【二次データ分析】合格体験記と過去問からみる傾向とR8二次試験対策

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はじめに
2次試験学習は「もっと解けば、もっと伸びる」と思っていませんか?
「過去問を何年分も解いたけど、答案が安定しない⋯」
「模範解答を読むと納得できるのに、初見では同じように書けない」
「このまま演習量を増やすだけでいいのか不安⋯」
こんなお悩みありませんか。
これは私自身も受験生時代に感じていた悩みです。
先日行ったリアル勉強会や、セミナーの参加者からも同様の声が多く聞かれました。
そこである疑問が湧きました。
2次試験に合格した人は、不合格だった年から何を変えたのか。
そしてその変化は、試験問題そのものと何か関係があるのか。
そんな疑問が湧いたので、今回は令和元年~令和7年度の合格体験記を徹底分析して、
合格者の学習法や変化について深堀りしてみました。
さらに、令和元年~令和7年度の事例Ⅰ~Ⅲ、計96問の「解答要求」を独自に分類。
「合格者が変えたこと」と「試験で求められていること」を重ねて分析してみました。
これからラストスパートをかける2次試験勉強法の参考にして頂ければと思います!
1次試験のデータ分析はこちらの記事を参照ください。
- 1. はじめに
- 1.1. 2次試験学習は「もっと解けば、もっと伸びる」と思っていませんか?
- 2. 忙しい人向けに本日のまとめ
- 2.1.1. 分析結果
- 2.1.2. 【結論】
- 3. 今回の分析は「3層構造」でお送りします
- 3.1.1. R1~R6 合格体験記 313名 「合格者全体はどんな人たち?」
- 3.1.2. 2次再挑戦後に合格 29名 「不合格後、何を変えた?」
- 3.1.3. R1~R7・事例Ⅰ~Ⅲ 96問の解答要求 「試験では何が求められている?」
- 3.1.4. 第1~3層を重ねて考えると⋯
- 4. 1.合格体験記313名から「合格者全体」をみてみる
- 5. 2-1. 2次再挑戦者29名を追うと、「何を変えたか」が見えてきた
- 6. 2-2.「解く→採点」で終わらない。合格者のBefore→After
- 7. 3-1.2次試験は、私たちに「何を考えさせている」のか?
- 8. 3-2.「最近、与件文抜粋だけでは解けない問題が増えた」は本当なのか?
- 8.1.1. 構想(将来展望)型とは
- 8.1.2. 与件+α型
- 9. 3-3.まずは構想型の設問が増加しているかを分析
- 10. 3-4.「与件だけでは答案が完成しない」問題がやはり増えている
- 10.1.1. 例①:令和7年度 事例Ⅰ 第4問の設問文
- 10.1.2. 例②:令和6年度 事例Ⅱ 第2問の設問文
- 10.1.3. 例③:事例Ⅲ R5 第5問(配点 20点)
- 11. 合格者の変化と試験の要求を重ねてみる
- 12. 今日から取り入れるべき5段階の改善サイクル
- 13. 事例Ⅳ対策はこちらの記事をご覧ください
忙しい人向けに本日のまとめ
分析結果
1.令和元年~令和7年度合格体験記313名分の記事で全体を確認。
2.29名のBefore→Afterでは、25名に「振り返り強化」の記述あり。
3.過去問題96問分の解答要求を分析すると、与件+知識+推論で答案を具体化する要求は前期40.5%→後期60.0%だった。
【結論】
2次試験で大切なのはただ「正解を探す」ことだけではなく、与件を読み、考え、知識をつなぎ、その企業に合った答えをつくること。
過去問題の解答要求を分析して共通してわかったことは「正解の文章を与件から見つける」のではなく、与件を材料にして答案を組み立てる必要のある問題が増加していることです。
そのため復習でも「何問解いたか」ではなく、
「この1問から、自分は何を改善すべきか」
「何を変えれば、より良い提案ができるのか」
そこまで考えることが、2次試験学習では重要視すべきではないかと考えます。
※本記事の分析・分類は筆者独自の基準によるもので、合格要因や出題傾向を断定するものではありません。一つの考察としてご覧ください。
今回の分析は「3層構造」でお送りします
R1~R6 合格体験記 313名
「合格者全体はどんな人たち?」
2次再挑戦後に合格 29名
「不合格後、何を変えた?」
R1~R7・事例Ⅰ~Ⅲ 96問の解答要求
「試験では何が求められている?」
第1~3層を重ねて考えると⋯
「合格者が変えたこと」と 「試験で求められること」に整合性はあるのか?
1.合格体験記313名から「合格者全体」をみてみる

R1~R6の313名を見ると、ストレート合格者は137名、約43.8%。
一方、年度別では34.1%~56.5%まで幅がありました。
「ストレートか多年度か」という合格までのルート自体にも、かなりばらつきがあります。
総学習時間の中央値も、年度によって895時間~1,175時間と幅がありました。
もちろん学習時間の記載がない体験記もあるため単純比較はできませんが、少なくとも「○時間勉強すれば合格」という一つのルートには収まりません。
そこで今回は、時間ではなく「不合格後に何を変えたか」に注目しました。
同様のデータ分析で16代目ひでまるさんが短期合格の推移を検証してます。
こちらの記事も面白いので、是非ご覧ください!
2-1. 2次再挑戦者29名を追うと、「何を変えたか」が見えてきた
合格体験記を投稿頂いた313名のうち、「2次試験を複数回受験し、体験記本文から不合格時→合格時の変化を確認できた29名」について、深堀りしてみました。

一番多かったのは「自己分析・振り返りの強化」でした。29名中25名、86.2%。
一方、「学習量を変えた」という記述は9名、31.0%でした。
この29名に限れば、単純に「もっと勉強した」よりも、「どこがダメだったのかを捉え、学び方を変えた」という動きの方が目立っています。
2-2.「解く→採点」で終わらない。合格者のBefore→After
ここで注目したい4名の記事をご紹介します。
それぞれ、学習のやり方はことなりますが「弱点→対策」の構造は似ています。
【合格体験記より 2次再挑戦で合格した方々】 ※青字をクリックすると記事に飛べます。
① たけいちさん:解く→ふぞろい採点で徹底復習・再演習・ミス管理
② ともきんぐさん:情報収集・ノウハウ収集で読む・考える・書くを分解して訓練+FB+本番シミュレーション
③ たいしんさん:大量の過去問反復から思考プロセスの再構築+「なぜ外したか」の原因追究
④ しんさん:採点中心のみから体系理解・因果関係分析・客観的フィードバック
振り返り、ミスノートの作成方法については、以下の記事を参考にしてください。
ここで、もう一つ疑問が浮かびました。
なぜ2次試験では、「振り返って、やり方を変える」ことが重要なのでしょうか?
そのヒントを探すため、今度は「受験生側」ではなく「試験問題側」を分析してみました。
3-1.2次試験は、私たちに「何を考えさせている」のか?
実際にR1~R7の事例Ⅰ~Ⅲを、設問・小問単位で96問に分類し、解答要求を分析してみました。
分析条件は以下とします。
【問題の分類方法】
1.与件抽出・診断型
2.因果・解釈型
3.知識適用型
4.具体助言型
5.構想・将来展望型
※本記事では、与件の抜き出しだけでは答案が完成せず、知識や推論を使って具体化する設問を、便宜上「与件+α型」と呼びます。(分析上のコード:与件外具体化)
さらに、近年増加傾向にあるといわれる設問の抽象度を検証するために、以下の4項目で抽象度を評価してみました。
【抽象度評価基準】
① 与件に答えが直接あるか
② 1次知識の補完が必要か
③ 情報統合・推論が必要か
④ 与件にない施策・将来像の具体化が必要か
※上記は筆者独自の分類による探索的分析です。公式の難易度評価ではありません。
3-2.「最近、与件文抜粋だけでは解けない問題が増えた」は本当なのか?
近年、2次試験の設問で、与件文に記載のないいわゆる「構想(将来展望)型」や「与件+α型」の割合が増えているという見方があります。
構想(将来展望)型とは
与件に最終的な答えが直接書かれておらず、将来の事業・戦略・組織・理念・施策の方向性そのものを受験生が設計・提案する設問。
【構想型_例1】令和7年度 事例Ⅰ 第4問
創業以来の企業理念をどう再定義し、関係者へどう浸透させるかを助言。材料は与件にあるものの、新しい理念や浸透策の完成形は書かれておらず、受験生が将来像を構想する。
【構想型_例2】令和6年度 事例Ⅱ 第3問
食器愛好家のニーズを満たしつつ、B社と窯元の事業機会を拡大する新規事業を提案。顧客ニーズ・経営資源を組み合わせ、存在していない事業そのものを構想する。
与件+α型
与件に示された事実・課題・強み等を材料にしつつ、答案を完成させるために、1次知識・因果推論・一般化・具体化などの追加処理が必要な設問。(分析上のコード:与件外具体化)
【与件+α型_例1】令和6年度 事例Ⅲ 第2問
生産面の問題点を踏まえ、どのように改善するかを助言。問題の材料は与件から拾えるが、改善策は生産管理等の知識を使って具体化する必要がある。
【与件+α型_例2】令和5年度 事例Ⅲ 第3問
生産上の問題・課題を踏まえて改善策を助言。与件の問題点をそのまま抜き出すだけでは答案にならず、1次知識を使って「問題→改善策」に変換する。
R7事例Ⅰ第4問は本当に難しかった!!2次試験1発目の事例でこのインパクト⋯当時は「終わった」と本気で思うほどわかりませんでした。
3-3.まずは構想型の設問が増加しているかを分析

設問を分析した結果、「近年ほど構想型が増えている」という仮説は、今回のデータでは支持されませんでした。
※分析結果は、独自の観点から分類した結果のため、受験生の方々の体感と異なる場合があります。ご了承ください。
3-4.「与件だけでは答案が完成しない」問題がやはり増えている

※R1~R7・事例Ⅰ~Ⅲの96解答要求を筆者独自の基準で分類。 R4は前期・後期比較では中間年度として除外。本分析は試験難易度そのものを測定するものではありません。
「与件外」といっても、自由なアイデアを書くという意味ではありません。
やはりそうだった!この割合が増えたことで、今までの学習法だけでは得点が伸び悩む要因になるのかも⋯
根拠は与件にある。でも答えそのものは書いていない。
与件を読み、設問の要求を捉え、1次知識や推論を挟んで、その企業に合った具体策に変える必要がある問題が増えています。
例①:令和7年度 事例Ⅰ 第4問の設問文
A 社は、木製知育玩具の新規事業を拡大させるに当たり、自社の創業以来の企業理念をどのようなものへと再定義したり、
それを関係者に浸透させたりすればよいのか。150 字以内で助言せよ。
現在の理念は与件にありますが、新しい理念そのものは書かれていません。TACもこの第4問について、方向性の特定に難しさがあり、本事例で最も解答内容を想定しにくい設問と評価しています。またTAC解説では、現在の理念を踏まえながら、今後の事業拡大に必要な具体的な理念の内容を考える必要があるとしています
例②:令和6年度 事例Ⅱ 第2問の設問文
X 市からふるさと納税の返礼品の企画開発の要請を受けた B 社の 3 代目は、
全国の返礼品の中で埋もれないよう、ブランド価値構造のうち消費者にもたらす「感覚価値」と「観念価値」を意識して、
市と B 社のファンを増やすような返礼品を企画することにした。
中小企業診断士として、どのような企画提案をするか、100 字以内で答えよ。
「強み」「顧客ニーズ」などは与件にありますが、その組み合わせから具体的な新規事業を作る必要があります。
あとは突然の一次知識「感覚価値」と「観念価値」をどううまく解答に盛り込めるかもポイントです。
ここははっきりと思い出せなくても、キーワードを使って解答の方向性さえ間違わなければ、
大きな失点にはつながらないのではと思われます。(あくまで予想ですが)
例③:事例Ⅲ R5 第5問(配点 20点)
C 社社長は、新規事業として一般消費者向けのアウトドア製品などの自社企画製品開発・直接販売を検討
している。この新規事業を展開するために必要な、製品企画、新技術開発、生産管理のそれぞれの在り方について、
中小企業診断士として 140 字以内で助言せよ。
社長が考える新規事業構想について、妥当性+理由+留意点まで考えさせる問題です。某予備校の解説でも、社長構想を確認したうえで全体戦略の観点から答える問題と整理されています。
3事例でテーマは違います。しかし共通しているのは、「正解の文章を与件から見つける」のではなく、与件を材料にして答案を組み立てる必要があることです。
合格者の変化と試験の要求を重ねてみる
試験問題の変化が、この29名の学習変更を直接引き起こした、という因果は証明できませんが、両方を重ねてみると興味深い整合が見えてきました。
与件から答えを抜き出すだけではない問題では、「模範解答と違った」で終わる復習では足りません。
どこで題意を外した?
どの知識が出なかった?
どの与件をつなげられなかった?
なぜ具体策まで届かなかった?
という「思考のズレ」まで分析する必要があります。
今までの分析結果を図表化すると以下になります。

今日から取り入れるべき5段階の改善サイクル
クロス分析と合格体験記の分析結果を踏まえて、「答えを作る勉強方法」をまとめてみました。
過去記事でもご紹介していますが、以下の勉強方法は私自身も取り組んでいたルーティンと酷似しています。「構想型」「与件+α型」問題を解く力をつけるために是非パクってカスタマイズして下さい。
- ① 振り返る
- 答案と模範解答の差を見て記述ミス、記述漏れの箇所を確認する
- ② 弱点特定
- 記述出来なかった原因を探る。知識不足、設問解釈の間違い、与件確認漏れ、具体化不足等に分解する
- ③ 方法変更
- 原因に合わせて訓練を変更します。一次知識のトレーニング、設問解釈のみで過去問を解いてみる、与件意図をレイヤーごとに分解する、等。
- ④ 反復する
- ①~③を過去問を解くたびに改善、実行していく。
- ⑤ 再現する
- 最終的に。80分で実行できるレベルに落とし込んでいく。
詳細な方法については、以下の記事もご参照ください。
事例Ⅳ対策はこちらの記事をご覧ください
今回は事例Ⅳは省きましたが、令和7年度の事例Ⅳを振り返ったこうたの記事はとてもわかり易いので参照してみてください!
今までの記事一覧をまとめています。是非参考にしてください!
次回はめーちゃん!
東京開催のリアル勉強会、ご参加お待ちしております!
今までの記事一覧をまとめています。是非参考にしてください!
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