【合格体験記】競争相手を意識し、弱点を仕組み化で克服する分析型スタイル by じょにーさん

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2度目の2次試験で見事リベンジ達成した「じょにーさん」による合格体験記!試験を通じて変わったご自身の心境についても注目です!
受験生情報
- ハンドルネーム:じょにー
- 年代:40代
- 性別:男性
- 家族構成:妻、子二人
受験回数
- 1次試験:2回
- 2次試験:2回
自分の診断士受験スタイルを一言で表すと
競争相手を意識し、弱点を仕組み化で克服する分析型スタイル
診断士に挑戦した理由・きっかけ
私は昨年、「未合格体験記」を書かせていただき、その際に挑戦の理由を細かく書かせていただきました。書き出すと長くなりますので、今回は省略させていただきますが、大きな流れとしては以下のようになります。
①社内での挫折・退職を意識 ⇒ ②自分の興味のあることへの取り組み ⇒ ③診断士試験を認識・挑戦
※診断士の勉強をしていく途中で、異動もあり、色々と考え方が変わってきました。そのため、現在、退職は意識せず、企業内診断士としても活躍できるような道を模索中です。
職務経験・保有資格
- 職務経験:
製造業(中小企業) 研究開発(17年)→法務・知財(半年) - 保有資格:日商簿記2級、知的財産管理技能検定2級、ビジネス実務法務検定2級、統計検定2級、ビジネス会計検定3級、危険物取扱者(甲種)、第1種衛生管理者、健康経営アドバイザー、安全管理者、経済学検定(ランクB+)、ITパスポート、 など
得意科目・不得意科目
- 1次試験 得意科目:経済学・経済政策、企業経営理論、経営法務
不得意科目:事例Ⅰ、事例Ⅲ、事例Ⅳ - 2次試験 得意科目:経営情報システム
不得意科目:事例Ⅱ
再現答案の有無
有
合格までの学習法
私はこの1年間、2次試験に集中させていただきましたので、今回は2次試験の学習法のみについてまとめさせていただきます。(1次の勉強については昨年の「未合格体験記」に書かせていただきました。)
2次対策
①100字トレーニング
13代目のhotmanさんが作成してくださった問題集を使って訓練しました。
100字トレーニングのメリットは知識のアウトプット・骨子作成・記述の感覚(文字数調整など)・問題文へのメモの仕方などを鍛えられるところです。
また、自分の解答が正しいかどうか、分からない問題はどう解答すればよいか、などについては、ChatGPTを活用しました。
何度も繰り返し解くことで、自分の解答の質を高めていきました。
ただ、100字トレーニングのデメリットもあることに注意しました。
具体的には、与件文が無いために、与件文の重要性への意識が薄れることです。
そのため、比較的早い段階(3月~8月ごろ)までで終わりにし、10月の2次試験が近づくにつれて実施しなくなりました。
②聞き流し
私には2人の子供(現在5歳と2歳)がいたこともあり、育児・家事に対してかなりの時間を費やしていました。
仕事では、残業をしないことはもちろん、時短勤務を行っていましたが、それでも勉強時間を確保することは困難でした。
具体的な勉強時間は「朝4時半~6時」、「出勤時の休憩時間など」ぐらいで、勉強時間を捻出するのが本当に苦しかったです。
そこで、通勤時間(片道40分程度)を有効活用することを考えました。
初期ではyoutubeを使った聞き流しを活用していましたが、自分が分かっていないところを中心にやるべきと思い、自作で録音したものをメインで活用しました。
読み上げる内容は、単に「知識習得(メリデメなど)」の内容もありましたが、「具体的に過去問でミスした内容」や「設問解釈」などの内容も行っていました。
自作したことのメリットは、内容をカスタマイズできるところです。
やっていくうちに覚えられた内容は省いた状態で、再度録音し、まだ身についていない内容のみを聞き流すようにしました。
これにより、効率的に覚えられるような工夫を行いました。
当然ではありますが、実際にやる時は、なるべくアウトプットを意識し、「ただ聞いているだけ」という状態にならないように意識して取り組みました。
③過去問実施→分析→仕組化
これがメインの勉強法で、試験日直前になるにつれて、勉強時間に占める割合を徐々に増やしました。
ただ、過去問を実施して、ふぞろいなどで確認すること自体は、”その時点での自分の実力を測るだけ” なので、「これで勉強した」と思わないようにしていました。
それよりも、ミスに対して「なぜミスしたのか」といったなぜなぜ分析を行い、「どうすれば次はそれをできるようになるのか」という仕組化を非常に強く意識しました。
それもあり、分析や仕組化といった「過去問への反省」については、過去問演習の時間(80分間)より多く時間をかけ、2~3時間ぐらいかけていました。
なお、過去問演習では、同じ年の過去問を(少し時間を置きながら)繰り返し解き、なるべくほぼ完ぺきな状態(ふぞろい採点でほぼ100点)になってから新しい年の過去問にチャレンジしました。
ちゃんと実力が身についているか、別の年の過去問でその対策が実行できているかチェックするために、貴重な未実施過去問(初見問題)を取っておきたかったからです。
④ミスノート作成
過去問や100字トレーニングなどで自分がミスした内容と、そのミスへの対応策をエクセルでリストにしていました。
印刷したものを常に持ち歩き、英会話の単語帳のようなイメージで、スキマ時間があればそれをチェックしていました。
リスト内の各内容においては、分かっていなければ「×」、1度理解できたら「△」、2度理解できたら「〇」という具合で進めていき、「〇」になれば一旦リストから外し(エクセルで非表示にする)、再度印刷してチェックする…といったことを繰り返しました。
「一度ミスした内容なので忘れないだろう」と思っていた内容でも、意外と忘れていることが多く、自分の中で身についていないことを実感していました。
効率的に学習、という意味ではかなり有用性の高い取り組みだったと思います。
⑤解答作成までのプロセス作成と過去問演習後のプロセスチェック
過去問演習においては、「作成した解答の採点」だけでなく、「解答作成までのプロセス」のチェックを徹底しました。
例えば、「与件文は●分までに読み終える」、「社長の想いがあったら○○ととメモ」といった、解答作成を行うまでのプロセス(自己流)をリスト化しました。
その上で、過去問演習後に、解答の内容をチェックするだけでなく、自分が決めた解答作成までのプロセスがちゃんと実行されていたかどうかをチェックしました。
そうすると、「○○の時は□□をメモしよう!」などと思っていたプロセスが、実行されていないことが多くありました。
特に、私は本番でのメンタルが不安定になりやすいので、「本番だったらもっとうまくいかないはず・・・」と思っていました。
そのため、せめて過去問演習上は、自分が決めた解答プロセスを100%実行できるように、「解答作成までのプロセス」のチェックを徹底しました。
⑥WEB勉強会などの活用
ココスタやタキプロといった受験生支援団体が行っている勉強会に参加しました。
勉強会では他の受験生や運営の方々からアドバイスを頂けるのがとても有効で、自分の中にはなかった視点を得られるのが良い点だと思っています。
それと同じぐらい重要なのが、「他の受験生の解答への指摘」です。
この際に論理的に説明する必要があるので、もし論理的に説明できていなければ、自分はしっかりと理解できていないということが分かります。
勉強会では、他の受験生の解答を見ることができるのもメリットです。
もし自分の解答に無い要素を盛り込めている方がいたら、その方に対して「どうして●●の解答を入れることができたのですか?」と問い、解答プロセスの参考としていました。
なお、勉強会とは少し異なりますが、(奇跡的に…なのか何かの縁なのか分かりませんが、)社内に11代目おべんと君さんがいらっしゃったので、分からない部分は質問させていただくこともしておりました。
⑥(事例Ⅳ限定)「30日完成!」、「事例Ⅳの全知・全ノウ」のやりこみ
事例Ⅳはほかの事例よりも比較的多めに実施し、基本的に1日~2日に1回はやるようにしていました。
特に、「30日完成」の問題集は基礎的な内容が多く、すべての問題で正解できるようになるまで繰り返し解きました。ある程度理解できるようになってきたら、よりレベルの高い「事例Ⅳの全知・全ノウ」(過去問)の実施比率を上げていきました。
⑦メンタルトレーニング
“学習法”とは少し異なるのですが、個人的にはかなり重要な点だったので挙げさせていただきます。
上記でも触れましたが、私はメンタルが非常に弱く、昨年の1回目の試験本番で大きな失敗をしました。
自分で言うのはおかしいのですが、やると決めたことは人一倍やりこんでしまう完璧主義者的なところがあります。
それ自体は努力家として良いイメージを持たれることが多いのですが、度が過ぎてしまい、前回(R5)の2次試験前日に「こんなに努力したのに不合格だったらどうしよう…」と考え込んでしまい、試験前日に一睡もできずに試験を受けました。
試験自体は、アドレナリン全開だったこともあり、最後まで眠気に襲われずにできたのですが、一睡もできずに迎えた試験に対して、「不合格」の恐怖が脳裏をよぎり、結果、不合格(総合214点、事例Ⅰは39点)という結果になりました。
こういった失敗の経験があり、2度目の2次試験も同じ失敗を繰り返すという恐怖が常にありました。
そこで、「何に不安を感じているのか」、「何に対して緊張しているのか」、「メンタルが崩れたらどうすればいいか」などを考えてみました。
いろいろ書き出すと長くなるので省略しますが、対応として「試験を楽しもう」という結論に至りました。
気負いすぎず、「もし試験がダメだったとしても死ぬわけじゃないし、良いじゃないか。それより、試験自体を楽しんじゃおう!」と自分に言い聞かせました。
結果として、今回の試験前日は7時間ほど眠れ、メンタルも比較的安定した状態で挑むことができました。
何故その学習方法を選んだのか?
一言で表現すると「後悔はしたくなかったため」ということになります。
1回目(2023年)の2次試験で、実力不足は自覚していたものの、非常に悔しく悲しい思いをしました。
全力で頑張っても届かなかった経験から、「やっぱり自分には無理なんじゃないか…」と思うことがよくあり、合否判定後はしばらくの間、苦しみ続けました。
でも、2次試験の権利は次の年まで有効なので、“もうこれで最後”の意識で取り組みました。
具体的には「不合格となった原因の徹底分析」、「改善方法の模索」などですが、やれることはすべてやってみよう、と思いました。
また、2次試験は相対評価であることから、単に「自分が努力すれば合格できる」というようなものではなく、他者との比較(競争戦略)が必要性を強く感じました。(1回目の2次試験では他の受験生のレベルなどはほとんど考えていませんでした。。。)
そのため、自分とその周囲に関するSWOT分析を行い、「何ができるか」・「何が劣っているのか」・「どうすれば改善できるのか」・「何をあきらめるべきか」、などを考えました。
具体的には以下のような感じになりますが、2次試験対策上は「弱みの克服」を強く意識しました(一般的には「強み×機会」の戦略をとると思いますが…。)
S(強み):2次試験の経験有り(本番の怖さを知っている) など
W(弱み):メンタル弱者、国語力(読解力)の欠如 など
O(機会):仕事で残業はほぼ無し、妻からの試験に対する理解 など
T(脅威):レベルの高い受験生たち、子供(5歳と2歳)の存在 など
上記の内容をベースに、自身の学習法を決定していきました。
2次試験は上位約2割に入らなければいけません(“全員合格”にならないのが非常に残念なのですが…)。
そのため、他の受験生を知ることを意識し、「WEB勉強会への参加」、「Xの開始」、「予備校の模試」などを行いました。
あまりコミュニケーションを取るのが得意ではなかったのですが、上記にもあった通り「後悔したくない、やれることはすべてやる」の精神で実行しました。
しかし、私の場合、家庭(家事・育児)への対応が非常に困難を極めました。。。
これによって、「早朝(4時~6時)」と「出勤時の休憩時間」しか勉強時間が取れませんでした。
しかも、子供の対応があるので、土日や長期休暇でまとまった勉強時間を捻出できませんでした(平日よりも勉強時間が短い)。
それもあって、少ない資源(勉強時間)を2次試験勉強に集中(2次専念)させることにしました。
学習開始時期
2022年1月~
(簿記などの関連資格取得を先に行っていたので、それも含めると2021年5月~)
学習時間(目安)
- 1次試験:1400時間(概算)
- 2次試験:1200時間(概算)
これから合格を目指す方へのアドバイス
アドバイスと言えるほど立派なことは無いですが、具体的な勉強方法などは上記に示したため、ここでは感情的な部分について記載します。
一言でいうと 「本当に診断士試験に挑戦して良かった」 です。
私は元々、会社での出来事(負の感情)から診断士試験を挑戦しました。
その時はかなり落ち込み、人を恨み、この先どうすればいいのか分からないような、非常に苦しい状態でした。
そこで、自分を深く見つめなおして、どうしていきたいか考えた結果、診断士に挑戦することを決意しました。
勉強していくうちに、様々な学びに触れることができ、今まで自分が見てきたものがごく一部なんだと知ることができました。
また、今までは会社や学生時代の友人といった限られたコミュニティにしか属していませんでしたが、受験生支援団体や同じ受験生たち(XやWEB勉強会など)ともコミュニケーションを取れたことは視野を大きくしてくれました。
それを考えると、一人では絶対に合格できなかっただろうな、と思います。
一発合格道場をはじめ、多くの支援団体などからサポートしていただき、自分の力だけでは得られなかったであろう知識・ノウハウをいただきました。
本当にありがとうございます。
また、勉強会やXなどで知り合えた他の受験生は、この体験記上では“競争相手”と表現していましたが、「大切な勉強仲間」でもありました。
同じ苦労を経験しており、互いに称えあえる貴重な存在です。
本当に感謝してもしきれません。
診断士試験で出会えた方たちだけではありません。
ここに至るまで、周囲の方々のサポート・応援もありました。
妻には多くのサポートをいただきました。
共働きなので、育児・家事・仕事・・・と、なるべく負担にならないように気を付けていましたが、それでも結果的に負担をかけたと思います。
合格後も落ち着かないかもしれませんが、極力家庭には時間を割きたいと思っています。
また、会社の一部の方にも受験を報告していたので、何度か応援してもらいました。
合格祈願のお守りをいただいたり、11代目おべんと君さんと打ち上げしたりと、受験していなかったらなかったであろう出来事を数多く経験しました。
今のところ、第三者から見た私の人生には大きな変化はありません。
しかし、私の内部では大きな変化があり、人生が素晴らしいものに思えるようになってきました。
これは合格したから、ではなく、その途中段階でも感じられるものがあります。
受験開始の時点では大きな負の感情を持っていましたが、現時点では企業内診断士としても活躍できるような道を模索中です。
このような変化があったのは、やはり診断士に挑戦したことが大きかったと思います。
もちろん合格できれば、より世界が広がる可能性は高まります。
しかし、「今まさに受験勉強をしている場合」や「合格できずに撤退した場合」であっても、世界が変わって見えてくるのが中小企業診断士の魅力でもあると思っています。
診断士試験は、人生を素晴らしいものに変える可能性を秘めた、非常に魅力的な試験です。
そのため、どのような境遇の方にも、挑戦をお勧めします。
単に難関というだけではなく、診断士受験独特の魅力があり、ドラマがありますな!

最後に
負の気持ちをきっかけに始まった中小企業診断士試験。受験期間を通じて、さまざまな気付きがあり、支え合う仲間が出来、新たな世界が広がったじょにーさん。
診断士になったら、またさらに新たな出会いや素晴らしい世界が待っていると思いますよ!

じょにーさん、合格おめでとうございます!
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合格体験記をアップしていただき、ありがとうございました。
色々と書いていたら、ものすごく長くなってしまいました…ホントにスミマセン(汗)
目標の一つだった体験記も無事書けましたので、診断士登録など新たな目標に挑みたいと思います。
じょにーさん
コメントありがとうございます!そして、改めましてご寄稿ありがとうございました!私も1年前、長々と書いて送ったのを思い出しました!実務補習などバタバタ忙しくなるかと思いますが、素晴らしい診断士ライフをお過ごしください✨