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こんにちは、ふうじんです。

今日は原価計算制度、特に標準原価計算(予定原価計算)のお話。簿記の学習経験がある方なら、繰り返し詳しく学ぶ「原価計算制度」。でも診断士学習上は、特に意識する必要はなし。「管理会計」として大括りに捉え、「意思決定会計」の背後にある理論、程度に考えておけばOK。

ではなぜ今日ここで紹介?ではその前にちょっと簡単なアンケート結果のお知らせ。
 

■日本一?サンプル数の少ないアンケート ~道場執筆者編■

今日この記事を書く際、実は道場執筆陣5名にあるアンケートを実施っ。
題して「1次試験7科目のうち、実務上最も役に立った科目は?

<アンケート結果>

<科目別コメント>
※一人あたり上位3科目を挙げ、1位(3点)・2位(2点)・3位(1点)として順位を算出。

1位 企業経営理論 11点
・経営のイロハを実は知らなかったことを思い知らされた(ハカセ)。
・会社の中期経営計画策定に携わった際、企業経営理論で学んだ内容を活かして事業環境分析や事業成長ストーリーを考え、会社の軸となる3つの事業戦略を構築提案できた(アックル)。
・少々古典的な理論も多かったが、ベースとなる知識を学習できたので、その後、日経ビジネスやハーバードビジネスレビューなどを読んだ際により深い洞察を得られるようになった(ZonE)。
・自分の部下のモチベーション向上に役立つアイデア・具体策が多数。もともと自分がやってきたことに自信を持つことができた(JC)。
・経営戦略・組織論ともに、企業の役員クラスが好む話題に、何喰わぬ顔でしれっと加わることができる(ふうじん)。

2位 財務・会計 8点
・会社の営業部門や経理部門の担当者と話をする際、前提知識があるだけで色々深い話ができるようになった。もともと会計・ファイナンス知識は「デキるビジネスマン」には必須と思っていたので、勉強する良い機会になった(ZonE)。
原価計算の概念を学べたことが役立った。商社には工場がなく原価管理概念を実務上学ぶことができない一方、世界各国の工場に出資する立場であるから(JC)。
・簿記とは異なる「財務諸表を分析する」スキルが学べた。またファイナンスの基礎を身に付けたことで、次に受けた証券アナリスト試験(1次)をラクラク合格できた(アックル)。

3位 経済学・経済政策 7点
・財務会計同様、証券アナリスト試験(1次)のラクラク合格に役立った(アックル)。
・為替・金利の理解に役立つ。銀行の融資担当者と話す際、ちょっとした質問を入れることで「お、コイツ手強いな・・」と思わせる効果がある(ふうじん)。

4位 運営管理 2点
・ECRS・PERT、はたまた両手動作など、デスクワークを効率化させるヒントが多数(ふうじん)。

5位 経営法務 1点
・会社法などの知識は、将来起業をする上で役立ちそう。民法は宅建試験学習の際の基礎知識にもなった。この分野に対する知識が乏しかったので、全般的に雑学としても勉強になった(ZonE)。

5位 企業情報システム 1点
・従来システム関連の業務が嫌いでシステム部に任せきりの点があったが、例えば「可用性」など彼らも詳しく知らない用語を上手に使うことで、対等以上の立場で意見を通せるようになった(JC)。

7位 中小企業経営・政策 0点

「企業経営理論」ダントツ人気。「財務・会計」が次点。意外な健闘が「経済学・経済政策」。サンプル数があまりに少なく、細かい分析はまた別の機会に譲るとしても、

1次試験7科目の知識は、実務上で活用可能
初見の知識というより、既存の断片知識を体系化する効果
自分が不案内だった分野がより強く印象に残る

の3点は、結論として異論なく位置づけ可能。
他にもご意見・ご感想お待ちしています!
 

■1次対策知識を実務で活かせる?■

ちなみにこのアンケートの狙いは、「1次試験知識を活かす際、ストレート合格の方が有利なのでは?」という仮説の検証。知識が新鮮なうちに合格すると何か有利かな?と思って。

でも、ほぼ無関係だね。

よくよく考えれば、実際に実務で使う知識は基本的・重要なものばかり。しかも「新たに学んだもの」というより、「既存の知識を体系的に整理できる」ことの方が効果あらたか。これらの知識は脳の中での「長期記憶化」が必要だから、最近学んだかどうかよりも、何回繰り返し学習したかの方が大切。よって、ストレート合格・複数年度合格に関わらず、

1次試験の知識を実務で活用できるかどうかは、その人の意識(心がけ)次第。

これが今日の1つ目の結論。うぅむ、言わなきゃ良かった。
 

■原価計算制度 に興味深々■

さて今日はもう一つの結論(お誘い)をご用意。それは、

原価計算制度」にちょっと興味を持ってみませんか?

というご提案。

え、原価計算なんて診断士試験でほとんど出題ないし。

はい正解。でも先のアンケートの中で、JCが意味深な発言。

原価計算の概念を学べたことが役立った。商社には工場がなく原価管理概念を実務上学ぶことができない一方、世界各国の工場に出資する立場であるから。

まず前提として、

財務諸表(商業簿記)=帳簿を作成するルール とすれば、
原価計算制度(工業簿記)=製品製造原価を計算するルール

と思ってよい。しかし財務諸表(=制度会計)とちょっと異なり、原価計算にはある一定のルール内なら自由にやって良いですよ(=管理会計)という寛容性あり。そしてこの「寛容性」が面白い。ある一定のルールの下、原価の分析や改善のために様々な工夫が行われてきた集大成が「原価計算基準」。診断士試験対策では「意思決定会計」の前提として、表面をさっと撫でる程度の学習で通り過ぎていくけど、

一つの物事を、定量的に多様な切り口で分析する手段thunder

が、診断士として企業を診ていく実務に何か役立ちそう、と気付く人が居ても不思議ではない。本人確認はしていませんが、JCがそこに気付いていた可能性は高い。

とはいえ実際に「原価計算制度」を細かく学習しろって話ではないですよ。実務で「原価計算」に携わる機会はかなり限定的だし、工場の原価計算なぞ現在はほとんどFA(Factory Automation)化済みだから、学ばなくても仕事はできる。しかし、原価計算制度は1870年代産業革命時代のイギリスでの誕生にまで遡る、歴史ある・体系化・完成された学問。一通り基礎からしっかり学んでおけば、一生モノの知識。

実際、企業の経営計画策定には、CVP分析設備投資意思決定など診断士学習で学ぶ論点は必須。でもその基礎は「管理会計」であり、はたまた「原価計算」。

うわべだけ語るより、基礎からしっかり理解した人の方が、説得力が高いのは当然でしょ?
 

■予定原価計算~診断士学習への応用■

さて、診断士講座で何か知識を仕入れたら、自分の学習効率UPに使えないか頭を一捻り・・。最近この手のネタ乱発だけど、今日もいくつかネタを。

原価計算の種類を6つ、さらっと言えますか?

個別原価計算⇔総合原価計算
実際原価計算⇔標準原価計算
全部原価計算⇔直接原価計算

余計な学習時間がもったいないから深入りは避けるとして、「財務・会計」対策の計算問題集・スピ問を解いた後、2周目の解き直しの際にはこの3つの対の関係をセットで理解しておくと便利。目的と特徴を一通り「他人に説明できる状態」になれば合格点。なぜ便利かは、3周目以降の解き直しの際に、必ず自力で気付けるからね。

さらっと補足すると、「全部⇔直接」の関係が最重要。

 全部原価計算=財務諸表作成上の原価計算方法(=制度会計)
 直接原価計算=CVP分析など、経営情報として有効な計算方法(=管理会計)

この違いを意識するかどうかは、1次対策・2次対策を通じ、デキる人⇔デキない人を分ける一つのポイント。
次いで考慮したいのは「実際⇔標準」のペア

 実際原価計算=商品の製造後に原価を求める方法
 標準原価計算=商品の製造前に標準原価を求め、実際原価との差異分析により原価能率を高める方法

 ここまで書くと、当ブログの記事を何度か読んだ経験のある方なら、フフン、と感づいたはず。標準原価計算が含む考え方の一つが「予定原価計算」。簡単に言うと、

 いちいち原価情報が来るのなんて待ってられないから、
 仮価格で決めて先に計算しちゃえば良くね?

ということ。運営管理的に言えば、作業速度を早める際にボトルネックとなる遅れ情報がある場合、無視して先に進めちゃえ、ということ。この思想を診断士学習に応用すると、1次試験対策は1科目1科目の知識を確実に仕上げることが大切。でも「財務・会計」については、

わからない論点があれば、一旦飛ばして後から戻ってくることが時に有効

という教え(ただし必ず戻ってくること(笑))。

また個人的に「予習重視」のみならず「予定重視」「予想重視」と勉強方法を手広く差別化できたのも、そのスタートは標準原価/予定原価計算発想。決して思いつきやオリジナルアイデアではなく、学術理論的な裏づけがあって(当時は無意識に)学習方法を選択していたわけね。

だって養成答練一つを取り上げてみても、

 ふらっと出向いて人並みの点数を取り、家に帰ってコツコツ復習(=実際原価計算的)より、 

予め出題論点を予想し、高得点を取って復習量削減、間違えた所だけサクッと対策(=標準原価計算的)

の方が合計7科目にも及ぶ診断士1次学習においていかに有利であるか、語る必要もないですよね?

ちなみにここ最近、「5月以降の学習・・」「5月」「5月」としつこいのは、この点も関連。でも今はまだ内緒っ。今後のお楽しみ。

byふうじん

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