白書の事例を模擬試験にしてみよう!~ byべし

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おはようございます。ケアマネ試験まであと2か月弱となり、いい加減自分の勉強に集中しなければいけないべしです。先日は2次試験スタートダッシュセミナーにご参加いただきました皆様、ありがとうございました。何か1つでも参考になることがあれば幸いです。

試験は違えど、同じ受験生として一緒にがんばりましょう。応援しています。

さて、前回2次試験模試について執筆しましたが、今回は中小企業白書の事例を模擬試験にすることを提案します。

対象者は
①多年度生で過去問をやり尽くしてしまった人
②二次試験対策に壁を感じている人
③今年の1次試験は中小のみ受験、白書をがっちり学んで2次ストレート合格!した人がいました。それを聞いて、まねをしてみたいと思った人
④お金のかかる模試は受けないけど、お金がかからない模試なら受けたい人

です。

中小企業白書の事例とは?

中小企業白書の「事例企業」とは、経済産業省(中小企業庁)が毎年発行している『中小企業白書』『小規模企業白書』の中で、テーマに応じた先進的・特徴的な取り組みを行っている企業として紹介される具体的な企業のことです。

白書全体の「論より証拠」や「現場の生の声」としての役割を担っており、経営者や支援機関などの読者が自社の経営に応用・再現するための実践ケーススタディとなっています。

なぜ白書の事例を模試にするのか?

理由は、白書の事例企業の構造が、2次試験の出題形式や実際の経営診断プロセスと「全く同じ骨格」をしているからです。

具体的には、以下のような4つの明確な理由があります。

1. 2次試験(事例Ⅰ〜Ⅳ)の「問題構造」と一致している

2次試験の与件文は、実在の企業をベースに作成されています。白書の事例記事も全く同じフレームワークで書かれているため、そのまま解くことで「与件文の読み込み訓練」になります。

  • 環境分析:外部環境の変化(市場縮小、競合、人手不足など)と内部環境(強み・弱み)
  • 課題設定:企業が直面した真の問題(DX遅れ、事業承継、新規開拓など)
  • 施策(打ち手):課題を解決するために講じた具体策
  • 効果(成果):売上増加、生産性向上、従業員満足度の変化など

白書の事例を「課題と施策を隠して読む」ことで、「自分ならこの強みと外部環境から、どんな施策を提案するか?」という2次試験そのものの思考トレーニングが可能になります。

2. 「出題者の頭の中(=経済産業省の施策方針)」が丸わかりになる

2次試験の作問者や採点基準の背景には、経済産業省が目指す「中小企業の支援方針」が存在します。

  • 経済産業省が「今、中小企業にどう変わってほしいのか(DX、事業再構築、GX、兼業・副業活用など)」の模範解答が白書の事例です。
  • 白書の事例を読むことで、試験で求められる「国(経済産業省)が推奨するストーリー・キーワード」を自然と身につけることができます。

3. 「現実的な制約」を踏まえた泥臭い施策が学べる

1次試験の知識のみだと、「ITシステムを導入する」「人事制度を刷新する」といった抽象的な解答になりがちです。

しかし、実際の白書事例には「予算がない中でどう工夫したか」「社員の反対をどう押し切った(巻き込んだ)か」といった、中小企業特有のリソース制約を乗り越えた泥臭いプロセスが載っています。これが2次試験の「助言問題(〜に対してどのようなアドバイスをするか)」の具体的かつ現実的なアイデアの引き出しになります。

4. 2次試験の「与件文作成者」視点を追体験できる

試験問題を作る側(作問委員)も、白書に載るような実在の先進事例や調査データをヒントにして与件文を作成することが多々あるそうです。

事例企業をケーススタディとして読み解くことで、「こういう強みを持つ企業は、こういう外部環境の変化に対して、こうやって多角化していくんだな」という企業変革のパターンが頭に叩き込まれます。

結果、白書の方向性をしっかり学べる1つの方法となります。本試験で記載する内容に困ったら、白書の方向性で書いていけば大事故は防げるはずです。なぜならば、中小企業白書をベースに試験問題は作られているのでしょうから。政府が国会に提出した白書の内容には逆らえないはずです。

しっかり白書を読み込むのは時間がかかるので、白書の事例を模擬試験化することで、試験演習・白書の内容の勉強を同時に行いましょう!

なぜ白書の方向性なのか?

中小企業診断士2次試験において「中小企業白書」の方向性が極めて重要とされるのは、採点基準(出題者の意図)が白書の理念や分析に基づいていると考えられるからです。

1. 採点基準(国家の施策方向)との合致

2次試験は事例問題(A〜D社)という架空の企業を扱いますが、その解決策として求めているのは「現在の日本の中小企業施策が目指している方向性」です。中小企業白書は、国(中小企業庁)が「今後の中小企業支援における重要課題と解決の方針」を整理した公式文書です。したがって、白書で示されているテーマ(例:DX推進、事業承継、人的資本経営、伴走型支援など)は、そのまま2次試験の出題テーマや模範解答のベースになると考えてもいいでしょう。

2. 事例企業の「目指すべき姿」のフレームワークになる

2次試験の解答では、単なる現場の課題解決だけでなく、「強みを活かしてどのような将来像を目指すべきか」という中長期の経営戦略が問われます。

  • 事例Ⅰ(組織・人事): 従業員のエンゲージメント向上、知識管理、人材獲得・育成
  • 事例Ⅱ(マーケティング): 既存客の維持(LTV向上)、地域資源の活用、D2Cやオンライン活用
  • 事例Ⅲ(生産・技術): 工程の標準化・デジタル化、納期短縮、高付加価値化へのシフト

これらはすべて、白書が繰り返し提言している「中小企業の成長ストーリー」そのものです。白書の方向性を把握しておくことで、事例企業の「強み」「弱み」を見たときに、自ずと「では、どういう方向へ誘導すべきか」という答案の骨組みが見えてきます。

3. 解答の「キーワード」と「ロジック」の共通言語化

2次試験には絶対的な模範解答が公表されませんが、高得点者に共通するのは「診断士としてふさわしい適切な用語と論理展開」で書かれている点です。 白書で使われている文脈やキーワード(「付加価値の向上」「強みの再構築」「外部資源の活用」など)を答案に取り入れることで、採点者に対して「診断士としての視点・素養を備えている」とアピールしていきましょう。

早速おためしで1問やってみよう

2026年版「中小企業白書」全文 | 中小企業庁 から白書をダウンロードしましょう。
②今回はⅠ‐82 事例1ー3-1 事業承継を成就させ、地域住民の生活や産業を支え続ける小規模事業者 株式会社ロイヤル農機(以下、A社) をとりあげます。
③PDFの95ページ(Ⅰ‐82 事例1ー3-1)を印刷もしくはタブレットで開き、模擬試験の与件文とします。
④以下の問題(設問)に答えてください。

以下与件文

出展:2026年版「中小企業白書」全文 より抜粋

問題(いずれも字数制限なし)
第1問 法人化する前における、A社の現状をSWOT分析をせよ。
第2問 法人化するにあたり、A社の課題及び行った対応策を述べよ。
第3問 第2問で解答した対応策の効果を述べよ。
第4問 A社の今後に向けての展望を述べよ。

模範解答を考えてみた

【強み】

  • 地域住民の生活を支えてきた高い信頼とブランド力。
  • 小型農機具から除雪機まで、販売だけでなく修理・アフターケアを一貫して担える技術力。
  • 農業が盛んで豪雪地帯という地域特性において、生活・産業に不可欠なインフラとしての地位を確立。

【弱み】

  • 個人事業主であるため、大手仕入先との取引継続や社会的信用力の確保に限界。
  • 代表者が高齢でありながら親族内に後継者がおらず、事業継続性が脆弱。

【機会】

  • 同業者の相次ぐ廃業により、地域内での需要がA社に集中しやすい環境。
  • ニセコ地域等で外国人居住者が増加しており、新たな顧客層を開拓できる可能性。

【脅威】

  • 後継者不在のまま廃業した場合、地域の生活や基幹産業である農業・除雪体制が維持できなくなるリスク。

【課題】

  1. 社会的信用の獲得と取引維持: 大手仕入先との安定した取引を継続するための組織体制の構築。
  2. 経営資源の円滑な引継ぎ: 第三者承継者への経営ノウハウ、技術、顧客基盤の確実な伝承。
  3. 承継環境の整備: 複雑な個人資産と事業資産の分離・整理、および法的な契約関係の適正化。

【対応策】

  1. 組織の法人化: 真狩村商工会の助言を受け、2024年に株式会社を設立し、代表取締役を前社長、役員に承継者を据える新体制を構築。
  2. 段階的な実務継承: 承継者が約1年間、営業や配達などの全社的業務に従事し、前社長から直接、顧客対応や経営ノウハウの伝授を受ける。
  3. 外部専門機関の活用: 事業承継・引継ぎ支援センターと商工会が連携し、資産整理や承継条件の整備、契約内容の精査を実施。
  4. 設備改善への投資: 自治体と商工会が制定した事業承継向け補助金を活用し、社屋の改修等、新たなスタートに向けたハード面を整備。

  1. 事業継続性の確保: 法人化により大手仕入先との取引が支障なく継続され、地域に不可欠な農機具・除雪機の供給・修理体制が維持された。
  2. 新顧客層の開拓と売上増: 外国人承継者の特性を活かしたSNSや口コミを通じた発信により、外国人顧客が1%から30%以上に増加し、売上高が前年比1.5倍に成長した。
  3. グローバルな仕入体制の構築: 承継者の語学力を活かし、国内だけでなく海外からの直接仕入を推進するなど、仕入面での競争力も向上した。

  1. 提供価値の深化: 地域ニーズに寄り添ったアフターケアを徹底するとともに、商品のラインアップを拡充し、地域住民の利便性を向上させる。
  2. 先端技術による省力化推進: 海外製のドローンや自律走行型ロボット農機を積極的に取り扱い、人手不足に悩む地域農業の効率化・快適化に貢献する。
  3. 地域インフラとしての持続的発展: 承継された伝統的な信頼と、新たな経営感覚による変革を融合させ、真狩村およびニセコ地域の生活と産業を支え続ける小規模事業者のモデルとなる

1. 第三者承継を契機とした「経営変革(第二創業)」

白書では、経営者の交代が中小企業の経営変革を実現し、「稼ぐ力」の向上につなげる契機になると強調されています。

  • 試験での問われ方: 後継者が新たな事業ドメイン(領域)をどのように定義し、既存の経営資源をどう活用して新市場を開拓したか。

2. 社会的信用力の確保と「組織体制の整備(法人化)」

個人事業主のままでは社会的信用力や取引継続に限界があるという「弱み」を、法人化という「対応策」で克服し、事業継続性を確保する。

  • 試験での問われ方: 承継や事業拡大の障壁となる「社会的信用」や「組織的脆弱性」を、法人化や組織改編によってどう解決したか。事例Ⅰの論点としてありでしょう。

3. 新たなターゲット層の開拓「SNS・口コミを活用したマーケティング」

ロイヤル農機では、オーストラリア出身の承継者が、それまで1%程度だった外国人顧客を30%以上にまで拡大させ、売上を1.5倍に伸ばしました。白書でも、付加価値額を増加させるための取組として、新たな製品・サービスの開発や国際展開(外需獲得)が挙げられています。

  • 試験での問われ方: 承継者の「強み」(語学力やSNS発信力など)を活かして、成熟市場の中でいかに「新市場・新顧客」を見出したかというプロセスが、マーケティング(事例II)の論点として有力です。

4. 先端技術(AI・ロボット・ドローン)による「高付加価値化と省力化」

ロイヤル農機の今後の展望として挙げられた「海外製ドローンや自律走行型ロボット」の活用は、白書が掲げる最大のテーマの一つである「DX」や「労働生産性の向上」と直結します。深刻な人手不足(労働供給制約社会)を乗り越えるために、いかに技術を導入して「労働投入量を最適化」しつつ「付加価値」を高めるかは、現代の中小企業が直面する最重要課題です。

  • 試験での問われ方: 生産現場やサービス現場において、人手不足を補うためのIT・AI導入や、それによる「業務の効率化」と「提供価値の向上」の両立策が問われる可能性が高いです。

「事業承継をピンチではなく、新市場開拓やIT導入による『成長のチャンス』に変える」という白書全体を貫くメッセージ を体現しており、2次試験の設問構造(課題→対応策→効果)として非常に組み立てやすい内容です。

私が、本試験のように作問するとしたら、ずばり・・・。
①なぜ、A社は法人化したのか。また狙いは何か。100字以内で述べよ。
②今後、A社が第2創業期として進むべき方向性を、成長戦略と競争戦略の観点から100字以内で助言せよ。

などが考えられますね!(過去にも同様の問題は出題されてたかも・・・。)

まだまだ事例はたくさんある

あと24事例あります。まだまだ今年の2次試験の論点はこの中に隠れているでしょう・・・。
全25事例の共通点を探し出すと、予測の精度も上がるのではと思いつつ・・・。

(反響が大きければ、シリーズ化も検討します。)

最後に

白書を暗記する必要はありませんが、「国が今、中小企業にどう変わってほしいと考えているか」というバックボーン(白書の方向性)を理解しておくことが、事例企業の課題を正しく診断し、出題者の意図に沿った「合格答案」を書くための強力な軸となります。

過去問をやりつくしたといえる方もちろん初学者の方にも)にお勧めな本記事は、白書の方向性をしっかり学べる1つの方法です。本試験で記載する内容に困ったら、白書の方向性で書いていけば大事故は防げるはずです。

白書の事例にも積極的に取り組んでいただけたら幸いです。

お次は、『じぇい』の登場です!  おたのしみに!!!

出題予想は外したくないべし
出題予想は外したくないべし

私の翌日告知は外しまくりのため、想像するのはモウゲンカイデス。

諦めずちゃんと告知せいやっ!

告知してほしいじぇい
告知してほしいじぇい

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