道場読者の皆さま
久しぶりの投稿です。6代目のおとです。
さて、私は、診断士になって2年目となり、いろいろと具体的な活動を行っています。今回は、ゲスト投稿として、今私がやっている「空色プロジェクト」という活動を紹介したいとおもいます。
空色プロジェクトとは?
この「空色プロジェクト」を一言で言うと、中小企業診断士等の経営のスキルがある人を集めて、日々悩んでいる日本の中小企業の経営者が見る空の色を変えたいというプロジェクトです。
<これを考えた理由>
まず、私がこのプロジェクトを考えた背景を話します。
皆さんがイメージする中小企業の経営者ってどんな感じでしょうか?最近のドラマだと、下町ロケットの佃煮社長でしょうか?また、少し前ですが、同じ池井戸潤シリーズの半沢直樹でしょうか?
また、もっと現実的な話をすると、中小企業の社長は銀行からお金を借りるために、自宅を担保に提供したり、個人で連帯保証したりしています。最近は、個人の連帯保証は減らそうという動きがありますが、それでも、会社の資金繰りが尽きると、一家で夜逃げということは、実際にあります。
また、その悩める中小企業の経営者が経営相談をする相手ってだれでしょうか?
中小企業白書の「中小企業経営者の経営相談の状況」によると、以下のようになっています。
「具体的な相談相手は、約7割が「顧問税理士・会計士」、約3割が「経営陣」、3割弱が「家族・親族(利害関係者)」、2割弱が「メインバンク」となっており、日頃から接点の多い、社内外の関係者等が相談相手として選ばれる傾向にある。」
我々診断士の視点からいうと、税理士の先生に経営の相談をしてしまう人がほとんである現状に驚愕しました。そこまで診断士が世の中に役立っていないかと、診断士の力の無さに無念でなりません。
<診断士の状況>
次に我々診断士の実態はどうなっているでしょうか?
中小企業診断協会が毎年発表している、試験合格の統計を見てみましょう。
統計資料(PDF)(平成28年1月5日)
これによると、直近の診断士試験の合格者は944人です。そのうち、民間企業に勤めている人は、民間企業勤務が611人、政府系以外の金融機関勤務が84人です。この政府系以外の金融機関勤務は、いわゆる銀行や信用組合を指しているものと解釈しました。これらの合計が695人で、合格者全体に占める割合は73%です。ということは、合格した人の中で、会社勤めの方は73%いるということです。
次に、合格してからどうなったかをしらべたアンケートがありました。
J-Net21[中小企業ビジネス支援サイトのアンケートにみる診断士の実像
第2章 データでみる診断士6年間の変化
これによると、企業内診断士の割合は49.4%でした。なお、このアンケートは、中小企業診断協会に加入している人が母集団となっているので、上記の中小企業診断協会より企業内診断士の数が少ないのだと推測します。また、診断士に合格しても、私のように診断士協会に入らない企業内診断士もいます。
<空色プロジェクトの意義>
このように、中小企業の社長は、①その経営相談を身近な専門家である税理士にしている現状と、②診断士になって経営コンサルタントとしてのスキルがあるにも関わらず、企業内診断士として、直接は、中小企業の経営指導に携わる人がいない現状があります。
そこで、この「空色プロジェクト」です。このプロジェクトの目的は、中小企業診断士等の経営のスキルがある人を集めて、日々悩んでいる日本の中小企業の社長が見る空の色を変えたいということです。
会社員であっても、自分自身の舞台を決めたいと思っている診断士に対して、自分のスキルを発揮できる場を提供し、それが悩んでいる日本の中小企業の社長に役立つような仕組みを作ることが、この空色プロジェクトです。
また、もちろん発揮したスキルには、それに見合った報酬をもらえることは当たり前です。
診断士の悪い習慣は、「無料奉仕は美徳」だという間違った感覚をもっていることです。たとえば、診断士が経営者に対して、無償でまあまあの仕事をするのと、10万円の単価で、15万円の価値のある仕事をするのとで、どっちがお互いのためになるでしょうか?相手からの依頼に対して、その期待を上回る成果を出すことが、コンサルタントの存在意義だと思っています。
<まとめ>
- せっかく診断士に合格しても5~7割の人は企業内診断士である。
- なにもしないと、そのスキルは一気に低下する。
- 診断士のスキルを必要としている経営者は大勢いる。
- そのスキルを発揮できる場を提供することが、この空色プロジェクト