」

株式を一株所有するだけで、株主には単独株主権が発生します。ですので、経営に関係の無い人間に何か言われたく場合、譲渡制限株式を発行するわけです。ちなみに、少数株主権とは、「単独」ではなく「少数(複数)」の株式を有している株主に認められる権利であって、「多数派」ではない「少数派」株主の権利ではないと考えると理解し易いかと思います。

■様々な株主権
そんな株主の代表的な権利を整理した図がこちらになります。

株主は、株主総会の決議等を通じて、会社の経営に参加します。しかし、会社の経営方針は、過半数の決議によって決められますので、決議に影響を及ぼす数の議決権を持っていない株主は、会社の経営方針の決定に参加できない可能性があります。そこで、このような単独または少数の株主にも、行使できる権利を用意して、会社経営が適正に行われるようにしているんですね。

また、公開会社において、代表訴訟や総会議案提案などの権利は6ヶ月以上株式を保有していることが要件として設定されています。継続保有の条件が無い場合、総会屋に代表されるような輩からの理不尽な要求を提案しやすくさせてしまうからです。言い換えると、この規定は、非公開会社には適用されません。非公開会社であれば、株を取得すればすぐにでも代表訴訟を起こせるということになります。株の譲渡は慎重に行わないといけませんね。

というわけで、診断士試験では若干ニッチな香りがする株主の権利でありました。それでも知っているかどうかの知識が問われる経営法務では、全く目を通したことがないのと一度でも見たことがあるのでは雲泥の差があると思います。一度は目を通しておくことをお勧めします。

診断士試験は最後の一秒まで成長できる試験です。特に初学者の方は、成長スピードが見えない分だけスパートの仕掛けが難しいのかもしれません。一次試験もいよいよ間近に迫ってきた中で、残り一ヶ月の勉強プランを考えていきましょう

それでは、本日はこの辺で失礼します

 

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【渾身】法務:株主の権利”へ3件のコメント

  1. あっきー より:

    Oz様
    スピーディーな対応ありがとうございました。
    私自身はあやふやな知識と選択肢からの類推で正解にたどり着いた次第で、えらそうなことを言えた立場ではないのですが、H26問3は議題提出権と議案提出権の違いを具体的ケースに即して問う良問だと思います。
    上記でコメントいただいた通り、議題提案権のほうがより厳格な要件が適用されるべきだというバランス感覚で理解することも有用ですね。
    株主総会運営実務上も重要なポイントと思われるので、大変リアリティのある問題だと感じました。

  2. Oz より:

    あっきー様

    いつもコメントありがとうございます。

    議題提案権と議案提案権のご指摘の部分も修正した表をアップしております。

    「議題」→株主総会の目的
    「議案」→議題に対しての具体的決議事項

    ですので、議題提案の方がより重要でより厳しいと認識ですね。

    貴重なご指摘ありがとうございました。

  3. あっきー より:

    いつも参考になる記事をありがとうございます。
    この記事で取り上げられた株主権、H26の問3で見事出題されました!
    が、いまいちど読み返してみると、図の中に不正確と思われる箇所がありましたので、ご確認いただけないでしょうか?
    (以下ご確認いただきたい箇所)
    総会議題・議案提案権がまとめて少数株主権とされていますが、議題提案権(会社法第303条)は少数株主権、議案提案権(会社法第304条)は単独株主権だと思います。
    そして、今回の問題は議題提案権と議案提案権の行使要件の違いまで含めた理解が要求されるという内容でしたので、もし修正が必要なようでしたら、今後のためにも速やかなご対応いただけますと幸いです。
    よろしくお願いいたします。

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