【中小】NANAさんが贈る中小のポイント
みなさん、こんにちは akiです。
TAC模試まで約2週間、おぼろげながら本試験を見据えて、7教科全体で調整をかけ始める頃ですよね。ここから先は論点をしっかり理解することよりも、1マークでも多く得点することにこだわってくださいね
もう少し直前期になったら、得点を稼ぐためのテクニックについて書こうと思っていますので、こちらもお楽しみに
さて今週は中小WEEK、中小企業支援のスペシャリストである NANAさん より、中小を学ぶにあたってのポイントについて寄稿いただいています
それではNANAさん、よろしくお願いします
=========寄稿はじまり=========
こんにちは、NANA です
「・・・誰?」と思われた方も少なくないかと思いますので、自己紹介します。
私は、NANAと言いまして、中小企業診断士を7年近くしています。実は、NANAの元気が出る日記 というブログをやっていて、そこでは中小企業経営・政策の記事を多く書いています
なぜ中小かと言いますと、NANAは中小が大好き!というのと、診断士になる前から中小の実務に10年近く携わっている者として、中小の魅力をお伝えして、少しでも中小の情報が多くの皆さんに伝わればという想いで記事を書いています
そして今回、ハカセさんのお計らいで一発合格道場さんのブログに寄稿させて頂くご縁を頂きました。受験生の方から大きな支持を受けている有名ブログですので、かなり緊張していますが、受験される皆さんに少しでもお役に立てる記事を書ければと思います
1. 趣旨
今日の記事の趣旨は、中小のポイントです
中小は受験専門校のカリキュラムでも最後の方で勉強するので、「勉強する頃にはスタミナが切れていてよく覚えられないよぉっ」て方も多いでしょう。そこで、中小に困っている皆さんに、直前期でも間に合う勉強の優先順位と覚えるポイントをお伝えできればなって思います。
2. 中小経営のポイント
まず、中小経営からお話ししますね。
今年の中小経営のほとんどは2010年版白書から出題されます。ですので、白書を勉強する訳ですが、白書学習のポイントは、グラフの上に書いてある概要(~で始まる文)を押さえるということです
これは、すでに道場さんの記事でも指摘されています。
要は、この概要が白書(国)がグラフから主張したいことだからです。なぜなら、国は白書の現状分析を根拠として施策を展開し、またはこれまでの施策は効果があったよっていうことを「自慢」したいわけです(笑)
ただ、本試験は概要だけで解ける問題ばかりではありません。また、白書巻末の付属統計資料は概要すらないので太刀打ちできません。
そこで、グラフを読み取るポイントをご紹介します
【グラフを読み取るポイント】
(1) 「イチバン」をチェック
(2) 特徴的な傾向をチェック
(3) 新たな傾向をチェック
(4) 自分の感覚との違和感をチェック
これも道場さんの記事とかぶりますね(汗)
(1) は、「最も」多い(少ない)、高い(低い)項目が何かを押さえます。
さらに、その項目の数値(四捨五入したおおよその数値)を押さえます。
最初は、ざくっと、半分を超えているかどうかを押さえるだけでもいいでしょう
(2) は、上昇傾向か、下降傾向かを押さえます。
ただ、問題は時点をどこから開始するかで読み方が変わる点です。
因みに、時点を変えることで難問になりやすいです
なので、どの時点から上昇(下降)傾向をたどるかを押さえます。これは上記(3)にもつながります。
(3) は、例えば製造業の出荷額が2005年以降、大企業が中小企業を上回るようになった、とか、開廃業率で廃業が開業を上回るけれど、サービス業は04~06年(現時点での最新データ)で開業が廃業を上回っている、という風に、これまでと傾向が変わった箇所を押さえます。
そして、最も大切なのは (4)
自分の感覚(常識)と異なる事実があるとき、ちゃんと押さえていないと本試験で正解を逃してしまいます
例えば、付加価値率は中小企業が大企業を一貫して上回っている、という事実。実は、昔、NANAが白書を勉強し始めたとき、意外感があった箇所です。これを見て、中小企業は凄いんだって思った方、いらっしゃるのではないでしょうか。
とにかく、事実が自分にとって違和感、意外感があったら、そこは必ずチェックして忘れないようにします 。そして、本当に違和感が拭えないなら、合格後に研究しましょう。
以上が、中小経営のポイントです。
決して、白書を隅から隅まで読み込んで暗記しようだなんて思わないでくださいね。また、暗記するにしても自分の屁理屈でイイから、理屈を付けて覚えると忘れにくくなります
3. 中小政策のポイント
これも、すでに道場さんの記事で語り尽くされている所ですが、NANAなりにポイント整理しますね。
政策は、聞き慣れない言葉のオンパレードで、覚えるのも嫌になってしまいますよね。なので、施策名は正確に一言一句覚える必要はないです。
例えば、「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」なんて、覚えにくいですよね。要は何をしているかざっくりわかればいいので、「ものづくり高度化法」と自分なりに短縮しちゃって構いません。本試験で、細かい字句をひっかけることはこれまでありません。
次に、覚えるポイントですが、やみくもに覚えようとせず、次の5つの視点を意識して下さいね。
【覚えるポイント 政策編】
(1) 目的(何をするための施策か)
(2) 支援対象者(その施策が助けようとしている人・組織)
(3) 仕組み(支援を受けるための方法・スキーム)
(4) 支援機関(その施策をやっている所・窓口)
(5) 根拠法
独学の方は、「中小企業施策利用ガイドブック」を中企庁のHPからダウンロードして、上記の5つの視点で覚えていって下さいね。
具体的にどこを覚えるかは、NANAのブログでまとめている(重要施策を中心に紹介しています)ので、よろしければ見て下さいね。(注:まだH23年度版が発行されていないので、 NANAの記事もH22年度ガイドブックでお話ししています)。
詳しくは ⇒ NANAの元気が出る日記 内の 「ガイドブックで学ぶ中小政策シリーズ」 (こちら)
重要施策の紹介は 上記記事 と今後の 道場さんの中小の記事 を見て頂くとして、今年(H23)に、「出題可能性が高い施策を10挙げて」と聞かれたら、NANAだったらこの10の施策を挙げます。
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<H23年 NANAの出題予想>
【AAA】(絶対に覚える施策)
(1) 中小企業の定義
(出ない年はありません。これで最低2点獲得デス)
(2) 組合制度
(企業組合は特に要チェックです。とうとう前年比増加傾向から減少傾向に・・)
(3) マル経融資制度
(交互に出題を繰り返す施策です。昨年出題されていないから、今年は・・)
【AA】(合格するためにはぜひ!)
(4) 小規模企業共済
(本人だけでなく、共同経営者も加入OKになりましたね。法改正論点ですよ)
(5) セーフティネット保証制度
(別枠額と市町村長の認定は要チェック。震災対応を覚えるより、オーソドックスな制度内容を押さえるのが先です)
(6) 下請代金支払遅延等防止法
(適用範囲と親事業者の義務は必須です)
【A】(貯金するためにはぜひ!)
(7) 新事業活動促進法の経営革新支援
(昨年初めて新事業活動促進法が未出題でした。そのうち息の長い施策である「経営革新」を知っておくと、実務に入っても役立ちます)
(8) 新創業融資制度
(ここ2年間出題されていませんが、創業支援といったらこの施策デス)
(9) JAPANブランド育成支援事業
(予算は前年比マイナスですが、施策名も今年変わったので、要注意です)
【B】(正解して自慢しちゃいましょう)
(10) J-net 21
(去年の投育のように懐かしの出題に期待? 出たらH14年第22問以来です)
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もちろん、ものづくり高度化、地域資源、農商工、地域商店街といった施策も大切ですし、勉強しなくていいということではないので、ご注意下さいね。
4. 最後に
今回、中小経営と中小政策について、これから勉強する方を対象に押さえるべきポイントをお話ししました。具体的に、何をどう覚えるかは、今後の道場さんの記事で紹介されるでしょう(あとNANAのブログでも折を見て紹介していきますね)。
おそらく、中小を初めて勉強された方は、受験専門校に通っていても正直よくわからないまま、あっという間に授業が終わって、どうしていいか迷っている方が多いと思います。そんな迷っている方々に一筋の光を灯すことが、この記事でできれば嬉しいです。
あと、「暗記ばかりで疲れているよ~」という方、この疲れは将来につながる疲れですよ。この中小という科目、いまここで苦労しておくと、合格後の実務で役立ちますよ。
例えば、どこかで経営相談をやったとしましょう。経営相談には前触れもなくいろんな業種の方がやってきます。それこそ一期一会の一発勝負です。
そんなとき、白書の知識があれば、ある程度、相手の企業の取り巻く外部環境について推定でき、多角的な視点で経営相談に乗ることができます。また、中小政策は、知っているだけでもありがたがられることがある、即効性のある知識です。皆さんが施策の存在を世間に広めて頂くことで、社会貢献にもつながるんですよ。
中小は、他の士業にはない科目であり、他の士業の中で診断士が差別化できる分野です。覚えることだらけで嫌になるかもしれませんが、そんな苦労をして合格された志を持った皆さんを現場では必要としています。
今からでも中小は十分間に合います。この時期まで診断士の勉強を続けられている皆さんは、十分に忍耐力がある方です。そんな自分に自信を持って、勉強を進めていって下さいね。心より応援しています
NANA
============寄稿おわり============
NANAさん、ありがとうございました
中小の魅力をNANAさんらしいほんわか素敵な雰囲気でお伝えいただき、「中小、頑張ってみようかな~」とモチベーションの上がった方も多いのではないでしょうか
以前のエントリーにも書きましたが、中小は7科目中最も費用対効果の高く、得点源になる科目です。
ラストスパートのこの時期にエンジンかけて、一気に得意科目にしちゃいましょう
本日はこの辺で。
それでは、また次回お会いしましょう
by.aki
ガネーシャさん、いつもコメントありがとうございます☆
中小は本当に暗記量が多くて、心折れてしまいますよね(^-^;
NANAさんに厳選いただいた10の施策についても、1つの論点を完璧に覚えたら次の論点と、段階を踏んでいかれると良いと思います。
全てを中途半端に覚えていても、得点には結びつきませんので…
「得点を稼ぐテクニック」も、ご期待に沿えるように頑張ります(*^-^*)
ガネーシャさん、こんにちは!
「闇夜の灯台」・・最高の褒め言葉、嬉しいです(^^)
中小はテキストの厚さはそれほどではないのに、覚えることは多くて、特に初めて勉強する方はどこから手をつけていいかわからずに立ち尽くしてしまう方が多いと思います。この記事が、中小学習の道標になれたらと思っていたので、ガネーシャさんの言葉はNANAにとって最高の褒め言葉です!
あと、法改正情報や優先順位などは、受験校に通われているのであれば、講師の先生や質問コーナーなどでどんどん聞いて下さいね。
ガネーシャさんのブログはいつも拝見していますので、ブログ越しに応援しています!合格はすぐそこにありますよ!
NANAさん、非常に有益な記事ありがとう
ございました!
受験校に通ってはいますが、暗記が膨大なため、
濃淡をつけた勉強の必要を感じておりました。
まさに、闇夜の灯台といった感じです!
特にH23年出題予想は、法改正論点もあり、
とても嬉しい企画でした!
また、機会があれば、ぜひ寄稿をお願いします!
そして、akiさんの「得点を稼ぐためのテクニック」も楽しみにしております。