【診断士2次試験】事例Ⅲ~伝わりやすい記述のコツ編~

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

一発合格道場ブログをあなたのPC・スマホの
「お気に入り」「ブックマーク」に
ご登録ください!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

皆さまこんにちは。ぴ。です。過去記事はコチラ。

今日は早速本題にいきますっ。

前回の記事では事例Ⅲについて、以下の対策①②を通じて、効率よく与件を読むコツについてお話しました。

今回は、残りの対策③④を通じて、伝わりやすい解答をするコツについてお話したいと思います。

対策① 基本的なC社像を想定して与件文を読んでいた。

効果➡ 着眼点を持って与件を読むことで根拠が見つけやすかった。

対策② 設問要求の切り口を明確にしていた。

効果与件の根拠と設問の対応付けをするコツを掴むことができた。


~今回の記事は下記の内容です~

対策③ 設問内や設問間の関連性を強く意識していた。

効果他事例より因果関係で書くことが容易にできた。

対策④ 分析や改善のキーワードをあらかじめ準備していた。

効果多面的に且つ端的に伝わりやすい解答が書けた。

今回の記事をおススメしたい方・設問の関連って重要なのかよく分からない。

・解答の型がぶっちゃけまだよく分からない。

何か少しでも参考になる点があれば幸いです。それでは早速スタートします。本日も宜しくお願いします。

はじめに


私は事例Ⅲの解答を記述する際、パッと見の見栄えを良くすることを強く意識していました。

理由は、高得点者の再現答案を分析すると、内容うんぬんよりも解答の見栄えの良さに共通点が多かったためです。

具体的には、主語や切り口が明確であることに加え、与件の根拠と一次知識のキーワードで因果関係になっているため、解答をパッと一瞬見ただけで何について書いてあるかが分かり、見栄えが良いなぁと感じました。

・文頭に主語を使う。

・ワンセンテンス内も必ず因果関係で書く。

・文末はキーワードで締める。

上記のような解答の型(枠組み)を徹底的に練習しました。そのポイントを以下にお話していきたいと思います。

設問の関連における3つのポイント


先ずは、先日のオンライン合宿でご質問をいただいた設問の関連について。

皆さまは、設問の関連についてどこまで意識して解答されておりますでしょうか。

これは私が長きに渡る受験生時代に情報収集していた頃も様々な意見があり、非常に悩ましいところでした。

結論として、私は過度に意識せず、基本的には設問ごとに与件文の根拠と対応付けて、妥当性のある分析結果または助言内容を記述するスタンスでした。

一方で、第1問でよく問われるSWOT(経営環境分析)問題の結果を踏まえた記述は意識するべきだと思います。

例えば、事例Ⅰで新たな戦略についてリスクや留意点が問われた場合、解答の視点として、「A社の強みが喪失するのではないか?」とか、「A社の弱みを補強しないといけないのではないか?」などを意識して記述するなどです。

また、事例Ⅱで施策が問われた場合、アイデア解答にならないように、ターゲットのニーズに応じた強みを活かした内容にすることは重要です。 よって、SWOTはその後の設問の整合性を高める上で最も重要な問題であると思います。

少し話が脱線しましたが、今回の主題である事例Ⅲに焦点を当てていきたいと思います。

事例IIIの場合、特に①「第1問と最終問題の戦略問題との関連」は重要です。 その他、設問間の関連とはちょっと内容が異なるかもしれませんが、解答をバランス良く、見栄え良く書くコツとして、②「設問の要求に応じた因果関係」や、③「枝分かれする設問の連動性」について意識しておりました。

以下、この3点について、いくつか過去問を使ってご紹介していきます。

時間内に解答欄が埋められないよ~という方は、「考えて書く文字数って意外と少なくていいんだな」と、少しラクな気持ちになっていただけるかもしれません。

※今回の話しは箇条書きで型を考えることを前提としています。

①第1問と最終問題の関係

R1 第1問

C社の事業変遷を理解した上で、C社の強みを80字以内で述べよ。

✅第1問のSWOTは最後の経営戦略の問題との関連で考える。

【解答の型】

強みは、①(与件)による〇〇、②(与件)による〇〇、である。

【ポイント】

強みは、最終問題の成長戦略に活かせるものが良いです。そのため、第1問は単独で考えず、最終の戦略問題と一緒に考えることがポイントです。

解答要素は前回の記事でもご紹介しましたが、「C社の部門の強み・弱み」や「取引先や協業先との機会」といった切り口を意識して多面的に解答していくと戦略問題との整合性が高めやすいです。

今回は80字なので、2〜3つくらいの切り口で書いていけると良いと思います。ただ、べりーの記事にもあったように事例IIIの第1問はコスパが良いので、できれば3つの切り口で書く準備はしておきたいです。

形式面では、文末を〇〇力や、〇〇体制といったキーワードで記述することで見栄えがよくなります。

R1 第4問

新工場が稼働した後のC社の戦略について、120字以内で述べよ。

第1問で挙げたSWOTは必ず解答に含める。

【解答の型】

戦略は、①(強み)を活かし、②(機会)を捉え、③(弱み)を克服して、(経営課題)を果たし成長する。

【ポイント】

最後の戦略問題は、基本的な成長戦略のフレームワークが問われていると考えていました。

解答要素は、与件文から根拠を抽出し、①強みを活かす、②機会を捉える、③弱みを克服する、④高付加価値化(Q)、低コスト化(C)、短納期化(D)などを書いていけると見栄えの良い解答になります。

※事例Ⅱは、誰に・何を・どのように・効果、といったフレームワークが重要と言われますが、事例Ⅲの戦略問題も上記のような解答要素でのフレームワークで答えることで、短時間で見栄えの良い解答が書けます。

②セットの設問要求による因果関係

H30 第2問

C社の成形加工課の成形加工にかかわる作業内容(図2)を分析し、作業方法に関わる問題点とその改善策を120字以内で述べよ。

例1)問題点と改善策の番号を連動させて(揃えて)因果関係で書くパターン。

【解答の型】

問題点は①〇〇、②〇〇。改善策は①〇〇、②〇〇、で作業方法を効率化する。

【ポイント】

問題点①と改善策①を番号を揃えて因果関係で記述することで、それぞれが対応していることが明確に分かり伝わりやすいです。

また、問題点と改善策をそれぞれ主語にすることで、設問要求を漏らさず書くことができ、読み手もパッと見て何が書いてあるのかが明確に分かります。

例2)1センテンス内に因果関係で書くパターン。

【解答の型】

①〇〇が問題のため、〇〇で改善する。②〇〇が問題のため、〇〇を改善し、作業方法を効率化する。

【ポイント】

箇条書きでも、1センテンス内に問題点と改善策を因果関係で書けるため、例1に比べて字数が抑えられ、より多くの解答要素を記述することができます。読み手も流れるように読みやすいです。

ただ、この書き方の場合、設問要求の言葉が主語にならないため、どこまでが問題点でどこからが改善策なのかを明確に表現しないと、かえって読みづらくなるリスクもあります。

R1 第2問

自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C社における生産面での効果リスクを100字以内で述べよ。

✅メリット・デメリット問題も、できる限り一つずつ因果関係で書く。

【解答の型】

効果は①(与件)による〇〇向上、②(与件)による〇〇の削減。 リスクは①(与件)による〇〇増大、②(与件)による〇〇の低下。

【ポイント】

効果は、リスクは、と設問要求に対して主語を明確に記述することで、パッと見で「効果とリスクについて書いてあるんだな」ということが分かり読みやすいです。

内容面では、例えば単に「稼働率が向上」、「コストが削減」と効果を書くだけでは説得力が不足していると思います。与件文の根拠の記述との因果関係で解答することが重要です。

また、効果とリスクの解答要素について、100字ならば2つずつ程度、複数の視点で解答することが重要と考えます。一つの効果やリスクについてダラダラと書くのではなく、複数の視点で端的に示していくことで得点の可能性が高まると考えます。

③枝分かれ設問の関係

H24 第3問

C社では新規事業として外食チェーンY社との取引を検討している。その計画について以下の設問に答えよ。

(設問1) Y社から要求されているセントラルキッチンとしての機能を備えるためには、C社ではどのような対応を必要とするのか、120字以内で述べよ。

(設問2) Y社から要求されているセントラルキッチンとしての機能を果たすためには、C社の日常業務上どのような情報が必要になるか、100字以内で挙げよ。

✅枝分かれの設問間の解答を連動させることで説得力が高まる。

【解答の型】

※設問1は対応策を述べることを問われている。

①(与件)を備えるため、〇〇を対応し、②(与件)を備えるため、〇〇の対応が必要である。

※設問2は情報を挙げることを問われている。

①(対応)には、〇〇、〇〇、〇〇、②(対応)には、〇〇、〇〇、〇〇、の情報が必要である。

【ポイント】

枝分かれ設問は片方ずつ考えるのではなく、両方同時に解答を考えることがポイントです。カンペキに両設問を揃えることは難しいですが、意識しておくことが大事だと思います。

また、この問題は、見落としがちですが、設問1では「述べよ」と要求されているのに対して、設問2では「挙げよ」と要求されています。つまり、設問1で述べた対応策に対して、設問2では情報を複数列挙せよと問われていると解釈することができます。

(参考)設問要求が1つの場合

H28 第2問

現在C社が抱えている最大の経営課題は、収益改善を早急に図ることである。生産管理面での対応策を160字以内で述べよ。

✅対応策とだけ問われた場合でも、「原因と対応策 」または「対応策と効果」の因果関係で書く。

【解答の型】

例1)対応策は、①(原因)のため、〇〇を行う。②(原因)のため、〇〇を行い、収益改善を図る。

例2)対応策は、①〇〇により(効果)ができる。②〇〇により、(効果)ができ、収益改善を図る。

【ポイント】

このケースは設問の関連でも何でもないのですが、私が書き方で気をつけていた点なので、参考までにご紹介します。

対応策だけを詰め込んで解答してしまうと、読み手からすると何でその対応策が必要なのかが不明です。私も以前は、「いや~、だって与件文に問題の原因が書いてあるし、対応策とだけしか問われてないんだからわざわざ書かなくても分かるでしょ?」と思っていました。

しかし、問題点に応じた対応策が分かっていますよ、ということを解答に記述して因果関係で示す解答のほうが見栄えが良く、読みやすかったので書き方を改めました。

また、別の視点では、対応策を出題者のストライクゾーンにバンバン記述できれば良いかもしれませんが、正解が不明な試験でそれは難しいと思います。

よって、与件文から問題の原因をしっかり指摘した上で対応策を書き、または対応策に対する効果を与件文から指摘するなど、因果関係で記述することで、相対的に他の受験生よりも説得力が高まり、得点が入りやすくなると考えます。

改善策のキーワードは事前に準備


最後に、キーワードについて少しだけ。

ふぞろいなどを参考に、合格者が使っていたキーワードをいくつか設問要求ごとに覚えておくことで、改善策を瞬時に書くことができました。 重要なことは、キーワードの数をたくさん覚えておくことではなく、汎用的なものに絞り、解答作成で瞬時に使えるようになることだと思います。

例えば、Aという問題点に対し、改善策として妥当なキーワードを何個か紐づけて覚えておく。 また、A、Bという切り口の違う問題点に対してでも両方の改善策にも使えるキーワードを何個か覚えておくなどです。 後者は例えば、設備管理方法のバラツキ、資材調達方法のバラツキなどの問題点対し、「QCサークル」、「標準化」などのキーワードが当てはまります。あまりこだわらず、妥当性があればいいんです。

事例Ⅲは、問題点のパターンが同様のケースが多いので、キーワードが効果的に使えると思います。合格者の再現答案などから「コレいいね」と思うものに絞って覚え、演習で実際に「とにかく使ってみる」ことを意識して学習することをおススメします。 様々なブログの記事で紹介されているキーワード一覧のようなものを参考にしてそれを覚えてしまうという手もあります。ですが、様々なキーワードを見ると、「あれもこれもそれも覚えたほうがよいのでは?」とキーワードを覚えることが主眼になり、実際に使うことがおざなりになってしまうので、たくさん覚えようとすのは個人的にはオススメしません。実際に使えなかったら意味ないですからね。

繰り返しになりますが、ご自身で「コレいいね!」と思うキーワードだけに絞り、まずは過去問演習などで実際に使うことを重視して練習することをオススメします。

まとめ


今回は、伝わりやすい解答をテーマに見栄えを重視した書き方のポイントをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

・設問の関連における3つのポイント

①SWOT問題と最終の戦略問題の関連

②セットで問われる問題の因果関係

③枝分かれの設問の関連

設問間の関連性を意識することで、見栄えがよく、また説得力のある解答が書きやすい。

設問内の問題点と対策、メリットとデメリットなどセットで問われるため因果関係で書きやすく、パッと見て何について書いているか伝わりやすい。

・改善策のキーワードを準備する

文末をキーワードで締めると解答が引き締まるため、伝わりやすい解答になる。

多くのキーワードを覚えるのではなく、汎用的に使えるキーワードに絞って覚える。

キーワードを覚えることを主眼におくのではなく、実際に解答に書けるようになることを主眼において練習する。

前回の記事でもお話しましたが、事例Ⅲは反復学習の効果が高いと思います。今回の記事のように解答の書き方についてもパターンを想定して練習しておくことで、短時間で伝わりやすい解答を書くことができるためです。何か少しでも参考になる点があれば幸いです。

今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございます。

ぴ。でした。


☆☆☆☆☆☆☆

いいね!と思っていただけたら

にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ

にほんブログ村

↑ぜひ、クリック(投票)お願いします!

皆様からの応援が我々のモチベーション!!

Follow me!

【診断士2次試験】事例Ⅲ~伝わりやすい記述のコツ編~”へ2件のコメント

  1. ぴ。 より:

    サトシさん
    コメントありがとうございます!
    ご参考にして頂けたようで良かったです!
    解答の型が最も効果的なのは、「問われたことに正面から答える」に対応できる点です。確かにイレギュラー問題には対応しづらいですが、そのような問題に時間をかける必要はないと思います。結局、二次試験は基本的な問題をしっかり準備して、問われたことに対して多面的に分かりやすく書くこと、に尽きると思います。
    私は事例III以外はサッパリダメでしたが、サトシさんは他の事例でも万全に準備して、試験に臨んでくださいね!何かご質問ありましたら遠慮なくコメントください。応援しています!

  2. サトシ より:

    お待ちしておりました。
    今回の投稿も非常にわかりやすくて、頭に入りやすいです。ポイントの書き方が2次試験の解答みたいにスッキリしていますね。有益な情報をありがとうございます。

    カタの重要性は僕も実感しています。もちろんカタにこだわりすぎると、カタに当てはまらないイレギュラーな問題が来ると戸惑うという短所はありますが、何より時間が短縮できますし、考えも整理しやすいです。
    80分のプロセス(手順)を決めてそのとおりに実行するのも、広い意味ではカタになりますよね。僕は80分のプロセスから解答内容や与件の内容を把握する際の切り口、解答のカタ(改善策のキーワードも)まで、カタをつかむようになってからは、時間の使い方や解答内容のコントロールの精度が上がった実感をもっています。
    でもまだまだです。これからも質を高めていけるように精進して参りますので、よろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です