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公開期間:2019年8月5日まで
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みなさんこんにちは!ちこまる(仮)です。合格体験記はこちら。
また、過去記事はこちらです!今日の記事は9回目。暑かったり、急にすずしくなったりと気温差が大きいですね。体調など崩されていませんか?季節はもう6月。1次試験まで、泣いても笑ってもあと2ヶ月です!ちなみに1次試験の申し込みは昨日の消印有効でしたね。まさかとは思いますが、申し込み忘れた…!!なんて方がいらっしゃらないことを祈りまくるばかりです!!
さて、令和最初の診断士の登録に関する官報が出ました!4月下旬に書類を提出したのですが、残念ながら今回は掲載ならず。。私が登録を受けるのは早くても6月になりそうです。中小企業庁にも令和第1号が殺到したんでしょうかね。楽しみに待ちたいと思います。そして来年は是非みなさんも!!という気持ちで、今回もお送りします!!
今日の記事はちょっと長くておよそ5,000文字。10 分程度お時間ください♪
2回めの渾身!は財務会計の原価計算から!
このシリーズ毎回どうしようと思い悩みまくるんですが、原価計算にしよう!!と決め、原稿を書き始めたところ…なんと、たった2日前のmakinoさんの記事とだだ被り!!はぁーもうだめだ。。。またネタ探しの海にこぎ出さなくては…と諦めかけたその時…makinoさんの記事には計算の手法が少ない!!ということで今回は原価計算の「計算」の方をお届けしたいと思います!(もちろんmakinoさんにはちゃんと許可取りましたよ!!快くOKしてくれました〜( ´ ▽ ` ))
言葉の定義や見分け方はぜひ、makinoさんの記事へ!
原価計算ブラザーズ攻略法!(計算編)

今回、原価計算ブラザーズとして、全部原価計算である総合原価計算と個別原価計算を双子の長男・次男とし、三男を標準原価計算、末娘を直接原価計算として計算方法をまとめました。分量の関係で末娘さんの直接原価計算は次回以降にご紹介しますので、まずは三男まで。
makinoさんも言ってますが、原価計算って言葉から内容がイメージしづらいんですよね。色々ありすぎてややこしいわ!と思っている方のお役に立てればと思います。
長男 総合原価計算はBOX図を書くところから!
長男の総合原価計算は、同じ製品を連続して作っている工場を持っています。
長男くんが登場するときに必ずと言っていいほどセットで出てくる言葉は、「仕掛在庫」と「加工進捗度」です。また、材料費の計上方法や仕掛在庫の扱い方についても指定されています。(そうでないと計算できないのです)大抵の場合、材料費は製造開始時に全て投入していることが多く、当月の生産に着手する際、仕掛りからする場合は先入先出、先月と今月の平均を出す場合は平均法と記載されています。
29年度の過去問を使って、平均法と先入先出法で解いてみましょう。
平成29年第8問:長男 総合原価計算
単純総合原価計算を採用している A 工場の以下の資料に基づき、平均法により 計算された月末仕掛品原価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
な お、材料は工程の始点ですべて投入されている。
資 料
⑴ 当月の生産量
月初仕掛品 200 個 (加工進捗度 50 %)
当月投入 800 個
合 計 1,000 個
月末仕掛品 400 個 (加工進捗度 50 %)
当月完成品 600 個
⑵ 当月の原価
月初仕掛品直接材料費 200 千円
月初仕掛品加工費 100 千円
当月投入直接材料費 1,000 千円
当月投入加工費 700 千円
解答群
ア 500 千円
イ 680 千円
ウ 700 千円
エ 800 千円
平均法の解き方です。ボックス図を使って考えるとわかりやすいです。

左側に投入量+月初仕掛品、右側に出荷量+月末仕掛品を書き、それぞれのボックスの中に原価と製造費用を書いていき、当月の製造原価を求めていきます。
平均法は先月と当月でかかっている材料費と加工費の平均値から単価を出すやり方です。
パーツとしては※1から。材料費は月初仕掛品と当月投入の合計を単純に投入数で割ります。
(200+1,000)/(200+800)=1.2
加工費は月初仕掛品と当月投入の合計までは同じですが、実質の加工数を算出します。(100個で進捗度20%なら20個分と計算)
(100+700)/(200+400+400×0.5)=1
当月在庫※2はこの平均単価を用いて計算していきます。
材料費:400×1.2=480
加工費:400×50%×1=200
よって合計値は680で(イ)となります。
ちなみに※3は検算として使ってください。
次に先入先出法で解いてみましょう。

まず左から。左側はこれを作るのにいくらかかったか、という観点で見ていきます。
※1の当月の投入量からこれにかかる材料費と加工費の単価を求めます。
材料は始点に全て投入するので、単純に材料費を投入量で割った値の1.25となります。
加工費は、仕掛品がありますので割り算の分母の方が異なります。
先月の加工の残り分 :200×50%=100個
当月投入した個数 :800-400×50%(来月に繰り越す)=600
合計 :700個
これで当月の加工費を割ると単価は1となります。
ちなみに先月の材料費と違うなーと思った方、いい着眼点です。
ここが引っかかるポイントになるかなと思うのですが、先月の材料費単価と今月の材料費単価は異なるので、話がややこしくなるのです。
今月の方がちょっと材料費がかかってますね。台風が来てりんごが高くなったとか、関税がかかって材料費が上がるとか、そういうことが起こり得ますので毎月一定とは限りません。
また、加工費も同じで、今月は残業になってしまって労働単価が上がって加工費がちょっと高いとか、機械が壊れてしまってしょぼい代替品で作ったとか、いろんな要素があり得ます。
何れにせよ長男登場の際には先月と今月の材料費や加工費は、大抵異なります。つい先月の数字を今月も使いたくなったりしますが、ここはぐっとがまんがまん。。。
さて次に右側です。求められていたのは繰越になる仕掛在庫の原価でしたので、先ほど求めた単価を使って計算します。
材料費:1.25×400=500
加工費:1×400×50%=200
よって合計は 700で選択肢(ウ)となります。(今回は平均法だから、実際の正解は(イ)!)
先ほど同様※3部分は検算として使ってくださいね。
次男の個別原価計算は配賦に注意!
長男は同じものを作り続ける工場でしたが、次男は色々なものを作っています。実直一筋というよりつまみ食いが好きなタイプです。個別に作っているものが全然違うので、一概に加工進捗度◯%でどーのこーの、といったことが意味を持ちません。が、仕掛かりという概念はお兄ちゃんと同じです。先月はこれだけかかったよ、ということがシンプルに示されます。また、次男にしかない特徴としては、製造間接費の配賦という概念です。なんのことかと言うと、工場の電気代とか、この製品にはこれだけだよね、と言うように一見分配しづらい費用のことです。製造間接費の配賦というのが来たら、あぁ次男が来たか、と思ってください(笑)
平成27年第7問 次男:個別原価計算
次の資料は、工場の 20X1 年月分のデータである。
このとき、製造指図書 #123 の製造原価として最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、すべて当 月に製造を開始した。
【資 料】
⑴ 製造直接費
製造指図書 材料消費量 材料単価 直接作業時間 賃 率
#121 650 kg @110 円/kg 90 時間 1,000 円/時
#122 750 kg @110 円/kg 100 時間 1,000 円/時
#123 1,000 kg @110 円/kg 110 時間 1,000 円/時
⑵ 製造間接費
実際発生額:90,000 円
⑶ 製造間接費は直接作業時間を配賦基準として各製品に配賦する。
【解答群】
ア 212,500 円
イ 220,300 円
ウ 253,000 円
エ 262,500 円
製造指図書の#123の原価を求めろと書かれています。
材料費は単価も数量もありますので、掛け算すれば算出できるとして、問題は製造間接費ですね。(3)には直接作業時間で配賦せよと書いてありますから、出題者の言う通りに配賦します。
直接作業時間の総量は90+110+100=300です。
製造間接費の合計は90,000円ですから、300で割り算して、#123に使った110時間を掛けましょう。
90,000/300×110=33,000となります。
材料費は 1,000kg×110円/kg = 110,000円
直接労務費は 110時間×1,000円/時 = 110,000円
これら3つを合算して、答えは(ウ)の253,000円となります。
ちなみに今回は仕掛品なしのシンプルタイプでしたが、先月に製造を開始して先月分の製造原価の指定があるバージョンもあります。
平成24年 問7(過去問にリンクしてます)がそれに該当しますのでやってみてください。
また、製造間接費の配賦方法は直接作業時間を配賦基準とする場合もあれば、直接材料費で配賦したり、直接材料費と直接労務費の合計で配賦することもありますので指示を読み落さないようにしてくださいね。
三男 標準原価計算はTで解こう!
三男の標準原価計算は、計画がはっきりしていてそれ通りに進んだか?をとても気にします。(という設定です)コストが上回ったか?下回ったか?というような差分に注目しています。計画通り行ったかな?というのを確認する計算方法です。
平成26年第10問 三男:標準原価計算
標準原価計算を実施している A 社の当月に関する以下のデータに基づき、材料数量差異として最も適切なものを、下記の解答群から選べ。
なお、材料は工程の始点で投入される。
直接材料費の原価標準データ
300 円/kg ×3 kg = 900 円
当月の生産関連データ
当月材料消費量 3,100 kg 材料消費価格 310 円/kg
月初仕掛品 200 単位
当月完成品 900 単位
月末仕掛品 300 単位
【解答群】
ア 不利差異 30,000 円
イ 不利差異 31,000 円
ウ 不利差異 61,000 円
エ 不利差異 120,000 円
まず、当月投入単位がいかほどだったのか、長男の時に登場したBOX図を書いて計算します。

当月投入は 900+300-200=1,000 単位となります。
次に出てくるのが、こちらのT字の図。

横軸に数量、縦軸に価格を取ります。久しぶりにやると、この上と横がどっちだったっけ…となるので、「おねだん 以上 ◯トリ(カタカナの ト が図に入ってます)」というCMに乗せて覚えてください(笑)。
おねだん(価格)が、上(の軸)になっているトの入った図です。
で、このニト◯図を使って、左下炭の四角を標準、その外側の四角を実際と書きます。これは、標準と実際の差が+でも−でも、内側が標準で外側が実際と覚えてください。ここで大小関係を図に表そうとするとカオスになります。
トの文字が書かれているおかげで、数量差異と価格差異が混同しにくくなります。
数量差異と言われたら、(実際の数量-標準の数量)×標準の価格となり、
価格差異と言われたら、(実際の価格-標準の価格)×実際の数量となります。
この二つを足すと、実際と標準の差になります。
先ほど、数値関係の大小を図に表さないと言いましたが、その差はどう表現するかというと有利差異と不利差異として表現します。
計画より安ければ有利差異、計画より高くついてしまったら、不利差異です。
上記の式で行くと、計算結果が正の場合は不利差異、負になった時は有利差異となります。
今回の場合数量差異が問われていますので、3kg×1,000単位で3,000kgが標準の数量で、実際に投入した数量が3,100kgですので、その差が100kg。
数量差異と言われたら、(実際の数量-標準の数量)×標準の価格 でしたので 100kg×300円 = 30,000円。
実際の方が標準より高くついてしまったので、不利差異となり、正解は(ア)となります。
末娘の直接原価計算は…別の機会に!
makinoさんの記事にもあった通り、直接原価計算は意思決定会計の重要論点ですので、色々な問われ方をされます。CVPもそうですし、投資判断を伴うNPVもそうです。ここで取り扱うにはちょっと記事が長くなりすぎてしまうので、またの機会にご紹介したいと思います。美しい計算用紙の作り方の詳細版もそこでご紹介できれば、なんてことも考えていますので、もう少々お待ちくださいね。
おわりに
今回は原価計算3兄弟の計算方法をご紹介してきました。毎年のように問われる今回の論点、ちょっと複雑な設問になっている時もありますが、ひとつひとつが理解できていれば、振り落とされずに済む問題です。落ち着いて攻略していきましょう!
以上、ちこまる(仮)でした〜( ´ ▽ ` )
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