なおさんの2次試験 解答&解説:令和元年度事例Ⅱ

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口述セミナー@東京のお知らせ
12月7日(土)午後を予定
場所、時間の詳細は後日告知いたします。

※大阪、名古屋は口述セミナーの予定はございません。
あらかじめご了承ください。

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事例Ⅵ(@大阪)
11月16日(土)18:00~ 大阪駅周辺にて。
※お申し込み受付は修了しました。

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

本日は、「なおさんの2次試験 解答&解説:令和元年度事例Ⅱ」をお送りしたいと思います。

前回の事例Ⅰと同様にご注意いただきたいのは【あくまで現時点での私の見立て】です。

口述試験の受験資格者の発表時に公開される「出題の趣旨」がまだですので、はっきり言って「合ってるかどうかわかりません。」(^^;
あくまで「なおさんはこう考えた」ということで、皆様のご参考になれば幸いです。

それでは「なおさんの2次筆記試験 解答&解説:令和元年度事例Ⅱ」行ってみましょう。(^^)/


 

第1問(配点20点)

小型ショッピングモール開業を控えた2019 年10 月末時点のB 社の状況について、SWOT 分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ40 字以内で説明すること。

【設問要求の確認】

・B社の状況についてSWOT分析を求められています。
・制約条件は、「小型ショッピングモール開業を控えた2019 年10 月末時点」です。

【戦術レベルの視点】

・設問が「直球」すぎて、特に戦略はありません。
・SWOTの各要素を、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:モレなく、ダブりなく)で記載します。

【解答要素の確認】

※カッコ内の数字は段落番号です。
・地方都市X市内の商店街は県内では大規模であり、週末には他地域からも来街客がある。(①)
・X市は県内でも有数の住宅地であり、中でも商店街周辺は高級住宅地として知られる。(①)
・当該地域は新興住宅地であるものの、桜祭り、七夕祭り、秋祭り、クリスマス・マーケットなどの町内会、寺社、商店街主催のイベントが毎月あり、行事が盛んな土地柄である。(①)
・社長と社員Yさんは共に40代の女性で美術大学の同級生(②)
・(社長は)食品メーカーでパッケージ、販促物をデザインする仕事に従事し、季節感の表現に定評(②)
・Yさんは美大卒業後、X市内2店を含む10店舗を有する貸衣装チェーン店に勤務し、衣装やアクセサリーの組み合わせを提案するコーディネーターとして従事(②)
・(Yさんは)顧客の要望を聞きながら、参加イベントの雰囲気に合わせて衣装の提案を行う接客が高く評価(②)
・店舗は商店街の中心部からは離れた場所にあり、建築から年数がたっており、2人が施術すれば満員となるような狭い細長いスペース(③)
・商店街の他店ともスムーズに良好な関係を構築(③)
・ネイルサロン市場は2000年代に入り需要が伸び、規模が拡大した。近年、成長はやや鈍化したものの、一定の市場規模が存在する。(④)
・X市の駅から商店街の中心部に向かう途中にも大手チェーンによるネイルサロンが出店(⑤)
・大手チェーンのネイルサロン勤務経験者が退職後に自宅の一室で個人事業として開業しているサロンも、商店街周辺には多数存在(⑤)
・技術の高さを評価した周辺住民が来店するようになった。そして、初期の顧客が友人達にB社を紹介し、徐々に客数が増加(⑥)
・ジェルネイルは爪の成長に伴い施術から3週間~1カ月の間隔での来店が必要になる。つまり固定客を獲得できれば、定期的な来店が見込める(⑥)
・社長やYさんが前の勤務先で培った提案力(⑥)

【解答例】

S(Strong:強み)
顧客の要望に合わせたコーディネート提案力、季節感を表現するデザイン力、技術力。
W(Weak:弱点)
店舗は商店街の中心部から離れ、築年数が経ち、2人が施術すれば満員となる狭さ。
O(Opportunity:機会)
一定規模の市場があり、周辺に高級住宅地があり他地域からの来客もある商店街に立地。
T(Thread:脅威)
駅と商店街の間に大手チェーン店、周辺にも個人ネイルサロンが多数存在する競争環境。(各40文字)

【解説】

解答要素をSWOTに分類し、丁寧にまとめていけば問題ないと思います。40文字は結構短いですので、押し込むのに多少苦労しますが、確実に得点しておきたい問題だと思います。

第2問(配点30点)

B社社長は初回来店時に、予約受け付けや確認のために、インスタント・メッセンジャー(インターネットによるメッセージ交換サービス)のアカウント(ユーザーID)を顧客に尋ねている。インスタント・メッセンジャーでは個別にメッセージを配信できる。
このアカウントを用いて、デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるためには、個別にどのような情報発信を行うべきか。100 字以内で助言せよ。

【設問要求の確認】

・IM(インスタント・メッセンジャー)で発信すべき情報内容について問われています。
・制約条件は、「デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるため」ですので、ターゲットは「デザインを重視する既存顧客」、目的は「客単価を高めるため」になります。
・また、IMのアカウントは「初回来店時」に尋ねていますので、2回目以降の「予約受け付けや確認」時に情報発信することとなります。

【戦術レベルの視点】

・ターゲットは、「デザインを重視する既存顧客」ですので、くれぐれも「住宅地からの近さ重視の顧客」や「新規顧客」をターゲットにしないようにします。
・目的は、「客単価を高めるため」ですので、「表:B社の価格体系」を見ながら「単色→デザイン・オプション」、「単色→ストーン・オプション」、「単色→アート・オプション」への買いあがりを促す情報発信を検討します。
・クロージングは、「デザインを提案し、オプションの追加を促して客単価を高める。」で締めます。

【解答要素の確認】

・桜祭り、七夕祭り、秋祭り、クリスマス・マーケットなどの町内会、寺社、商店街主催のイベントが毎月あり、行事が盛んな土地柄である。(①)
・季節感の表現に定評(②)
・Yさんは七五三、卒業式、結婚式に列席する30~50 代の女性顧客に、顧客の要望を聞きながら、参加イベントの雰囲気に合わせて衣装の提案を行う接客が高く評価(②)
・言葉で伝えるのが難しいという顧客もおり、好きな絵柄やSNS上のネイル写真を持参する場合も多くなっている。(④)
・B社社長が、自分の子供の卒業式で着用した和服に合わせてデザインしたジェルネイルの写真を写真共有アプリ上にアップした。その画像がネット上で話題になり拡散され、技術の高さを評価した周辺住民が来店するようになった。(⑥)
・特に初来店の際に、顧客の要望に合ったデザイン、もしくは顧客の期待以上のデザインを提案し、そのデザインに対する評価が高ければ、固定化につながる例も多い。(⑥)
・顧客の大半は従業者と同世代である。そのうちデザイン重視の顧客と住宅地からの近さ重視の顧客は半数ずつとなっている。(⑥)

【解答例】

顧客に合わせて①季節感を表現したデザイン②桜祭り、七夕祭り、秋祭りなどの地域イベント③七五三、卒業式、結婚式などに合わせてデザインしたジェルネイルの写真を配信し、オプションの追加を促して客単価を高める。(100文字)

【解説】

与件文に十分な材料が用意されていますので、丁寧に拾いながら解答を構成していけば問題ないと思います。また、「あるとき、B社社長が、自分の子供の卒業式で着用した和服に合わせてデザインしたジェルネイルの写真を写真共有アプリ上にアップした。その画像がネット上で話題になり拡散され、技術の高さを評価した周辺住民が来店するようになった。」と成功事例も書かれていますので、これに準じた施策とすれば良さそうです。
FacebookのMessengerでもファイル添付ができますので、いくつか候補になりそうなジェルネイルのサンプル写真を送ってオプション購入での単価アップを図りたいですね。
第2問も確実にとっておきたい問題だと思います。

第3問(配点50点)

B社社長は2019年11月以降に顧客数が大幅に減少することを予想し、その分を補うために商店街の他業種との協業を模索している。
(設問1)
B社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか。理由と併せて100 字以内で助言せよ。

【設問要求の確認】

・協業相手とターゲット顧客について問われています。
・制約条件は「新規顧客のトライアル」施策であることと、「商店街の他業種との協業」です。
・「理由と併せて100 字以内で助言せよ」とありますので、協業相手やターゲット顧客を選定した理由を記述します。

【戦術レベルの視点】

・協業相手、ターゲット顧客、理由を問われていますので、「〇〇〇をターゲット顧客とし、△△△と協業する。理由は、①~、②~である。」の形式で解答します。
・年齢構成比のグラフを使用するのは、この問題だけですのでターゲットとする顧客層の記述にグラフから読み取れることを【必ず】盛り込みます
わざわざ書いてある「予約会」の説明を使わない選択肢は考えられません

【解答要素の確認】

・中心部には小型百貨店が立地し、その周辺には少数ではあるが有名ブランドの衣料品店、宝飾店などのファッション関連の路面店が出店している。(①)
・中心部以外には周辺住民が普段使いするような飲食店や生鮮品店、食料品店、雑貨店、美容室などが出店している。(①)
・X 市は県内でも有数の住宅地であり、中でも商店街周辺は高級住宅地として知られる。(①)
・社長と社員Y さんは共に40 代の女性(②)
・2人は同時期の出産を契機に退職し、しばらくは専業主婦として過ごしていた。やがて、子供が手から離れた頃(②)
・Yさんは美大卒業後、X市内2店を含む10店舗を有する貸衣装チェーン店に勤務し、衣装やアクセサリーの組み合わせを提案するコーディネーターとして従事した。(②)
・Yさんはその時期、前職の貸衣装チェーン店が予約会を開催し、人手が不足する時期に、パートタイマーの同社店舗スタッフとして働いていた。(②)
・Yさんは七五三、卒業式、結婚式に列席する30~50 代の女性顧客に、顧客の要望を聞きながら、参加イベントの雰囲気に合わせて衣装の提案を行う接客が高く評価されており、同社に惜しまれながらの退職であった。(②)
・Yさんが商店街の貸衣装チェーン店で勤務していた経緯もあり、商店街の他店ともスムーズに良好な関係を構築することができた。(③)
・B社社長が、自分の子供の卒業式で着用した和服に合わせてデザインしたジェルネイルの写真を写真共有アプリ上にアップした。その画像がネット上で話題になり拡散され、技術の高さを評価した周辺住民が来店するようになった。(⑥)
・顧客の大半は従業者と同世代である。そのうちデザイン重視の顧客と住宅地からの近さ重視の顧客は半数ずつとなっている。
・貸衣装業界で行われるイベント。百貨店、ホール、ホテル、大学、結婚式場などの大規模な会場で、顧客が会場でサンプルを確認、試着し、気に入ったものがあれば商品を予約することができる。支払いは後日行う。(注 )
・(グラフより)X市の年齢別人口構成比は全国と比較して、10代、40代が多くなっている。これは、「X市では商店街周辺を中核として15年前にファミリー向け宅地の開発が行われ、その頃に多数の家族が入居した」影響であろう。

【解答例】

40代女性を顧客層にY氏前職の貸衣装店と協業する。理由は①Y氏の接客は高く評価されており衣装+ネイルで顧客満足向上となること②予約会で顧客が選ぶ商品に合わせたジェルネイルを提案し施術予約をとれること。(100文字)

【解説】

これ見よがしに書かれている「年齢別人口構成比」と「予約会の注記」を使わないという選択肢はないでしょう。とすると、顧客層は「(近隣の住宅地に住み10代の子供を持つ)40代女性」でしょうし、協業先はYさんが以前に勤務していた「商店街の貸衣装チェーン店」になります。
10代の子供がいれば、七五三、卒業式、結婚式に列席するために貸衣装を借りるでしょうし、貸衣装チェーン店が開催する予約会にも訪れるでしょう。予約会では、「顧客の要望を聞きながら、参加イベントの雰囲気に合わせて衣装の提案を行う接客が高く評価されており、同社に惜しまれながらの退職」したYさんが活躍することは貸衣装チェーン店も十分に期待できますし、「貸衣装+ジェルネイル」で顧客満足度が上がれば主催した貸衣装チェーン店もハッピーです。
B社にとっても、予約会で顧客がサンプルを確認、試着し、気に入った商品を予約するのに合わせたジェルネイルを提案すれば、イベント直前での施術予約をとれますし、「晴れの日のイベントで貸衣装に合わせたジェルネイル」となれば、オプション追加での高単価受注も期待できます。
ジェルネイルは、「施術から3週間~1カ月の間隔での来店が必要」ということですので、イベントの数日前から分散して施術予約をとれば、「衣装の着付け」ほどタイトなスケジュールにはならなさそうです。

第3問(設問2)

協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。価格プロモーション以外の提案について、理由と併せて100字以内で助言せよ。

【設問要求の確認】

・初回来店時に店内での接客を通じて行う提案内容を問われています。
・制約条件は「協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるため」、「価格プロモーション以外の提案」です。
・「理由と併せて」とありますので、提案内容と共にその提案を行う理由を必ず記述します。

【戦術レベルの視点】

・提案内容と理由を問われていますので、「~を行う。理由は~である。」の形式で解答します。

【解答要素の確認】

・(Yさん)衣装やアクセサリーの組み合わせを提案するコーディネーターとして従事(②)
・ジェルネイルは爪の成長に伴い施術から3 週間~1カ月の間隔での来店が必要になる。(⑥)
・固定客を獲得できれば、定期的な来店が見込める。(⑥)
・特に初来店の際に、顧客の要望に合ったデザイン、もしくは顧客の期待以上のデザインを提案し、そのデザインに対する評価が高ければ、固定化につながる例も多い。(⑥)
・この際には社長やY さんが前の勤務先で培った提案力が生かされた。(⑥)

【解答例】

①施術前、予約内容確認時に追加オプションを提案する②施術後、季節に合わせたデザイン提案で次回予約を行う。理由は①顧客要望・期待を超えたデザイン提案の評価が固定化になること②一か月間隔で来店が必要なこと。(100文字)

【解説】

対象顧客は「協業を通じて獲得した顧客層」ですので、設問1で獲得したお客さんですね。つまり、「貸衣装チェーン店主催の予約会で衣装との組み合わせ提案を行い、予約を獲得した顧客が晴れの日のためにネイルの施術にきている(B社への初回訪問)」というシチュエーションです。
また、「初来店の際に、顧客の要望に合ったデザイン、もしくは顧客の期待以上のデザインを提案し、そのデザインに対する評価が高ければ、固定化につながる例も多い。(⑥)」という記述がありますので、ここ一番の勝負所でもあります。まぁ、社長もYさんも提案力はありそうなので心配はいらないのですが、では具体的にどのような提案を行うか(=解答を作成するか)、そちらが心配です。(^^;
提案のチャンスは2回あると考えました。まずは来店時(施術前)。予約会でレンタルした衣装に合わせたデザインを予約してもらっているはずですので、接客の基本として「予約内容の確認」は必須ですね。「お客様のご注文はこちらのデザインでしたよね。」といって、デザイン写真で確認します。で、この時に「デザインバリエーションでこんなのもありますよ。」とか「中指にストーンを追加するとアクセントになりますよ。」とか提案してお客様に気に入っていただければ、満足度も向上しますし客単価アップも見込めます。
次のチャンスは施術後です。「ジェルネイルは爪の成長に伴い施術から3 週間~1カ月の間隔での来店が必要になる」のですから、次の来店予約も取っちゃいましょう。(→再来店を促しリピート化)
例えば、お客様が卒業式用の衣装に合わせたネイルで訪問された(3月上旬)のであれば、次回は4月上旬、入学式のシーズンです。ジェルネイル施術中にお客様との会話を通じてプロファイルを聞き出しておけば、「次は入学式ですね。桜をイメージしたこちらのデザインはいかがですか。」と提案するのはどうでしょう。初夏であれば新緑のみずみずしさ、夏であれば透き通る空と海のブルーとアクティブさ、秋であれば少し落ち着いたブラウン系で、と社長の「季節感を表現するデザイン力」を存分に発揮してもらいましょう。

 

設問要求確認後の問題用紙と解答骨子のメモ

解答要素確認後の問題用紙

いかがでしたでしょうか。口述試験に向けて自分なりに読み込んでみると良いかもしれませんね。
以上、なおさんでした。(^^)/

 

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なおさんの2次試験 解答&解説:令和元年度事例Ⅱ”へ2件のコメント

  1. 滝沢 より:

    事例2は第2問で新規向けへのへちょい提案になってしまいました。。
    一番悔しさが残る事例です。

    1. なおさん より:

      滝沢さん、コメントありがとうございます。

      IM(という言い方も最近は少ないが)は、基本的にはOne to Oneなので、インスタやFacebook等の不特定多数への拡散とは異なります。なので、わざわざ設問文にも「個別にメッセージを配信できる」と説明されています。

      最近のアプリは多機能なので混同しちゃった人も多かったのではないでしょうかね。情報システムの(変遷)知識も必要だったかもしれません。

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