挫折しにくい学習計画の立て方
こんにちは。ZonEです。
勉学の秋…というわけではないでしょうが、2012年合格目標で診断士試験勉強中の受験生の多くは、9月もしくは10月から勉強をスタートしたことと思います。
ストレート合格を目指したとしても、診断士試験はけっこう長丁場。
受験校に申し込んだ勢いで、スタートダッシュを決めることができた方々も、油断は禁物。
ちょうどこの時期(〜年末年始にかけて)、第1次離脱組が出てしまうのも事実。
理由としては、
- 年末にかけて、業務が多忙になる方は、残業で勉強時間が確保できなくなる。
- 年末年始の忘年会・新年会ラッシュで、飲酒する機会が増え勉強に身が入らなくなる。
- 出社前に早朝勉強している方は、寒さでなかなか起きれなくなる。
- 財務会計や経済学など苦手と感じる受験生の多い科目に突入する。
- 一度答練で悪い点(目標点以下)を取ってしまい、自信をなくしてしまう。
など色々なケースが、複数件重なってしまうのが原因のようです。
そこで、今回はそんな離脱者を1人でも救えるように、「挫折しにくい学習計画の立て方」について考えていきたいと思います。
完璧を求めてはいけない
突然のそもそも論で申し訳ありませんが、何事においても「完璧を求める」ことは辞めておいた無難です。
自分が立てた計画通り物事が運ばないことに苛ついたり、毎日続けていたことが1日途切れてしまっただけなのにその習慣を辞めてしまう…そんな完璧主義は本当にもったいないです。
常に計画通り物事が運ぶようであれば、プロジェクトマネジメントなんて不要です。
計画と実行が乖離し始めたことを素早く察知し、軌道修正すればそれで十分。大目標(=診断士試験に合格すること)を見失ってはいけません。
例えば「診断士1次試験合格」を大目標とすれば、小目標としては
- 公開模試で合計420点以上+40点未満の科目なし
- 〇〇(科目名)の完成答練で70点以上
- 〇〇(科目名)の養成答練で80点以上
などを挙げている方が多いと思います。
ここで、経済学の養成答練が80点以下だったとしても、モチベーションを著しく下げたり、イジけて勉強を辞める必要は全くない訳です。小目標を達成できなかった原因を分析して、対策を講じて(軌道修正)、完成答練で目標の70点以上を取ればOKじゃないですか。
勉強時間は目安でしかない
学習計画を立てる際に、「毎日○時間ずつ勉強する」など勉強時間を計画に挙げる方がいます。しかし、勉強時間はあくまでも目安でしかなく、計画に挙げた項目を実践するのに必要な時間を見積もったものにすぎないのです。
つまり、計画は目標から逆算して
- 次回の講義の予習をする—読んでも分からない箇所=講義で集中して聴く箇所を事前把握しておく…などできるだけ具体的に
- 前回の講義の復習をする—テキストから覚えるべき用語を抽出して、単語カードに書く…などできるだけ具体的に
- 単語カードに書いた用語の意味を覚える
- 前回の講義の範囲に対応している過去問を解く
- スピード問題集を1回転する
など「やること」ベースで挙げる方が
- 時間に縛られないのでリカバリしやすい
- 具体的にやるべきことが明確
- 密度の薄い勉強時間を回避できる
- 目標を見失いにくい
といった点で、ベターです。
それって想定の範囲内?
学習計画というとスケジュールばかりに目がいきがちですが、想定されるリスクとその対応策について考えておく…などリスク管理の視点も重要です。
「3月の決算期に業務が超多忙になる」など想定できるリスクには先手(対策)を打っておきましょう。もし、先手が打てなくても想定の範囲内であれば、冷静に対処することができるハズです。
診断士試験勉強は、一種のパーソナルプロジェクト(プロジェクトメンバーが1名しかいないプロジェクト)と捉えることもできます。
プロジェクトメンバーは1人でも、ステークスホルダー(利害関係者)は家族・恋人や会社の上司・同僚など、それなりに存在します。
そういった意味では「家族に日頃から感謝の意を述べておく」とか「診断士受験を公言して周囲の理解を得ておく」などステークスホルダーへの働きかけも地味に重要だったりします。
ゼロベースで診断士試験勉強の計画を立てるのは結構大変かもしれませんが、受験機関に通っているのであれば(二次対策にもっと早期から 取り組むかというオプションはあるにせよ)大局的なスケジュールは受験機関がカリキュラムとして決めてくれているので、比較的ラクです。
当面は、答練をマイルストーン(チェックポイント)とした、約1ヶ月単位の科目ごとで十分なので、(この記事を参考に)学習計画を立てていけば幸いです。
完璧主義ほど低い価値観はない 完璧主義とは、最初から最後までやらない為のいいわけ |
診断士受験生の大半は多忙な社会人です。立てた計画通りに進まなくて当然で、いかにリカバリするか…という意識で学習に取り組んでみてください。
それでは、今日はここまで。
ZonEさん
詳細なコメントありがとうございました。
受験機関では科目ごとに答練を実施する=各科目ごとに集中的な練習&仕上げを行なっていく、のが大きな違いだとわかりました。
目標とされていた点数から想像すると、“答練”の難易度は問題集以上本試験以下、という感じでしょうか。
受験機関での“答練”に相当する(であろう)アウトプットを学習スケジュールの中に組み込んで計画を立てていきたいと思います。
ありがとうございました!
ほいほい さん
こんばんは。ZonEです。
コメントありがとうございます。
タイムリーな話題を提供でき、よかったです。
多忙な社会人ですから、勉強できる時間などに波があって当然です。
ほいほいさんの場合、企業経営理論をきちんと勉強されたので、なおさら(財務会計で)そのペースが守れなかったことで、人一倍不安を感じていらっしゃるのかもしれませんね…。
1科目毎に気持ちのリセットが可能ですので、注力できなかった科目に苦手意識を持つこと無く、次の科目に集中して答練で良い点数を取れるように自分を高めていただければ幸いです。
もちろん、いくら完璧主義が良くないと言っても、なるべく早期にリカバリしないと、後がどんどん苦しくなりますので、その点だけはくれぐれもご注意くださいませ(余計なお世話でしたね…(^_^;))。
それでは、引き続き頑張ってください☆
今後ともよろしくお願いします。
senzo さん
こんにちは。ZonEです。コメントありがとうございます。
さて、初学・独学での勉強における勉強計画の目標値(量)に関して、ご質問いただきましたが、受験機関に通っていても勉強計画の目標値(量)は教えてもらえるわけではない…ということは、まずご認識おきください。
受験機関に通うメリットとしては、
1.カリキュラムに沿って学習することで、大局的なスケジュールを自分で立てなくてもOK
2.重点事項に注力して解説してくれるので、メリハリをつけた学習が可能
3.不明な箇所を質問することができる
4.勉強仲間が作りやすい
などが挙げられると思います。
ただ、1のカリキュラムは受験機関に行ってパンフレットをもらってくれば(ネットに公開されているケースもある)、スケジュールを把握することは可能です。
そのスケジュールに沿うとした場合に、各科目をどの程度固めてから次の科目に移るか…というのがいただいた質問に対する回答になろうかと思います。
senzo さんにご指摘いただいた通り、必要な勉強量は人それぞれです。また、同じ人でも、「テキスト2回通読→過去問2回転」と「テキスト1回目通読→過去問1回転目→テキスト2回目通読→過去問2回転目」では、同じ2回転ずつでも効果に大きな差が出ます。
参考までに、各科目1巡目のマイルストーンである養成答練(当時は基礎答練)に向けた私の勉強量(やったことベース)をご紹介しておきます。
◆通常の授業期間
1.Webフォロー(1.5倍速再生)で授業の予習
2.教室で授業を受ける(不明点は質問する)
3.覚えるべき用語を単語カードに書く
4.授業で習った範囲に対応する過去問を解く
(答練前までは1〜4の繰り返し)
◆答練前は集中して学習
5.3で作成した単語カードを使って記憶
6.過去問題集の難易度AorBの問題を中心にアウトプット学習
(5と6は回転数よりもできなかった問題のみを繰り返すイメージ)
7.得点目標:80点、順位目標:上位4%を狙って、答練を受ける
なお、道場執筆陣の共通項として「アウトプット学習をしっかりやっていた」ということが特徴として挙げられると感じています。
「テキストを○回通読した」などという話はあまり出ませんが、ハカセなどスピード問題集派は「スピード問題集を(正解できるのはもちろん)不正解の選択肢に関して、どこがダメなのか(どこをどう直せば正解選択肢になるのか)説明できるようになるまで徹底的にやった」と言っていますし、過去問派の私などは「過去問題集の難易度AorBの設問については8割以上正解できるレベルになるまでやった」ことを記憶しています。
独学だと答練がないので、完成度の目安として、参考にしていただければ幸いです。
それでは、引き続き頑張ってください!!
こんばんは。
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2012年試験に向け、TACとこの道場を頼りに勉強に励んでおります。最近、この道場で、2012年向けの投稿が続いていて、とても喜んでおります。かなり強力に背中を押していただき、感謝しています。
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ちょうど、ZonE様のタイムリーな投稿で、少し焦りが消えました。
というのも、TAC授業の1科目目の経営は、勉強時間もとれ、養成答練もそれなりに結果が出たのですが、2科目目の財務で、勉強時間が思うようにとれず焦っていたのです。
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もう一度、「やることベース」の観点から勉強スケジュールを見直そうと思います。
「完璧主義ほど低い価値観はない」という言葉に救われた感じです。
頑張ってファイナンスの山を乗り越えていきたいと思います。
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今後も、執筆メンバーの皆様による叱咤激励を楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。
はじめまして。お邪魔します。
計画を目標から逆算して「やること」ベースで立てる、というのは、とても良い方法だと感じました。
ただ、受験機関に通学している方は「やること」ベースの計画も立てやすいと思うのですが、初学・独学で勉強していると、どのくらいの量を勉強計画の“目標値”として設定すべきかで悩みます。
もちろん、試験で合格する実力をつけるのに必要な勉強量というのは人によって違うと思いますので、一概には言えないとは思うのですが、参考までに(目安として)どれくらいの“量”(=やること)を目標とするのが良いと思われますか?
例えば、
・全科目テキスト通読×3回転
・全科目スピード問題集×3回転
・全科目過去問5年分×5回転以上
・重要用語1000個を単語カードで記憶×180日間程度
・苦手科目の参考書通読×3回転
・苦手科目の問題集(上記とは別のもの)×3回転
・苦手科目の過去問10年分×3回転
・模擬試験×3回
のようなイメージで、大まか・ざっくりで構いません。
※もちろん、「これだけやれば絶対に十分!」ということを意味しているわけではないことは理解しています。あくまでも「やること」ベースの“計画”を立てる上で“目安となる目標値”として参考にさせていただきたいのです。