合格者の成績区分と点数が開示されました!!

こんにちは。牛嶋・寺前・和田法律事務所の弁護士岡崎教行です。

本当は、日曜日にアップしようと考えていたのですが、ちょっと結論が想定外だったので、すぐさまアップさせていただくことにしました。

今日は、何か参考になるというような記事ではなく、先日、当職が行った情報開示についての御報告ですので、暇つぶし的に、流してお読みいただければと思います(いつも流して読んでるよ!という声も聞こえそうですが・・・)。

結論について、道場の6代目執筆陣の中では、革命的だ、レボリューションだという意見までいただきました(笑)

さて、中小企業診断士試験合格を目指している方には当たり前のことですが、二次筆記試験では、合格者には成績が開示されません。不合格者については、事例毎の成績区分(A乃至D)と総合の成績区分(A乃至D)が開示されます。これって、実は昔の司法試験と同じ。自分が受けてたときもそうでした。でも、今は順位、点数などが開示されてます。

ということで、新しい試みとして、平成27年3月14日(土)、経済産業大臣中小企業庁長官一般社団法人中小企業診断協会に個人情報の開示を請求してみました(わざわざ配達証明つけて郵送で(笑))。

【開示請求をした理由】

どうしてそんなことしたの???ということが聞こえてきそうなので、その理由を少し。

今回、当職が個人情報ということで開示を請求したのはどうしてかといいますと、はっきりいって試験自体がようわからんということを常々思っていたからでした。

二次筆記試験の勉強をしていて、ふぞろいな合格答案などの書籍を参考にし、合格者の答案を見ても、???。ときには、どうしてこれで合格するんだ~とか、どうしてこんな答案書けるのに落ちるんだ~と思っていました。やきもきやきもき。あ~、ようわからんということで思考停止。

もう少しわかりやすくいいますと、

「どの程度の答案をかけば合格できるのかがわからなかった」。これに尽きます。

事例毎に合格者の答案をみると、どうしてこれで受かったのかがわからないということもあったり(多分他の事例の答案がとてもよかったんだろうなぁと)、合格者の事例1から4全ての答案を見ても、一体、どれが評価されて、どれがそれほど評価されなかったのかもわからない。わかるのは、この4通を並べたら合格したということだけ。

今現在、分析対象として使えるのは、結局のところ、不合格者の答案のみ(おそらく、予備校としては、不合格答案を集めて、色々な分析をしているんじゃないかな~と推測してます)。

それを不合格者だけの答案だけでなく、合格者の答案も分析対象として使えるようにしたほうが受験界にとってもいいんじゃないのかな?と思ったためです。

だって、診断協会の出す出題の趣旨にしたって、殆どが問題文のリフレインで(私の読み方が足りない、あれは凄いヒントなんだ!と言われるのかもしれませんが)、ようわからんし、そのためか、予備校によって模範答案の方向性すら異なっていることも多くて、何を信じていいのかわからないんだもん。これを契機に、合格者にも成績が開示されればいいなぁとも思ったりもしましたので。

それと、司法試験についても現在では成績が開示されてるんだし(司法書士もされているのかな?)、診断士試験だって、別に隠すことないじゃないとも思ったの。

そのため、事例毎の点数、順位、評価区分、そして、総合の点数、順位、評価区分を開示するように申請をしました。

【3月17日時点の状況】

上述のとおり3カ所に申請をしましたが、経済産業大臣、中小企業庁長官宛には、行政機関の保有する個人情報保護に関する法律に基づいて、そして、診断協会宛には、個人情報保護法に基づいて行いました。

というのも、法律や施行規則等を見る限り、もしかしたら、合格者氏名等だけを協会は当局に報告していて、順位、点数などの情報は報告していないかもしれないと思ったので。

そしたら、やっぱり正解でした。

当局から連絡があって、合格者名簿等しか報告は受けてないので、申請いただいた情報は保有してないんですよ~とのことでした。当局からは、どうしますか?と聞かれたので、ここは、当局に余計な手間をかけさせるのも良くないと思い、そういうことだったら取り下げたほうが当局としてもいいですよね?とお聞きし、ありがたいという話だったので、取り下げることにしました。これ、3月17日の話。とても話の分かる類まれな弁護士ですね(笑)

【3月21日時点の状況】

そして、3月20日、診断協会から、封書が届きました。おそらく、協会の対応としては、個人情報保護法25条1項2号に基づいて、開示しないということになるのかなぁと思ってました。

ご参考までに、個人情報保護法第25条には以下のとおり、書かれています。

個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの開示(当該本人が識別される保有個人データが存在しないときにその旨を知らせることを含む。以下同じ。)を求められたときは、本人に対し、政令で定める方法により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。ただし、開示することにより次の各号のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができる。

①本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合

②当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合

③他の法令に違反することとなる場合

要するに、試験に支障を来たすから、開示はできないという対応をされるんだろうなと思ってました。
その場合には、これまでの裁判例上、開示請求訴訟は難しそうで、次の手立てはあるのかなぁとぼんやりと考えてました。
がしかし、封書を開けたら、なんと、1枚目で、事例ごとの点数と成績区分が「別紙のとおり」ってなってるじゃないですか~。え~、まじか~、どうなんだろうと思って別紙をみたところ、
当職の成績は、事例Ⅰは49点でC区分、事例Ⅱは69点でA区分、事例Ⅲは50点でB区分、事例Ⅳは79点でA区分でした。なお、当職の再現答案は、合格体験記2回目に掲載しておりますので、そちらも参考にしていただければと思います。
ここでふと、1枚目に戻り、順位はデータがないことを確認。
んんん???
これはどういうことだ?
ずっと思っていた二次筆記試験、相対評価じゃないのか?絶対評価なのか?という疑問が沸々と。
それと、手つかずが1つ(第3問設問3)と途中答案が1つ(第2問設問2)あった事例Ⅳが79点。一次試験後初めて着手してなんとか間に合わせた事例Ⅳが一番良い点数だなんて。正直びっくり。
それから、全ての事例がAでなくても合格するんだ~ということがわかりました。過去にふうじんさんが、すごい分析をしていたのですね。
以上、速報でした。今後の展開としては、各予備校が、合格者、受験生に成績開示をお願いして、提出してくれた人には謝礼をし、そして集めた再現答案と成績を突合して分析するということが想定されます。
分析対象が多いことは、受験をする側にとってみれば、方向性が掴めるという点で利点があるのではないかと思います。
以上、ご報告でした。

 

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合格者の成績区分と点数が開示されました!!”へ31件のコメント

  1. 岡崎教行 より:

    S様
    さっそく開示請求されたんですね。
    僕もまさか事例4がこんなにできてるなんて、ってビックリしました。主観と客観って違うものなんですね。

  2. S より:

    週初めに成績開示を依頼したところ、今日、結果が届きました。
    本当に貴重な情報をありがとうございました。
    予想と違った結果でしたが、ともあれすっきりしましたし、むしろこれからが試されると改めて思いました。

  3. 岡崎教行 より:

    宅建クン様
    コメントありがとうございました。
    今まで開示請求があったのかどうかは、当職においてはわからないところですが、少なくとも開示請求があった場合には開示するという方針を有していたものとは思います。
    当職も、もしかしたら、細かい小問ごとの得点も開示されるかもしれないとは思っているところですが、個人情報に該当するにしても、個人データには該当しないとして開示がされないかもしれません(個人情報保護法をご参照ください)。
    当職の個人的な意見ですが、採点の先生方は、おそらく真摯に採点されているものと思います。
    なお、開示がされないからといって、イコール、採点がテキトーというまでの論理的な帰結までには至らないのではないかと、当職は個人的に思っております。

  4. 宅建クン より:

    連投で恐縮ですが、これはひょっとすると、もっと細かい小問ごとの得点まで教えてくれる可能性もあるかも知れないですね。

    仮に、これが出せないとテキトーに採点してることになります。

    安くない受験料をとってるので、それぐらいしてくれてもという感じはします。

    因みに、社会保険労務士試験でも開示請求した方がいたような記事をどこかで読んだ気がします。

  5. 宅建クン より:

    これは正にコロンブスの卵ですね。
    今まで、誰もしていなかったのでしょうか?

    私も、何故協会がはっきりと得点を開示しないのか常々疑問に思っていました。

    正直、ちゃんと採点せずにテキトーにやってじゃないかと疑心暗鬼でした。

    今回、私も後に続きたいと思ったのですが、気になるのが昨年不合格で今年も受験する場合、開示請求することによって、何らかの不利な扱いを受けるのではと心配でもあります・・・。

  6. 岡崎教行 より:

    教えてください様
    いえいえ、こちらこそわかりずらくて失礼いたしました。

  7. 教えてください より:

    ご指導ありがとうございます。リンクの雛形を使えば良いのですね。こういう細かい点を見落とすことが合格者・不合格者の差なのだと感じました。今後とも良い記事をお願いいたします。

  8. 岡崎教行 より:

    教えてください様
    手順については改めて記事にすることは考えておりませんが、雛形については本文にリンクを貼っておりますので、ご参照頂ければと思います。

  9. 岡崎教行 より:

    要請過程組さま
    私も予備校の分析に期待しております。コメントありがとうございました。

  10. 岡崎教行 より:

    ささちゃん様
    コメントありがとうございます。
    雛形については、記事本文の診断協会のところにリンクを貼っておりますのでご参照頂ければと思います。

  11. 教えてください より:

    昨年ABCAで敗退した者です。詳しい請求手順を記事で紹介される予定はあるでしょうか?あるいは自分で調べるべきものでしょうか。

  12. 養成課程組 より:

    びっくりしました。
    請求するという行動力と、それに対する協会の返信に二度びっくりしました。
    各社受験校の今後の動向を見守りたいと思います。

  13. ささちゃん より:

    こんにちは
    私も昨年の合格者ですが、開示請求に必要な書式または必要な項目を教えていただけないでしょうか。

  14. 岡崎 教行 より:

    通りすがり様
    この際、事例Ⅲが59点だったら、49、59、69、79の階段となっていたんですけど、残念です(笑)
    コメントありがとうございました。

  15. 通りすがり より:

    下一桁が9点が多いのは単なる偶然ですかね(笑)

  16. 岡崎 教行 より:

    S様
    はい、そのほうが労力等の点からもよいかと思います。

  17. S より:

    ありがとうございます。
    直接、協会宛としてみます。

  18. 岡崎 教行 より:

    S様
    コメントありがとうございます。

    念のためですが、中小企業庁や経済産業省への成績開示請求をしても、情報は持っていないということで、お時間の無駄になってしまうと思います。

  19. S より:

    なるほど。早速ありがとうございました。
    他機関への情報開示請求も参考に送ってみます!

  20. 岡崎 教行 より:

    S様
    コメントありがとうございました。
    行政当局に個人情報の開示を申請する場合には、本人確認として、住民票、それから免許証の写しが必要なので、協会に対しても、同様の書類を添付しました。返信用封筒は特にいれておらず、手数料については定めがわからなかったので、指示に従うと申請書に書きました。おそらく手数料については後日、連絡があるのかなと思っています。

  21. 岡崎 教行 より:

    ふうじんさん
    こちらにもコメントありがとうございます。
    当職、書いている内容の質が落ちないよう(むしろ上げていかないといけないかもしれませんが)、精進して参ります。

  22. S より:

    貴重な記事をありがとうございました。
    自分も文案を作成したので、送ってみようと思います。
    請求料、返信用封筒などは特になかったでしょうか?

  23. ふうじん より:

    協会様、ご指摘大変ありがとうございます。IPを晒し、アウェーに乗り込んでネガティブコメントをいただいたことに大変感謝しております。
    .
    今回、個人情報保護法第25条に基づく請求に対し、診断士協会が開示という判断をしたことに大変驚いております。削除するしないの議論はともかく、この判断により「2次」受験生の戦い方が大きく変わる転機の年となります。
    .
    なおIPアドレスを拝見する限り東京西部にお住まいの様ですが、協会として可能であれば、「試験情報の過度の漏洩禁止」をそろそろ本格的にご検討いただけないでしょうか?合格者と合格者ブログの質が年々低下の一途をたどり、少々うんざりしていた所です。

  24. 岡崎教行 より:

    ギミヨラ様
    コメントありがとうございます。
    当職も同感でございます。来年から、結果通知の際に全員に得点と成績区分が開示されるかもしれないですね。

  25. 岡崎教行 より:

    匿名こと協会様
    御指導ありがとうございます。思いが至らなかったようです。
    当職、決して喧嘩を売っているわけではないことは、記事をお読みいただければ御理解いただけるかと思います。
    これは想像ですが、請求から開示までの期間が短かったことを考えると、協会内では、既に前から、成績開示の方向を模索していたのかもしれないですね。

  26. 岡崎教行 より:

    たなち様
    ふうじんさんの記事も圧巻ですよね。この短い時間によくあれだけ書けるものだと、それにもびっくりしてます。
    体験記、お読みいただいたようでありがとうございます。今後とも、精進してまいりたいと思っております。

  27. 岡崎教行 より:

    通りすがり様
    協会の開示という判断にびっくりしました。

  28. ギミヨラ より:

    診断協会は回答拒否の選択もあったのに,回答を選択したのは,同様の依頼が増加しても業務の適正な実施に支障を及ぼさないと判断したため。

  29. 協会 より:

    このような投稿が診断協会の迷惑になるか、思いが至らないのでしょうか。すごいなどと、賞賛するのはもってのほかです。
    実名で、このような投稿をして弁護士の方のようなので、診断協会に喧嘩売っても、何とも思わないのでしょうね。

  30. たなち より:

    おおー!すごい。
    これはミライを変えたのでは?
    早くふうじんさんのコメントが聞きたい!
    私も事例Ⅳは予想外のAでした。ゲタはかせてくれたのかなと思ってます。

    申し遅れました。たなちと申します。
    岡崎先生の体験記第三回は圧巻でした。
    日曜日の記事にもいつも刺激を頂いてます。
    これからも楽しみにしております。
    (ちなみに私はドラゴンボール派です。)

  31. 通りすがり より:

    これはすごい!

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