2020/09/03 | 中小企業診断士試験 一発合格道場のブログ記事

日時:2020年9月5日(土) 9:00~18:00
(18時以降、懇親会を予定)

場所:オンライン (zoom)
内容:1日で令和元年度の事例Ⅰ~事例Ⅳまでを扱う予定です
‐ 道場メンバーによるワンポイント講義
‐ グループに分かれてディスカッション
人数:12名程度
受付開始8月25日(火) 12:00~  ※先着順となります※満員御礼!
受付方法こくちーず

※タイムスケジュール等の詳細は、こくちーずにてご案内いたします

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twitterもよろしくお願いします。

 

おはようございます。
いけちゃんです。
(合格体験記はこちら、前回までの記事はこちら

先日、令和2年度夏期(8月)の実務補習に参加してきました。
その中で一次試験、二次試験で学習した事項が次々にリンクしていく体験をしました。
本日はその辺のお話を絡めながら、実務補習の体験談を載せたいと思います。

本記事をお届けしたいのは、このような方々です。

①『この勉強、役に立つの?』という疑問をお持ちの方
② 合格後の『実務補習』の中身をざっくり知りたい方

実務補習とは?

二次試験に合格した後、中小企業診断士として中小企業庁に登録申請するためには、①3年以内に「実務補習」を15日分(5日間コース×3回 or 15日間コース)以上受講するか、②診断実務に15日以上従事(以下、「実務従事」)する必要があります。

実務補習の概要

実務補習は、中小企業を経営診断するトレーニングです。
その目的は、経営診断の知識を実際の企業にて応用・実践することで、経営診断のプロセス・スキル等を習得することにあるそうです。
経営診断に関する知識については、一次試験・二次試験で習得していることを前提に、実践に取り組ませるということですね。
(そのため、実務従事した者は実務補習を経ずに登録できるようにしている)

「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」(以下、「規則」)に基づき、登録実務補習機関が実施しています。
登録実務補習機関は、現時点で中小企業診断協会の他、実践クオリティシステムズだけです。
実際には、二次試験合格者向けに実務従事を斡旋している団体もあり、そちらを利用する方も多いです。
この辺の話はまた後日。

メンバー

実務補習は規則に基づき、6人以下の受講者で班を組み、1人以上の指導者(以下、「指導員」)がつくことが定められています。

指導員は「経営コンサルタント業を主たる事業として五年以上営む中小企業診断士(従業員として経営コンサルタントに従事する期間が五年以上の中小企業診断士を含む。)であつて、中小企業の経営方法又は技術に関する研修に係る実習の指導経験を有する者であること。」とされており、実際には独立診断士であることがほとんどのようです。
実際、私が教わった方は、大手製造業で部長職を務められた後退職され、現在は東京協会某支部に所属して忙しく活躍されているベテランの先生でした。
登録後に不稼働となっている診断士もかなり多いと聞きますが、彼方此方に飛び回っている方だけに、どれも的確で、豊かで深く経験に裏打ちされた含蓄のあるご指導をいただきました。
幸運にも、私の班には金融機関で長くお勤めになり実務従事の経験も多い副指導員にもついていただき、お二人から多角的な視点でご指導いただけました。

受講者は、住所が比較的近いメンバーで集められるようです。
経験回数や勤務先の業種も考慮されるようなので、多様なメンバーが集まります。
私の班は、初めて補習を受けるメンバーが私を入れて3名、経験者が3名という構成でした。
すでに経験がある方からは、進め方のポイントをシェアいただけたので、大変助かりました。

よく聞く話ではありますが、他の受講者に当初圧倒されました
金融機関の部長級、製造業・建設業・コンサル業の部課長級、中小企業の取締役といった錚々たる面々で、役職にもついてないペーペー社員なんて私だけだったのです(笑)
とはいえ、所属している業界や経験してきた仕事が全く異なるメンバーで、各自の知見を持ち寄って一つの提言を作り上げていくのは、大変エキサイティングな体験でした。

診断先の業種は、飲食業・サービス業・小売業・卸売業・製造業・NPO等、千差万別です。
私の場合は製造業が診断先でした。
ほとんどの場合は社長が相手をしてくれますが、稀に社長ではない他の方が出てこられたり、時には他の経営陣も初日/2日目の「社長ヒアリング」や最終日の「報告会」に同席することがあるようです。
基本的には、社長からヒアリングし、社長に提言報告します。

スケジュール

協会が実施する実務補習の場合は、開催時期が例年固定されており、合格直後ですと2月に5日間・15日間コース(3月にまたがる)が実施されます。
7~9月にも各月開催されますが、5日間コースだけです。
従って、合格同期の中で最速登録を目指す場合は、来年2月~3月にかけての15日間コースに参加する必要があります。
※実務従事の経験が認められる状況にある方は、もっと早く登録できますが、かなり例外的だと思います。

平日+土日で開催されるので、勤務先で休暇を取得する必要がありましたが、幸い仕事の都合をつけられたので参加できました。
補習日でない日も作業・討議する必要があるため、可能であればもっと長期で休暇を取得したかったです。
来年15日間コースに参加したい方は、2月~3月中旬まで1カ月半の間、時間を確保する必要があります。
今から覚悟と周囲への根回しを!

補習日の拘束時間は9時~17時が原則ですが、進捗が悪いと延長が発生してしまいます。
また、例年であれば、飲み会で毎回親睦を深める班が多いようです。

実録・私の実務補習

実務補習については、以下のような形で進行しました。

【実施前】事前連絡

協会からは事前に実務補習テキストが送付されてきます。

実施の一週間前を目途に、指導員からメールが来て、診断先の情報や決算書が展開されました。
診断先の業界やビジネスについて下調べするよう指示されます。
また、チームビルディングについても指示があり、班長と各担当の割り振りが提示されました(最終的に提示案どおりに決定)。
メールで自己紹介し合った後、コミュニケーション・ファイル共有のツールをどうするか決定します。

担当の割り振りについては、指導員によって様々な考え方があるようです。
私の班は、班長を補習経験者から選出し、所属業界や経験してきた仕事に基づいて主・副の担当が決められました。
パート分けは「経営戦略、財務会計、営業・マーケティング、生産・技術、人事・労務、IT・環境」で、私は金融機関勤務ということで財務会計を担当することになりました。

なお、実務補習において、財務担当はCRDビジネスサポート社の「McSS(中小企業経営診断システム)」を利用して財務分析することになります。
ちょうど出版されたばかりの『中小企業の財務分析(第5版)』を勝手に副読本にして、臨むことにしました。
(この一冊、おススメです。事例Ⅳ対策にはちょっと大げさなので、合格後にぜひ!)

【1日目】キックオフ・社長ヒアリング

例年、東京会場では、銀座の中小企業会館に集合して、オリエンテーションが開催するようです。
しかし、コロナ禍の中での開催ということで、今回は診断協会による集合説明会は開催されず、事前にYoutubeに限定公開された動画と資料で実務補習の内容を把握しておくという形になりました。

都内某所に集合し、指導員から診断先のざっくりとしたニーズについて説明を受けました。
以下のような指示を受けました。

①社長がやりたいと思ってくれる具体的な提案を全員で協力して案出すること
②担当パートで全力を尽くし、満遍なく診断・助言できるよう準備すること

また、工場で見るべきポイントについても指導を受けます。
その後、社長へのヒアリング事項についてメンバー間ですり合わせし、診断先へ向かいます。

診断先では工場を見学させていただいた後、社長ヒアリングを実施しました。
ここでどのくらい深くヒアリング出来たかが勝負となりますが、今思うと大分浅かったですね…。

【2日目】現状・課題・提言を討議

指導員が独自に借りてくださった公的施設の会議室にて、方向性を議論します。
まずは定番のSWOT分析、課題の洗い出しと提言内容のアウトラインを決めます。
(ここでの議論の甘さが、後半で混乱を招くことになりました…)
追加で社長に質問したい事項が出てきたので、指導員にヒアリングを依頼しました。
この日に大枠を固め、報告書に関するルールをまとめておかないと、地獄を見ます(迫真)

【2~3日目の間】自主学習期間

各自が担当パートについて報告書を作成します。
忙しい合間を縫って、指導員と副指導員が中間チェックをしてくれました(ここまでしてくださるケースは珍しいようです)。
その結果、整合性や伝え方について注意がされ、メンバーで緊急Zoom会議を開催しました。
この期間に密に連絡を取って、担当パートごとに齟齬が生じないようにすることが重要です。

【3日目・4日目】整合・最終調整

修正した報告書を持ち寄り、整合性を確認します。
一貫性を持った提言となるよう、指導員から熱を帯びた指導を受けました。
診断先の状況、社長の想いに寄り添う重要性についても、説かれました。
また、報告書のまとめ方についても、ごもっともな指摘を受けます。

4日目には、報告書を印刷・製本して報告会発表のリハーサルまでやる…つもりが、延長が発生。
前述のSWOT・提言のアウトラインの決め方の甘さが露呈した結果、方向性を大きく修正することとなりました。
総論から各論に落とすだけでなく、妥当な各論から総論を巻くという視点が足りていませんでした。
とはいえ、何とか報告書の製本まで終えました。
指導員がご自身のプリンターを持ち込んでくださったので(普通は印刷屋へ持ち込むそうです)、助かりました。

【5日目】社長報告会

午後の報告会に先駆けて、両国の国際ファッションセンターに集合します。
東京会場では相当数の班が動いていたハズですが、時間帯をずらして集合しているようでした。
久しぶりに複数の合格同期と再会できて、感慨もひとしお

事務局に報告書を提出した後、実務補習3回目の方向けの修了式が開催されるまでの間、会場で報告のリハーサルをします。

その後、腹ごなしをしたうえで診断先へ移動し、報告会(プレゼン)を実施しました。
想像以上に社長から質問をいただいた結果、2時間以上の長丁場となり、社長も最後は相当お疲れの様子でした。
いくつかの提言については、「やってみます」というお言葉もいただけたので、メンバー一同達成感を感じました。

コロナ禍で飲み会を自粛していたものの、この日ばかりは3密を避けつつ短時間一本勝負で反省会を実施。
「実務補習修了証書」を頂戴します(これで5ポイント)。
今までで一番打ち解けて、大変盛り上がりました。
指導員・副指導員とメンバーに恵まれたことを実感しました。

二次試験を振り返って

二次試験については、私は「紙上のコンサルティング」だと思っているのですが、こういうと「いやいや答えがあるペーパーテストだからコンサルティングとは違うよ」と反論されたことが複数回あります。
「採点」がなされる以上、出題者の想定解答が存在している二次試験と、の意味での正解が存在しない実際のコンサルティングは異なる、という意味では間違いではないでしょう。

でも、二次試験合格はゴールでなく、なんなら診断士登録もスタート地点に過ぎないということを考えるとき、上記の考え方は非常にもったいないし危険な考え方だと感じます。

整理された与件文をどう料理する?

実務補習が終わった後、診断先と同じ製造業である事例Ⅲの与件文と設問文を読むと、本当によく出来た構成だと感じました。

近年の与件文は、意図的に時系列を乱したり、次元が異なる話の中に重要な情報を突っ込んだりきたりして、混乱を誘っています
でも、社長ヒアリングの際に行われた、「文字になっていない」「あちこちに話が飛ぶ」、そうした拡散的な話に比べれば、はるかに整理された、そして必要十分な情報なのです。
ご丁寧に分析された図表までついています。
こんなに親切なことはない気がしてきました。

上手く情報整理できるスキルは、コンサルティングするうえで大変重要なのです。
二次試験は「国語の試験だ」という言われ方もしますが、「情報をきっちりと整理して因果関係を明らかに表現する」という面では的確だと思っています。

そして、この「一発合格道場」で何度も言及されてきた具体性の問題。
一般論で提言の穴を埋めようとする私たちに、指導員から厳しく指導が入ります。

具体的にイメージがわくよう、提言を一本でまとめることが必要。言葉をいくら並べたって仕方がない!この診断先に何をしてほしいの?

総花的では戸惑わせるだけ。何に取り組む必要があるかを緊急度・重要度に応じて示すんだ

「これを食べたい」と思ってもらえるように、スパイスを加えよう。社長にどう行動してほしいのか、よく考えよう

資源制約のある中小企業が、「これなら手が届くし、ノらないと損」と思えるような具体的で実現可能な提案をしろということですね。
これって、二次試験の助言問題でもアテはまる話ですよね?

試験を合格したからといって、自分の行動に深く反映出来ているかは別の話なのですね…(遠い目)

事例が4つある意味

実務補習における「経営戦略、財務会計、営業・マーケティング、生産・技術、人事・労務、IT・環境」という割り振りは、比較的オーソドックスな分け方であるようです。
これって筆記試験における事例ごとのテーマに対応していますよね。

事例Ⅰ=「人事・労務」
事例Ⅱ=「営業・マーケティング」
事例Ⅲ=「生産・技術」
事例Ⅳ=「財務会計」

「経営戦略」は事例Ⅰ~Ⅲに共通して出題されますし、「IT・環境」は各事例で出題された実績があります。
総合診断に必要な各論をがっちり固めなさい、ということなのですよね。

ちなみに、先日Tomatsuが触れていた「除却損」、診断先への提言で検討した論点の一つです(結局、提言には盛り込みませんでした)。
(参照:11代目Tomatsu「「除却損」を理解していますか?」)

一次試験対策で学習された内容、二次試験に向けて学習されている内容、決してムダにはなりません!
むしろ、合格後も学習を続けていく必要がある中で、(領域を選択・特化していくにせよ)大切な基盤になってくれると感じます。

白書を舐めるべからず

診断先の現状や課題について議論している際、指導員から何度も「中小企業白書」への言及がありました。
現実のコンサルティングでも、「白書」が示している課題解決の方向性は参照しているそうです。
診断士たる者、「白書」の問題意識や方向性は理解しておけ、ということでしょう。

その点、時々の「白書」の方向性を反映している二次試験は、「活きた教材」であり、貴重な「ケーススタディ」です。
登録後の活動でも役立ちそうなので、今後も毎年チェックしようと思っています。

(余談)養成課程との関係性

実務補習中、養成課程の話題が出ました。
私は時間とお金が許せば、養成課程に行きたかったクチなので、当時色々と調べており、盛り上がりました。

養成課程(中小企業大学校)・登録養成課程(民間の養成課程実施機関)における演習・実習の内容と、二次試験・実務補習/実務従事を対応させると、以下のような形になると思われます。
(参照:中小企業庁「中小企業診断士制度の見直しについて」)

【養成課程・経営診断Ⅰ】=二次試験中小企業診断士となるのに必要な学識を応用能力の修得
(経営戦略など中小企業の個別経営課題に対する診断・助言能力の修得を目指す)

ここにタイトルを入力

【養成課程・経営診断Ⅱ】=実務補習、実務従事経営診断Ⅰで習得した能力を活用し、診断士として必要な実務能力の修得
中小企業を全社的な視点に立った経営課題に対する診断・助言の実務能力の修得を目指す)

ここにタイトルを入力養成課程出身の方は、最大15日間の実務補習/実務従事よりも、時間ベースで計算されたカリキュラムだけによりみっちりと実習されているんですね。

(学校によっては、実習時間がもっと多かったりするようです)
元々実務でも中小企業に関与している方が多いので、大変有意義な議論が行われているようですね。

商工会出身で中小企業大学校に通われた方にインタビューをした記事を以前に執筆しているので、ご興味がある方は、ぜひご一読ください。

中小企業診断士ポータルサイト「シンポタ」
特集企画:【有川紘文さんインタビュー】 小規模事業者の想いに寄り添うために

【第1回 中小企業大学校での受講を決意】
【第2回 奮い立った社長の言葉】
【第3回 感性を大事にしたコラボレーション】

今日のまとめ

① 今学んでいるコトはきっと合格後も役立ちます!
② 二次試験は「活きた教材」、美味しく食べましょう

以上、いけちゃんでした!

それでは、体調第一でお過ごしください。今日も一日頑張りましょう!

 

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