事例Ⅰは世界観を理解すると解答しやすい~組織人事編~

こんにちは。アヤカです。

事例Ⅲに続いて事例Ⅰもパターンとキーワードでまとめようと思ったのですが、うまくまとまりませんでしたので、事例Ⅰは論点毎にまとめることにしました。

本日は事例Ⅰの人事組織編です!(事例Ⅰの経営戦略編はこちら。)

コア技術の見極めと正社員と非正規社員、外注の使い分け

・平成29年第2問(少人数の正社員での運用が可能な理由)

・平成27年第2問(主力製品が育たなかった理由、外注)

・平成25年第1問設問2(少人数の正社員での運用が可能な理由)

前回、差別化集中戦略のお話をしました。

中小企業は経営資源が少ないので、①強みを生かして、②ニーズのある分野(伸びている市場)に注力するのが望ましいというお話でした。

社内でも同様のことが言えます。

中小企業は経営資源が少ないので、社内に関しては、コア技術(業務)に集中して正社員を投入し、コア技術(業務)の専門性を高め、ノウハウを蓄積していくのが望ましいとされています。

コア業務以外の業務は、非正規社員を登用したり、外注します。

非正規社員を登用したり、外注すると、ノウハウを蓄積はされませんが、人件費を削減できたり、固定費を変動費化できるというメリットもあります。

外注

メリット:人件費などのコスト削減。固定費の変動費化。コア業務への集中。組織のスリム化。高い専門性の活用。

デメリット:社内にノウハウが蓄積されない。情報漏洩のリスク。余剰人員の発生。外注管理コストの発生。

留意点:コア業務とノンコア業務の見極め。

非正規社員の活用

メリット:業務量に応じた柔軟な労働力確保が可能。コア業務への集中。

デメリット:社内にノウハウが蓄積されない。情報漏洩のリスク。

留意点:非正規業務範囲の適正化、正社員登用で士気向上。コア業務と非コア業務の明確化し、オペレーション効率の向上。

企業買収時の人材活用

・令和2年第1問設問2(従来の従業員を継続雇用するメリット)

・平成22年第2問設問2(従来の従業員を継続雇用するメリットデメリット)

・平成21年第2問(企業買収に前向きでなかった理由)

・平成21年第3問(買収によりモラールが低下した理由)

・平成21年第4問(買収された企業出身のベテラン職人を工場長に任命した期待効果)

令和2年第1問設問2は平成22年第2問設問2とそっくりなのですよ!

私はふぞろい10年ブックを買って、平成20年まで過去問を解いていたから答えられたと思っています。

事例Ⅰの世界観では、長い年月をかけて蓄積されたノウハウは最強の宝物です。同じように、長い年月をかけて形成された人的ネットワークもお宝です。

前回、手に入れにくいもの(得るのに時間がかかるものやお金がかかるもの)は競争優位性が高いとお話しました。これにもつながる話です。

ノウハウと人的ネットワークの依り代となっているのは、その企業の社員です。

社員のノウハウや人的ネットワークを活用したいから、従来の従業員を継続雇用したいのです。

うまく文化を融合させることができれば、組織が活性化したり、士気向上の期待もできます。

ただし、文化の融合や経営革新が難しかったり、雇用条件の調整が難しかったり、余剰人材が生じてその不安から社員のモラールが低下する恐れがあります。

社員ごと買収するメリット

メリット:社員のノウハウ、人的ネットワークの活用。モラール向上。

デメリット:組織文化の融合が難しい。経営革新が難しい。雇用条件の調整が難しい。余剰人材が生じる。

人事制度

・令和2年第4問(グループ全体の人事制度)

・平成30年第4問(チャレンジ精神や独創性を維持するための施策)

・平成28年第3問(有能な人材を確保するための人事施策)

・平成27年度第5問(事業拡大のために組織文化の改革や人事育成を行う際の留意点)

・平成26年第5問(長期的に勤務させる管理施策)

・平成25年第2問設問2(離職率の低さを保つために行う施策)

ほぼ毎年出題される頻出パートです。

事例Ⅰの世界観としては、従業員のやる気がみなぎり(士気向上、モラール向上)組織はイキイキ(組織活性化)している状態が望ましいとしています。

では、どのようにしたら従業員のやる気がみなぎり(士気向上、モラール向上)、組織はイキイキ(組織活性化)するのでしょうか。

私は「さちのひもけぶかいねこ」の切り口から、A社に合うものを選んで解答していました。

ここでは、私の中で思い入れの深い切り口を紹介します。

教育と権限委譲

私が受験生の時は「OJTや研修を行い、権限委譲して、士気向上させ~」などをよく書いていました。

最近職場で、OJTからの権限委譲の効果を実感しています。

新しいことばかりだとストレスになりますが、適度に新しいことを覚えるのは楽しいようです。

ある程度できるようになったらお任せ(権限委譲)してみます。最初は何かしら問題が起きて、電話がかかってきますが、繰り返すうちにさらにレベルアップして、今ではそつなくこなしてくれるようになりました。

おかげで私の仕事は減り、お互いにハッピーなサイクルだと実感しています。

公平な評価

現実には難しいよなって思いながら、、、「公平な評価で士気向上し~」もよく解答に書いていました。

実際にどうやるかは悩ましいところですが、診断士試験が考えるA社のあるべき姿の1つと解釈しています。

適正な配置

Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must(やるべきこと)の自己分析のフレームワークがあり、この3つの重なりが大きいほど満足感を得られるといわれています。

Mustは人材配置によって決まり、WillとCanは配置された人で決まるので、Mustにぴったりな人材を見つけられたら、従業員も会社もハッピーです。士気は爆上がりですね。

Will(やりたいこと)とCan(できること)が重なり合っているかは人材によりますし、うまく言語化して本人が気づいているか、上司や人事に伝えられるかなどの要因もあって、これもなかなか難しいですが、理想の1つです。

成果主義

・平成27年度第4問(成果主義を取り入れない理由)

・平成24年第5問(成果主義を取り入れるときの注意点)

・平成22年3問(成果主義を取り入れるメリットデメリット)

成果主義

メリット:業績が上がりやすい、若手の士気が向上する、賃金を変動費化でき、経費削減できる、組織が活性化する

デメリット:高齢者の士気が低下しやすい、短期的思考や個人主義になりやすく、技術の承継が難しい。組織の一体感が薄まる。家族主義的な文化が薄れる。

留意点:評価の公平性の担保、評価者と非評価者の意思疎通。基準や手続きに関する十分な説明。

メリットも多いですが、デメリットも多いですよね。年功序列も成果主義もその組織に合わせて適度に活用する必要があります。

ベンチャー企業等で若い人ばかりならばいいですが、ベテラン層が多い企業で導入したら、組織全体としては士気が下がるでしょう。

組織的な一体感や助け合いの精神や技術の承継のある企業の方が長期的には強いこともありますが、成果主義を導入すると、その文化が薄まってしまう可能性が高いです。

ただし、完全に年功序列にしてしまうと、若手や優秀な人材の士気が下がりがちなので、適度に成果主義を導入したり、そのほかの手段を用いて士気向上や組織活性化を行う必要があります。

組織改編

・平成30年第3問(組織改編の目的)

・平成28年第2問(流動性の高い組織編成にした理由)

・平成27年度第2問(関連会社を設立し移管した理由)

事例Ⅰの与件文には一般的にはA社の過去から現在までが書かれており、他の事例に比べて時間軸が長いです。

長い歴史があると、外部環境(既存市場の縮小、新市場への対応)は変化します。外部環境変化へ対応するために、組織改編を行います。

対応したい外部環境や現在の内部環境によって、どのように変えるべきかは異なります。

チェックポイントとしては、

迅速な意思決定ができるか

セクショナリズムが障壁となっていないか、情報共有はできているか

全体的なマネジメントができる人の育成はできているか

利益責任は明確か

コア技術が明確化されていて、専門性を高めて、効率化できているか

などがありますので、チェックしてみてくださいね。

あと2週間、がんばってくださいね!

 

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事例Ⅰは世界観を理解すると解答しやすい~組織人事編~”へ9件のコメント

  1. よくわからん より:

    非正規雇用において、社内にノウハウが蓄積されにくい、社内の情報が漏洩しやすいとお考えになる理由を教えて頂けますか。特に後者について、よろしくお願いします。

    1. アヤカ より:

      よくわからんさん

      「非正規雇用において、社内にノウハウが蓄積されにくい、社内の情報が漏洩しやすい」と考えられる理由は、
      非正規雇用は流動的な雇用であり、社内の情報やノウハウを持って転職をしてしまう可能性が高いからです。
      そのため、コア技術とノンコア技術、重要な情報とオープンにする情報とを分けて運用をする必要があると考えています。

      1. よくわからん より:

        ありがとうございます。よく分かりました。
        つまり、非正規職員は、離職率が高いため、社内の情報やノウハウ等を外部に漏洩させるリスクも高く、「コア技術」や「重要な情報」に接触させることを極力避ける方が望ましい、といったようなことですね。
        もちろん中小企業において。

        1. アヤカ より:

          よくわからんさん

          簡潔に要約くださり、ありがとうございます。
          私はそのように解釈しています。
          この観点については、会社にもよるところはあると思いますが、会社の規模の大小は関係ないと個人的には考えています。

  2. ぺっぺ より:

    いつも読ませていただいております。

    貴重な情報をありがとうございます。

    教えてください。

    士気向上と、モラール向上の違いが切り分けがわかりません。

    辞書を調べると、モラール=士気 となっています。

    漢字とカタカナの違いですか?

    さらに、モチベーションも加えて、 士気向上、モラール向上、モチベーション向上の切り分けがわからず、例えば、権限委譲の効果に対して、どれを当てはめればいいのか、いつも雰囲気で入れてしまいます。 

    1. アヤカ より:

      ぺっぺさん

      いつも読んでくださっているとのこと、ありがとうございます!!

      士気向上、モラール向上、モチベーション向上はそれぞれ表記が違う言葉なので、微妙に意味は違うと思います。
      微妙な意味の違いはgoogle先生や参考書に聞いてみてください。

      試験対策としては、私はこの3つの中では士気向上だけを使っていました。
      理由は①士気向上が一番文字数が短いことと、②得点が大きく変わるほどの意味合いの差はない(個人の意識という論点で一括りの可能性が高い)と考えていたからです。
      (少なくとも私の記憶と解釈の限りでは、士気向上が×で、モラールやモチベーションじゃないと正解になりえない過去問はなかったと思います。正解が公開されていないので、絶対とは言い切れませんが。)

      浮いた文字数で他の論点のワードを増やして多面的に記入した方が得点が期待できる上にリスク分散という観点でも安パイだと考えていました。
      60点を取れば合格できる試験なので、あまり細かい点を気にするよりは、大きな論点で対策して大外しをしないことに注力した方が安心かもです。

      参考になれば幸いです。
      応援しています。

      1. ぺっぺ より:

        なるほど。 ありがとうございます。
        この点は、これ以上踏み込まないようにします。 

  3. ロム より:

    アヤカさん、組織人事に関する情報ありがとうございます。

    企業買収、人事制度、組織改編など、論点事に非常に分かりやすくまとまっていたので、とても助かります!

    今回まとめられていた要点に関しては「あー、そんな問題あったし、そういう方向性の回答だったなぁ」ということをすぐに思い出せるようにはなっています。
    ただ、少し時間を置くとすぐに頭から離れていってしまうので、定期的に今回まとめられていたメリット、デメリット、留意点を確認して、記憶に定着させたいと思います。

    試験が近付いてきて、もうすぐ12代目の皆さんからの二次試験前最後の記事になってしまうんだなぁと考えると、寂しくもなりつつ、いよいよ試験が近づいてきたと緊張感も走ります。
    もはやここまできたら、今まで続けてきたことを繰り返して頭から離れないようにするだけだと思うので、残り少ない時間、ラストスパートをかけて取り組みます!

    1. アヤカ より:

      ロムさん

      あとは「今まで続けてきたことを繰り返して頭から離れないようにするだけ」とのこと、
      いいかんじのスケジュールで進めてこられたようで、よかったです!!!
      ラストスパートがんばってください!
      応援しています!!!

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