―雑草魂でいこう― 二次試験は社長への提案書

最近、受験生の答案を見させてもらう機会の多いルナです。

皆さん、色々試行錯誤しながら、迷いながら、解答されているなぁと感じます。

私もそうでした。(試験当日もそうだったと思います)

「あの要素とこの要素を盛り込んで、言葉をなんとか頑張って繋げて…、○文字以内に収めて…」としていると、とっても不思議な文になっていたりするのですよね。

 

しかも文章というのは不思議な事に、その時の精神状態を反映します。

迷いがあったり、自信が無かったりすると、そういうふわっとした文になってしまいます。

 

二次試験答案は社長への提案書

 

でも、基本に戻って考えて見ましょう。

何度も書いていますが、診断士試験は社長に助言をするコンサルタントを養成するための試験です。

経営に困っている、悩んでいる社長に相談されたコンサルタントがやっぱり悩んだり迷ったりしていたとしたら、それは良いコンサルタントでしょうか?

 

もうちょっとわかりやすく言い換えて見ましょうか。

あなたが営業さんだとしたら、お客様に商品を提案する時に「んー、うちの製品で言うとこっちもいいんですけど、でもあっちもいいと思うんですよねー。理由? んー、勘です!」みたいな提案はしないですよね?

逆に自分が客の立場だったら、絶対にこんな営業からモノを買う事は無いはずです。

「一緒に考える」姿勢は良いのです。社長と一緒に今おかれた状況を冷静に分析し、いくつかある選択肢の中から最良の手段を選びとるための思考を重ねる、そこまでは良い。

ただその先、最終的に社長に提案する段になって「ええーと…、○○の案が良いと思うんですけど、でも××の方が結果的に良い可能性もありますしねぇ…、両方なんとなくフォローできるこんな感じがいいかもしれませんねぇ…」なんていう助言をしても良いでしょうか?

社長に助言や提案をし、それを受け入れてもらうには社長から信頼していただかなければなりません。信頼してもらうためにはやはり、自信をもった解答が必要です。

 

自信のある文章

 

では、どうしたら解答文から「自信」を感じさせられるようになるでしょうか?

これはもう、「因果が明確であること」に尽きます。

「○○がこうだから××である」「○○により××が図れる」など、一つ一つの文に説得力をもたせるための構文を普段から意識して使ってください。

「与件文からひっぱってこないと…」を考え過ぎると、主語に対しての装飾が多くなりすぎ、大事な因果が入りきらないことがあります。

例えば28年の事例Ⅱ、第一問ではこれまでの製品戦略を問われていますが、こんな解答が多く見られます。

 

  • 「B社は創業以来一貫して国産丸大豆を原料として、自社の蔵で杉桶を使ってしょうゆとしょうゆ関連製品を作っている」

 

確かに与件文にはそのように書いてありますが、これはあくまで結果であって、戦略として大切なポイントはどこでしょうか?

  • 「国産丸大豆や杉桶を用い自社蔵で製造するなど、創業以来一貫して伝統製法を守っている事」
  • 「国産丸大豆や杉桶を用い自社蔵で製造することにより、付加価値を高めている事」
  • 「伝統製法を守ることで付加価値を高めている事」

などのように整理すれば、大事なポイントが明確になってきますよね。

そのエビデンスとして使うべき部分をだらだらっと長く書いてしまい、結果的に大切なポイントが入らない、またはわかりにくいのでは説得力のある信頼される文章にはなりません。

 

選択と集中

 

さらに最近の二次試験の傾向として、「選び取る判断」を迫られているなぁと感じることが多くなっています。

わかりやすかったのは27年事例Ⅱ、商店街への助言の中で、「スポーツ用品店」「食器店」「家具店」のなかからいずれかを選んで助言せよという設問がありました。

そして28年事例ではそれがさらに進んだように感じています。

例えば事例Ⅱでは、ターゲットを明確にし製品戦略を説明する問題がありました。

事例Ⅲでは、「注目すべきクレームを上げて対応策をとる」「どんな新規事業を提案しどう対応するか」を問われた問題もありました。

いずれも選択肢が複数あり、色々盛り込みたくなってしまう設問でしたが、ここで求められていたのは「選択と集中」だったのではないかと考えています。

例えば事例Ⅱの「ターゲット層」についても、与件文には「女性」「シニア」「外国人観光客」「食に敏感で健康志向な人」など色々な要素が盛り込まれていました。これらを全てカバーしようとすると、次の設2も含めてふわっとした提案しかできなくなります。

でも提案する相手はリソースの少ない中小企業です。そこはコンサルとして自信をもって、ターゲット層を絞り、なぜ自分がそこに絞り込んだかの理由を明示して、自信を持って解答を書くことが求められていたのではないかと感じています。(試験当日はそこまで到達できていなかったのですが…)

「外していたら怖いから色々書いた方が安全」という話も良く聞きます。確かに数年前の過去問を解くとそういう作りのものが多い気がしますが、最近の試験では複数の正解が用意されていて、例えどれを選んでもそこに対しての理由やその結果の妥当性が高ければそれで良いとされているように思います。

なぜそう思うか? んー、勘です!

ではもちろんなくて、理由は合格者の再現答案の中にありますから、ふぞろいや、ネット上に公開されているものをぜひ見てみてくださいね。(笑)

 

自信を感じさせる文章にするためのまとめ

  • 因果を明確にした文をにすることを意識する
  • 選択肢が多くあると感じた場は理由を明確にした上で絞り込む

 

そしてなにより、試験当日のあなたの精神状態はとっても大切です。

当日、精神的に自信をもって臨むための方法を次回はご紹介しますね。

今日の雑草魂:「コンサルタントとして自信をもって社長に提案ができているか再確認しよう!」

ルナはいつでも皆さんの頑張りを応援しています!

 

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