2020/05/13 | 中小企業診断士試験 一発合格道場のブログ記事

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カワサンです。
いよいよ、1次試験まで2か月を切りましたね。
¥13,000の受験手数料を払う事、相応の決意を持ったことと思います。

体調に気を付けて、出来ること、やるべきことをこなしていきましょう!!
今日は「下請取引」に関して取り上げます。
一次試験の勉強をしていればおなじみの「下請代金支払遅延等防止」(試験問題では「下請代金法」「下請法」と略しますが、ここでは特に断りなければ「下請法」で表記します)。
1次試験2日目最後の科目「中小企業経営・中小企業政策」の頻出論点です。
また、下請法に関わらず、関連する「下請取引」についても、問われやすいポイントを取り上げていきます。

~下請法とは~

相対的に資本力の弱い会社が、取引先(販売先)から仕事を受ける際、不利益を被ることが無いようにルールを定めた法律で、独占禁止法の特別法(補完法)と位置付けられています。独占禁止法といえば、経営法務では必須の論点ですね。
ちなみに、管轄官庁は公正取引委員会と中小企業庁となっています(※管轄省庁を問う問題が2014年度に出題)。
なので、1次試験における下請法は、経営法務の一分野、中小政策の中心分野と言えるでしょう。実際、2019年度は経営法務から出題されました(後述)。
(参考)第1次試験案内「14.試験科目設置の目的と内容」より
※画像はクリックで拡大します。以下ほかの画像も同じです

■経営法務
■中小企業経営・中小企業政策

 

~試験に向けて押さえておきたいポイント~

過去の出題状況です。2007年以降、下請取引に関する出題は過去13年間で24問出題されている、超頻出論点です。「設問」は中小企業政策での問題番号、法務と書いてあるのは経営法務での出題です。
年度順に列挙、論点別に色分けしています。


年によって変動しますが、2~6点相当。これを小さいと見るか、大きいと見るかはあなた次第。
主に登場頻度が高いものは4つ。各論点について、以下の通り解説をいたします。
4つ覚えるのはムリだとしても、1.(1)と2.は高確率なので、覚えておきましょう。

1.対象取引となる資本金要件(過去7問出題)、業種(未出題)

(1)資本金要件【重要】
これは、公正取引委員会パンフが分かりやすいです(引用元)。

<製造委託・修理委託>


<情報成果物・役務提供委託>*直近13年の試験で未出題:参考程度


中小企業の定義と違うのが厄介ですね。出題側も、明らかにそこを狙っているような…
他の論点もそうですが、制度が該当する金額・期間要件を問う問題が非常に多いです。
で、資本金要件でゼッタイ覚えるのは「製造委託」です。
過去の試験でも、資本金要件は9割9分製造委託が問われています。

【中小企業経営・中小企業政策】平成28年度・第15問
下請代金支払遅延等防止法は、親事業者の不公正な取引を規制し、下請事業者の利益を保護することを図るものである。中小企業庁と公正取引委員会は、親事業者が同法のルールを遵守しているかどうか調査を行い、違反事業者に対しては、同法を遵守するよう指導している。 この法律が適用される取引として、最も適切なものはどれか。
ア 資本金2千万円の事業者が、資本金1千万円の事業者に物品の製造を委託する。
イ 資本金6千万円の事業者が、資本金2千万円の事業者に物品の製造を委託する。
ウ 資本金1億円の事業者が、資本金3千万円の事業者に物品の製造を委託する。
エ 資本金2億円の事業者が、資本金5千万円の事業者に物品の製造を委託する。

こういう風に当てはめてみましょう。


正解は「ア」ですね。

(2)業種
こちらは過去13年間で未出題ですが、問題文には「製造委託」等と文言は出ますので紹介だけしておきます。関係者の間では「4つの類型」なんて呼んだりします。

①製造委託:製造業
②修理委託:製造業の修理、修理事業(車のメンテナンス等)
③情報成果物作成委託:ソフトウェア、コンテンツ事業(番組制作等)
④役務提供委託:他者から依頼を受けた運送や点検業務(を、下請事業者に委託)

①~④の論点は細かいのですが、試験レベルだと以下の概念で問題ないと思います。
親事業者から下請事業者に委託する内容が、親会社の収益事業につながるもの。⇒下請法の対象取引

例:製造委託
資本金5億円のA社が柿の種を製造している会社とします。これに対して、以下のような取引先とは下請法の適用対象となります。
・B社…資本金2億円:A社に食材供給
・C社…資本金800万円:機械の部品を供給
これは、柿の種の生産(収益事業)に必要な材料や部品を他社(下請事業者)に委託しているからです。一方で、
・D社…資本金300万円:事務所のトイレ掃除
この場合は、資本金要件を満たしていても、下請法対象にはなりません
トイレ掃除は柿の種の製造(収益事業)と関係ない業務だからです。

2.親事業者「4つの義務」(過去8問出題)

ここでも覚えておきたいのは金額・期間要件です。
(1)発注書面の交付義務【重要】
委託後、直ちに、給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法等の事項を記載した書面を交付する義務。
なぜ「直ちに」なのかというと、下請事業者が物品を作り始めてから、親会社から「あ、ごめん!寸法変わったから変えたい」とか「代金少し減らして」と後だしで都合良く言われないためです。
親会社は、例えばこんなフォーマットで、書面を下請事業者に渡さねばなりません。


(ポイント解説下請法 pp.17より)

(2)発注書面の作成、保存義務【重要】
委託後、給付、給付の受領(役務の提供の実施)、下請代金の支払等について記載した書類等を作成し、2年間保存する義務。
これは、不当な取引が起きた時に「言った言わない」にならぬように担保する意味合いがあります。また下請法第9条では、親事業者や下請事業者に行政査察できるとの定めもあり、資料を残させて迅速な査察が出来るようにするといった狙いもあります。

(3)下請代金の支払期日を定める義務【重要】
下請代金の支払期日について、給付を受領した日(役務の提供を受けた日)から60日以内で、かつ出来る限り短い期間内に定める義務。
これは下請事業者の資金繰りを配慮をして設けられたルールです。手形での支払も認められていますが、支払いサイト(手形を現金化するまでの期間)が長いと、資金繰りに窮してしまいます。加えて、もし手形割引してしまえば、下請事業者には実質的な支払額の減額になってしまいます。
そこで、下請法第4条では「割引困難な手形の交付の禁止」を定めており、支払いサイトは120日以内(繊維業は90日)とするよう定めています(昭和41年の中小企業庁・公正取引委員会通達)。

(4)遅延利息の支払義務【重要】
支払期日までに支払わなかった場合は、給付を受領した日(役務の提供を受けた日)の60日後から、支払を行った日までの日数に、年率14.6%を乗じた金額を「遅延利息」として支払う義務。
これは「いかなる場合も」です。仮に下請事業者からの請求書が遅れようと「給付(=依頼内容)を受領した日」から60日を超えてしまうと、遅延になります。
また、遅延利息を払えば遅れても良い訳ではありません。60日以内に支払を行っていなければ、(3)下請代金の支払期日を定める義務の違反になります。
(年14.6%もの利息を付加しなければならないと考えれば、期限内に払おうと思うはずですが)

【中小企業経営・中小企業政策】平成30年度・第18問設問2
文中の下線部(親事業者には4つの義務)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 支払期日までに代金を支払わなかった場合でも、下請事業者の了解を得ていれば、遅延利息を支払う必要がない。
イ 請求書を受領した日から 120 日以内に代金を支払う必要がある。
ウ 取引が完了した後も、取引の内容を記録し、 2 年間保存する必要がある。
エ 発注の際は、親事業者と下請事業者が対面して、発注内容を確認しなければならない。

Tomatsu流に、正しい選択肢になるように書き換えてしまいましょう。

ア 支払期日までに代金を支払わなかった場合、下請事業者の了解を得ていても率14.6%の遅延利息を支払う必要がある
イ 請求書を受領した日から 60 日以内に代金を支払う必要がある。
ウ 取引が完了した後も、取引の内容を記録し、 2 年間保存する必要がある。
エ 発注の際は、直ちに発注書面を交付しなければならない。

正解は「ウ」です。

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3.「下請かけこみ寺」の機能(過去3問出題)

ここでも覚えておきたいのは金額要件そして「ADR」というワードです。
取引上のトラブルや価格交渉をサポートするための期間です。


※画像はイメージです。
ロゴマークは↓で、駆け込む感が出ています(パンフレットより)。


下請かけ込み寺>の機能(試験で覚えておきたい順)
裁判外紛争解決手続(ADR)あっせん
取引上の悩み相談料!
・価格交渉のサポート:無料!
全国48か所に窓口設置(全都道府県各1か所+全国中小企業振興機関協会)
参考:中小企業庁HP

【中小企業経営・中小企業政策】平成28年度・第18問
中小企業診断士の X 氏は、食品製造業を営む Y 氏から経営相談を受けた。以下は、X 氏と Y 氏との会話である。会話の中の下線部に関する例として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。
(略)
X氏:「お悩み察します。まずは、全国 48 カ所に設置されている下請かけこみ寺に相談してみてはいかがでしょうか?下請かけこみ寺では、中小企業・小規模 事業者の取引に関するさまざまな相談を受け付けています。」
(略)
ア 原材料が高騰しているにもかかわらず、単価引き上げに応じてくれない。
イ 仕事の受注の見返りに、取引先が取り扱う商品の購入を求められた。
ウ 下請取引のあっせんを行ってほしい。
エ 代金の値引き減額を要求された。

の主旨が「トラブルや価格交渉のサポート」なので、正解は「ウ」です。

4.下請中小企業振興法の振興基準(過去4問出題 ※2か年で4問)

中小企業庁HPより引用)
振興基準は、下請中小企業の振興を図るため、下請事業者及び親事業者のよるべき一般的な基準として下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づき、定められたものです。
内容は細かいのと、出題可能性からして覚えきるのは費用対効果が薄いと思います。なのでパンフレットに書かれていることを簡単に列挙しておくだけに留めます。
以下を頭に叩き込むというより、下請事業者に不利にならない配慮がこれだけなされている、という点を抑える程度でよいと思います。

1.親事業者と下請事業者は共存共栄
2.発注内容は明確に(「4つの義務」に関連)【※2013年度・第25問】
3.一方的な原価低減要請はしない
4.労務費の上昇を単価に反映
5.金型・木型の保管コストは親事業者が負担
6.現金払いに努め、手形の場合も割引料は親事業者にて負担【※2017年度・第16問】
7.業界で自主行動計画(ガイドライン)を策定する
8.親事業者と下請事業者で働き方改革に取り組む
9.親事業者は下請事業者の「事業承継」に協力
10.天災などの緊急事態では連携する

~オマケ:2019年度は「経営法務」から出題された~

令和元年(2019年)度の試験では「中小企業政策」ではなく「経営法務」から下請法が出題されました。それがこちら。

【経営法務】令和元年度・第7問
下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。なお、親事業者、下請事業者の範囲を定める取引当事者の資本金の要件は考慮しないものとする。
ア 自社の社内研修をコンサルティング会社に委託することは、下請法の対象となる役務提供委託に該当する。
イ 製造業者が、自社の工場で使用している工具の修理を自社で行っている場合 に、その修理の一部を修理業者に委託することは、下請法の対象となる修理委託に該当する。
ウ 大規模小売業者が、自社のプライベート・ブランド商品の製造を食品加工業者に委託することは、下請法の対象となる製造委託に該当する。
エ 放送事業者が、放送するテレビ番組の制作を番組制作業者に委託することは、 下請法の対象となる情報成果物の作成委託に該当する。

私は中小政策での得点源サービス問題と思って楽しみにしていたのに、経営法務で出題されて、しかも過去の中小企業政策の試験問題で問われなかった論点であり「法務でこんな問題出すんかーい!」と問題文を見て思いました。
正解は「ア」です。
途中で少し触れましたが、対象取引が「収益事業」に繋がるのかという点で判定できます。
ただ、経営法務の試験対策していてそこまで網羅できていた方は、相当少なかったのでは?と思います。
ちなみに「ア」は、「自社の社内研修」を「他社から受託した研修」とすると、収益事業なので役務提供委託に該当します。
ここ最近、下請取引に関する行政の要請・通達が増えています
消費税の転嫁、官製春闘に関連して賃上げできる水準への単価見直し、等…それに関連して、2019年度は対象取引の正誤に関する問が出たのでは?と私は見ています。
(参考:経済産業省HP

また、「世耕プラン」という取引慣行の改善に向けた方針も明確に打ち出されており、サプライチェーン全体での公正な取引環境実現に向けたアクションが進められています。
(参考:中小企業庁HP

従いまして、経営法務で出題される可能性は低いと思いますが、行政が下請取引について問題意識や関心をもって取り組んでいるという動向を踏まえれば、1次試験の中小企業政策で問われる論点には変わりない、と考えられます。

(参考資料&関連リンク)
中小企業庁HP:下請法
公正取引委員会HP:下請法
公正取引委員会:ポイント解説下請法
下請かけこみ寺
下請中小企業振興法
振興基準
twitter:下請法BOT (条文を淡々とツイートしています)

では、また!


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