令和8年度情報システム何が出る?合否分ける「定番」のおさらいと、4点積む「トレンド」の予想です byすーじー

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
一発合格道場ブログを
あなたのPC・スマホの
「お気に入り」「ブックマーク」に
ご登録ください!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
- 1. そもそもなぜ診断士試験に「情報システム」科目があるのか
- 2. 「情報システム」という科目を制するには
- 2.1. コラム:出題される年の予想は、話題と出題の「タイムラグ」に注目
- 3. 【第1章:定番編】
- 3.1. ■押さえどころの用語説明、用語チェック
- 3.2. コラム:セキュリティはこう出る!? ── 「押さえどころ」を過去問から分析
- 4. 【第2章:トレンド 今年も出るかも】
- 4.1. ■押さえどころの用語説明、用語チェック
- 5. 【第3章:トレンド 初登場するかも】
- 5.1. ■押さえどころの用語説明、用語チェック
- 5.2. コラム:中小企業の生成AI活用状況
- 6. 学習の優先順位 ―やっぱり定番を押さえたい!
- 7. 参考にしたソース
令和8年中小企業診断士一次試験まで1か月を切りましたね。
これまでがんばってきたみなさんに「情報システム」科目で少しでも多くの問題を解けるようになっていただきたく、この記事を準備しました。
過去問や、IPA・経済産業省の一次資料などを参照してじっくり分析しています。
スキマ時間の復習にも使えるよう、各項目に用語チェックを付けています。
▶筆者すーじーの属性
- 大学は文系。事業会社の情報システム部、SIer(システム開発屋さん)、IT系製品の商社というキャリア。
- DX・デジタル化・データ活用といった分野の情報に日々触れ、事業会社に情報・商材・支援を提供している。
- DX以外の分野は専門ではないが日々隣り合わせで情報は入ってくる。
苦手とする方が多い科目かもしれません。
40点の足切りが危険な方、60点をどうにか超えたい方に特に力になりたくて書いたで!
そもそもなぜ診断士試験に「情報システム」科目があるのか
正直、暗記量もカタカナも略語も多くて手強い科目ですよね。
一方で、この科目には診断士にとってのはっきりした意味があります。
協会の試験案内(科目設置の目的)には、診断士に求められるのは情報システムを経営資源として活かす助言をすること、そして必要に応じて情報システムの専門家に「橋渡し」をすることだと書かれています。
ここが大事なところです。診断士は、ITの専門家になる必要はありません。
求められているのは、経営者の「こうしたい」を技術の言葉に、ベンダーの提案を経営の言葉に、両方向で通訳できること。
だから試験も、深い実装力ではなく「用語と考え方の基礎」が問われます。
合格後、この情報システムの基礎知識はこんな場面で活かせます。
- システム・クラウド導入の相談:
- 専門用語に詳しくない経営者と、IT用語まじりで提案してくるベンダーの間に立ち、翻訳しながら整理できます。
- サイバー被害への備え:
- いま実際に狙われているのは中小企業です。警察庁によると、令和6年のランサムウェア被害222件のうち140件が中小企業で、復旧に1,000万円以上を要したケースが約半数にのぼります。
- セキュリティで使われる手法の用語や基礎を知っていれば、経営者との会話から「問題かも?」に気づいてITの専門家に相談を促せます。
- 生成AI活用の相談:
- 「うちもAIを使いたい」に対して、RAGで正確性を上げる、シャドーAI(無断利用)で情報を漏らさない、といった対策方法を示せます。
つまりこの科目は、合格のためだけの暗記ではなく、合格後に中小企業の隣でまさに使うかもしれない知識です。
この“橋渡し”の位置づけは、経営法務で弁護士さんへ橋渡しするのと同じ発想やね!
「情報システム」という科目を制するには
情報システムで合格点に届くために、テキストに載っている範囲以外の知識をむやみに広げる必要はありません。
- ① 合否を分けるのは「定番論点」
- まずここを固めれば、この科目は戦えます。
- ② トレンド論点は、出ても1〜2問
- 知らなくても、定番が取れていれば合格点に届きます。
- それでも当てにいくなら、出題は世間の流行の「だいたい1〜2年遅れ」で動く“傾向”があります。
そこでこの記事は、【第1章】定番 →【第2章】昨年出た=今年も出るかもトレンド →【第3章】今年初登場しそうなトレンドの3本立てにしました。
コラム:出題される年の予想は、話題と出題の「タイムラグ」に注目
試験問題は作成 → 確定 → 印刷の工程を踏むため、本番直前の最新ニュースはそのまま出せません。
世間でトレンドになった時期と、出題された時期にはズレ(タイムラグ)があります。
実際の過去問で分析してみました。
| 論点 | 世間・一次資料での登場 | 出題(原典で確認) | ラグ |
|---|---|---|---|
| デジタルガバナンス・コード3.0 | 2024年9月公開(R7第21問の問題文に明記) | R7(2025.8)第21問 | 約11ヶ月 |
| パスキー/FIDO認証 | 2022〜2023に普及 | R6(2024.8)第17問 | 約1〜1.5年 |
| ハルシネーション | 2023に顕在化 | R6(2024.8)第24問 | 約1.5年 |
| AIへの攻撃(プロンプト・インジェクション等) | 2023(OWASPのLLM向けTop10=2023年8月) | R7(2025.8)第20問 | 約2年 |
| システム監査基準 改訂 | 2023年4月26日(R7第15問の問題文に明記) | R7(2025.8)第15問 | 約2年4ヶ月 |
※OWASP(Open Worldwide Application Security Project)=Webアプリのセキュリティに関する国際的な団体。
あくまで「傾向」であって法則ではありません。試験委員の関心にも左右される年もあると考えられます。
しかし、上記表に挙げた一部示唆を基に考えると、世間の話題と出題のタイムラグはおよそ「1〜2年」に収まりやすいです。
確定した政府ガイドラインは速めの可能性があります(デジタルガバナンス・コード3.0は11ヶ月で出題)。
この11ヶ月の実例から、前年の秋ごろまでの一次資料は出題予想内、2026年に入ってからの発表は令和8年度には間に合わず、令和9年度以降の伏線とみるのが自然です。
世界と日本の差、そして業界や企業規模の差もあるから一概には言えへんけどね。
とはいえ、いろんな情報をもとに一定の自信もって仮説を立ててるで!
【第1章:定番編】
情報システムで足切り(40点未満)を避け、合格点を取るために一番重要なのは定番論点です。
情報システムは、各年で平均点も科目合格率も上振れしにくい科目のため、確実に取れる定番を落とさないことがそのまま合否に影響します。
なお経営情報システムは全25問・各4点(合計100点)で、1問の重みが一定です。
そのため、定番で出る論点の取りこぼしを1問減らせば、そのまま4点を積み上げることができます。
■押さえどころの用語説明、用語チェック
① 正規化(R6第7問・R7第11問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:1つの表に何でもかんでも詰め込むと、同じことを何度も書くハメになり、直し忘れや食い違いが起きます。正規化は、表を用途ごとに分けて「同じことは1か所だけ」にする整理術です。
先に「主キー」だけ押さえます。主キーとは、その1行を1つに特定できる“見出し番号”のこと。たとえば「受注番号」を見れば、どの受注の行かが1つに決まります。1つの列で決まらないときは、列の組み合わせが主キーになります(例:受注番号+商品コード)。
たとえば、こんな“ごちゃ混ぜ表”があるとします。1件の受注で商品を2つ買っていて、1マスに詰め込んでいます。
| 受注番号 | 顧客番号 | 顧客名 | 明細(商品コード:商品名:単価) |
|---|---|---|---|
| 1 | C01 | 田中 | A:りんご:100 / B:みかん:80 |
問題は2つ。①1マスに商品が2つ入っている。②同じ「田中」を何度も書くことになり、名前を直すとき直し忘れが起きる。これを3段階で整理します。
ステップ1(第1正規形)=「1マスに1つだけ」。1マスに2つ以上入れず、行を分けて1マス1つにします(商品2つ→2行に)。
ステップ2(第2正規形)=「主キーの“一部”で決まるものを追い出す」。主キーが「受注番号+商品コード」の組み合わせのとき、商品コードだけで決まる「商品名・単価」を、別の表(商品マスタ)へ引っ越しさせます。
ステップ3(第3正規形)=「主キー以外の列で決まるものを追い出す」。主キー(受注番号)ではなく顧客番号で決まる「顧客名」を、別の表(顧客マスタ)へ引っ越しさせます。
| ステップ | やること(ふつうの言葉で) | この例では |
|---|---|---|
| 第1正規形 | 1マスに値は1つ。繰り返しは行に分ける | 商品2つを2行に分ける |
| 第2正規形 | 主キーの“一部”で決まる列を別表へ | 商品コードで決まる商品名・単価 → 商品マスタ |
| 第3正規形 | 主キー“以外”の列で決まる列を別表へ | 顧客番号で決まる顧客名 → 顧客マスタ |
※試験では、第2正規形=「部分関数従属の除去」、第3正規形=「推移的関数従属の除去」という言葉で問われます。意味は上の表と同じです(一部で決まる=部分、キー以外で決まる=推移的)。
覚えること:第1=1マスに1つ。第2=主キーの“一部”で決まるものを別表へ。第3=主キー“以外”で決まるものを別表へ。合言葉は「一部で決まる→第2、キー以外で決まる→第3」。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. ある表は、主キーが「受注番号+商品コード」。この表に、商品コードだけで決まる「商品名」が入ったままになっている。この表が満たしているのは、第1/第2/第3正規形のどれまでか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. 第1正規形まで。主キーの“一部”(商品コード)だけで決まる「商品名」が残っているため、第2正規形の条件を満たしていません。この「商品名」を別表(商品マスタ)に移すと、第2正規形になります。
② SQL(Structured Query Language/集計)(R6第8問・R7第12問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:データベースから必要なデータを取り出す命令文。特に「グループごとの集計」がよく出ます。
「商品ごとの販売個数の合計」を出すSQLの例です。
SELECT 商品ID, SUM(販売個数) AS 合計 FROM 取引記録 GROUP BY 商品ID ORDER BY 商品ID;
ポイントは GROUP BY。商品IDが同じ行をまとめ、SUM() で合計します。2つの表をくっつける「結合(JOIN)」と組み合わせる形も頻出です。
覚えること:GROUP BY=グループ化、SUM/COUNT=集計、ORDER BY=並べ替え。INNER JOIN=両方にある行だけ、LEFT OUTER JOIN=左の表は全部残す。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「商品登録をしていない人も、結果の表に残したい」。使うのは INNER JOIN と LEFT OUTER JOIN のどちらか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. LEFT OUTER JOIN。左の表の行は、相手がいなくても残ります(INNER JOINだと消えます)。
③ EVM(Earned Value Management/出来高・コスト管理)(R6第21問・R7第23問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:プロジェクトの「進み具合」と「お金の使い具合」を数値で管理する手法です。英語の略語が並びますが、意味とセットで覚えれば大丈夫です。
まず基本の3つ。
- PV(Planned Value=計画上の出来高):予定では今どこまで進んでいるはずか
- EV(Earned Value=出来高):実際にどこまで進んだか
- AC(Actual Cost=実コスト):実際にいくら使ったか
ここから2つを計算します。
- CPI(Cost Performance Index=コスト効率指数)= EV ÷ AC。1より小さいと予算オーバー気味。
- EAC(Estimate At Completion=完成時総コスト予測)= BAC ÷ CPI。ここで BAC(Budget At Completion=完成時総予算)は、最初に見込んだ総額のこと。
覚えること:CPI=EV÷AC、EAC=BAC÷CPI。この2式で過去問のEVM計算は解けます(EACは「いまのコスト効率がこの先も続く」前提の式)。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 完成時総予算(BAC)=1,000万円、コスト効率指数(CPI)=0.8のとき、完成時総コスト予測(EAC)はいくらか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. 1,250万円。EAC=BAC÷CPI=1,000÷0.8=1,250万円。効率が0.8(<1)なので予算オーバーします。
④ 稼働率・信頼性設計(R6第20問・R7第9・10・24問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:システムが止まらず動き続ける確率(稼働率)と、止まりにくくする設計の考え方です。
- 直列(両方動かないとダメ):稼働率を掛け算。例)0.9×0.9=0.81
- 並列(どちらか動けばOK):1-(1-a)×(1-b)。例)1-(0.1×0.1)=0.99
設計用語も頻出です。フェイルオーバ=故障時に待機系へ切り替える、フォールトトレランス=故障しても動き続ける、フェイルセーフ=故障時に安全側で止まる。
この科目は、用語(前半)と説明(後半)をワザと入れ替える選択肢を好みます。完璧に覚えていなくても「この説明はこの用語のはず」と崩せば、正解の確率を上げられます。
覚えること:直列=掛け算、並列=1-(1-a)(1-b)。用語は「フェイル◯◯/フォールト◯◯」を意味とセットで区別。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 稼働率0.9の装置を2台「並列」につないだとき、全体の稼働率はいくらか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. 0.99。1-(1-0.9)×(1-0.9)=1-0.01=0.99。並列にすると稼働率は上がります。
⑤ セキュリティの基本用語(R6第19問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:弱点や対応体制を表す略語の意味です。1つずつ覚えましょう。
- CVE(Common Vulnerabilities and Exposures):見つかった弱点(脆弱性)に付ける背番号。
- CVSS(Common Vulnerability Scoring System):その弱点がどれくらい危険かを点数で表す。
- CSIRT(Computer Security Incident Response Team):事故が起きたときに対応するチーム。
覚えること:CVE=弱点の背番号、CVSS=危険度の点数、CSIRT=対応チーム。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「弱点の深刻度を点数で表す」のは、CVE と CVSS のどちらか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. CVSS。CVEは弱点の識別番号(背番号)、CVSSがその危険度のスコアです。
⑥ 機械学習の評価指標(R6第23問・R7第25問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:AIモデルの「当たり具合」を測るものさしです。2年連続で出て定番化しました。用途で2グループあります。
分類(陽性か陰性かを当てる)で使う指標:
- 適合率:「陽性と予測したもの」のうち、本当に陽性だった割合(=言ったことの正確さ)
- 再現率:「本当に陽性のもの」のうち、陽性と当てられた割合(=取りこぼさなさ)
回帰(数値を当てる)で使う指標:
- MSE(平均二乗誤差)/RMSE(MSEの平方根)/MAE(平均絶対誤差)
覚えること:適合率=「言ったうちの正解率」、再現率=「拾えた率」。分母が「予測した中」か「正解の中」かで区別。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「本当に陽性のもののうち、何割を陽性と当てられたか」を表すのは、適合率と再現率のどちらか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. 再現率。“拾い切れた割合”が再現率。“予測した中の正解割合”が適合率です。
⑦ 開発手法(R6第14問・R7第13問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:システムを作る進め方。短く作って改善を繰り返すアジャイル、その代表がスクラムです。
スクラムの役割:プロダクトオーナー=何を作るか優先順位を決める人、スクラムマスター=チームの障害を取り除く人、開発者=実際に作る人。ほかにDevOps(開発と運用の一体化)、ローコード開発も出ました。
覚えること:スクラムの3役割。DevOps=開発と運用の一体化。ローコード=少ないコードで開発。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. スクラムで「チームの障害を取り除く」役割は、プロダクトオーナーとスクラムマスターのどちらか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. スクラムマスター。「何を作るか優先順位を決める」のはプロダクトオーナーです。
⑧ ハード・インタフェース(R6第1問・R7第1問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:身近な機器や接続規格の仕組み。毎年“第1問の定位置”です。
R7はUSB Type-C(上下どちらでも挿せる/1本で電力も映像も)、R6はタッチパネル(指の電気を捉える静電容量方式と、赤外線をさえぎる赤外線方式)でした。
覚えること:USB Type-C=上下どちらでも挿せる・1本で電力も映像も。タッチパネルは「静電容量=指の電気」「赤外線=光をさえぎる」。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「USB Type-Cのコネクタは、上下どちらの向きでも挿し込める」。○か×か。
答え開く ▼閉じる ▲
A. ○(正しい)。上下の区別なく挿せるのがType-Cの特徴です(ほかに「1本のケーブルで電力供給も映像出力もできる」など)。
⑨ データウェアハウス系(R7第16問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:分析のためにデータをためる仕組み。後の【第3章】データマネジメントの入口でもあります。
- データウェアハウス(DWH):整えたデータをためる倉庫。
- データマート:倉庫から用途別に切り出した小部屋。
- データレイク:未加工のまま、何でもためる湖。
- ETL(Extract・Transform・Load):取り出し→整え→ためる、取り込み処理。
覚えること:データウェアハウス=整えた倉庫、データマート=用途別の小部屋、データレイク=未加工の湖、ETL=取り込み処理。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「未加工のデータを、そのままの形でためておく場所」は、データウェアハウス・データマート・データレイクのどれか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. データレイク。整えてからためるのがデータウェアハウス、用途別に切り出すのがデータマートです。
やっぱり定番が主役やで。
確実に取るために、まず正規化・SQL・EVMは死守。
用語チェックで超基礎を押さえつつ、テキストや問題集、過去問で確認しよう!
コラム:セキュリティはこう出る!? ── 「押さえどころ」を過去問から分析
セキュリティは、経営情報システムでほぼ毎年出ます。やみくもに広げず、出方のクセを知って的を絞りましょう。
過去問を並べると、出方は大きく2種類です。
- ① 公的なガイドライン・規格
- 総務省・IPA・経済産業省などが出す資料が、そのまま問題になります。全文を覚える必要はなく、「名前」と「ひとことで何の資料か」を押さえれば戦えます。
- ② 旬のセキュリティ用語
- 世の中で広まってから1〜2年遅れで初登場します(ゼロトラスト、パスキー、EPP/EDR、AIへの攻撃 など)。これは第2章・第3章の用語チェックでカバーしてください!
実際に出た、主なセキュリティ設問です。
| 年度 | 出たテーマ | どこから |
|---|---|---|
| 令和元 | 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン | IPA(ガイドライン) |
| 令和2 | システム管理基準(ITガバナンス) | 経済産業省(基準) |
| 令和3 | テレワークセキュリティガイドライン/情報セキュリティ5か条/ゼロトラスト | 総務省・IPA・旬の用語 |
| 令和5 | JIS Q 27000(ISMS)/IDS・IPS | 規格・用語 |
| 令和6 | パスキー(FIDO) | 旬の用語 |
| 令和7 | ランサムウェア(EPP/EDR)/AIへの攻撃/システム監査基準/デジタルガバナンス・コード3.0 | 旬の用語・経済産業省 |
公的ガイドラインは「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」(IPA)が最優先
- くり返し引用される常連で、合格後の中小企業支援にも直結します。
- 名前・目的・付録の「情報セキュリティ5か条」を押さえましょう。
- リモートワーク/VPNは要チェック
- 令和3年に総務省「テレワークセキュリティガイドライン」から出題され、VPNの脆弱性はランサムの主要な侵入口として令和7年にも登場しました。
- 同じ論点が形を変えて問われても不思議はありません(総務省・テレワークにおけるセキュリティ確保)。
- ランサム/EPP・EDR、サプライチェーン/SBOM、生成AIへの攻撃などを、用語チェックで固めれば十分です。
セキュリティ含めた押さえどころの用語は、第1章・第2章・第3章で確認・チェックやで!
【第2章:トレンド 今年も出るかも】
ここは、令和6・7年度で出たばかりの新しめの論点です。
定番ほど毎年は出ませんが、セキュリティ・AI・クラウドは角度を変えて繰り返し問われやすいので、押さえておくと安心です。
各テーマに出題可能性ラベルを付けました。参考にしてください。
■押さえどころの用語説明、用語チェック
見出しの丸印は出題可能性の予想です。🟢=高い/🟡=中くらい。
① 🟢 クラウド(実装形態と責任共有モデル)(R6第6問・第11問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:クラウドは「どこに置くか(実装形態)」と「どこまで借りるか+誰が守るか(サービスモデルと責任共有)」の2つの切り口で問われます。令和6年度はこの2つが別々の問題(第6問・第11問)で出ました。
①どこに置くか(実装形態)=R6第6問。置き場所の違いで4種類あります。
| 実装形態 | だれが使うか |
|---|---|
| パブリッククラウド | 不特定多数の利用者が共用する(一般向け) |
| プライベートクラウド | 1つの組織の専用として使う |
| コミュニティクラウド | 共通の関心事を持つ複数の組織が共同で使う |
| ハイブリッドクラウド | 上の複数を組み合わせて使う |
②どこまで借りるか(サービスモデル)+誰が守るか(責任共有モデル)=R6第11問。まず、利用者が自分で触る範囲が広い順に、次の3つがあります。
- IaaS(Infrastructure as a Service)=基盤(サーバやネットワーク)だけ借りる。上に載せるOSやアプリは自分で用意。
- PaaS(Platform as a Service)=OSや開発環境まで用意された土台を借りる。
- SaaS(Software as a Service)=完成したソフトをそのまま使う(例:Web会議やメールのサービス)。
その上で、責任共有モデル=「事業者が守る部分」と「利用者が守る部分」を分担する考え方です。ポイントは、SaaSであっても、自分が入力・作成したデータの管理は利用者の責任という点。IaaSに近づくほど、利用者が守る範囲(OSやミドルウェアなど)は広がります。
覚えること:実装形態=パブリック/プライベート/コミュニティ/ハイブリッド(=どこに置くか)。サービスモデル=IaaS→PaaS→SaaS(下へ行くほど「完成品を使う」寄り)。責任共有=入れたデータは、いつでも利用者持ち。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. SaaSを使うとき、そこに入力・作成した自社データを守る責任は、事業者・利用者のどちらにありますか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. 利用者。サービス本体(アプリやサーバ)は事業者が守りますが、利用者が入れた・作ったデータの管理は利用者側の責任です。これが責任共有モデルの要点です。
② 🟢 ランサムウェア対策(EPPとEDR)(R7第19問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:ランサムウェアは、データを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻す代わりに身代金(ransom=ランサム)を要求する不正プログラムです。中小企業が主な標的で、令和6年のランサムウェア被害222件のうち中小企業が140件を占めました(警察庁)。守りの中心になるのが、次の「2枚看板」です。
- EPP(Endpoint Protection Platform)=入口で防ぐ(感染を未然に防止する)。従来のウイルス対策ソフトの発展形。
- EDR(Endpoint Detection and Response)=入られた後に見つけて対応する(侵入後の不審な動きを検知して対処する)。
あわせて、次の2点も令和7年度で問われました。
- 主な侵入経路=VPN機器、リモートデスクトップ、不審メールやその添付ファイル。
- 感染に気づいたら=まず端末をネットワークから切り離す(有線ならLANケーブルを抜く/無線ならWi-Fiを切る)。バックアップを保存した機器は、普段からネットワークと分離しておく(常時つなぎっぱなしにしない)。
覚えること:EPP=入口で防ぐ(事前)、EDR=入られた後に対応(事後)。侵入経路は「VPN・リモートデスクトップ・不審メール」。バックアップはネットワークから離して保管。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「PCに侵入された後の、不審な動きの検知と対応」を担うのは、EPP・EDRのどちらですか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. EDR。EPPは"入口で感染を防ぐ"側、EDRは"入られた後に検知・対応する"側です。名前の頭を「Protection=防ぐ/Detection=見つける」と結びつけると迷いません。
③ 🟢 生成AIの落とし穴とAIへの攻撃(R6第24問・R7第20問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:生成AIには「勝手に間違える現象」と「悪意ある攻撃」があります。令和6年度は前者(ハルシネーション)、令和7年度は後者(AIへの攻撃)が問われました。
まず、生成AIの落とし穴=R6第24問。
- ハルシネーション=事実に基づかない、それらしい情報をAIが作り出す現象。
令和6年度は、これとよく似た別の現象(AIが自分の生成物を学習して精度が落ちる「モデル崩壊」、学習時と本番でデータの傾向がズレる「データドリフト」など)を混ぜて、区別させる出題でした。ハルシネーション=「それらしい嘘をつくこと」と、まず1つ確実に押さえます。
次に、AIを狙う攻撃=R7第20問。4つが問われました。
| 攻撃の名前 | やること(ふつうの言葉で) |
|---|---|
| データポイズニング | 学習させるデータをわざと汚染し、AIの判断を狂わせる |
| 敵対的サンプル攻撃 | 入力データに、人には気づけない微小なノイズを混ぜ、AIに誤判定させる |
| モデル反転攻撃 | AIの入力と出力を分析して、元の学習データを推測する |
| プロンプト・インジェクション | 生成AIに特殊な指示文を与え、意図しない挙動(不適切な回答・情報漏えい)を引き起こす |
覚えること:ハルシネーション=それらしい嘘。データポイズニング=学習データを汚す。敵対的サンプル=入力に微小ノイズ。モデル反転=出力から学習データを推測。プロンプト・インジェクション=悪意の指示文。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「学習させるデータをわざと汚染して、AIの判断を狂わせる攻撃」は、データポイズニング・プロンプト・インジェクションのどちらですか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. データポイズニング。"データを汚す(poison)"と名前が結びつきます。プロンプト・インジェクションは、生成AIに特殊な指示文(プロンプト)を与えて意図しない動作をさせる攻撃です。
④ 🟡 パスワードレス認証(パスキー)(R6第17問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:パスキーは、パスワードを使わず、指紋・顔などの生体認証やデバイスのロック解除で本人確認する仕組みです。土台はFIDO(Fast IDentity Online)という国際規格。パスワード自体が存在しないので、流出や使い回しのリスクをなくせるのが利点です。
令和6年度で問われた要点は、「同じパスキー(FIDOの認証情報)を、複数のデバイスの間で共有して使える」という点でした。
混同注意(ここがトラップ):
- 一度の認証で複数のサービスをまとめて使えるのはシングルサインオン(SSO)で、パスキーとは別物。
- 電話番号にワンタイムのコードを送る方式(SMS認証)とも別物。
覚えること:パスキー=パスワードを使わない認証(生体・デバイス)、土台はFIDO。複数デバイスで同じパスキーを使える。「一度で複数サービス」はSSOで別物。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「パスキー認証では、複数のデバイスの間で同じ認証情報(パスキー)を使うことができる」。○か×か。
答え開く ▼閉じる ▲
A. ○(正しい)。R6第17問でも、複数デバイス間で同じパスキーを使える点が正解でした。なお「一度の認証で複数のサービスを使える」のはシングルサインオンで、別の仕組みです。
⑤ 🟡 仮想化とコンテナ(R7第2問)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:1台のコンピュータを、あたかも複数台のように分けて使う技術です。分け方に2タイプあり、その「重い/軽い」の違いが要点です。
| 方式 | しくみ | 特徴 |
|---|---|---|
| ハイパーバイザ型 | 1台の物理マシンの上に、ゲストOS入りの仮想マシンを丸ごと複数動かす | 独立性は高いが、相対的に重い |
| コンテナ型 | ホストOSを共有し、アプリと必要な部品だけを箱詰めして動かす(ゲストOS不要) | 軽くて速い |
令和7年度は、この2つの説明を入れ替えた選択肢(コンテナの説明にハイパーバイザの名前を付ける、など)で問われました。正しかったのは「ハイパーバイザは、1台の物理マシン上に1つ以上の仮想マシンを動かす技術」という記述です。
なお、コンテナは、第3章で扱う「サーバレス」「オーケストレーション(コンテナの自動管理)」につながる入口でもあります。
覚えること:ハイパーバイザ型=ゲストOSごと(重い・独立性が高い)、コンテナ型=ホストOS共有(軽い・速い)。名前と説明の入れ替えに注意。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「ホストOSを共有し、ゲストOSなしで軽く動かす」のは、ハイパーバイザ型・コンテナ型のどちらですか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. コンテナ型。ハイパーバイザ型は、ゲストOS入りの仮想マシンを丸ごと動かすため、相対的に重くなります。
このあたりは、ITの世界ではもう当たり前に選択されて実装されたり活用されてたりしてる。
普段は意識していない方たちも、経営者やIT部門がうまいこと考えてやってくれてるんや・・!
ありがてぇ~!
【第3章:トレンド 初登場するかも】
ここは、2024〜2025年にホットなのに、令和6・7年度ではまだ出ていない論点です。
まずは可能性・高から押さえてください。今年の直前期はこれらを押さえれば十分です。
定番が固まっていれば、ここを深追いしなくても合格点に届きます。
■押さえどころの用語説明、用語チェック
見出しの丸印は出題可能性の予想です。🟢=高い/🟡=中くらい。
① 🟢 RAG(Retrieval-Augmented Generation/検索拡張生成)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:ふつうの生成AIが「記憶だけ」で答えるのに対し、RAGは答える前に、信頼できる資料(社内文書など)を検索して、その中身を根拠にして答える仕組みです。“資料持ち込み可(オープンブック)”の生成AI、とイメージすると分かりやすいです。
最新の情報や社内固有の情報に強く、事実に基づいて答えるため、ハルシネーション(それらしい嘘。第2章③参照)を減らせるのが利点です。生成AIの落とし穴への対策の代表例として、実務でもよく使われます。
覚えること:RAG=答える前に信頼できる資料を検索し、その内容を根拠に答える。ハルシネーションを減らせる。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. ふつうの生成AIとRAGの違いとして正しいのは、次のどちらですか。
(ア)RAGは、答える前に外部の資料を検索して、その内容を根拠にする
(イ)RAGは、学習した記憶だけで答え、外部資料は一切使わない
答え開く ▼閉じる ▲
A. (ア)。RAGは、答える前に信頼できる資料(社内文書など)を検索し、その内容を根拠にします。だから最新情報に強く、ハルシネーションを減らせます。
② 🟢 データマネジメント(データガバナンス・データ品質)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:集めたデータを「使える状態」に整え、管理し続ける活動の総称です。第1章⑨のデータウェアハウス(ためる箱)の“次の層”=「ためたデータを、どう整え・守り・活かすか」にあたります。柱は次の3つです。
| 柱 | やること(ふつうの言葉で) |
|---|---|
| データ品質(データクレンジング) | 重複・表記ゆれ・入力ミスを整えて、正確なデータにする |
| データガバナンス | 「誰が・どの目的で・どのデータを使ってよいか」のルールと体制を定める |
| メタデータ管理 | 「どこに、何のデータがあるか」を管理する |
これらの知識をまとめた体系をDMBOK(データマネジメント知識体系)といいます。
覚えること:データ品質=整える、データガバナンス=使い方のルール、メタデータ管理=所在の管理。体系=DMBOK。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「誰が、どの目的で、どのデータを使ってよいか」のルールと体制を定める活動は、データ品質管理・データガバナンスのどちらですか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. データガバナンス。重複や入力ミスを整えて正確にするのは、データ品質管理(データクレンジング)です。
③ 🟡 AIエージェント(自律型AI)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:ゴールを伝えると、自分で段取りを考えて複数の作業を進めてくれるAIです。RPA(Robotic Process Automation=決められた手順を機械的になぞる自動化)の発展形にあたります。
違いは一点。「手順をなぞる」のがRPA、「自分で段取りを考えて進める」のがAIエージェントです。
覚えること:RPA=手順をなぞる、AIエージェント=自分で段取りして動く。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「ゴールだけ与えると、自分で段取りを考えて作業を進める」のは、RPA・AIエージェントのどちらですか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. AIエージェント。RPAは、あらかじめ決められた手順をなぞって自動化する仕組みです。
④ 🟡 AI利用のルール/シャドーAI
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:シャドーAIとは、会社が許可していない生成AIに、社員がこっそり業務データを入力してしまう問題です(情報漏えいの恐れ)。以前からある「シャドーIT(無断のIT利用)」の生成AI版、と考えると分かりやすいです。
国は、経済産業省・総務省が「AI事業者ガイドライン」(第1.0版、2024年4月)で、AIを安全に使う原則を示しています(出典:経済産業省 プレスリリース)。
なぜ候補か(すーじーの見立て・推論):このガイドラインは2024年公表で、令和8年度の射程内です。生成AIの業務利用が広がるなか、ルールや体制を問う論点が出る余地がある、という見立てです。
覚えること:シャドーAI=無断のAI利用(シャドーITのAI版)。国の指針=AI事業者ガイドライン。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「会社が許可していない生成AIに、従業員が業務データを入力してしまう」問題を、シャドーAIという。○か×か。
答え開く ▼閉じる ▲
A. ○(正しい)。以前からある「シャドーIT(無断のIT利用)」の、生成AI版です。
⑤ 🟡 サプライチェーン攻撃/SBOM
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:サプライチェーン攻撃とは、守りの堅い本命を直接狙わず、守りの弱い取引先・委託先を踏み台にして侵入する攻撃です。
SBOM(Software Bill of Materials=ソフトウェア部品表)とは、ソフトが「どんな部品(もとになるソフト)でできているか」の一覧です。弱点(脆弱性)が公表されたとき、「自社の製品は影響を受けるか」を素早く確認できるのが役割です。
なぜ候補か(すーじーの見立て・推論):IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025」でも上位で、中小企業も無関係ではありません(出典:IPA 情報セキュリティ10大脅威 2025)。ただし、この“順位”そのものが試験に出るわけではなく、あくまで用語として問われる余地がある、という見立てです。
覚えること:サプライチェーン攻撃=弱い取引先を踏み台。SBOM=ソフトの部品表(弱点発見時に、影響を素早く確認するため)。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「ソフトがどんな部品でできているかを一覧にし、弱点が見つかったとき影響を素早く確認する」ための仕組みは、SBOM・VPNのどちらですか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. SBOM(ソフトウェア部品表)。弱点が公表されたとき、その部品を自社が使っているかを、すぐ確認できます。VPNは社外から社内へ安全につなぐ仕組みで、別物です。
⑥ 🟡 ゼロトラスト/SASE(※令和3年度で既出)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:ゼロトラストとは、「社内だから安全」という前提をやめ、利用者も機器もネットワークも信頼せず、アクセスのたびに厳格に認証・確認する考え方です(従来の“城壁(境界防御)型”の逆)。
SASE(Secure Access Service Edge)とは、その認証やネットワークの機能を、クラウドでまとめて提供する形です。
正確を期すための注意:ゼロトラストは、令和3年度 第21問で既に出題されています(=厳密には“初登場”ではありません)。令和6・7年度では出ていないため、手を変えて再登場する可能性がある、という位置づけです(出典:令和3年度 経営情報システム 問題PDF・第21問)。
覚えること:ゼロトラスト=信頼せず、毎回確認(城壁型の逆)。SASE=それをクラウドでまとめて提供。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. ゼロトラストの基本的な考え方は、次のどちらですか。
(ア)社内ネットワークは信頼し、社外だけを確認する
(イ)社内・社外を問わず信頼せず、アクセスのたびに確認する
答え開く ▼閉じる ▲
A. (イ)。「信頼せず、毎回確認する」がゼロトラストです。従来の“城壁(境界防御)型”=「社内は信頼」と対比して覚えます。
⑦ 🟡 クラウドの次の層(サーバレス/コンテナ統合管理)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:第2章⑤のコンテナの“一段先”です。
- サーバレス=サーバの管理を意識せず、必要なときだけ処理を動かす方式(裏ではサーバが動いていますが、利用者は意識しません)。
- オーケストレーション=増えたコンテナを、自動でまとめて管理する仕組み。
覚えること:サーバレス=サーバを意識しない、オーケストレーション=コンテナの自動管理。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「サーバの管理を意識せず、必要なときだけ処理を動かす」方式は、サーバレス・オーケストレーションのどちらですか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. サーバレス。オーケストレーションは、多数のコンテナを自動でまとめて管理する仕組みです。
⑧ 🟡 耐量子計算機暗号(PQC)
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:PQC(Post-Quantum Cryptography=耐量子計算機暗号)とは、将来の量子コンピュータでも破られにくい、新世代の暗号です。
米国のNIST(国立標準技術研究所)が、2024年8月に標準(FIPS 203/204/205)を確定しました。いまは「将来に備えて準備する」段階です(出典:NIST CSRC(PQC標準化))。
なぜ“可能性・中”か(すーじーの見立て・推論):新顔のため令和9年度以降寄りとみています。出るとしても“概念だけ”を問う想定です。
覚えること:PQC=量子コンピュータでも破られにくい暗号。NISTが2024年8月に標準確定。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「PQC(耐量子計算機暗号)は、将来の量子コンピュータによる解読に備えた暗号である」。○か×か。
答え開く ▼閉じる ▲
A. ○(正しい)。いま広く使われている暗号が、量子コンピュータで破られる恐れに、先回りするものです。
⑨ 🟡 AIガバナンス・AI倫理
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:AIを社会で安全・公正に使うためのルールづくりです。偏った判断、フェイク、責任の所在などに対応する枠組みを指します。
例として、日本では経済産業省・総務省の「AI事業者ガイドライン」(2024年4月)、国際的にはG7の「広島AIプロセス」があります(出典:経済産業省 プレスリリース(AI事業者ガイドライン))。
覚えること:AIガバナンス=AIを安全・公正に使うルールづくり。国内の指針=AI事業者ガイドライン、国際枠組みの例=広島AIプロセス。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. AIを安全・公正に使うための、日本の代表的な指針は、AI事業者ガイドライン・Pマークのどちらですか。
答え開く ▼閉じる ▲
A. AI事業者ガイドライン(経済産業省・総務省、2024年4月)。Pマークは個人情報の適切な取り扱いを認定する制度で、別物です。
⑩ 🟡 生成AIの基礎・マルチモーダル
説明・覚えること開く ▼閉じる ▲
ざっくり一言:これまで生成AIは“現象(ハルシネーション)・攻撃・評価指標”が問われてきました。一方で「そもそも生成AIとは何か」「LLM(Large Language Model=大規模言語モデル)の仕組み」といった基礎は手薄で、穴埋め的に出る余地があります。
あわせて押さえたいのがマルチモーダル=文章だけでなく、画像・音声・動画など複数の種類の情報をまとめて扱うAIです。
覚えること:マルチモーダル=複数種類の情報(文章・画像・音声・動画)をまとめて扱うAI。LLM=大規模言語モデル。
用語チェック(問題)開く ▼閉じる ▲
Q. 「文章・画像・音声など、複数の種類の情報をまとめて扱うAIを、マルチモーダル(AI)という」。○か×か。
答え開く ▼閉じる ▲
A. ○(正しい)。文章だけでなく、画像・音声・動画などもまとめて扱えるのが特徴です。
RAGやAIエージェントは、日本の大企業ではほぼ導入か検討がされている印象。
中小企業ではまだまだこれからですが、とどのつまり診断士として知っておくべき知識やな!
そろそろ出題される気がしている・・!
コラム:中小企業の生成AI活用状況
総務省の令和7年版情報通信白書によると、生成AIの活用方針を定めている企業の比率は2024年度で全体49.7%(前年42.7%)
中小企業では「方針を明確に定めていない」が約半数を占め、大企業と比べて方針策定は後追い。
企業規模別では、方針を定めている比率は大企業が約56%に対し、中小企業は約34%。
学習の優先順位 ―やっぱり定番を押さえたい!
直前期、点数を積み重ねられる論点からおさえていくことが最重要です。
まずは定番で出る「テキストに載っていること」で点数を取れる論点を確実に増やし、トレンドは出題可能性が高そうなものでプラス4点を狙うスタンスで行きましょう。
繰り返しになりますが・・・
- 直前期の優先事項:
- 第3章(今年初登場)の「可能性・中」は、今年は思い切ってざーっとキーワードを拾うだけでOK。
- トレンドの取りこぼしより、定番(正規化・SQL・EVM・稼働率)の取りこぼしを防ぐほうが、点の費用対効果は何倍も高いです。
- 今年のトレンドを含めて合格可能性を高めるなら:
- 第2章・第3章の「可能性・高」をしっかり理解。
- 用語と用語チェックで押さえておきましょう。
- 全員に共通して:
- 最新トレンドは出ても少数派。知らなくても、定番が固まっていれば合格点に届きます。
少しでも多くのことをできるようになろう!
根気よく理解深めてこ!
参考にしたソース
過去問(協会公式・経営情報システム):R7 F1JI2025.pdf / R6 F1JI2024.pdf(年度別の入口は試験問題インデックス)
- 令和7年度中小企業診断士第一次試験案内:https://www.jf-cmca.jp/attach/test/r07/r07_1ji_annai.pdf ※R8見つからなかった
- 正解・配点(全問4点=100点):令和7年度 正解と配点
- IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年1月29日公表):10threats2026
- デジタルガバナンス・コード3.0(経産省, 2024年9月19日改訂):METIプレス
- システム監査基準(令和5年=2023年4月26日改訂):システム監査制度
- AI事業者ガイドライン(経産省・総務省, 第1.0版 2024年4月19日):METIプレス
- 耐量子計算機暗号(NIST PQC標準 FIPS203/204/205, 2024年8月確定):NIST CSRC
- データマネジメント試験(仮称)新設・情報処理技術者試験の見直し:検討状況(2026/3/31)/サンプル問題(2026/6/22)(R9伏線として言及)
これらのソースを基に、独自の分析を踏まえた情報です。
あくまで個人の分析であり、出題を保証するものではありませんが、ぜひ参考にしてな!
☆☆☆☆☆
いいね!と思っていただけたらぜひ投票(クリック)をお願いします!
ブログを読んでいるみなさんが合格しますように。
にほんブログ村
にほんブログ村のランキングに参加しています。
(クリックしても個人が特定されることはありません)



すーじー様
いつも楽しく読ませていただいてます。
本日の経営情報システム直前対策の記事、本当に本当にありがとうございました!
TAC模試も経て、最後まで掴めない感覚が残っていて、直前対策の方向性も見出だせず苦慮していたので、、、とても参考になりました!
紹介していただいた用語・テーマをばっちり押さえて本番臨みたいと思います。
ありがとうございました!
ばや様、コメントありがとうございます!
平均60点取れば良い試験ですので、掴めないなりにも少しでも多くの点を取れるように対策してください。
心から応援しています!