考え過ぎない方が近道かも。
こんにちは。ハーンです。
二次試験まであと1ヶ月ちょっととなりました。
受験校の二次試験の模試が終わり、これから模試の結果が出るまで少し時間があります。
私自身もこの時期は、模試の結果が分からず、一方で、勉強を進めていかなければいけない状況であり、どの位置に自分がいるのか、それさえ分からない状態で試行錯誤をし続けていました。
その頃から随分時間が経ちましたが、その時は気づかなくても、合格してから見えるものもあるわけで。今回は、最近思ったことを記したいと思います。
◆聞かれたことに答える◆
私は、受験生や多年度合格者に二次試験について聞かれたときに、「聞かれたことに答えただけなんだけど・・・」とよく答えてました。そうすると、「合格者はみんなそう言うんだよね。それができないからみんな苦労しているんでしょ!」と返されてしまいます。
うーん、そう言われても本当にゴメンナサイ。それ以上、何もないんですよ・・・来たボールを打ち返したって感覚しかなく。正直、これを可視化したいと思っても、全く伝えられない歯がゆい状況が続いていました。
◆事例から離れるとどうなるか◆
私なりの仮説を立てるにいたったのは、3215が寄稿したこちらの記事です。(あくまで仮説です。)
この記事にある受験生の方々が、自由に留意すべき事項を出してもらう過程を拝見していたのですが、多角的な意見が出ていました。
これは、決して悪いことでなく、本来であれば必要なプロセスなんだと思います。
しかし、二次試験の答案としては、与件に沿って解答することが必要というのは、良く言われていることかと思います。
よって、「多角的にみたいろんな意見が出せる」ことをここでは是とするのでなく、「与件にあった解答にしていくことが必要」となるのはご承知のとおりです。
◆なぜ聞かれたことに答えられないか◆
私の場合ですが、まずザッと与件と問題を一通り読みます。じっくり読まず速読的です。私の場合、全体としてどんな話でどんなことを問われているか知った方が、あとでじっくり読みやすいからです。
その後、再度与件をじっくりよんで、SWOT分析:ポイントとなる部分に色ペンを引いたうえで、SWOTに該当する部分を抜き出して、問題を読んで出題者が何を聞いているかを考えて解答します。
ここで仮説なんですが、聞かれたことに答えられていないという方は「与件をじっくり読んだあと」「問題文を読んだ時点で」問題文に気持ちが移ってしまい(集中してしまい)問題文に対して「答えを考えてしまう」のではないかと思いました。参考記事のように、与件なしで問題文だけ読むと非常に多角的な答えがなされる、それに近い状況が起きているのではないかと。これが失敗のメカニズムの一つではないかと思ったわけです。
私は、過去問と模試しかやっておらず、どうやったら合格に近づけるかを自分なりに一生懸命考えたつもりですが、試験中は「あまり考えていなかった」と思っています。
うーん、口や文章では説明しがたいのですが、なんというか考えて書くというより、与件を読んで整理したものを、分かりやすい文章にするという感覚ですかね。
そうやっているつもりなんだけど、と言われますかね。整理ができているとするならば、もう一つ考えられるのは、問題文を読んだ時点で出題者の意図を取り違えている可能性があると思います。
◆この仮説を整理すると◆
上記の仮説からすると、
①問題文を読んで答えを考えない。与件の事象からポイントとなる部分を整理しておいて
②出題者の意図をくみ取って、整理した内容を紙に落とす。
といったことが、「聞かれたことに答える」といったことになります。うん、確かにこんな感覚でした。
これは、ポイントを整理して出題者の意図をくみ取れたかどうかで、大半が勝負ありっていうことを意味しています。最後は文章力ですね。私の場合は、自分がポイントを整理した中から「このキーワードを入れよう」とか考えていませんでした。文字数に応じて、こういう内容を書こうというのを先に決めて分かりやすく説明することを心がけると、自然に与件のキーワードが入るって感じでしょうか。
私自身、「ふぞろい」も「過去の合格者のレベル」も全く知らない状態で、ひたすら受験校の模範解答を目指していたのは異色かもしれませんが、過去問をやって模範解答と自分で比較をして、「言い回しは違っても、書いてあるポイントがいくつ一致しているか」という視点で良否を判断していました。つまり、自分の整理が正しいかどうかに自己採点の力点を置くようにしました。
◆二次試験の本質は◆
正直、仮説として書いていて「本当?」って気持ちです。もしこの仮説通りだとすると、「多角的に考えられなくても、問題を整理して出題の意図をくみ取る読解力、そしてそれを決められた文字数に正しく記述する文章力のある人」が事例Ⅰ~Ⅲについては、高得点を得やすいということになります。うーん、診断士ってそういう人を求めているんですかね。
一方で、多角的に考えて与件から離れた場合、点にならず時間も使うので他の問題にも影響するという最悪の状況になります。そこから出てくる答えは、極端な言い方だったらゴメンナサイ、試験中は「考え過ぎない方が近道!」となります。なぜなら、考えなくても答えは整理できていることを前提としているので。
ただ、普段の勉強を考えずにしていると、おそらくそういう状態にたどり着けない気がします。
過去問を解くときに、どこが模範解答や過去の受験者のレベルと違うのか、なぜ違ったのかを必死で考え、試験中は考え過ぎないというのが私なりの結論です。
最後に、二次合格者は「一次を勝ち抜いた猛者の20%」というとすごい感じがしますが、「特殊な能力は必要なく」むしろ「大多数の一般的な人にチャンス有」ということになるかと思います。(私ももちろんそのうちです)
このあたりについては、二次試験が終わった後に、一度記事にしたいと思います。
◆今日の要旨◆
・聞かれたことに答えられないのは、問題文を読んだ瞬間に(与件から離れて多面的に)答えを考え始めるからでは。そうでなければ、問題の意図の読み違い。
・ポイントを整理して問題の意図を読み取れるかどうかで大半勝負あり。あとは整理した内容を分かりやすく文章に落とし込むことに注力する。
・これは、アイデアなど特殊な能力は不要。よって大多数の人に合格のチャンスあり。
最後までお読みいただきありがとうございました。ハーンでした。
kenさま
コメントありがとうございます。
また記事にご賛同いただきありがとうございます。
「診断士試験は中小企業診断士として求められる能力を有するかを判定する試験」とのコメント、強く賛同します!
そこからくる答えは、与件に対して忠実な答案ってことになるかと思います。
突き詰めれば人並答案に集約されると解釈してますが。(笑)
この求められる人の話も含めて二次試験が終わったら、記事にしたいと思っています。
よろしければ、また道場の記事にコメントくださいませ。
しもしもさま
コメント、ありがとうございます。
ホント、良かったですね!おめでとうございます。
養成課程を考えてみえたのですね。一次試験の自己採点が数点不足ならヤケ酒もごもっともだと思います。(笑)
さて、養成課程については、私も詳しくないので適切なアドバイスができるか自信がありません。
実務補習の先生が、養成課程出身者で「実務補習を掘り下げて時間をかけて何社もやる」といったことを言われてましたので、「実務補習」をイメージしてお話するということでご容赦ください。
異論は覚悟で言いますと、「必須ではない」と思います。ただ財務は診断のベースとなるため、財務を補強するために事例Ⅳをやるのはありだと思いますが、他に教材があれば、事例Ⅳにこだわる必要はないと思います。
事例Ⅰ~Ⅲは、時間のある時に1年分でも2年分でも過去問を解いてみるといいかも、って感じですかね。制約条件が多々あるものの、企業に対してのアドバイスをするわけなので。
あとは一次試験の企業経営理論や運営管理の「本当の基本的な事項」を整理しておいた方がまだいいような気がします。レポートを書くときに使えるかもしれません。
ごめんなさい、もし養成課程出身の方と何らかのコネクションが作れるなら、そちらのアドバイスを優先していただければと思います。
こんにちは、初めてコメントします。
二次試験の考察、まさに的を射ていると感じました。
う〜ん、診断士ってそういう人を求めているんですかね? とありましたが、診断士試験は「中小企業診断士として求められる能力を有するか」を判定する試験であって、顧客に対してオリジナリティを出すとか、特色ある診断を行うというのは診断士になった後に求められるものなのだと思っています。
とても参考になりました。ありがとうございます。
ハーンさんお久しぶりです。
以前、数点足らずでへこんでたものですが、財務の没問でギリ合格することが出来ました。
あの時は励ましていただきありがとうございましす。
来年から養成コースに行く予定ですが、やはり2次の学習はある程度必要なものなのでしょうか?
他資格の学習の為、2次は手付かずの状態です。
よろしければアドバイスの方よろしくお願いします。
たなちさま
レス、ありがとうございます。
私もこの時期はかなり試行錯誤していました。
振り返ってみると試行錯誤しながら、自分に合った方法を見つけるのが結局は近道のような気がします。
合格、祈ってます!
ありがとうございました。
参考にさせて頂きます。
ハーンさんのスタンスが私の理想です。
なかなか思うように進みませんが頑張ります。
たなちさま
コメントありがとうございます。こうしてコメントをいただくことが我々のモチベーションにつながっています。
さて、ご質問の件についてです。
事例毎の対応について、私が意識していたのは1点だけでした。
2次試験案内にもあるとおり、例えば事例Ⅰなら組織(人事含む)が中心。よって人事・組織的な見方をするというように、事例ごとに問われている内容を意識して回答するようにしていました。
与件を読むと、事例Ⅰでもマーケティング的な視点でアドバイスしたくなる(そうすることがその会社にプラスに思える)ことがあるのですが、あくまで試験なので、そこはグッと押さえて、組織・人事的な視点をベースに記述するようにしていました。事例Ⅱ・Ⅲについてもしかりです。
次に、設問ごとのつながりは、私はあまり意識してませんでした。仮に出題者がつながりを意識して作問しているならば、それに乗っかるように個々の問題に答えていくと、結果、自然につながるというんでしょうか。(笑)
このあたり、最終的に私はそういう感じでしたが、特にこの部分は合う合わないがあると思います。ゴールへの道は一つではありません。最もご自身に合った道を模索されるのが良いと思います。
最後に「言葉の組み合わせとしてでなく、生身の中小企業を浮き上がらせて理解し、聞かれたとおりに答えるとのコメント。」私も賛同です。
ただ、私の場合、生身の中小企業を浮き上がらせて理解しというのは、本来なら最重要事項ですが、試験では完全にバックグランドの話で、前面に出さないようにしました。出しすぎると与件から離れるリスクがあるためです。
生身の中小企業を浮き上がらせて理解=分かりやすい文章=読み手が自然に読める=単にキーワードのつなぎではないというのが私の解釈です。
私の思うところはこんな感じです。
たなちさまが2次試験を突破されることを、切に祈っています。なお、うまく纏める書き方、あまり自信がないですが、記事になりそうか考えてみます。
ハーンさん、こんにちわ。
一次以降のハーンさんのスケールの大きな記事にいつも勇気づけられています。読んだ後、顔をあげねばと感じてます。ありがとうございます。
初めての二次に向け、ユーキャンと市販の参考書を読みつつ過去問に取り組んでいます。
設問を読んで、予想を立ててから与件文を読む、というのをやっていましたが、どうも真っさらな気持ちで与件文に立ち向かえないと感じていたので、今日の記事はとても参考になりました。
40過ぎで今さら、思考回路の組み替えなどできないので、あるがままに与件文を読んで訊かれた事に答えようと思っています。
質問なのですが、事例毎に対応の仕方があるとききますが、ハーンさんは、意識されていましたか?
それと、設問間の繋がりはどのタイミングで考えていましたか?
私は、中小企業の抱える問題とは「このままでは資金ショートしますよ。」という事につきると思っています。そこに至る原因にスタッフ、売り方、作り方の問題があると思うので、事例Ⅰ〜Ⅲにはとても納得してます。
与件文から、言葉の組み合わせとしてではなく、生身の中小企業を浮き上がらせて理解し、訊かれた通りに答えるというパターンで、Ⅰ〜Ⅲに対応できないかと考えております。これが当たり前にできるようになれば、最終的には国語の問題として機械的に処理しても答えられるようになるとも思います。
一次は当日にピークを持っていくことが重要でしたが、二次は当日は自然体でもここまでできるという事が大事かと感じます。
その点でも今日の記事にたいそう共感してしまい、長いコメントをしてしました。
機会があれば、うまく纏める書き方についても記事をお願いします。