【渾身】生産情報システム〜製造編〜
🌊🌊🌊 道場夏セミナーのお知らせ 🌊🌊🌊
一発合格道場読者のみなさま!!お待たせいたしました。大好評春セミナーに続く夏セミナー開催のご案内です。
・日程:2021年7月17日(土) 14:30~18:00、その後懇親会
・場所:オンライン(zoom開催)
・募集人数:80人
・応募期間:2021年6月24日(木)12:00~7月6日(火)23:59
・募集方法:応募期間内に以下の申し込みフォームよりお願いします
・内容:2次試験対策 (事例Ⅰ~Ⅳまで、道場メンバーによる解答のコツ、個別相談など検討中)
*今回の内容は、ある程度2次試験の問題を解いている方向けの2次試験対策セミナーです。
1次試験後、9月上旬にこれから2次対策を始める方向けのセミナーを予定しています。
(内容は今回の内容+2次試験学習の基礎知識)
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みなさんいかがお過ごしでしょうか!もう早いもので2021年もそろそろ上半期も終わりますね!そして今年も夏セミナーの時期がやってきましたね!!!
今年は上記に書いているように、2回行います!
1回目は多年度生やすでに2次試験をある程度解いている方向け、2回目は1次終了後に取り組み始める人向け、という形で開催します!
12代目一同、皆さんの力になれるよう精一杯準備しますので、どしどしご参加くださいね(#^.^#)
では今回は前回に引き続き「生産情報システム」の製造編として紹介していきます!いってみましょう!!!
- 1. 生産情報システム(製造編)の全体像
- 2. 個々の工程の自動化
- 2.1. NC工作機械(Numerical Control: 数値制御)
- 2.2. MC (マシニングセンタ)
- 3. 工程の塊の自動化
- 3.1. FMC: Flexible Manufacturing Cell(フレキシブル加工セル)とFMS: Flexible Manufacturing System(柔構造製造システム)
- 4. 工場全体の自動化
- 4.1. FA:Factory Automation
- 5. 企業システム全体の自動化
- 5.1. CIM(Computer Integrated Manufacturing)
- 6. 1次試験の例題
- 7. 2次試験では?
- 8. まとめ
生産情報システム(製造編)の全体像
受注から納品までは大きく、「受注⇒設計⇒調達⇒製造⇒納品」という流れで進みます。今回はその中でも【設計】についての情報システムを使ったものを紹介します。
設計の生産情報システムの全体像は以下です。
大きく分けると、以下のようなレベル間になります。
- 個々の工程
- 工程のかたまり
- 工場全体
- 企業全体
そして今回出てくる用語はNC工作機械、MC(マシニングセンタ)、FMC、FMS、FA、CIMです。設計編と同様、それぞれの繋がりを意識すると知識が定着しやすいので、繋がりを意識しながら学習を進めましょう!
上記の表で全体像わかりましたね?では詳細に行ってみましょう!!
個々の工程の自動化
NC工作機械(Numerical Control: 数値制御)
NCとは数値制御のことをいいます。そして工作経路や加工に必要な作業の工程を数値で指令し、制御する工作機械のことをNC工作機械といいます。
位置情報の座標を基に数値を与えることで、安定かつ自動で加工ができます。
代表例は旋盤加工やフライス加工があります。
DNCとCNCとは?
・DNC:Direct Numerical Control(直接数値制御)
簡単にいえば、NC工作機や搬送機器をたくさん集めて、それらにオンラインでまとめて指令を出すシステムのことです。
これを使うメリットは同じものを精度良く加工することができると言う点です。
・CNC:Computer Numerical Control
コンピュータによるデジタル制御を指します。現代では基本的にコンピュータを用いないNC工作機械はないので、CNC=NCと言って問題ありません。
MC (マシニングセンタ)
MCは多数の工具を工具保有用マシンガンに装備して、多数の異なる作業を自動で行う数値制御多機能工作機のことです。
簡単に言ってしまえば、NC工作機を1台に集約した工作機です。
そして工具を交換する際に重要な装置が、ATC(Automatic Tool Changer:自動工具交換装置)です。これにより、旋削や穴あけ、平面加工等の異なる加工を実現し、段取り作業の効率化を図っています。
通常、ATCは20〜70の工具をマシンガンに装備して、自動で必要な工具に交換する機能を有しています。
工程の塊の自動化
FMC: Flexible Manufacturing Cell(フレキシブル加工セル)とFMS: Flexible Manufacturing System(柔構造製造システム)
FMCはMCをまとめたもので、工程をひとまとまりにカバーしたものです。
そしてFMSはさらに複数のFMCをまとめたものです。
設備全体をコンピューターで統括して制御・管理することで、加工⇨組み立て⇨検査⇨搬送まで自動で行えます。
多品種少量生産を効率的に行え、顧客のニーズに答えられる柔軟性の高い生産システムです。
つまり製品の変更にも対応可能なシステムです!
またFMSは無人搬送機であるAGV(Automatic Guided Vehicle)を組み合わせています。
工場全体の自動化
FA:Factory Automation
FAは工場全体を自動化するためにシステム化したものです。
FMSではあくまで生産のための自動化システムでしたが、そこに資材調達や設計データの管理、その受け渡し、工場で発生する間接業務までも自動化したものがFAです。
前回の記事で紹介したCAD/CAMもFAに組み込まれ、管理・作業を行っています。
昔は人の目や手ではできない工程や精度が要求される作業などをカバーする、補助的な使い方が主流でしたが、近年ではイノベーションにより、人間が補助役を行うケースも増えています。
これにより工場の省人化は進み、生産効率アップやコストダウンを実現しています。
時価総額4位の企業とは?
突然ですが、日本の時価総額ランキングの第4位はどこの会社かご存知でしょうか?
ちなみに、1位:トヨタ自動車(32兆)、2位:ソニーグループ(13兆)、3位:ソフトバンクグループ(13兆)です。
正解は、キーエンスという会社です。しかも時価総額は2位、3位と僅差の13兆円。(兆単位で僅差というのもおかしな話ですが。。。)
キーエンスは年収ランキングでもトップ10の常連で、営業利益率は脅威の50%越えの超優良企業です。
では、キーエンスはなんの会社かご存知でしょうか?
そうです。ご察しの通り、キーエンスはFAの総合メーカーです。工場の効率化の需要は世界中で高まっており、そこでキーエンスは70%超が世界初という製品を作り上げることで高い利益率を確保し続けています。
興味がある方はこちらの方のnoteが詳しく解説されているので参照ください。(上場企業分析①キーエンス ~営業利益率50%超と高成長継続の秘密~)
日本に世界有数のFA企業があったなんて!!!
企業システム全体の自動化
CIM(Computer Integrated Manufacturing)
さて、最後の自動化です。
CIMとは受注から製品開発、設計、生産計画、調達、製造、物流、製品納品等、生産に関わるあらゆる活動を管理・制御するシステムのことです。
FAは工場レベルでしたが、CIMは企業レベルでの話になります。
ここまでくると、データベースとネットワークで業務を統合することで、経営目標・戦略を達成するために各種の企業情報を統合して生産活動を行うことになります。
FMS〜CIMをまとめると、以下のようなイメージです。
ERPとSCM
最近ではCIMという言葉自体使われることが少なくなってきているそうです。(試験では問われる可能性があるので、覚えておきましょう。)
その代わり企業経営全体を最適化する「ERP(Enterprise Resource Planning)」やサプライチェーン全体を最適化する「SCM(Supply Chain Management)」はCIMの後発のシステムで、CIMの基本概念を引き継いで発展してきています。
ERPとSCMについても出題されることもあるので、合わせて覚えておきましょう!
1次試験の例題
直近過去5年間では、生産情報システム〜製造編〜の用語について3回出題されています。
ではH30年の出題を見てみましょう!
H30年第5問
(問題)マシニングセンタに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア:工作物を回転させ、主としてバイトなどの静止工具を使用して、外丸削り、中ぐり、突切り、正面削り、ねじ切りなどの切削加工を行う工作機械。
イ:異なる機能をもつ数台から数十台の工作機械を等間隔、かつ、直線状に配置し、それらを搬送装置で結合した工作機械群。
ウ:自動制御によるマニピュレーション機能または移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械。
エ:主として回転工具を使用し、フライス削り、中ぐり、穴あけおよびねじ立てを含む複数の切削加工ができ、かつ、加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械。
どうでしょうか?どれかわからん!と言う方は、再度上記の解説をみてみましょう!
正解は(エ)ですね!特に「工具を自動交換できる」と言う点がATCを指していることから判断がしやすいですね!
ちなみに(ア)は旋盤を、(イ)はトランスファーマシンを、(ウ)は産業用ロボットを示しています。
2次試験では?
直近の2次試験では令和元年度の事例Ⅲでこの辺りの用語が出ました。
以下、引用します。
令和元年度事例Ⅲの第10段落
その内容は、自動車部品専用の熱処理設備で加工している X 社の全ての部品の機械加工であり、C 社では初めての本格的量産機械加工になる。受託する金属部品は、
寸法や形状が異なる 10 種類の部品で、加工工程は部品によって異なるがそれぞれ 5工程ほどの機械加工となり、その加工には、旋盤、フライス盤、研削盤、またはマシニングセンタなどの工作機械が必要になる。この受託生産に応える場合、機械加工部門の生産量は現在の約 2 倍になると予想され、現状と比較して大きな加工能力を必要とする。
参考:中小企業診断士協会HP
部品によって加工工程が異なる⇒リボルバー式のATCを装備したマシニングセンタであれば解決できる!
といったような連想が出来ますよね?ここでマシニングセンタが何かをわかっていないと、私の初めての回答のように、
「工具の交換が容易で段取り作業時間が短い設備の導入と配置をする」
といったような、
こいつマシニングセンタっていう1次知識さえもわかってねーじゃん。。。
といった回答を書きかねません。得点は入らないということはないとは思いますが、書けた方がもちろんいいですし、何より文字数を減らせます。
(カタカナは2文字で1マスでいいので。詳しくは先日のアヤカの記事をみてみてください!)
中小企業は新しい設備の投入が厳しいことが多いですが、「新たな設備の導入を検討している」等の文言が書かれている場合は、こういった生産情報システムのアイテムの導入で生産性改善案としてもいいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?先週と引き続き生産情報システムについて解説してきました。
例年、この分野は出題されやすい一方、それほど難しい項目でもないので、必ず得点源にしたい問題です。
まずはイメージからでも良いので、全体感を覚えてしまいましょう!
また事例Ⅲの解き方に関しては、以前TAKUROがまとめてくれた記事が非常に参考になります。
精算情報システムの略語は、何度も復習しているのですがそれでも記憶が曖昧になっておりました。
今回、改めて詳細に、且つイメージ画像付きだったので、するっと頭に入ってきました。
本日の記事は繰り返し見返して、知識定着に活かしたいと思います! ありがとうございます!
本記事で取り上げられていたキーエンスという会社については、聞いたこともなく全く知りませんでした。
日本にもすごい企業があるんですね……!
勉強の息抜きに、noteの記事も読んでみたいと思います!
ロムさん
コメントありがとうございます!
お役に立てたようでよかったです!
私は製造業勤めではないので、画像探しに結構苦労したのは裏話です。(笑)
キーエンスは技術はあるけど、売るのが下手な日本企業というイメージとは違った、技術も売るのもうまい企業として素晴らしい企業ですので、知っておいて損はないかと思います!
是非note読んでみてください!(私の記事ではありませんが(笑))
久しぶりに記事を読み直して復習をしていたのですが、一点記載ミス?があるかと思いましたのでご報告致します。
工程の塊の自動化
FMC: Flexible Manufacturing Cell(フレキシブル加工セル)とFMS: Flexible Manufacturing Cell(柔構造製造システム).
というタイトルの部分、FMSはFlexible Manufacturing Systemの間違いかな? と思いまして……。
ロムさん
ご指摘ありがとうございます!ロムさんのおっしゃる通りです。
大変助かります!修正しておきました(^ ^)
そういったご指摘は大変ありがたいので、どしどし下さると幸いです。