投稿者「 » Xレイ」の記事



 

週の真ん中水曜日、今日のご予定いかがでしょうか。

こんにちは、6代目 Xレイ です。

5月の水曜は6代目の日ということで、おとさん、うみのリーダー、岡崎先生と続きまして、最後は私が参ります。

と、このような冒頭のご挨拶。
実は以下の本文をすべて書き終えた上で考えているのですが、今日のお話。
ゆるわだとはいえ、試験以外のことを書きすぎたようです。
それでもとおっしゃって下さる方は、どうぞお時間に余裕のあるときお付き合い願えればと思います。

 

さて、一次試験に臨む皆様。
この時期はどのような学習をされていますか。

私は独学でしたが、過去問に徹底的に取り組んでいました。
結果合格していますので、それで良かったものと思います。

大手受験校では「完成答練」が行われているようですが、その傍らで過去問に徹底的に取り組むのがいいのではと、受験校を通じて学習されたたきもさんもおっしゃっていました

やはりこの時期は、独学、通信、通学問わず過去問を中心に学習するのがよさそうです。
いまだ手付かずという方は学習速度を速め、いち早く取り組まれてはいかがでしょうか。

 

また、先日とりさんがおっしゃていた通り、ここから先は試験に近づくほど体調管理にも気を配らなければいけません。

例えば、今日体調を崩し一週間学習できなくなった。
この時期の一週間は、半年前のものとは重みが違います。

さらに6月、7月と進むにつれて、その重みは増していくでしょう。

そして、直前無理をおして試験当日に体調不良ともなりますと、1年がかりで培ってきた能力を十分に発揮できないかもしれません。

やはり、日々の体調管理をしっかりと行い、負担をかけ過ぎないこと。

万一体に異常を感じたら、早々と病院へ行くのがいいでしょう。
お忙しいなか大変でしょうが、持てる知識で自己診断し市販薬というよりも、専門的な知見からの診断及び治療が勝ることは言うまでありません。

と、さりげなく私の得意分野へ話を誘導しました。

そうして病院を訪れますと大抵の場合、まずは医師の診察、次いで必要に応じた検査と進んでいきます。
検査といえば、皆様一度は経験したことがあるだろう画像診断。
レントゲンやCT、MRIなど、現在の医療に欠かすことができません。

そのレントゲンやCTには放射線が使われますが、その辺りはご存知かと思います。

ちなみに、MRIは放射線を使いません。
日本語では磁気共鳴画像装置などと呼ばれるのですが、ごく簡単に説明しますと、体内の約70%を占めている水、その水分子を構成する水素の原子核(プロトン)を利用し、それに磁力を加えることによって信号を得るといった画期的な撮影装置です。

さておきまして、放射線。
近年は原発の是非をめぐる議論が一層激しさを増し、耳にする機会も多くなっています。

一口に放射線と言いましても、いくつか種類があることはご存知でしょうか。

代表的なものは、α線、β線、γ線、X線など。

そのうち医用に使われるのは、γ線とX線。
γ線は放射線治療、X線は撮影や透視に使われるのですが、その正体とは「電磁波」というものです。
要するに「」という「エネルギーを持った状態」のこと。

一方の、α線にβ線。
これらの正体は、α線がヘリウムの原子核、β線が電子。

ヘリウムの原子核や電子と聞いて、どのようなものをイメージされますか。
おそらくは小さな粒、いわゆる「粒子」を思い浮かべる方が多いものと思います。

すると、α線やβ線とは高速で飛んでいる小さな粒であり、同じ放射線といえど、先のγ線、X線とは随分シルエットが異なります。

ところで、そのヘリウムの原子核や電子。
本当にイメージ通りの「粒子」なんでしょうか。
実際に見たことはありませんよね。

って、今日は何の話?と不安になってきましたね。

 

2重スリット実験

『光は粒子か波か』

これはどちらをイメージされますか。
私は「波」をイメージするのですが。

さて、この議論は300年以上も前からあったようです。

17世紀後半。ニュートンは『光は粒子である』といい、それからしばらくの間、実証はされていないものの光は粒子とされてきました。

しかし19世紀初め、ヤングが『光は波である』ことを証明。
実験で証明されたので疑う余地はなく、ここで理論が逆転します。
さらには、マックスウェルが“光は電磁波である”という理論を確立し、『光は波である』説でもう確定かと思われたその時、一人の天才が待ったをかけます。

20世紀初め。かのアインシュタインは『光が粒子である』ことを証明します。

ある実験では『光は波である』
ある実験では『光は粒子である』
このような事実が確認されました。

科学においては実験結果がすべてといってもいいでしょう。
ならば、結論は
光とは波であって粒子でもある』(粒子と波動の二重性)
ということになり、これが現在でも標準的な認識のようです。

少々理解しがたくなってきた頃と思います。

ところが、さらに凄いことをいう科学者が現れます。

ド・ブロイ。
「波だと思っていた光は粒子でもあった訳か・・・
それなら逆に、粒子と思われている物質、例えば電子なんかも波であったりするんじゃない?多分すべての物質が粒子であり波なんだよ!きっと」
とこんな感じ。

もう訳が分かりません。

しかし、これ、実証されているんです。

最も有名かつ分かりやすいのが、2重スリット実験

興味のある方はこちらの動画(リンク先YOUTUBE)が分かりやすいかと思います。

「最も美しい」とも呼ばれるこの実験。
私の感性では不思議というより他ありません。
しかし、これは事実です。

不安が増長していますが続けますよ。

 

コペンハーゲン解釈

科学者はこの事実をどう捉えるのか。
先ほども言いましたが科学は実験結果がすべてといってもいい。
ならば

・電子は観測前には波動関数に従った空間的広がりがある
・観測時点で状態は可能性のある一点に収縮する
・どの可能性に収縮するかは、波動関数が示す確率に従う

このよう捉えようというのが「コペンハーゲン解釈」と呼ばれるものです。

難しすぎるので、波動関数は置いておいて、ごく簡単に言い換えると、
「電子は誰かに見られる前は、波のように確率的にいくつかの状態で同時に存在している。そして見られた瞬間に粒子になる。」
といった感じでしょうか。

前半は「重ね合わせ」という考え方でそれ自体少々分かりづらいのですが、後半の「誰かに見られた瞬間に粒子になる」。これはどうでしょう。
「えっ?」って感じじゃないですか。

しかし驚くべき、これがいまでも標準的な解釈とのことです。

「なぜ、そうなるの?」
と聞いても、いまだその分野の科学者でさえ説明ができない。
本当に正しいかどうかも分からないと。

だから「理論」ではなく「解釈」なのでしょう。

でも、そのように解釈すると、正しく実験結果を説明できる。
そして、その結果を応用する上で別段支障もない。

だから科学では「そこはよし」と。

 

理解と解釈

さて、中小企業診断士試験。

何事もきちんと正確に理解するに越したことは無い。
もちろんそのように思っています。

しかし範囲は膨大、時間は有限。すべてを納得いくまで理解するのはなかなか難しい。

そこで試験学習では、コペンハーゲン解釈の精神といいますか、正しい結果(正答)を導けるのなら、きちんと理解できてなくとも「そこはよし」と割り切ることも時には必要ではないかと。

 

例えば、マクロ経済学のIS-LM分析。

LM曲線について少々確認しておきましょう。

LM曲線とは、貨幣市場が均衡しているときの国民所得と利子率の関係を表していて、右上がりの曲線として描かれます。

その式は
$M/P=L(Y,r)$
とするのが一般的でしょうか。

左辺のMは名目貨幣供給量、Pは物価水準。よって左辺は実質貨幣供給量
一方の右辺は貨幣需要関数を表していて、それは国民所得Yと利子率rで決まるとしています。

その国民所得yで決まる部分が取引需要、利子率rが投機的需要
それらをL1、L2とし、
$M/P=L(Y,r)=L1+L2$
と表すものもよく見ます。

次に、試験で頻繁に問われるLM曲線のシフトについて。

LM曲線がシフトするのは、外生変数であるMまたはPが変化したとき。
IS-LM分析は物価水準Pを一定する短期分析なので、ならばLM曲線のシフト要因は金融政策による貨幣供給量Mの増減ということになります。

そこで、例えば貨幣供給量Mを増加させたとき、LM曲線はどのようにシフトするか。

貨幣供給量Mを増加させると貨幣市場では超過供給が発生します。
$M/P>L1+L2$

そのとき、一方の債券市場では超過需要が発生し、債券価格が上昇することで市場利子率が低下する、というのは平成25年経済学第6問の通りです。
すると、利子率の減少関数である貨幣の投機的需要L2が増加することで、貨幣市場は再び均衡します。
$M/P=L1+L2$↑

このように流動性選好理論を基にして考えると
拡張的金融政策のときは均衡利子率の低下によって
LM曲線は下方向にシフトする
このように捉えるのが正しいのではないでしょうか。

 

どうでしょう。
どこまで理解するかはそれぞれでしょうが、特に最後の「下シフト」。

見ようによっては「右シフト」とも解釈できるわけで、多くの方がそうしているように
「貨幣供給量Mの増加→LM曲線右シフト」
と捉えておいて、IS-LM分析の問題に正しく答えられるならそれでもいいのかなと。

そして流動性のわなのとき、金融政策によってLM曲線はシフトしないというのが正解ですが、間違って下方向に動かしてしまうと大変なことになります。でも、右シフトと解釈しておけば間違って動かしてしまっても、何とかセーフ。など、少々乱暴ですけども結果救われることさえあったりして。

なぜ右方向にシフトするのか説明はできないけれど「そこはよし」と割り切るのも、試験学習では一考かと思うのです。とはいえ、もちろん正しい結果(正答)を導けることが前提ですが。

まあ、きちんと理解したければ合格した後でも学習できますから。

 

シュレディンガーの猫

戻さなくてもいい話に戻して、
あまりに理解しがたいコペンハーゲン解釈。

「やはりそれはおかしいでしょ?」
と批判したのがシュレディンガー。

そのため考えた思考実験が有名な
シュレディンガーの猫

興味のある方はこちらの動画(リンク先YOUTUBE)でいかがでしょうか。

コペンハーゲン解釈が正しいとすると、誰かが猫の生死を確認するまでは、生きている猫と死んでいる猫が重なり合った状態になっているのだと。

「そんな訳無いでしょう?だから、おかしい。」
とシュレディンガーは言うのですが、どうでしょう。

私も少々受け止め難く思います。

でもこれ、半ば強引に中小企業診断士試験に例えてみると・・・

これから受験する中小企業診断士という世界においては、試験の合否が誰かに観測されるまでは、合格する自分と不合格の自分が重なり合った状態である。結果どちらになるのか確率に支配されている。

ということは・・・

ならば、合格する自分が観測される確率を高めるにはどうすればいいのか考えよう。

となって・・・

それには、やはり学習だ!

ということで、これがなかなかいい感じ。

 

それでは、この辺で。 Xレイ

 



 

こんにちは、6代目 Xレイ です。

昨年の二次試験が終わった頃から、隔週日曜日にお届けしてきた“先代投稿シリーズ”も、ひとまず今回で最終回。
ついひと月ほど前までレギュラー投稿してきた私ども6代目も、7代目への引継ぎを無事終えて遂にこちらの立場に。
先代として投稿するのにはいささか早いかなとも思うのですが、与えてもらえたせっかくのこの機会。
現役に近いというメリットを生かして、全力、試験に関する内容でいこうかと思います。どうぞお付き合いを。

 

さて、一次試験に向けて企業経営理論
この科目は割と早い段階で学習を終え、すでに過去問を解いてみたという方もいらっしゃるものと思います。

企業経営理論の出題領域は大きく3つに分類されています。
それぞれ10問強の出題がなされますが、その3つとは
経営戦略組織論、そしてマーケティング

今日はそのうちの経営戦略について。
例年、開始の第1問から第10、11問目までといったところの問題です。

過去5年分ほど解いてみると分かるのですが、この領域、「聞いたことも無い」というような問題はあまりなく、実に同じようなことが問われています。
ちなみに、組織論はその真逆。「何だコレ?」が恒例です。

さておき今日は、昨年度平成27年の問題でそのような傾向を確かめてみましょう。
設問文や選択肢の記述は省略いたします。
主催者公表のものを参考にして下さい。

それでは。

 

第1問 プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

過去5年で4回の出題。以前に H26問6、H25問2、H24問7。

いつも問われるのは、
問題児花形金のなる木負け犬
といった各カテゴリーの特徴。
そして、そもそもPPMとはどういったものなのか、というようなこと。

ここで正解できないのは、おそらく後者の理解が甘いため。
昨年でいうと選択肢の(エ)。
『プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方では、資金の流入と流出は市場と自社事業との成長率で決まる。』
この辺りの話。
結果この選択肢は間違っていますが正しくは
『プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方では、資金の流入は自社事業の相対的市場シェア、資金の流出は市場の成長率で決まる。』
とこんな感じ。

PPMとは、複数の事業をそのように資金の流入と流出のみに着目をし、4つのカテゴリーに分類。
属するカテゴリーに応じて事業毎の投資戦略を考え、経営資源の最適化を図るといったフレームワーク。
そこに事業間のシナジー効果など考慮されないことは、選択肢(オ)で問われている内容です。

このようなことをしっかりとおさえておく必要があります。

また、時間があるならば、製品ライフサイクル理論(H26問1)、イノベーター理論(H26問10)といった関連深い事項も、ここで見直しておくのはいかがでしょうか。

 

第2問 企業ドメインと事業ドメイン

過去5年で4回の出題。以前に H25問5、H24問1、H23問1。

ドメイン、すなわち“競争する領域”のこと。
どこで誰に何をするのか
企業活動において、まずは適切なドメインの設定が重要と。

実際の成功例として、日本企業NECのC&C(コンピューターとコミュニケーション)。
失敗例としては、マーケティングマイオピアの例としても有名なアメリカの鉄道会社の話。『鉄道事業』でなく『輸送事業』にすればよかったとのことをよく聞きます。

さておき過去の試験では、企業ドメインと事業ドメインのレベルと言いますか、“企業ドメインは事業ドメインの上位概念”というところがよく問われているとの印象です。

 

第3問 経営資源と競争優位性

過去5年で3回の出題。以前に H24問3、H23問5。

経営資源
一般的には“ヒト、モノ、カネ、情報 ”
その競争優位性を判断するツールがVRIO分析。
試験で選択肢によく出てくるのは、Iの部分。
すなわち、模倣困難性
その規定要因では経路依存性が頻出。
また、Rの部分希少性も持続可能な優位性を築くのには重要な要素。

と、ただでさえ分かりづらいこの科目の各文章が、このような語句を複数使われるとさらに分かりづらくなっていく。

対策は、それらの語句を頭の中で自分の分かりやすいようにイメージし直す、時には置き換えて読むことがいいのではないかと。

例えば、私の場合
経営資源 →ヒト、モノ、カネ
持続可能性→ずっと続く
競争優位性→負けないとこ
模倣困難性→真似できない
経路依存性→歴史ある
希少性  →珍しい
といったような変換を反射的に頭の中でしながら読んでいます。

 

第5問 速度の経済性

過去5年で2回の出題。以前に H24問4。

この論点は今後出題が増えると思っています。

速度の経済性
何事もスピードを速めた方がいいのではと。
例えば、製品を市場に投入するスピードを速めると、先発優位性を築くことができる。
また、生産から販売までスピードを速めると、売れ残りロスや機会損失を削減できる。
といったように。

また、時間があるならば、〔~の経済性〕の残り二つ。
規模の経済性(H26問7)、範囲の経済性(H23問7)も併せて確認しておくのはどうでしょう。

ちなみに本問題H27問5の正答は(イ)ですか。これは微妙ですね。

 

第8問 魔の川、死の谷、ダーウィンの海

過去5年で2回の出題。以前に H26問9。

主に研究開発型企業において、基礎研究から製品化そして事業化さらにはその事業を継続していく上で、どのような障壁がありそれを乗り切るのにはどうすればいいのか、というような話。

過去の問題では、魔の川死の谷の語句を入れ違えて誤った選択肢を作っています。
なので、それぞれどの段階の障壁のことなのかをしっかりと把握しておかなければいけません。

本問題の設問1の選択肢(ア)で産学連携(H23問10)、設問2の選択肢(ア)でアライアンス(H25問4、H24問9)にも触れていますので、ついでに外部連携について見直しておくのはいかがでしょうか。

 

第11問 海外市場戦略

以前に H26問12、H25問9、H24問10、H23問11 と毎年です。

海外市場戦略、テーマが広いので問われ方も様々。
一定の対策は難しいと思います。

あえて共通点を探ると
進出先はアジア。
貿易というよりは製造業が現地に工場を構えて。
といった感じでしょうか。

ならば、主要取引先がすでに海外に進出していて、その要請を受けたという中小企業メーカーがまず思い浮かびます。(中小企業診断士試験なので)
そのような企業の持つ課題は、市場の開拓というよりは生産に関することが主なはず。
例えば、国内と同レベルの品質や生産効率を確保するにはどうすれば?
というようなこと。
それでは解決に向けて、どのようなことに注力すれば・・・

などなど自ら考え調べて、知識や理解を深めておくのはどうでしょう。

 

この他、第7問の製品アーキテクチャのモジュール化というのも、過去5年で2回の出題。以前にH25問8で出題されています。

 

以上のように、経営戦略に関しては、昨年を見ても半数以上が近年既出のテーマであることが分かります。
ならば、過去問学習をしっかりと行うことがいかにも重要。
解いてみた後、正誤の確認だけでなく選択肢も含めて設問すべてを見直し、理解不十分なところがあったならそれを学習の機会とする。
過去問=教材という意識を持ち、過去に問われた知識は確実に理解、習得していく方が良さそうです。

 

また、このように一問一問見てきたのにはもう一つ理由がありまして
これらの頻出知識、その先の二次試験で重要なんですね。

ストレート合格を狙っているが、いまだ二次試験の問題をきちんと解いたことが無い。その様な方もいらっしゃるものと思います。
もちろん、それでいいです。それがいいです。
先にやるべきことが、まだまだありますので。

さておき二次試験の事例Ⅰでは、それら一次知識を念頭に置き、まずは与件文から事例企業A社の経営戦略を把握、分析することが重要です。そして、それに見合った組織をデザインするという意識を持って解いていく。

どのような領域で戦っているのか。
どのような経営資源を持っているのか。
どれが競争優位の源泉となっているのか。
複数の事業があるならば、現状どれが収益源で、今後はどれを伸ばしていけるのか。ならば最適な経営資源の配分は?
等々。

個別に見て、平成26年のA社のように研究開発型企業ならば、基礎研究から製品化、事業化までのスピードを速めることによって先発優位性を築くことも重要ではなかろうか。
その点で、体力に乏しい中小企業でも積極的に外部連携を進めていくことで、すべて自前で行う大企業に対抗できるのかもしれない。

また、平成23年のA社のように貿易で海外市場をというのならまだいいが、平成24年のA社のようにアジアに工場をというのであれば、そこで国内と同レベルの品質や生産効率を確保するのにはどのような人材が必要で、文化の異なる現地の従業員の教育、育成はどのように行っていくのがいいのだろうか。

というように、知識をフルに使ってしっかりと読み込み、考え抜くことが重要だと思っています。

だから一次試験前は、二次過去問を使って一足早く記述の対策をというよりも、重要な一次知識を深く理解し、しっかりと身に付ける方を優先する。
中途半端な知識では結局のところ難しいでしょうから。

 

というわけで今回は、企業経営理論。
過去問を中心に経営戦略の頻出領域を見てきました。

次回はいつになるのか分かりませんが、この場で再びお会いできればと。

それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、Xレイです。
今日は、合格体験記のご紹介。

平成27年度にストレート合格された カラさん よりご寄稿いただきました。どうぞご覧下さい。

 

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Ⅰ 中小企業診断士に挑戦した理由・きっかけ

・所属している会社ではITコンサルを職務としているため、経営に対する知識を充実させ、コンサル品質とクライアントへの提供価値を向上させたい。

・いつか訪れる老後の生活の糧を得たい。

 

Ⅱ 保有資格と得意科目・不得意科目

【保有資格】 日商簿記2級 基本情報技術者 応用情報技術者

【得意科目】 1次:情報、中小  2次:事例Ⅱ、事例Ⅲ

【不得意科目】1次:経済、法務  2次:事例Ⅰ、事例Ⅳ

 

Ⅲ 合格までの受験回数、学習時間

【受験回数】 1次:1回 2次:1回

  • 1次 合計509
    (経済80、財務76、経営70、運営75、法務68、情報64、中小76)
  • 2次 予備校フィードバック
    LEC(CBAB),KEC(BABB),SLA(AAAA)
    マンガde診断士(AAAA)

【学習時間】 1次:約1,100時間  2次:約400時間

  • 長い通勤時間(往復約2時間)を有効活用した。
    また、朝は早めに出勤し、会社近くの喫茶店で問題を解くことをルーチン化した。

 

Ⅳ 学習方法

1次試験

会社の教育制度で補助を受けられるTAC通信教育(テキスト、問題集、養成答練の配布のみ)を受講。

<STEP1:基礎力養成> 10月~4月

養成答練80点を目標に、各科目1ヶ月間で以下を行った

  • 通勤電車でひたすらテキスト通読を繰り返す。理解できない部分があっても止まらずに、とにかく通読。
  • デスクに向かえる時間は、スピ問⇒トレーニングの順でひたすら繰り返す。追加で理解・記憶が必要な事項は、テキストに書きこむ。

なお、経済に関しては基礎知識皆無だったため、石川のマクロ・ミクロ経済を購入してyoutube講義で理解を深めた上で、TACテキスト通読&問題演習に入った。

<STEP2:実践力養成> 5月~8月

下記の方法で1か月間複数科目を回した。この時期はとにかく過去問を重視し、本試験の対応力を高めることが重要。

  • デスクに向かえる時間は、論点別・重要度別過去問完全マスターをひたすら解く(3回転)。間違った箇所は、テキストに書きこむ。
  • 通勤電車では、書きこみ含めてテキストをひたすら通読。
    (STEP1~2で、各科目確実に10回以上は通読した)

 

2次試験

<STEP1:1次並行> 1月~5月

1月からMMCの通信講座を受講し、1次と並行して学習。この時点で、2次の過去問には一切手をつけられず。また、財務に関しては2次レベルの問題は深追いせず、効率性を重視して基本論点のみを学習。

<STEP2:2次専念> 8月~10月

1次自己採点後、2次モードに切り替え。

  • 過去問を解き、その過程で解答プロセスの微修正を繰り返す。並行して、メリ・デメやキーワードの整理も行った。また事例Ⅳ対策として、TACの通販で事例Ⅳ計算問題集を購入し、ひたすら解いた。
  • 通勤電車では、全知識で1次知識の確認や過去問の与件文・解答解説を読んだ。

過去問学習でのポイントは、できる限り多くの模範解答例(ふぞろい含む)を集めること。理由は、受験校の過去問解答の中にはリスクの高い解答もあり、それのみを絶対解と信じると合格が遠のくリスクがあるため。私は、過去問を解いた後は複数(3~5つ)の解答例を比較し、自分で考えるベスト解答に基づき自己採点まで行った。

 

Ⅴ 受験時のエピソード

【1次試験】

  • 本試験はなぜか全く緊張せず、リラックスして受験。見直し時間が長くなると一度マークした解答を修正したくなることがあり、結果修正前解答が正解だったというようなことがあった(模試で実証済み)ので、それを回避するために経営、運営、情報、中小の4科目は、通しで1~2回見直しして途中退出した。

【2次試験】

  • 会場(@早稲田大学)の机が狭く、また机の傾斜でペンが転がり、非常にストレスだった。
  • 本番でのメンタルコントロールは極めて重要

    ①終わった科目の事は考えない
    ②びっくり問題が来たら笑う
    の2点を心掛けた。

    ①に関しては、手応えのなかった事例Ⅰ後も「次の事例で挽回しよう」などという心理にはならず、②に関しては、事例Ⅱで商店街がでても「ビックリ問題、きたぁ!!」と心の中で思い、ニヤリとしながら淡々と解いた。

  • 事例Ⅳでは、得意のCVPでまさかの手を焼く事態となり、残り10分の時点で第3問(CFとNPV)が丸々残っている状況だった。
    その時、「もう頭が疲れたから解いた問題の見直しでもしよう」という悪魔の自分が囁いたが、「本試験なのだから最後までやり切れ!」という天使の自分が最後は勝ち、無我夢中で試験終了の合図まで解ききったところ、受験校解答例と同一の計算結果となった。
    ダメもとでも、最後まで諦めずにトライしてみるものだと思った。

 

Ⅵ これから合格を目指す方へのアドバイス

【1次試験】

  • 個人の状況(仕事・家族等)にもよるが、1次はやはり7科目を一気に取りに行く方が間違いなく受かり易いと思う。
    理由は、1次は毎年科目によって難易度の上下が激しい試験特性により、受験科目が少ないほど不合格リスクが高まるため。
  • ストレート合格を本気で狙うのであれば、1次試験を420点で突破するという目標では厳しい。
    2次では1次知識の正確な理解と活用が求められるため、強固な1次知識を身に付け、本試験500点オーバー獲得を目標とする方がベター。

【2次試験】

  • 年々難易度が上昇しているので、「読む」「考える」「書く」の基本プロセスを、初見問題を前にいかに高速で行えるかが重要になってきている。小手先テクニックは通用しにくくなってきている
  • 模試の結果と本試験の結果に因果関係は全くなし。特にキーワード採点を行っている大手受験校の模試は、本試験と似て非なる物。
    本試験ではキーワード採点は行っていない(と思う)ので、間違っても「キーワードをひたすら詰め込みまくって列挙したが、日本語としては意味不明」な答案を書くスタイルだけは身につけてはいけない。

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いかがでしたでしょうか。

私は今後
「どうしたらストレート合格できるの?」
というような質問を受けた場合
「まずは、こちらをじっくりと読んでみて」
と今日ご紹介したカラさんの体験記勧めます。
ストレート合格という観点から、学習時間、学習方法、スケジュール等々理想的と思うからです。また、この試験に対する考え方もすべて同意します。

以下、私見ですがいくつか。

まずは、学習時間。
1次対策に1100時間、その知識をもって2次対策でさらに400時間。
簿記2級取得のITコンサルタントの方が。
結局はここだと思います。
合格に必要な膨大な知識を理解、記憶、さらには思考力等も鍛えなければいけない。
余程のアドバンテージがあるなら別ですが、かなりの学習をしなければ。
1時間で理解できなければ、もう1時間考える。
それでもダメなら、ひとまず丸暗記。
そのままではいけないから、後日もう1時間考え直してみる。
時にはそんな努力も必要でしょう。

その学習量から1次試験は500点越え。
『1次試験は500点を目標に』
筆者カラさんは『強固な1次知識が必要 』と指摘。
全くその通りだと思います。
私からはもう一つ。
1次試験で500点取れる実力があれば、2次試験で上位20%に入れるはずだと自覚できる。
すると2次対策、さらには 『メンタルコントロールが重要』な本番でも、躊躇せず自信を持って臨める。
「皆ができそうな問題は確実に」
「皆が難しいような問題は仕方ない」
とか言いますけども、2次試験でその判断ができますか?
上の自覚があれば、自分が解らない問題は多分8割以上の受験生も解らないはずだと判断できる。
それは間違っているかもしれないけれど、無駄に時間を使うことは無い。
そこも大きいと思っています。

2次試験対策。
過去問学習で「自分の考えるベスト答案」を複数の模範解答を参考にしっかり考えたとのこと。これが理想と思います。
ゴールさえ解ればそこに到達する手段を考え出せる。
ならばご存知、正答が公表されない2次試験において、ゴールつまり目指す答案をいかに設定するかが重要。よって、まずはそこに注力をする。
解答プロセスは、まずは型を決め、過去問演習を通じて微修正を繰り返し確立していく。
その折「何がダメだったのか」と失敗ばかりに目を向けるのではなく、成功したときのプロセスを検証し、その主因子を見極める。

基礎力を固めた上で1次試験前3ヶ月は過去問重視
本格2次対策(過去問学習)は1次試験後
2次解答はキーワードより方向性

とまだまだありますが、参考にされてはいかがでしょうか。

 

体験記のご寄稿、本当にありがとうございました。
大変参考になりました。

今後のご活躍を心より期待しております。

 

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

合格体験記のご紹介も一休み。
本日私に与えられたお題はこちら。

“合格体験記から見えてきたこと”

合格体験記を読んで合格に必要なエッセンスを見つけ出せ!
という指令なのですが、これがなかなか難しい。
学習方法、考え方などやはり十人十色。
万人に「これだ!」といえる必勝法は、見つけられませんでした。

なので、合格体験記を読んで、複数人の主張、傾向の中から個人的に目に留まったところを、いくつかお話しようと思います。

 

最初の話題。

1次試験に関して
7科目で勝負するのがいい
との主張。

ストレート生の7科目受験は当然なのですが、例えば、1年目に5科目合格された方が2年目はどうするべきか、というようなことです。

そのとき、科目合格制度を利用して残り2科目のみを受験し120点を狙うのではなく、もう一度7科目全部を受験して420点を狙った方がいいのでは、というのです。

理由は、各年度によって科目毎の難易度が異なるからですね。7科目全体でみるとほぼ同じなのでしょうけども。

先ほどの例で、2年目の2科目のうちの一方が想定以上に難しく40点台しか取れなかった場合、もう一方は70点台が必要となります。そのもう一方も運悪く難しかった場合はどうするの?ということです。
そのようなリスクのある戦いをするよりも、7科目全体で平均60点狙うほうがいいはずだ、と。

これには私も賛成です。

7科目すべてを学習するのは大変なんですけれども。
1年目に合格した科目は、事実60点取れたわけですし。
企業経営理論、財務会計、運営管理に関しては、2次試験でもその知識等は必要で、いずれにせよある程度学習しなければいけないわけで。

「財務会計が苦手なんだけれども、去年は簡単だったので運よく60点取れました」という方も、2次試験さらにはその先のことを考えると、じっくりと時間をかけてその苦手を克服した方がいいのではと。

また「これ必要か?」というような科目でも、その知識をしっかりと身に付けておくことは無駄ではないはずで。一見役に立っていないようで、実は視野や思考の幅を広げる役割を担っている、ということもあるのではないかと思っています。

 

次の話題。

ストレート合格された方で
「(1次試験後でなく)もっと早く2次対策をすればよかった
とのことを。
私も一昨年の2次試験後、同じ事を考えた記憶があります。

2次試験対策の主体は、過去問等を使った記述式の問題演習。
それを1次試験前に行うか否か。

以下は私見ですが、

可能ならば行うのも一考。しかし、いくつか条件を満たす方がよろしいのではないかと。

まず、1次試験に高確率で合格できる見込みがある
これは当たり前ですが、結果1次試験に合格できなければ、ストレート合格という観点からは大失敗。

次に、1次、2次共に必要な知識をすでに習得している
主に、企業経営理論、運営管理に関する知識ですが、1次試験後、まだその辺が不十分だと再度習得に時間を割くならば、1次試験前にその時間を費やす方が明らかにいい。1次、2次双方に有用なので。

最後に、財務・会計は得意
1次試験の財務・会計は、2次試験の事例Ⅳに直結。
そして、その事例Ⅳが2次試験では重要。
なぜならば、学習量が得点に繋がりやすい、つまり最も狙って得点できるのが事例Ⅳだから。
なので、財務・会計が苦手もしくは平均レベルというのであれば、まずは2次試験に向けてこの科目を鍛えた方がいい。

今はこのように考えています。

とはいえ、ストレート生にとって2次試験対策の時間が足りないのは事実。少しでも早く2次試験対策を始めたい、という気持ちはよく分かります。

 

そこで、次の話題。

1.5ヵ年計画とでも言いましょうか、そのような方々がいらっしゃいまして、実はこれがちょうどいい学習期間ではなかろうかと。
大手受験校TACにもそのようなコースがあるようですね。

1.5ヵ年計画とは、まさにこの時期、2月頃から学習を開始して、来年度(29年度)の合格を目指すいった感じです。
仮に今日から学習を開始したとすると、ストレート合格を狙うのには少々期間が短いのかなと思います。決して不可能ではないのですが、もし合格したとしても初学なら十分に知識や思考力といったものが備わるかどうか。

そこで、計画的に来年度の合格を目指すというわけです。
1次試験も今年度に一度経験できますし、もちろんそこで合格レベルに達する科目もあるでしょう。
すると2年目の1次試験対策には余裕があり、それこそ前述の2次試験対策平行も可能ではなかろうか。
そして、晴れて合格となったとき、夏あるいは秋口から学習を開始する一般的なストレート生より、知識、思考力等充実しているであろうことは言うまでもありません。

中小企業診断士試験に興味のある方。
チャレンジするなら今が絶好かと私は思います。

 

最後の話題。

昨年度(27年度)の全合格者数におけるストレート合格者数の割合が、例年に比べ少ないのではないでしょうか。
合格体験記だけを見て言っているので非常に乱暴な推測なのですが、そうなる懸念を抱いていたもので。

やはり、得点開示によって事例Ⅳで高得点できれば合格に近づくと分かったことが、非常に大きいと思うのです。
前段でも言いましたが、事例Ⅳは学習量が得点に繋がりやすい
再受験生にここを強化されると、ストレート生は自ずと厳しい戦いを強いられます。

昨年度ストレート合格を目指したが惜しくもという方は、今年こそは事例Ⅳを強化して有利な立場を、逆にそれを知っているストレート生は、1次試験対策で少なくとも財務・会計だけは水準以上のレベルを目指すべきではないのでしょうか。

来月には、実際にこの得点開示元年を勝ち抜いてこられた方々に、当ブログの執筆をしていただけることになっていますので、個人的にはその辺りのお話も聞いてみたいところです。

 

今回は、以上です。 最後に

合格体験記をご寄稿くださった皆様

一つ一つ読み応えがあり、大変参考になりました。
お忙しい中、本当にありがとうございました。
今後とも一発合格道場をよろしくお願い致します。   Xレイ

 



 

こんにちは、Xレイです。
今日は、合格体験記のご紹介。

平成27年度に4度目の挑戦で合格された たろさん よりご寄稿いただきました。どうぞご覧下さい。

 

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【はじめに】

この度、4度目の2次試験挑戦でようやく合格を勝ち取ることができました。
私の場合、ほぼ独学でしたので正直かなり苦労しました。
私と同じように独学という厳しい道を選択された受験生の方の参考になればと思い、体験記を書かせていただきました。

 

【受験の動機】

当時、私は電機メーカーで調達担当者として仕入先との値引交渉業務を行っていました。
仕入先と交渉を重ねるごとに、結局は仕入先を儲けさせ、投資をさせないとコストは下がらないという考え方に変わっていきました。
同じ頃、東日本大震災が発生し、被害に遭われて廃業した仕入先も何社かありました。
そのような状況で何もできない自分をもどかしく感じ、何か仕入れ先の役に立てることはないかと考え、中小企業診断士の取得を決意しました。

 

【受験歴・成績】

H24年:1次試験 合格(3科目合格・合計点で合格)
H24年:2次試験 不合格(DBBA→B)
H25年:2次試験 不合格(BABB→B)
H26年:1次試験 合格(3科目合格・合計点で合格)
H26年:2次試験 不合格(ACAA→B)
H27年:2次試験 合格

 

【勉強方法】

1次試験

完全な独学でした。

“TACのスピードテキストを読んで、スピード問題集、過去問、市販の問題集をひたすら解き、分からないことはインターネットで調べる”

という学習スタイルです。

勉強は、平日は会社の始業前に会議室で1時間、帰宅後に3時間、移動のスキマ時間などで1日平均4~5時間、休日は土曜日は完全オフ、日曜日は5時間くらいでした。

模試等も受験せず、本試験は7科目の合計点でギリギリ突破することができました。

1次試験は科目合格を狙わずに7科目全てを受験し、得意科目で稼ぎ、不得意科目も大崩れすることなく合計で420点を狙うことが合格のコツだと思います。


2次試験

1年目は完全独学で挑みましたが、診断士の2次試験は一種独特なものがあり、全く歯が立ちませんでした。
その反省から2年目からは2つの勉強会に参加し学習しました。

1つは受験生が有志で集まり、40分で解答骨子を作り、その後受験生同士で議論するというスタイル。
もう1つは診断士の方の主催で、過去問を解きながら解答のコツや事例への取組み方の指導を受けられるもので、それぞれ大変参考になりました
勉強会
・情報入手
・他の受験生との交流
・モチベーションの維持
など独学者にとっては大変有効です。色々な勉強会が立ち上がっていますので、特に独学者は自分に合った勉強会への参加をおススメします。

また、2次試験の結果の得点開示により、合格者の大半が事例Ⅳを得点源にしていることが分かったため、個人の勉強では事例Ⅳを集中的に学習しました。
9月以降直前期の平日には、帰宅後や飲んだ後に事例Ⅳを解き、疲れた状態で正確な計算を行うトレーニングを行いました。
休日には毎週、受験機関の模擬試験の問題、2次試験の問題集、企業診断(雑誌)の新作問題を活用してセルフ模試を行いました。
セルフ模試は
・時間配分
・解答手順の確認
・疲労に対する耐性をつける
などに有効です。

また、事例問題で間違えたり気づかなかった論点は手帳に書き出し、スキマ時間に復習することで知識を定着させていきました。

 

※おススメ教材

【1次試験】
・石川秀樹氏 速習マクロ経済学ミクロ経済学
YOUTUBEとの併用で経済学はバッチリです。)
過去問答練

【2次試験】
MBAクリティカルシンキング(書籍)
・中村俊基氏のブログ
・handys97氏のブログ
・事例Ⅱ:佐藤義典氏 書籍メルマガ
・事例Ⅳ:意思決定会計講義ノート(書籍)

【1次・2次共通】
一発合格道場(ブログ)
タキプロ(ブログ)
・雑誌:企業診断(同友館)(新作問題1次・2次)
→大阪では中之島図書館にあります。(新刊以外はコピー可)

 

【2次試験当日】

やるべきことはやったという自信と、さすがに4回目にもなると落ち着きもありました。前日も良く眠れ、特に緊張することもなく試験に臨むことができました。

昼食は眠くならないようにカロリーメイト2箱、エナジードリンク2本、ブドウ糖タブレットを用意し、休憩時間毎に分けて摂りました。また、休憩時間には脳の血流を良くしようと階段の上り下りや、昼休みには大学構内を走ったりもしました。(変な人に映ったでしょうね・・・)

それでも試験では、終了直前に間違いに気づいて書き殴るように修正をしたり、ペン先で引っ掛けて解答用紙を少し破ってしまったり、時間が無くて直せなくなったりと、やらかした感で一杯でした。

やはり、試験会場には魔物がいます

 

【合格発表の日】

合格発表の日は、落ちていたら凹んで仕事にならないと思ったため年休を取り、1次試験用のテキストと2次試験の試験問題の両方を準備して朝から図書館に篭っていました。

10時になり、恐る恐る受験サイトの大阪地区の結果を開くと、真っ先に自分の受験番号が目に飛び込んできました。

「あった…」

ここで涙を流したり、叫んだりという話をよく聞きますが、私の場合は今までの「負け癖」のせいか合格の実感が沸いてこず、どうリアクションすればよいか分からず、ただ茫然としていました。

2次試験ではできなかったと感じた人が受かると良く聞きます。これは
“自分の書いた解答の不十分さを客観的に見ることができ、本来こう書くべきだったと気づけるレベルに達している”
からそう感じるのだろうと思います。

 

【最後に】

これまでセミナーや勉強会でご指導頂いた診断士の皆様、切磋琢磨してきた勉強仲間、一発合格道場の執筆陣の皆様には大変お世話になりました。
4年間もの間、独学で勉強を続けてこられたのは皆さんのおかげだと感謝しています。
本当に有難うございました。

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いかがでしたでしょうか。
独学で励む方々にとって、参考になる内容だったと思います。

私見ですが、1次試験対策において「他人に聞けない」ということは、一定の時間があるならば、それほどデメリットにはならないと考えています。自分で調べた方が勝ることも多いのです。
しかし、2次試験対策において「他人に聞けない」、すなわち、ある事例に関する自分以外の見解や自らの答案を異なる視点から評価される機会を得られないということは、やはりデメリットと言えるのでしょう。
筆者たろさんは、そのようなデメリットを克服する手段として、勉強会の存在を教えてくれました。

お終い近くの
“自分の書いた解答の不十分さを客観的に見ることができ、本来こう書くべきだったと気づけるレベルに達している”
私としては、ここが非常に印象的でした。

体験記のご寄稿、本当にありがとうございました。
今後のご活躍を心より期待しております。   Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

前々回、前回に引き続き、経済学です。

前々回は、平成25年度の第13問で異時点間の消費
前回は、平成26年度の第13問で労働需要曲線
ここ3年の出題から、正答率の低そうな設問の関連領域をみてきたつもりですが、今回で最終回。

平成27年度の第11問。
新古典派の経済成長理論、ソロー・モデルと呼ばれるものです。

平成25年度第11問
もほぼ同じような設問ですが、過去問題集でこれらを詳しく解説しているものはないと思います。別段、どういったものか知らなくてもいいので当然です。

にもかかわらずあえて題材として取り上げたのは、設問のグラフを導く際に、生産関数やその他若干のマクロ経済学知識を使うのですが、そこをみておくのはどうかと思ったからです。

特に生産関数
中小企業診断士テキストでは、費用最小化問題(等量曲線)、生産要素市場といった領域を詳しく扱っていないので、どうしても生産関数に対する理解が甘くなってしまいます。
主催者側はもちろんそれを承知で、平成27年度の第16問のような出題をしてきます。

前半、その生産関数に触れています。
中盤以降は数式も多く、少々ややこしくなりますが興味のある方は。この設問は、なかなか面白い結論を導き出しています。

 

平成27年度経済学 第11問

昨今、外国人労働者の受け入れの是非が議論されている。

2種類の生産要素、資本$K$ と労働$N$ を用いて、生産$Y$ が行われる。

資本と労働、そして生産との関係を、労働 1単位あたりの資本と労働 1単位あたりの生産との対応関係である、次の生産関数で表す。
$y=f(k)$
ここで$k=K/N$は資本・労働比率を、$y$ は労働 単位あたりの生産量を表している。

また、労働供給は一定率$n$で増加し、常に完全雇用が実現しているとする。また人々は、所得の一定割合 $s$  を常に貯蓄するとする。

新古典派の経済成長モデルの下図を参照した上で、外国人労働者の継続的な受け入れによる労働成長率の上昇が、定常状態における資本・労働比率と労働 1単位あたり生産量に与える影響に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
ただし $k1$ は、定常状態の資本・労働比率を表している。

〔解答群〕
ア 資本・労働比率は上昇し、労働 単位あたり生産量は減少する。
イ 資本・労働比率は上昇し、労働 単位あたり生産量は増加する。
ウ 資本・労働比率は低下し、労働 単位あたり生産量は減少する。
エ 資本・労働比率は低下し、労働 単位あたり生産量は増加する。

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さて、これは一体何かと言いますと、
“長期的にみた一国の経済成長の問題” です。

この部分が問われているのですが、要するに、
『労働人口の増加率が、その国の労働者1人当りの資本ストックと生産量に、どのような影響を及ぼすのか考えてみましょう。』ということです。

補足して言い換えると
『一国の労働者1人当たりの生産量、すなわち、労働1単位当りのGDPは、その国の豊かさを表し、労働1単位当りの資本ストックによって決まるのも仮定する。その国の経済が成長し、それが年々増加していく方がもちろん望ましいが、労働人口の増加率が一体そこにどういった影響を及ぼすのか考えてみましょう。』
といった感じです。

すなわち根底にあるのは、
労働1単位当りのGDP(生産量)で経済成長を考えよう
ということです。

と言われても・・・ですね。

 

設問文の赤字部分

まず、
2種類の生産要素、資本$K$ と労働$N$ を用いて、生産$Y$ が行われる
と書いてあります。

これは
$Y=F(K,N)$ ・・・
という生産関数を仮定しているということです。

①ですが、$Y$、$K$、$N$はすべて一国全体の値で、マクロ生産関数と呼ばれます。この国の生産量が、国全体の資本ストックと労働量の2つの要素で決まるということです。(ちなみに資本ストックとは“設備の量”のこと)

次に、
資本と労働、そして生産との関係を、労働 1単位あたりの資本と労働 1単位あたりの生産との対応関係である、次の生産関数で表す。
と書いてあります。

これは、上の①式を基にして、
“労働1単位当り(労働者1人当り)の資本ストックと生産量の関係”
を導き、考えていきたい、ということです。

例えば、一国全体のGDPが2%増加したとしても、労働人口が3%増えたのなら、結果、労働1単位当りのGDPは減少してしまいます。そのような考察をするよりも、あらかじめ労働1単位当りで考えた方が話が早いということです。繰り返しますが、いま、労働1単位当りのGDP(生産量)で経済成長を考えようとしています。

それでは、やってみます。

設問文には書かれていないのですが、このモデルにおける生産関数は
1、規模に関して収穫一定
2、資本、労働の限界生産力逓減
という2つの性質を満たすと仮定しています。
要するに、①の生産関数がこの2つの性質を満たします。

ここでは、1、規模に関して収穫一定 という性質を使います。

これは、任意の$λ$($λ$>0)に対して
$λY=F(λK,λN)$
が成り立つということです。
(この条件を満たす関数を一次同次関数といいます)

要するに、資本$K$ と労働$N$をそれぞれ2倍にすると、生産量$Y$も2倍になる。例えると、設備の量とそれを使える労働者が共に2倍になると、生産量も2倍になる。これが、規模に関して収穫一定ということです。

そこで、$λ$($λ$>0)は任意、つまり、正の数なら何でもいいといっているので、$λ=1/N$として、①式を変形してみると
$Y/N=F(K/N,1)$
となります。この、
右辺の$K/N$が、資本・労働比率(労働1単位当りの資本)
左辺の$Y/N$が、労働1単位当りの生産量
を表しています。

そこで設問文に
$k=K/N$は資本・労働比率を、$y$ は労働 単位あたりの生産量を
と書いてあるので、その通り$k=K/N$、$y=Y/N$と置き換えると
$y=F(k,1)$

独立変数は$k$ひとつとなっているので関数自体を書き換えて
$y=f(k)$ ・・・

この②式が、設問文の生産関数で、当初の目的、労働1単位当り(労働者1人当り)の資本ストックと生産量の関係を表すことに成功しています。

②式を先の 2、資本、労働の限界生産力逓減 という性質を使って図示してみると

図1

このような形状となります。(前回を参考にして下さい)
これは、言うまでもなく設問のグラフの一つ $f(k)$ のことです。

まずはここまでが設問文の赤字部分です。

 

ちなみに、①のように資本と労働を2生産要素とする生産関数は、経済学では頻繁にでてきます。そして、コブダグラス型で表されることも多いのですが、そのコブダグラス型というのは
$Y=K^aN^b$
という型をしている関数です。

その関数式で、$a+b=1$(0<$a$<1,0<$b$<1)となっているとき
1、規模に関して収穫一定
2、資本、労働の限界生産力逓減
という2つの性質を同時に満たします。

冒頭で触れた、平成27年度 第16問 の生産関数がそれです。
その設問は、別段計算させたい訳ではなく、この知識を知っているかといっています。

 

設問文の青字部分

しつこく繰り返しますが、いま、労働1単位当りの生産量で経済成長を考えようとしています。
つまり、一定期間における労働1単位当りの生産量の増加量を経済成長として考えよういうことです。

前段の②式や図1で確認したように、労働1単位当りの生産量は資本・労働比率によって決まります。
ということは、いま考えるべき労働1単位当りの生産量の増加量も、資本・労働比率の増加量によって決まるということです。

ならば、その一定期間における資本・労働比率の増加量を考えてみましょう。

先ほどもみたように設問の赤字部分では、資本・労働比率を
$k=K/N$

と表していました。
これから以下の式が近似的に成り立ちます。
$Δk/k=ΔK/K-ΔN/N$ ・・・③ ($Δ$は変化量を表す)
(これは大変便利な公式のようなものです)

式の各項は変化率(増加率)を表しているのですが、
左辺の$Δk$が、一定期間における資本・労働比率の増加量を表しています。

なので、③を変形し最終的に$Δk=$・・・とすることができれば、
一定期間における資本・労働比率の増加量がどのように決まるのかが分かります。(いま、両辺に$k$をかけてもイマイチよく分かりません)

それでは、設問文の青字部分を使ってやってみます。

まず、
労働供給は一定率$n$で増加し
と書いてあります。
これは要するに、労働成長率が$n$だと言っています。

労働成長率とは労働人口の増加率、つまり、$ΔN/N$のこと。
これは、式の右辺第2項そのままです。
よって、式の右辺第2項は
$ΔN/N=n$ ・・・
と置き換えられます。

次は、③式の右辺第1項の変形です。
人々は、所得の一定割合 $s$  を常に貯蓄する
と書いてあります。
要するに貯蓄率が$s$だと言っています。

ならば、貯蓄を$S$とすると、
$S=sY$
また、財市場が均衡しているとき、貯蓄$S$と投資$I$は等しいとされるので
$S=I$
さらに、投資$I$は資本ストックの増加量$ΔK$と等しいとされるので
$I=ΔK$
以上より
$ΔK=sY$ ・・・
(ここは少々知識が必要ですが、中小企業診断士テキストでも所々で説明している範囲内だと思います)

このを使って、③式の右辺第1項$ΔK/K$を変形してみます。

まずは、$ΔK/K$に⑤をそのまま代入して
=$sY/K$
分子と分母を共に$N$で割ると
=$(sY/N)/(K/N)$
それに、$y=Y/N$、$k=K/N$
を代入して
=$sy/k$
さらに、②式$y=f(k)$を代入して
=$sf(k)/k$
よって、③式の右辺第1項は
$ΔK/K=sf(k)/k$ ・・・
と置き換えられます。

 

さてそれでは、今一度③式。
$Δk/k=ΔK/K-ΔN/N$ ・・・
これを変形します。

右辺に④、⑥を代入し
$Δk/k=sf(k)/k-n$

両辺に$k$を掛けて
$Δk=sf(k)-nk$ ・・・

当初の目的、$Δk=$・・・と表すことに成功しています。
つまりこの式が、一定期間における資本・労働比率の増加量を表していて、それは、共に$k$の関数である$sf(k)$$nk$の差に等しいといっています。

そしてこれから、一定期間における資本・労働比率の増加量が分かれば、②式や図1からそれに対応する労働1単位当りの生産量の増加量も分かる。それを経済成長として考えようということです。

 

それでは、一定期間における資本・労働比率の増加量、つまり、⑦式をグラフで考えてみましょう。

図2

これが、設問のグラフ$sf(k)$$nk$です。

図3

例えばいま、資本・労働比率がk’の状態にあったします。すると、次の期間までに赤線の分だけそれが増加するということになります。

図4

すると次の期間の資本・労働比率は、赤線の分だけ右に移動しk”となります。
そのまた次の期間はどうでしょうか。今度は図4の青線の分だけそれは増加し、さらに右へ移動します。

と進めていくと

図5

いずれ$sf(k)$$nk$の交点$k$1で資本・労働比率は変化しなくなります(定常状態)。

これが設問文の最後
$k1$ は、定常状態の資本・労働比率を表している。
の意味するところです。

 

そして、その定常状態のときの労働1単位当りの生産量も分かるように、図1と図5を併せて描いてみると

図6

設問のグラフそのものです。

すなわちこのグラフは、$sf(k)$$nk$が定常状態の資本・労働比率$k$1を決定し、その$k$1$f(k)$からそのときの労働1単位当りの生産量を読み取る、という図式となっています。
なので、縦軸の「労働1単位あたりの生産量」というのは$f(k)$のみに対応するもので、他の2曲線(直線)に関しては、強いて言うならば
「投資(量)」となるものと思います。($sf(k)$が労働1単位当りの投資、$nk$が現状の資本・労働比率を維持するのに必要な投資)

 

解答

以下は、文章のみで簡潔に。

結果このモデルは
“一国の経済は長期均衡する”
といっています。

先のように、この議論での経済成長とは、労働1単位当りのGDPの増加量のことで、それは資本・労働比率の増加量に依存する。その資本・労働比率は、いずれ定常状態から変化しなくなる。ならば、労働1単位当りのGDPも変化しなくなり、経済は均衡してしまう

よって、そこからさらに成長したいのであれば、技術進歩によって生産関数を上方にシフトさせるしかない。($f(k)$が上方シフトすると$sf(k)$も同じく上方シフト。よって$nk$との交点は右に移動。)

ということになるのです。

これが、新古典派の経済成長理論、ソロー・モデルです。
(一つ注意するのは、均衡するのは労働1単位当りのGDPです。国全体のGDPは、労働成長率に伴って増加していきます。)

ちなみに、「技術進歩がなくても永続的な成長を示せる」というのが、前回も触れた内生的成長モデル(AKモデル)。それは「資本の限界生産力を一定」と仮定することによって説明を可能としているのですが、それらの点がソロー・モデルと決定的に違うところなので、AKモデルではまずはそこを問われるはずだと指摘をしました。

 

ともかく、本設問では「労働成長率$n$の上昇によってどうなるか」というのですが。

あとは関数の問題です。
$nk$の傾きが急になるので、$k$1は左に移動。
よって$f(k)$の値は減少する。

すなわち、
【答え】ウ 資本・労働比率は低下し、労働 単位あたり生産量は減少する
ということになります。
結局、以上の知識を全く知らなくても解答は導けます。

さておきまして、これは、他の条件が同じならば定常状態では「労働成長率の高い国ほど豊かではない」といっています。

そして本設問は、
昨今、外国人労働者の受け入れの是非が議論されている』けれども、このモデルが正しいのならば『外国人労働者の継続的な受け入れによる労働成長率の上昇』は、いずれ日本国民一人当たりのGDPを減少させてしまうのではないですか?
と言いたいわけです。

 

最後は余談ですが、このモデルは、戦後の日本の高度経済成長を説明できる、とも言われています。

つまりこのモデルによると、戦争によって短期間に大量の資本ストックを失い資本・労働比率が一度大幅に低下すると、そこから再び定常状態に向かうとき、貯蓄率が高いほど瞬間的に大きな経済成長を経験できる、ということになります。

設問のグラフでいうと、仮に戦前は定常状態の$k1$だったとして、戦争で大量の資本ストックを失い資本・労働比率が一度大きく左に移動する。もちろんそこでは、一旦著しく生活水準が低下することは言うまでもありません。しかしその後、再び定常状態$k1$に向かうとき、途中非常に大きな資本・労働比率の増加すなわち単位当りGDPの増加を経験できる、ということになるのです。

要するに、高度経済成長は起こるべくして起こったものだと。

 

長くなりましたが、以上です。

それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

今回は、マクロ経済学の労働市場です。

まだ経済学を学習されていないというストレート生の方。
今読んでも、さっぱり解らないと思います。
いずれ学習された際、お役に立てるものとなっていればいいのですが。

「来年こそは」と励まれている方。
ここは苦手という方が多いのではないでしょうか。
おそらく、ほとんどの中小企業診断士テキストでそれほど丁寧に扱っていない上、少々解りづらいところでもあるのでしょう。
しかし近年、この領域に関連した出題が続いていますので、確実に60点をと思うなら、おさえておくに越したことはありません。
(H25問5 H26問13設問2 H27問7設問1,2 問8)

 

さて、労働市場、つまり雇用の理論をみていくのですが

古典派の労働需要に対する考え方は『古典派の第一公準
古典派の労働供給に対する考え方は『古典派の第二公準

と呼ばれます。(公準とは、決まりごとみたいなものです)

それら公準とはどのようなものなのかをまずはみて、そのように呼んだ経済学者ケインズは、結果一方を否定するのですが、終盤その辺りにも触れてみます。

 

古典派の労働需要

労働需要、すなわち“企業がどれくらいの労働量を必要としているか”ということです。

企業が利潤最大化行動をとる結果、『古典派の第一公準』を満たすように労働需要は決まるというのですが、その公準というのが以下。

実質賃金は労働の限界生産物に等しい

 

まずは、実質賃金労働の限界生産物とは何なのかをみていきましょう。

実質賃金とは、“モノ”の単位で表した賃金です。
実際に貨幣で受け取る賃金は、名目賃金(貨幣賃金)と呼ばれます。
ここでは、その企業が生産している“モノ”で実質賃金を表します。

例えば、1個10000円の時計を生産している企業があります。
そこで働く労働者の給料を30万円とすると、

・名目賃金は 30万円
・実質賃金は 30個  となります。

 

労働の限界生産物とは、
“労働量が1単位増加したときに増える生産物の量”です。

例えば、先ほどの時計企業に労働者が10人居たとします。
“それを11人に増員したとき、新たに何個生産量が増えるのか”ということです。

仮に、10人→11人に労働者が増えたとき、
新たに50個生産量が増えるとします。
これは、“労働者10人のときの限界生産物は50個”ということです。

限界生産物についてもう少し考えてみます。

今度は、労働者があらかじめ60人も居て、
60人→61人 に増えたときはどうでしょう。

通常は、最初の 10人→11人 のときよりも
限界生産物は少なくなると考えられます。

10人→11人 のときは50個でしたが、
例えばそれが10個になってしまうということです。

イメージするならば、使える機械の数や能力にも限りがあります。
労働者が10人のときは、半分程度の機械しか使えていなかったとすると、11人目の加入は非常に大きなものでしょう。
しかし、60人ともなると機械もフルに活用できていて、そこから1人の増員でどれほどの生産量が増えるでしょうか。

このように、一般的には、労働者数(生産要素)が増えていくほど、その限界生産物は減っていきます。
これを、限界生産力逓減の法則といいます。

ちなみに、その法則を満たす生産関数(1生産要素)を図示すると

図1

グラフにおいて、限界生産力(物)は接線の傾きで表されます。
それが逓減していく(右に行くほど小さくなる)ということは、
$Y=\sqrt{L}$ のような形状のグラフとなります。

 

余談ですが、中小企業診断士試験に出てくる生産関数は、このように限界生産力(物)の逓減しているものがほとんどです。
平成24年問18 平成26年問13 平成27年問16 で実際にそのことを問われましたが、すべて逓減です。
例外があるとすれば、経済成長論の内生的成長モデル(AKモデル)。
この理論では、マクロの生産関数ですが、その資本の限界生産力を一定と仮定しています。このモデルが出題されたときには、その“限界生産力一定の仮定”と、それによって“技術進歩がなくても永続的に成長することを示せる”というところを、まずは問われるのではないでしょうか。

 

話を戻しまして、ここまで実質賃金労働の限界生産物についてでした。

ここで再び第一公準。『実質賃金が労働の限界生産物に等しい』とき企業の利益が最大となる。よって、そのように労働者を雇用する、というのです。

引き続き、上の時計企業でみていきますと、

労働者一人当たりの実質賃金は30個でした。
そして、労働者が10人居たとして、そこから10人→11人になると、新たに50個生産量が増えるとしました。

このとき、30個分の給料を払えば、50個生産量が増えるのですから、企業はその11人目を雇った方が20個分得をします。なので雇います。

次の12人目はどうでしょう。

限界生産物は逓減するとの仮定から、例えば、先ほどよりも1個少ない49個生産量が増えるとします。ならばこのときも、その12人目を雇った方が19個分とはなりましたが、得をするので雇います。

さらに、13人目は48個・・・14人目は47個・・・

と続けていくと、“もう一人雇うと実質賃金と同じ30個生産量が増える”というところで差分がゼロとなり、雇い止めとなります。

なぜなら、そこからさらにもう一人雇ってしまえば、30個分の給料を払っても、29個しか生産量が増えないため、1個分損をしてしまうからです。

よって、例の時計企業の場合は31人で雇い止め、つまり雇用量は31人に決まるのです。図示すると

図2

横軸に労働量、縦軸に実質賃金と限界生産物。
で表した限界生産物は、労働量が増えるほど少なくなるので右下がり。
で表した実質賃金は所与で一定(水平)。
その交点で雇用量(労働需要)が決まると。

 

このように、企業が利潤最大化行動をとる結果、実質賃金と労働の限界生産物が等しくなるように雇用量(労働需要)が決まる、ということになります。
(ただし、“生産物はすべて売れる”という仮定があります~セイの法則

これを基に、縦軸に実質賃金、横軸に労働量を取り労働需要曲線を描くと

図3

このように右下がりのグラフとなります。

縦軸に独立変数をとるこのようなグラフは大変扱いづらいのですが、経済学では慣例なので我慢しましょう。

さておき、このグラフが示すのは、
“実質賃金が下がると労働需要は増えていく”

ということです。上の話を整理すると、当然そうなります。

また図2は、一企業の労働需要曲線でしたが、市場全体を考えるときには、ミクロの完全競争市場の需要・供給曲線の場合と手法は同じです。
すべての企業のものを横方向に足し合わせて・・・といったように。
要するに、市場全体も図2の形状で考えるということです。
(この辺は仮定の域なので、あまり深く考えない方がいいです)

 

ちなみに以上が、平成26年度第13問の設問2で問われた全容です。
その正答率はおそらく50%を割っているでしょうが、この第一公準、労働需要といった辺りは、いずれまた出題されるのではないでしょうか。

 

古典派の労働供給

労働供給、今度は“家計がどのくらいの労働量を供給しようとしているか”ということです。

家計が効用最大化行動をとる結果、『古典派の第二公準』を満たすように労働供給は決まるというのですが、その公準というのが以下。

労働の一定量が雇用されている場合、
実質賃金の効用はその雇用量の限界不効用に等しい

 

実質賃金の効用とは
“実質賃金から得られる満足度”です。

その雇用量の限界不効用とは、
“労働量が1単位増加したときに増える不効用”です。
不効用とは、効用(満足度)の反対。
不満度、不快度、苦痛といったようなことです。

そこで、第一公準では、労働量を“人数”で考えましたが、第二公準では、“労働時間”で考えた方が分かりやすいでしょう。

つまり、実質賃金の効用を“時給から得られる満足度”
その雇用量の限界不効用を“もう1時間多く働いたときの苦痛の増加分”といった感じで捉えます。

そして、その雇用量の限界不効用は、一般的には、労働時間が多くなるほど大きくなります。
例えば、3時間働いた後のもう1時間と、12時間働いた後のもう1時間、通常は後者の方がきついです。

 

さて、第二公準ですが、考え方は第一公準と良く似ています。

要するに、
「さらにもう1時間多く働くのは大変苦痛だ。でも、それよりも時給から得られる満足度の方が高ければ働いてもいい。そうでなければもちろん働かない。」
というようなことです。つまり

・実質賃金の効用>限界不効用 のときは、もっと働く
・実質賃金の効用<限界不効用 のときは、働かない

そうすると、
【時給から得られる満足度=もう1時間多く働いたときの苦痛度】
となるところで“働き止め”となる。図示すると

図4

横軸に労働時間、縦軸に実質賃金の効用と限界不効用。
ピンクで表した限界不効用は、労働時間が多くなるほど大きくなるので右上がり。
水色で表した実質賃金の効用は、実質賃金が所与ならば一定(水平)。
その交点で労働時間(労働供給)が決まると。

 

確かに考え方は良く似ていますが、第一公準と比べても、少々感覚的で歯切れが悪いといいますか・・・ですよね。分かりづらい。

その理由は、基数的な実質賃金と序数的な効用(不効用)を同列に扱おうとしているからでしょうね、たぶん。

ちなみに基数とは“量を計る数”で、序数とは“順序付けを表す数”。
これが混ざると間違いも起こりやすくなります。

例えば、こんな問題。

1階から3階まで行くのに8秒かかるエレベーターがあります。
そのエレベーターで1階から6階まで行くのに何秒かかるでしょうか?

 

答えは、20秒。

とっさに 16秒 と答えた方。
この問題の、階数が序数、時間が基数なんですね。
そこで少々混乱してしまうのです。
日付で、12月7日から12月22日までは何日間?
というのも同じようなことで、一瞬考えてしまいます。

 

話を戻しまして、労働の一定量が雇用されている場合、実質賃金の効用はその雇用量の限界不効用に等しくなるなるように労働供給は決まる、と。

これを基に、縦軸に実質賃金、横軸に労働量を取り労働供給曲線を描くと

図5

このように右上がりのグラフとなります。

このグラフが示すのは、
“実質賃金が下がると労働供給は減っていく”
ということです。

また、市場全体のものは、労働需要曲線のときと同様です。

 

古典派の労働市場

労働需要曲線労働供給曲線を同時に描くと

図6

このようになります。

第一公準、第二公準が正しいとすると、労働市場において実質賃金は伸縮的であり、市場のメカニズムによって点Eで均衡する。
そして、常に完全雇用=働きたい人がすべて働いている状態)が実現している、ということになるのです。

なので、仮に失業者がいるとすれば、それは
① 企業と労働者のマッチングに時間を要するもの(摩擦的失業
② 何らかの理由で労働者に働く意思がないためのもの(自発的失業
であると。
(①は、労働者が自分に適合した職を見つけるのには時間がかかり、その職探しの間は失業状態もやむ得ない、といった感じです。例えば、転職の最中の働いていない期間など)

そして、もしこの均衡状態から労働量を増やしたいのであれば、
・組織を改善したりして摩擦的失業を減らす
・労働の苦痛をやわらげて自発的失業を減らす
などなどするしかないと。

さらに言うならば、世界恐慌期の多くの失業者についても、例えば、
「労働者側が、正当な名目賃金の引き下げを受け入れないからで、それは自発的失業だ」
などと解釈されるのです。

これが、古典派の雇用理論です。

 

ケインズの批判

以下は、簡潔に。

「実際には、現行の賃金水準で働きたいけど働けない人(非自発的失業)もいる。」

というのがケインズです。
よって、古典派の雇用理論はどこかに誤りがあるはずで、
それが第二公準だと言いました。(ちなみに第一公準は否定しません)

具体的には、
「第二公準では、労働者は実質賃金によって労働供給量を決めるとしているが、実際の雇用契約は名目賃金によって結ばれるのであって、そもそもそこが間違っている。例えば、物価が上昇すると実質賃金は下がるが、そこで労働者は労働供給量を減らすだろうか。あくまでも、労働者は名目賃金によって労働供給量を決めるはずだ。」
とこんな感じです。

第二公準、要するに、古典派の労働供給曲線が違うというのですが、ならばどのようなものかといえば

図7

このような感じで考えていたのではないかと。
(とあいまいに言うのは、当批判をしているケインズの著書にその考えを示すグラフは出てこないので、識者が文章を読み解くと・・・となってしまうためです)

先ほどの通り、縦軸には名目賃金。
現行の賃金水準 $W0$で働きたい労働者が $Lf$人いるとして、
それまでは水平で表される。
その後、つまり完全雇用を実現できた後は、
労働供給が一定となり垂直で表される。
(この垂直部分を右上がりとしているものも見ます。議論の中心はそれ以前になるでしょうからあまり気には、と)

 

そして、非自発的失業が発生しているということは

図8

労働需要曲線が、このような状態にあるのではないかと。
グラフの $(Lf-L1)$ が非自発的失業を表しています。

だとすると

図9

こうなれば、非自発的失業を無くし完全雇用を実現できる。

どうすればいいのか?

それは、“生産物への需要を増加させて生産量を増やせばいい”と。
つまり、非自発的失業の発生要因は、労働市場ではなく財市場にある。
そして、財市場においては生産物への需要量がその供給量を決定し、ひいては雇用量も決定するのだと。

これが『有効需要の原理』です。

 

ではその思想を基にして、どのように需要量が決定し、さらには、どうやってそれを増やしていけばいいのか、考えてみましょう。
というのが、中小企業診断士テキストでも丁寧に扱う、ケインズ型消費関数、45度線分析といった辺りです。
このように労働市場からみていくと、例えば、デフレギャップの説明もよく解るのではないでしょうか。

 

以上です。
中小企業診断士試験で出題される可能性が高いのは、第一公準です。
【利潤最大化行動: 実質賃金=労働の限界生産物】
最低限ここはおさえておきましょう。

それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

今日は、2016年度一次試験に向けて経済学。

ストレート生は、「まだ経済学なんて学習していない」という方が多いのでしょうか。そのような方には、今後学習した際の参考になればと。

 

ミクロ経済学からスルツキー分解、そして、その応用として出題の可能性がある異時点間の消費
スルツキー分解については、以前にもこちらで扱いました。内容は重複しますが今一度それを確認した後、そこでは説明しなかった異時点間の消費(二期間消費モデル)に移っていきます。

前半のスルツキー分解のポイントは、以下の二つ。
 3つの変数を扱っている
② 補助線の引き方やその意図
ここに着目をします。

後半の異時点間の消費は少々難しいところでしょうが、来年こそは絶対に60点以上をという方は、知っておいた方がよろしいのではないでしょうか。

 

スルツキー分解

“スルツキー分解のグラフがイマイチ解りづらい”
それは『3次元を2次元で表しているから』です(たぶん)。

無差別曲線とは、

図1

例えば、図1の左のような縦・横・高さ軸を持つ3次元の効用関数を、あたかも上から見て投影したかのように2次元化したもの、と捉えることができるでしょう。

その2次元化したグラフに、予算制約線を書き加えてみると

図2

例えば、このように。
よく目にするスルツキー分解のグラフです。

そこで仮に、このグラフは最適消費点が点Lから点Nに移ったところを表しているとすると、このとき何の値が変化するのか分かりますか?

答えは、X財の消費量Y財の消費量効用の大きさ
3つの値が変化します。

つまり、スルツキー分解のグラフは2次元でありながら、3つの変数を扱っているということです。まずは、ここをしっかりとおさえておくことが重要です。

 

それでは、スルツキー分解です。

図3

いまX財の価格が低下して、最適消費点が点Lから点Nへ変化したところです。

もう少し詳しく言うと
「X財の価格低下によって、X財の最大消費量がBからCへと増加した。
それに伴って、予算制約線がから水色へ、また、最適消費点は点Lから点Nへと変化をし、効用がからピンクへ向上した。」
とこんな感じでしょうか。

このようにX財の『価格が変わったことによる消費量の変化』のことを
価格効果(全効果・全部効果)』といいます。

この価格効果、すなわち、点Lから点Nへの消費量の変化は、以下の2つの効果が合わさったものです。

まず、X財の価格が低下すると、2つの変化が起こります。
① Y財と比べて相対的にX財が安くなる(2財の価格比が変化する)
② 実質的な予算(所得)が増加する

すると、その各々の変化は、2つの効果を生み出します。
① X財とY財の消費の比率を変える
② X財とY財の消費の全体量を変える

そして
①の効果を『代替効果
②の効果を『所得効果
と呼ぶのです。

すなわち、価格効果代替効果所得効果分解され
価格効果』=『代替効果』+『所得効果
と表せます。
これが、スルツキー分解です。

そこで試験では、
代替効果による消費量の変化はどの程度?」
所得効果によってX財の消費量は増えたの、減ったの?」
などなどグラフを通して聞かれるのです。

それでは、図3の代替効果所得効果がどれ程か調べてみましょう。

いま価格効果は分かっているので、あとどちらかが分かれば引き算です。
そこで、代替効果を求めてみます。

代替効果』とは何なのか。先ほどよりも詳しく言うと、
『財の価格比が変化したとき、いまと同じ効用を得る
ための消費量の変化です。

それではもう一度図3を見てみます。

図3

X財の価格が低下したことによって、
確かに、2財の価格比は変化しています(予算制約線が水色へ)。
しかし、効用も変化してしまっています(無差別曲線ピンクへ)。

代替効果
は価格比が変化したときに同じ効用を得るための変化なので、
価格比(=予算制約線の傾き)は変化後のままにして、
効用(=無差別曲線)は変化前と同じ状態に戻してみましょう。
すると、代替効果が分かるはずです。

それをグラフで行うと、図4。

図4

変化後の予算制約線(水色)と平行な補助線
変化前の無差別曲線()と接するように引く
ということになり、そこで新たな消費点Mを得ます。

そして、最初の点Lからその新たな点Mへの変化こそが『代替効果』。
あとは 『価格効果』=『代替効果 』+『所得効果』なので、
残りの変化、すなわち、点Mから点Nへの変化が『所得効果』となるわけです。

グラフにまとめて、図5。

図5

 

以上は、X財の価格低下という局面でみてきました。
他にも、①X財の価格上昇 ②Y財の価格低下 ③Y財の価格上昇
のパターンがありますので、各々おさえておきましょう。

図6

 

以上がスルツキー分解です。

 

異時点間の消費

中小企業診断士試験では、平成19年度第16問のようにスルツキー分解の応用として出題される可能性があるほか、平成25年度第13問では単にグラフの傾きや切片が問われました。これらは正答率が低かったはずです。もちろん出題者はそのこと想定済みで、半分以上の受験生が間違えると踏んで出題しています。7、8割の受験生が正解できるような問題に、このような問題も織り交ぜながら全体の難易度を調整しているので、この辺りをしとめられれば自ずと得点上位となるはずです。

それでは。

図7

これは、ある消費者の生涯を2期間に分けて
各々の期間における所得と消費の関係を考えています。

横軸の第1期は若年期、縦軸の第2期は老年期を表していて、
第1期の所得をY1、第2期の所得をY2 とし、それを所与としています。
(定年前と定年後、Y2は年金といったイメージでしょうか)

第1期(横軸)はY1の所得に対して、C1の消費
第2期(縦軸)はY2の所得に対して、C2の消費
を行います。
(変数は実数値、要するに物価の変動は考えない。また、生涯所得はすべて消費に充てる、要するに子孫に財産を残さない。)←よく分からない場合、あまり気にしなくても大丈夫でしょう

そこで例えば、第1期に貯蓄も借入もできないとすると、この消費者は予算制約線上の点Aで消費をすることになります。つまり
第1期(横軸)の所得Y1を、すべて第1期の消費C1に充てる
第2期(縦軸)の所得Y2も、すべて第2期の消費C2に充てる
ということです。

まずここまでは、仮定と言いますか決め事です。グラフの意味(見方)をしっかりとおさえましょう。

 

それでは、第1期に利子率rで貯蓄・借入が自由にできるとき
どうなるか。

図8

予算制約線上のすべての点での消費スタイルが可能となります。

点Aより右側の消費点は、第1期に借入を行ってまで消費をする場合です。
このとき、第2期の消費C2は、所得Y2より少なくなります
それは、第1期での借入を第2期で返済しなければいけないからです。

また、点Aより左側の消費点は、第1期に貯蓄を行う場合です。
このときは逆に、第2期の消費C2は、所得Y2より多くなります
もちろん、第1期の貯蓄を第2期で使えるからです。

そして極端なケース、つまり第1期、第2期のいずれかの消費をゼロとした場合の消費点が、それぞれY切片X切片になります。

第1期の消費C1=0 の場合がY切片
このとき、第2期でできる消費C2は (1+r)Y1+Y2 となります。
第2期の全所得Y2に加え、貯蓄した第1期の全所得Y1に利息も付いてくる、ということです。

第2期の消費C2=0 の場合がX切片
このとき、第1期でできる消費C1は Y1+Y2/(1+r) となります。
第1期の全所得Y1に加え、借入れた第2期の全所得Y2から支払わなければいけない利息を除いた額、ということになります

ここで、“第1期の所得Y1の方が第2期の所得Y2よりも価値がある”
ということが分かりますか?
これが、財務会計でも出てくる現在価値の概念です。

グラフに戻りもう一つ。
予算制約線の傾きは -(1+r) となっていて、利子率rに依存しています。

 

そして、例えば

図9

のような無差別曲線を持つ消費者の場合。
最適消費点である点B(第1期の消費がC1’、第2期の消費がC2’)
で消費をします。この例では
“第1期に(Y1-C1’)の分だけ、第2期へ向けて貯蓄をした”
ということです。ちなみに、
(Y1-C1’)(1+r)=(C2’-Y2)
となるのですが大丈夫でしょうか。

 

さてここで、利子率rが上がるとどうなるでしょう。

図10

先ほどいったように、予算制約線の傾きは -(1+r) なので、
新たな予算制約線は、X軸に対して傾きが急になります。
また、その新たな予算制約線も必ず点Aを通ります
それは、利子率rが変わっても、所得Y1、Y2は変化しないからです。
よって図10のように、予算制約線は点Aを軸に回転したような変化となります。

すると図9の消費者は、例えばこのように消費を変化させます。

図11

これは、利子率rが大きくなったことによって、
『第1期の所得の価値(≒価格)が第2期と比べて相対的により高くなった。また、実質的な生涯所得も増加した。』
そのため、最適消費点が点Bから点Cへ変化したということです。
つまり、この変化を『価格効果』として捉えることができるのです。
すると、『代替効果』と『所得効果』にスルツキー分解が可能となり

図12

このように考えることができるので、スルツキー分解の応用として扱われ可能性があるのです。

しかし、このモデルの本当に重要なところはおそらくそこではなく、
合理的に将来のことを考える消費者”が将来のことを考慮して現在の消費を決める、と仮定しているところにあるのでしょう。
ここが、マクロ経済学のケインズの消費関数にはない考え方で、ライフサイクル仮説恒常所得仮説といった消費の理論の基礎になったということなので。

 

話を戻して、上では貯蓄・借入が自由にできる場合をみてきました。しかし現実には、貯蓄は無理をすれば誰でもできますが、借入はそうはいきません。
そこで、貯蓄はできるが借入が全くできない場合はどうなるか。

図13

このような予算制約となります。
つまり、点Aよりも右側の消費点を選択できなくなります。
すると、“第1期に借入してまで消費することが最適な消費者”は、やむなく効用を下げて点Aで消費をすることになり、図14。

図14

本当は借入をして、の無差別曲線との接点で消費をしたいのですが、無理なのでやむなくピンクで、ということになるのです。グラフから効用が下がっていることが確認できます。
この借入ができない制約のことを、流動性制約といいます。

以上が、異時点間の消費です。

 

余談ですが、前段で触れたように平成25年問13で、途中説明したY切片と傾きを問われましたが、問題はその設問のグラフ。
線分OB>線分OA
に見えますよね。
これ本来、利子率rは正でしょうから、縦軸と横軸の単位、縮尺といったものが等しければ必ず
線分OB<線分OA
となるんですね。
そのようにきちんと描く必要はないのですが、少々意地悪だなと。グラフの形状を信用して、傾きを間違った方もいらっしゃたのではないでしょうか。

 

さて今回は、スルツキー分解と異時点間の消費をみてきました。
前半のスルツキー分解は、本試験では頻出で、解ってしまえばそれほど難しくもないので、確実に得点したいところです。

それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

二次試験に臨まれた方は、本当にお疲れ様でした。
その後、いかがお過ごしでしょうか。
受験校の模範解答を何度も見ながら、

「合格してないかな・・・」
「やっぱ無理か・・・」
「ちょっと待て、何とかなっているかも・・・」
「いや~厳しいかな・・・」
「う~ん・・・ひとまず合格ということでいかがでしょうか?」

とそんなことを思う日々。
このモヤモヤ感があと1ヶ月も続いてしまう。これがまたストレスですよね。「早く発表しろよ」と毎日思っていたものです。

 

さてこれまでは、二次試験を受験したほとんどの方々が、ひとまず“中小企業診断士試験合格”という共通の目標に向かって、日々励んできたものと思います。
しかし、これから合格発表まで、さらにはその後の過ごし方については、“合格を目指した動機”によってそれぞれ異なってくるのでしょう。

おおげさに言うと、資格取得が目的だったのなら、合格さえしてしまえば、この学習を通じてどの程度知識が身に付いたかなんて、どうでもいいわけですし、逆に知識習得が目的だったのなら、たとえ合格しなくても、納得できる知識量さえ身に付いていれば、それで十分なわけです。大半の方々はその両方を求めているが、各々比重が異なるといった感じでしょうか。

ちなみに私は、知識習得が主な目的でした。
もちろん合格もしたかったのですが、この資格を生かしてすぐに何かを、というようなことはありませんでした。

そんな私が二次試験終了後に思ったことが
「1年以上学習してきたけど、まだ全然だめ。」ということです。
例えば、「除却? なんだそれ。」でしたし。
これは先ほどの裏の話。知識習得が目的だったのなら、たとえ合格しても、納得できる知識量が身に付いていないのなら、それは十分ではない、ということになってしまうのです。
そこで、合否に関わらず学習しなければいけないという結論になってしまったので、試験後に抜けた魂をすぐに呼び戻し学習を継続。そして、もし合格していても、ひとまず直近の実務補習は受けないことに決めました。翌年2月という日程が、少々近くに感じたもので。

学習の継続まではいいとして、直近の実務補習についてはどういうことか。

私見ですが、実務に触れると本当に必要な知識は何かが分かり、そこだけを効率よく習得、強化できるようになっていくと考えていたからです。
「ん?それでいいでしょ。何がダメなの?」と思いますよね。
懸念したのは、“必要な知識”だけを求めるようになってしまって、“必要とまでは言えないけれど不要でない知識”のため、わざわざ辛い学習などしなくなるおそれがあるということです。いや、間違いなくしなくなるんです、私は。

例えば実務に触れた後、簿記でも取ろうかなと思っても、
「積送品に積送諸掛ですか・・・これ要るのかな? やっぱや~めた。」
となってしまうのですね、私の場合。

でもですね、“必要とまでは言えないけれど不要でない知識”というのは、いずれ役立つときが来るんですよ、たぶん。「いや~、これ知っててよかったな」という日が。根拠は勘ですがね。

まあ、そのように学習をしてきたことは、今となっては良かったなと無事に思えてます。

という、皆様には程よくどうでもいい話でしたが、さて、抜けた魂でも呼び戻し、そろそろ何かを始めてみるのも一考でしょうか。
きついですけどね。でも、今しかできないこともありますよ、きっと。

 

 

本題です。

2016年度一発ストレート合格を目指す方々は、まずは一次試験当日までどのようなスケジュールを描いて、日々の学習に励まれているのでしょうか。
「一次試験まで、まだ9ヶ月もあるのに何言ってるの?」
と思う方もいらっしゃるでしょうが、考えておくに越したことはありません。

その根拠は勘ではなく今度は経験で、この一次試験に対して残り9ヶ月という学習期間は、決して長くはないと思うからです。
具体的には、7科目の学習を、いつ頃までにどの程度どのような順番で済ましておけばいいのか、というようなことをおおよそ思い描いておかなければ、気付いたときには時間が・・・なんていうことにもなりかねません。

受験校で学習されている方は、その辺りも含めてプロの指導を受けているので大丈夫でしょう。しかし、独学の方はすべてを自分で決めなければいけません。

そこで、自らの経験から参考までに個人的見解を、と思った次第です。もちろん私は独学です。

以下は、【テキスト学習⇒過去問演習】という流れで考えてます。
テキスト学習とは、市販売上No.1、TAC社スピードテキスト、スピード問題集の使用を想定し、
スピードテキストでinputした知識等を、スピード問題集でoutputし定着させる
といったオーソドックスな学習法を指しています。

先々のことまで少々細かく説明しています。今時期まだ分かりづらいところは、適当に読み流してください。ひとまず大枠を捉えて評価していただければと。それでは。

 

(1)3月(遅くとも4月)までに7科目すべてのテキスト学習を終わらせる

達成度としては『スピード問題集をほとんど解けるレベル』です。

「あれ、これ何だっけ?」というような、暗記しきっていない状態は許容します。まだ3、4ヶ月前なので、完全に暗記している状態までは求めません。しかし、いずれ暗記しなければいけないのは確かです。そこで重要となるのは、その“試験当日までには暗記しなければいけないこと(以下、暗記事項)”をきちんと把握し、表を作るなどして覚えやすいよう自分なりに整理しておくということです。

また、このテキスト学習期間中、7科目もあるからといって、学習済みの科目を1ヶ月も2ヶ月も放っておいては、折角の『スピード問題集をほとんど解けるレベル』が退化してしまいます。そこで、空き時間を利用するなどして、既習のスピード問題集を繰り返し解いたり、整理した暗記事項を覚えようとするなど、平行した学習を行う工夫が必要です。

学習する科目の順序については、最初の方に学習した科目ほど、自ずと復習時間が多くなり習熟度が高くなるはずです。
その点から、財務会計経済学に早い段階で取り組む方がよいと考えます。

理由は、その2科目は暗記というより理解重視で、習熟度が高まるほど安定して得点できるからです。
理解重視の科目は、習熟度が高ければ多少難しくされても対応できる。しかし、暗記重視になればなるほど難しくされる、すなわちそれは、知らない知識を直接問われることを意味しますが、その時点で終了となってしまう。よって、後者は出題者の思惑に左右されやすい、ということです。

また、もう一つの理由として、その2科目でつまずいて学習を断念される方が、一定数いるということです。もし、そうなるならば早い方がいい。時間も費用ももったいないので。

ちなみに大手受験校TACは、スピードテキストの番号通りで講義を行っているようです。それは、二次試験を意識して関連の強い3科目から行っている、ということなのでしょう。
その点で経済学には賛否があるでしょうが、財務会計に関しては、いずれにしても早い段階で取り組む方が良いでしょう。

と、ここまで簡単に言いましたが、7科目すべて『スピード問題集をほとんど解けるレベル』というのは、なかなか大変です。しかし、確実に一次試験を突破するためには、なるべく早い段階でこの状態に達する必要があります。

 

(2)4月(5月)~6月は過去問に徹底的に取り組む

過去問を見ると分かるのですが、実際の試験問題はスピード問題集とは少々異なります。特に企業経営理論と経営法務には、当初戸惑うはずです。

“スピード問題集はドリル学習によって必要知識を定着させるための教材”と捉えるのが正しいでしょう。その点では大変素晴らしい問題集です。
しかし実際の試験問題では、科目によって、その問題集のように知識をそのまま答えるのではなく、知識を使って考えて解くといった対応を求められます。その要素の強いのが、先の企業経営理論と経営法務であるとの見解ですが、その辺り少々慣れが必要です。

そこを克服できれば、前段のテキスト学習によって、水準の難易度の問題であれば60点ほど取れるか、という実力になっているはずです。つまり、ボーダーライン付近というわけですが、一次試験3、4ヶ月前にそこに達していたいのです。言うまでもなく、確実に一次試験を突破するためには、もう1ランクレベルアップが必要だからです。

そのレベルアップの手法とは、過去問を解くという単純なことなのですが、ただ繰り返し解いて設問や答えを覚えるというのではなく、一つの問題に対して一度目は徹底的に取り組むというものです。もちろんその後、2度目、3度目と複数回解くことは理想です。

具体的には、解らないところがあれば解るまで徹底的に調べるのです。知識不足で解けなかった問題は当然ですが、一応は正解した問題でも、その選択肢の中に知らない用語等があったら、もちろん調べます。当然テキストには載っていないところでしょうが、過去問の解説で不十分ならば、納得いくまで調べ上げるのです。すると、その過程において様々な周辺事項に触れ、求めていた以上の知識の習得に成功するはずです。加えて、既習の関連事項も自ずと理解が深まっていくでしょう。

また、そのように取り組んでいくと、各科目の頻出領域、論点、用語というものも自ずと把握できます。逆に言うと、大して重要でないところも分かります。要するに、同一科目内での領域、論点毎へのウエイトのかけ方を、自身で判断できるようになるのです。

この一度目の過去問演習をできるだけしっかりと行いたいので、『スピード問題集をほとんど解けるレベル』にいち早く達したいのです。そのレベルでないと、徹底的に取り組んでも、解らないことだらけで大変なことになってしまいます。

また、このような過去問演習は、単元別に行う方が効果的でしょう。すなわち、一定期間ある科目に特化して複数年分に取り組んでいくということです。もちろんその期間中、他の科目を退化させてはいけません。先のテキスト学習と同様です。

以上の過去問演習に関しては、中小企業経営・中小企業政策(以下、中小)以外の6科目の話です。というのは、いずれ学習すると分かりますが、中小という科目は、ほぼ暗記の“時事”の問題といった趣で、他の6科目ほど過去問が役に立ちません。

 

(3)7月は暗記、中小仕上げ、二次関連科目の強化

上記の通り進むと、中小以外の6科目は、暗記事項さえ身に付いていれば、確実に一次試験を突破できるレベルになっているはずです。あとは、過去問を再度解くなどしてそのレベルを維持すると共に、暗記事項の不十分なところを、また、あえてこの時期まで覚えなかったところをしっかりと覚えていきます。

一方、中小はここでもう一仕上げが必要です。
中小に関しては、ほぼ暗記科目であることに加え、二次試験との関連も強くないため短期詰め込み学習で対応しようということです。上の“あえてこの時期まで覚えなかったところ”というのも同じような意図で、要するに、一次試験当日にだけ覚えていればいいので、寸前まで放置というわけです。
さておき、中小ですが、これまでのテキスト学習の内容では少々物足りません。そこで中小企業施策利用ガイドブック中小企業白書というものを使いますが、如何せん膨大な量なので、どの辺りをどの程度覚えるのか、その見当付けが重要となります。過去問の扱いも含め、中小は人それぞれ学習内容が異なってくるでしょう。

さらに、もし余裕があるならば、この時期から二次試験を意識します。
学習準備として集中特訓財務・会計全知識、過去問といった辺りを入手しておきます。そして、一次、二次の双方に有用な集中特訓財務・会計と全知識を、前者優先で学習することを推奨します。
二次試験の過去問に関しては、まだ真剣に取り組む必要はありません。なぜなら、それは片手間に取り組めるほど容易なものではなく、一次試験にとってはリスクとなるからです。一次試験が終了するまでは、二次試験とはどのようなものかを知るための参考資料程度の扱いで構わないでしょう。
たとえ余裕があっても、ここではまだ二次試験対策を始めるのではなく、二次試験を意識した一次試験対策を行うのです。すなわちそれは、二次試験と関連の強い一次試験科目(財務、経営、運営)を強化するということになるでしょう。

求められるのは7科目同時ゴールです。最後の最後まで、1科目として実力の退化することのないよう、それら平行して学習していくことが重要となります。

 

(4)8月の一次試験

高得点で合格できるはずです。
正答発表後、すぐに合格を確信し、まずは二次試験の過去問を1年分解いてみます。

 

以上です。

これはあくまでも一例です。この通り学習することが、多くの受験生にとって最善とも限りません。
もし、なかなか良いなと思うのであれば、大枠は真似をして、自分に合うよう改良していく。

基本はいつも『パクってカスタマイズ』です。

 

それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

この日曜日、いよいよ二次試験です。
自信のほどはいかがでしょうか。
あまりないですよね。
過去問の正答が分からないので、実力を正確に把握する手立てがない。
なので当然です。よって、その辺りはあまり気にせずいきましょう。

 

さて本日、私に与えられたテーマはこちら。

“新傾向、サプライズ、難問奇問系にどう立ち向かうか”

要するに、事前に準備した手順等では対応できない場合です。
これは言うまでもなく『現場対応』の勝負。
自らの知識や能力を使って、その場で考えて解く
基本的にはこれしかありません。

例年とは明らかに様相の異なる新傾向、サプライズ、奇問”の場合。
例えば、平成25年事例Ⅱの第3問POSデータ分析のようなものですが、そのような問題を前にしたとき「なんだこれ?」となるはずです。
ここでは、いかに焦らず冷静に対応できるか、というようなメンタル面が重要になるでしょう。もちろん、必要とされる知識や能力を持ち合わせていることは前提ですが。

前回もいいましたが、ストレート生はここがチャンス

『4つの事例の総点数で60%以上、かつ1つの事例も40%未満 がない』
この条件を素点で満たすと、文句無しで絶対的に合格。しかし、予定よりその合格者数が少ないときは、どこかで得点調整。結果、成績上位者から一定数が、相対的に救済される。そして、その“合格者が少ないとき”というのは、さほど稀ではない。

と、このように二次試験には相対的な要素もあると考えています。
これが事実なら、事前に準備の難しい問題を前にして、ストレート生は焦るどころか喜ぶしかない。再受験生に比べて、圧倒的に準備期間が短いのですから。

そして、テーマに戻ってもう一つは、一見区別が難しい“新傾向”の場合。
それは、過去にない論点や解答要求といったようなもの。これがおそらく“難問”でもあって、試験後に受験校の模範解答もバラけてくるところだと思います。ここでは、その新しさに気付くかどうか
その点では、準備万端の再受験生が有利と言えますが、そこに気付いても、適切に解答できるかどうかは、これまた難しいところ。
その問題にどれほどの時間を割くのか、焦らず冷静に判断をする。

本日のテーマ
“新傾向、サプライズ、難問奇問系にどう立ち向かうか”

繰り返し『現場対応』の勝負です。
“焦らず冷静に”
分かっていても、いざ本番となると、これがなかなか難しい。

と、あらかじめ肝に銘じておいて、きちんと“焦らず冷静に”対応する

 

二次試験に向けて、もう一つ。

最後まで やれることだけ やってくる

やれることだけ やってくる

実力伯仲のこの勝負、どちらかと言えば脱落ゲーム。
いかにプラスするかではなく いかにマイナスしないのか。

頭一つ抜け出そうと、余計なことをするのがリスク。
とっさの小手先対応で、抜け出せるほど甘くない。

やれることを、可能な限りミスなくこなす。
水準の対策をしてきたのなら、それで十分合格圏。

最後まで やってくる

途中「手応え有り」と感じられるのはごく少数。
それでも、最後までやりきるから合格者。

たとえ「ダメだ」と思っても、本当にダメかは分からない。
周りはもっとダメかもしれない。

ネガティブな感情に、決して支配されないこと。
相対的な要素に期待するなら、絶対に途中であきらめない。

 

さあ、あと4日。
ここまできたら、本番に向けて体調を整えて・・・
と一次試験ならば言うのですが、ここは二次試験。
事例Ⅳの演習でもしましょうか。

それでは、二次試験、悔いの残らぬよう戦ってきてください。  Xレイ



 

解答に 余計なことは 書きません
たとえマス目が 余っていても

 

こんにちは、 Xレイ です。
今日はまず、これからいってみましょう。

 

第1問(配点20点)
~、120字以内で答えよ。

【解答】
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■。(94字)

「あれ?これじゃ、ちょっと足りないな。100字じゃなくて、わざわざ120字っていってるし。よし、何かそれっぽく書いておけ!」

そして

【解答】
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■。(116字)

「よし、これでOK。」

 

はい、この対応がどうなのかということです。

仮に、青字の部分15点相当赤字の部分的外れの解答だとします。

【想定1】 加点方式採点者の場合
まずは、青部分を読んで「5点+5点+5点=15点 だな」
さらに、赤部分を読んで「ん?それは違うね。その部分は0点。」
結果は、15点

これなら書いても書かなくても一緒です。

【想定2】 減点方式採点者の場合
まずは、青部分を読んで「20点-5点=15点 だな」
さらに、赤部分を読んで「ん?それは違うね。さらに-3点。」
結果は、12点

今度は書いたことがマイナスになっています。

 

少々乱暴な例ですが示したいのは
『マス目が余ったからといって、そこに間違ったことを書いても得点にはならないし、むしろ減点リスクがあるかもしれない。』
ということです。

唯一、何か当てずっぽうでもいいから書いた方が良い、とされるのは
『一定の文字数を満たさなければ減点する』
といったルールがある場合(ありえないとは思いますが)。
仮にそれを想定したときは
『前段の青字(15点相当)の解答を膨らませて書く』
といった対応になるのでしょうか。
しかし、そうすることによって、わけの分からない文章になってしまっては、これまた減点リスクとなることも。

要するに、およそ思い通りの内容で解答できたなら、予定外にマス目が余ってしまっても、思いつき程度のことなど書き足さず、そのまま余しておくのも一考か、ということです。

記述式では「何か書けば点数が貰えるかも」との思いが、解答の空欄をもったいなく感じさせる。
一次試験では、100点中70点も取れれば御の字と考えられたのに、記述式では20点中15点の解答から、さらに加点を求めたくなってくる(そんな簡単ではないと思います)。
この「何か書けば点数が貰えるかも」という、一見加点できそうな錯覚(と言っていいと思います)。
ここが落とし穴で、結果「書きすぎ」が減点リスク無駄な時間の消費などにつながるケースもあるのではと考えています。

 

さて、次です。

二次試験まであと2週間と少々になってきました。
この時期になるとストレート生の方々も、学習当初と比較して、格段に解答できるようになってきているのではないでしょうか。
過去問を中心に学習されているのでしょうが、時折「例年と傾向の違う問題」が出題されていることに気付くと思います。

例えば、このところの事例Ⅱ。
平成26年第3問のデシル分析、平成25年第3問のPOSデータなど。
事例Ⅲでも、平成24年でグラフが出されてみたり、平成23年は与件文の章立てがなかったり。

おそらく今年も、いずれかの事例で、そのような「見たことも無い」といった局面を迎えるはずです。
例年上位20%程度が合格しているという事実を基に、相対的な位置関係を気にするのであれば、ストレート生はここがチャンス

例年と似たような傾向の前では、十分に二次対策をしてきた再受験生に通常かないません。よって、そこは無理せず、できるだけ離されないようついていく。

しかし、「見たことも無い」局面では、先日一次試験を突破したばかりのストレート生に有利に働くことも大いにあり得る。この試験の出題形式・出題領域の前では、コンティンジェンシープランなど通用しない

ならば、ストレート生にとっては、その局面があればあるほどいい。
そのことをあらかじめ念頭におき、決して動揺はしない
それどころか、プレッシャーを感じる実力者を横目に、むしろ喜んで迎え撃つ

ここに、逆転の目

それでは、また  Xレイ

 

無理をせず じっと背中を 追いかけて
新傾向で 追いつき追い越し大逆転!

 



 

こんにちは、 Xレイ です。
二次試験まであと5週弱。いかがでしょうか。

今日は、珍しく6代目リーダーより特命を受けております。
それは
いまだに二次試験の“キモ”が掴めず心が折れそうな受験生を何とかして
というものなんですが。

事例Ⅰ~Ⅲ。
一向に合格できそうな解答を書けるようにならない
いまだ何をしていいかもよく分からない
とそんな方。
おそらく、解答パターン(思考パターン)ができていないのではないかと。
どんなことかと言いますと

第1問 C社の強みを述べよ

こんな設問があったとします。
なんとなく何をすればいいのか分かりますか。

①C社の強みを答えればいいんだな、と解答要求を把握する
②「C社の強みは、・・・である」といった感じで解答しよう、と解答フレームを決めておく。
③与件文から、他者と比較してC社の優れている点が書かれている記述を探してくる。
④無事見つかったら「C社の強みは、・・・である」とさっきの解答フレームに当てはめて記述をする。

おそらくこんな感じが多数派。
この通りやれということではありません。
このような解答パターン(思考パターン)を各々の設問に対して、ある程度確立しておく必要があるのではということです。
「80分のお作法」をパクってカスタマイズするのはその後です(同時進行もあり)。なので、そのパターンを確立せずに、80分の過去問演習を行っても、なかなかうまくいかないはずです。

それでは、どのようにそのパターンを確立するのか。
一つ例を挙げると、
“目指す解答”いわば“自分なりの正答”を決めて、そこから逆算
どうすればそこにたどり着けるのかを一度じっくりと考える。
こんな感じでやってみるのはいかがでしょうか。

 

今日はもう一つ、事例Ⅰについて思うところを。

二次試験対策を始めて早6週間。
形になってきたと感じるストレート生も、少なくないでしょう。
事例Ⅱは、正しい方向に発想力を生かせれば大丈夫そうだ。
事例Ⅲは、この過剰な情報量を処理するのは時間との戦いだ。
などなど思うことも。

事例Ⅰはどうですか。
何だかよく分からない
いまだ、こう感じる方も多いと思うのですが。

その事例Ⅰの与件文。どんな事に気を配って読み込めば、事例企業さらには解答要求をしっかりと把握できるのでしょうか。

時系列を意識する
私の中での二次マスターなごさんがこちらでおっしゃってました。もちろん重要です。
ちなみにそちらの記事。ストレート生の方は、今一度しっかりと読んでみてください。この時期になると、マスターの指南が、以前よりも分かると思います。

もう一つ、近年の事例Ⅰで重要なのは
戦略を意識する
これだと思います。

 

組織は戦略に従う

“近年の事例Ⅰ”といいましたが、平成21年以前とそれより後では、少々様子が異なります。

平成21年以前はA社の業績がイマイチというパターンが多いんです。
そこで最悪「これからどんな方向に進めばいいの?」となってしまって、今後の事業の方向性、それ自体を助言しなさいということに。
こうなると難しい事例Ⅰが、さらに難しくなってしまいます。

それに比べ、平成22年以降はA社の業績が割りといいんです。
経営環境の変化にうまく対応して、すでに正しい方向(=戦略)に向かって進んでいる。そんなシチュエーションで、それが与件文に描かれています。

よって、その描かれている戦略を読み取り、常に念頭に置くことで、いくつかの設問において解答要求を取り違えることなく、正しい方向性で解答できるのではないかと考えています。ちなみに、解答する内容はあくまでも組織・人事を意識します。

どういったことか具体的にいきます。

 

平成22年の事例Ⅰ。(以下は個人的見解です)

A社は砂糖を中心とした食品原材料を扱う商社。
与件文から
1.物流機能の強化と販売経路の維持・拡大
2.加工部門の強化
といったA社がすでに進めている戦略を読み取り、常に念頭に置きます
さらに、基本的にはその戦略に従った組織をデザインしていく、といった意識を持ちます。

第1問は、物流機能の強化という戦略に至った背景について聞かれていて
(設問1)では、その戦略をとる前はどのように事業を行っていたのか
(設問2)では、そこからどうしてその戦略をとることになったのか
それらを答えてほしいのではないか。

第2問は、販売経路の維持・拡大という戦略のための施策で、結果的には物流機能の強化にもつながる、M&Aについて聞かれていて
(設問1)で、まずはその戦略自体の概要を問われている
(設問2)で聞かれているメリットは、その戦略を推し進める上でプラスになることのはず。つまり、買収先の従業員が作り上げてきた顧客との信頼関係ごと顧客基盤として手に入れられる、といったような。ちなみにデメリットは、おそらく人事の観点から待遇面。

第3問はひとまず置いておいて、第4問。
物流機能の強化と販売経路の維持・拡大に加え、加工部門の強化という既存の戦略を推し進めていく前提で、さらに経営資源を分散させて専門外の領域で事業をするべきか、を聞かれていて
『加工部門の強化なんかより、仕入・販売・配送に専念し新たな領域を目指す組織作りを・・・』など、絶対に答えてはいけないはず。
ここは既存の戦略を肯定した上で適切な方向性を示し、それに即した組織のデザインを助言する。

このように考えていければと。
もちろん個人的見解なので、内容に異論はあると思います。
特に第2問の解釈は難しく、間違っているかもしれません。
言いたいのは、事例企業を「経営戦略」といったような大きな視点で捉えて、そこから設問によって組織・人事の問題に落とし込んでいければ、ということです。

ついでに、ひとまず置いておいた第3問。
どのように答えるべきか判断が難しいのですが、仮に、単純にメリット、デメリットを中心に答えるとすると
メリットは、普通に考えれば次世代を担う人材のモチベーションアップということになるのでしょうか。
さておき、少々話は逸れますが、ここではそのデメリットについて。
与件文の第1段落の最後の方。
「定年を目前にしたあるいは定年延長した社員の割合が高く・・・」
組織・人事の事例Ⅰなので当然目に留まるところですが、一歩踏み込んで考えて、そこから現状は離職率が低いということを連想できるかどうか。
聞かれてるのはA社にとってのデメリットです。
一般的に考えられるいくつかのデメリットの中から、離職率悪化の懸念を指摘するのは十分理にかなってると思います。
これは、事例Ⅰ~Ⅲ共通なのですが、ポイントで一歩踏み込んで考える
重要なことだと思います。

 

話を戻しまして、「戦略を意識する
上例は、戦略を読み取れた後の話ですが、まずはその読み取りが重要であることは言うまでもありません。今日は連休スペシャルということで、その辺りの話をもう少し。

 

平成23年の事例Ⅰ。(またまた、個人的見解です)

A社は、絆創膏を主力商品とした医療品メーカー。
近年推し進めている戦略は、新市場の開拓
具体的には
1.医家向け医療品市場
2.中高年向け製品市場(化粧品・健康食品)
と、ここまでは簡単。
もう一つ読み落としていけないのは、第1段落の最後。
「わが国とは法や規制の異なる欧州や米国、今度の成長が期待される中国などの海外の市場開発・・・」つまり、
3.海外市場
“法や規制の異なる”という記述から一歩踏み込んで考えて、展開する商品は医療品(中国へは化粧品・健康食品の可能性もあり)。
ついでに、2.はなぜ「中高年層をターゲット」にしたのか一歩踏み込んで考えてみる。
主力の絆創膏市場、その消費の中心はおそらく子供。
少子高齢化による、その市場規模の縮小を感じ取ったからかな。
と推測しておく。

こんな感じで戦略を読み取り、それを意識して各設問に取り組んでみると、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。しつこいようですが、解答する内容はあくまでも組織・人事です。

 

以上です。
大きな視点で事例企業をしっかりと捉えて、正しい方向性を言い当てる。
解答の根拠探しで行ったり来たりの受験生を尻目に、それができればと思うのですが。

それでは、また  Xレイ

 



 

事例Ⅰ~Ⅲってこれ、80分で解けるの?

解けないと思うけど、独学ストレート生なら50~60点の答案を書くことはできると思うよ。

50~60点?

そう、安定して狙えるのは50~60点。あとは、当日出たとこ勝負で運よく得点を積み重ねられるか、事例Ⅳでどの程度カバーできるか、そんな勝負だと思うよ、独学ストレート生は。

最終的にはそれで仕方ないとして、今のところ80分じゃ満足に解答すらできない。50~60点というレベルにも程遠いと思う。80分で何をすればいいの?

俗に、解法、メソッド、ハウツーとかいわれる辺りの話だね。

たぶんそうだと思う。

そのやり方はね、人それぞれだよ。

・・・

それぞれ思考プロセスも違えば、持っている能力にも差がある。そして、“目指す答案”も違う。だから最終的には10人いれば10通りのやり方が出来上がると思うよ。

だから自分で考えろっていうこと?

そうなんだけど、何も一から考える必要はないよ。そんな時間もないし。市販の書籍やネット上で、いろいろな解法が紹介されているじゃない。その中から自分に合いそうなものみつけてきて、まずは真似てやってみる。

真似て・・・

そして良さそうなものがあったら、それを自分の能力に合わせて、使いやすいように改良していく。

改良・・・

要するに“パクってカスタマイズ”だよ。

何となく分かった。でも、いろいろあるけど、まずはどんなのがいいんだろう?

パクリの部分ね。市販の本だけじゃなく合格者の言い分も参考にするのなら、それこそ十人十色。全部試している時間もないから見極めも重要だね。個人的には、独学合格者の解法なんかより、受験校や通信で学ばれた合格者の解法の方が明らかにいいと思うよ。それらは、受験生を合格させるプロの考えた解法がベースとなっているはずだからね。

そして、良さそうなものを自分なりに改良していく。

カスタマイズね。これは試行錯誤。“なんか少しうまくいったかも”と思ったときがチャンスだと思うよ。そのときの作業をしっかりと分析すると、自分にとって重要なものが見えてくると思う。

 

こんにちは、 Xレイ です。

2次対策はいかがでしょうか。
過去問に取り組んでみて分かったと思います。その手強さが。
独学ストレート生が事例Ⅰ~Ⅲで安定して60点以上を取れるレベルになるのは、なかなか大変だと思います。
やはり事例Ⅳでしっかりと得点しないと、厳しい戦いになるのではないでしょうか。
いまだ、事例Ⅰ~Ⅲは先が見えない状態だと思うので、どうしても事例Ⅰ~Ⅲの対策を優先したくなるですが、事例Ⅳの対策を疎かにしてはいけません。
事例Ⅰ~Ⅲはあと7週で何とかなると割り切って、事例Ⅳ対策に一定の時間を割くのも一つの戦略だと思います。

80分で解答を書く。
当ブログで連日話題に上がっている「80分のお作法」とでもいいましょうか。
時間があるならば、一から自分で考えていきたいのですが、残り7週では時間が足りません。
ならば、自分に合いそうなものをどこかから見つけてきて、使いやすいように改良していく。執筆陣の多くが同じようなことを言っているのですが、私もこれでいいのかなと思います。

ただし、“目指す解答”はしっかりと自分で考えていかなければいけません。
今週末に大手受験校で模試があるようですが、そこでは俗に言うキーワード採点がなされるとか。
おそらく加点方式なのでしょうが、その観点から、“多方向性の解答”さらには“キーワード詰め込み”のような対策も時折目にします。この辺りも十分に考えた方がいいと思います。
もし、減点方式のような採点なら、その行為はリスクになると思うので。
実際はどんな採点方法が取られているのかは分かりませんが、内容が違うのに随分と同じ得点の答案があるな、といった印象です。
少なくとも2,3点単位の細かなキーワード採点を想定するのは、厳しいのではと思います。

それでは、また  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

一次試験も終わりました。
対策期間中、経済学についてたくさん書かせていただいたので、はじめに本試験の感想を。

昨年と比較して、経済学の得意な方は易化、苦手な方は難化と感じたのではないでしょうか。
昨年よりも多くの問題でちょっとずつひねっているので、考えなければ解けない問題が多いんですね。だから、苦手な方は難しく感じる。
でも、考えるのは少しでいいんです。そして、全く手の出ない問題が無い。だから、得意な方は易しく感じる。

印象的な問題を2つほど。

問11のソローモデル。
平成25年問11と同じですね。
あまりいい問題とは思えないのですが。
一応2回目なので今後のため、そのグラフについて該当記事に追記しておきました。参考にならないかもしれませんが。

問20の交互進行ゲーム。
得点源になることの多いゲーム理論なんですが、難しかったですね。
私は、この問題が今年1番難しかったと思います。
ここを乗り切れば、得意な方はあわよくば。

 

さて、本題です。
今日は二次試験の話です。
私は昨年度、独学で学び受験したため、受験校の実情は全く分かりません。そのこと、あらかじめお断りしておきます。

この春、得点開示請求が主催者に受け入れられました。
過去に二次試験を受験された方は、その得点を知ることができます。
このことによって、何か変わるのでしょうか。
出題者側の変化は、もちろん予測不能です。
受験生側の変化は、どうでしょう。
おそらく、事例Ⅳをしっかり対策してくる受験生が増えるはずです。

理由は、4事例の合計点が240点以上で合格できると分かったからです。
「何を当たり前のことを」と怒られそうですが、出題者側の提示しているこのルールが事実だと確認できたことが大きいのです。
様々な推測を一掃できたことが。

何で事例Ⅳなのか。
それは、学習の成果が上がりやすいと考えるからです。
例えば、以下のような理由で。

事例Ⅳと他との違いは、「過去問の正答が分かる」というところです。
この二次試験、ご存知の通り、出題者から正答が公表されません。
事例Ⅳももちろん例外ではないのですが、その性質上、能力のある方がみれば、多くの問題で正答が分かります。

正答が分かれば、解法も分かる。
解法が分かるから、正答が分かる。
どちらかは分かりませんが、過去に出題された問題とその正答、解法が分かれば、それは一次試験と一緒。効果的な学習方法も見つかり、同じような問題が出たら解けるようになります。

そして、事例Ⅳで90点取れれば、後の3つは50点平均でいい。
その事実が確認できたため、事例Ⅳにより注力をするのでは、と考えるわけです。

この推測が正しければ、今年の二次試験はどうなるか。
ストレート生にとって、事例Ⅳでの失敗は致命傷かもしれません。

 

そんな事例Ⅳの裏の話が事例Ⅰ~Ⅲ。
すなわち「過去問の正答が分からない」
だから、様々な仮説、推論が生まれるし、なかなか議論が収束しないのだと思っています。

さておき、もし正答が分かったら、どのような対応、対策ができるのでしょうか。例えば、以下。

平成25年事例Ⅰの第2問の(設問2)。
そこでは、コールセンターのオペレーターである非正規職員の離職率低下の施策について問われました。
仮に正答が
「職種や雇用形態の特徴に触れた後、職務満足感を高める具体策を2つ」
という内容のものだったとします。
それを知って臨む平成26年の受験生の私は、どのようなことができたのか。

平成26年事例Ⅰの第5問。
専門知識を持つ人材の離職率低下の施策について問われました。
どう解答するか。
「職種と雇用形態の特徴に触れた後、職務満足感を高める具体策を2つ」
私は、その内容で解答します。
しかも、あらかじめ用意してきた職務満足感を高める具体策の中から、与件文を考慮し良さそうなものを2つ選んで。
これで、大外しはしないはずです。

このように、同じような論点で出題されたときに、解答方針がすぐに決まります。

もちろん、過去と同じような論点での出題ばかりではありません。
それでも、各々の事例の様々な設問形式に対して、解答方針が見えてくるはずなんです。
ここは与件文の背景が重要だ、ここは自らの知識にも頼らなければいけない、ここは課題を解決し得る実現可能な施策であればいい、というように。

 

しかし、現実には過去問の正答は分かりません。
ならば、こう書けば高い得点がもらえそうだ、という『自分なりの正答』を考えましょうか。そうすれば、上記のような対応も可能になる。

と、失礼なほど簡単に言いましたが、これが非常に大変なんです。
80分で一度解いて、過去問題集の解答や解説をみて「こんな感じかな」と決めれるほど簡単ではありません。

一つの事例について、時間にとらわれず徹底的に与件文を読んで、考えて、問題文の要求を解釈して、解答を考える。そして、過去問題集受験校の模範解答、過去の合格者答案などと見比べて、またまた考える。「何か違うんだよな」と思って、今度はいろいろと調べてみる。

時間的な制約があるので、どこまでできるかは分かりませんが、一つの事例に対して徹底的に取り組まなければ見えてこないと思います。『自分なりの正答』、そして、この二次試験とはどんなものかは。

結論を言うと、私はこのようにいくつかの事例に対して「徹底的に取り組む」という作業が重要だと考えています。しかも、比較的早い段階で行うことが。

『自分なりの正答』を考えていると、いろいろと気付くはずです。
与件文を読み込むポイント。事例毎の特徴。
こんな知識が足りない。あんなトレーニングが必要。
さらには、「あれ、これ80分じゃ解けないぞ」と。

解答のフレームワークを作ることが主要な目的ではなく、そのようなことを自ら気付かないと、自分なりの解法も考えていけないのではないかと。

 

今はまだ「先が見えない」状態だと思います。
しかし、何らかの気付きで、スッと合格圏内に入っていけるのが、この二次試験なんです。そこを信じて試行錯誤していくしかありません。
まだまだ、始まったばかり。
頑張っていきましょう。   Xレイ

 



 

来週末は一次試験

やるべきことはやってきた
例年並みの難しさ
過去と変わらぬ傾向ならば
きっと合格できるはず

そして迎える試験の日
思惑通りにいかないことも

まずは一巡解いてはみたが
『いや~難しい解らない』
そんな科目を前にして
どう振る舞うかが分かれ道

こんな出来では足きりも・・・
得点源のはずなのに・・・
ネガティブ思考に切り替わり
動揺したらまずOUT

『いや~難しい解らない』
周りの人も皆一緒
中には合格する人や
500点ほどとる人も

高得点の彼らでも
テキストなどはほぼ同じ
さすがに他と比較して
要所を熟知しているが
当日持ち込む知識の量は
それほど多くはありません

ならば当然起こること
テキストなどに載ってない
そういう問いが並んだら
『いや~難しい解らない』

彼らはそこでどうするか

残り時間はあまりない
超難問をまず見切り
多少なりとも正解へ
近づく問いを見定める

そして3択、2択へと
可能な限り絞込む
いかに不要な選択を
排除するかが勝負処

使える知識を呼び起こし
もれなく即座に総動員
それをスラスラやるための
知識の紐付け体系化

時には直感にも頼る

確かな知識と経験で
洗練されたその感性
無理なこじつけなんかより
余程頼りになるはずと

終わってみれば500点
それだけ点をとる人も
一目で解ける問題は
それ程多くはありません

知識を使って考えて
不要なものを排除して
正解となる率を上げ
結果得点しています

“知識を使って考える”

この先一月ほどすれば
あちらこちらで見る言葉
実は一次試験こそ
重要なのかもしれません

 

こんにちは、 Xレイ です。

経済88 財務60 経営68 運営66
法務70 情報72 中小76

昨年の私の成績です。経済学以外の科目において、自信を持って答えられたのは、得点の半分くらいでしょうか。
特に、財務と法務では『いや~難しい解らない』と焦ったほどです。
そんなときでも、できることを精一杯やるだけ。
使えそうな知識を総動員して考え、可能な限り正答に近づける
そうして、より高い確率で点数を積み重ねていく。
終わってみると、感触よりは思いのほか点数が取れていた。
500点とはいえ、そんな感じです。

予想以上に難しかったときのこと
これは、想像しておいた方がいいと思います。
動揺したらおそらくOUT
周りの受験生も、同じく難しいと思っています。
結果合格する人も、もちろんです。
何をするのが最善か。
あらかじめ考えているのなら、それをするまでです。

過ぎた科目の点数を推測しない
その推測、おそらく間違ってますから。
無駄なプレッシャーをかける必要はありません。

眠気に襲われることがある
こんな重要なときにまさか、と思うでしょうが本当です。
1日目午後の企業経営理論。
昨年、それが始まってまもなく、頭がぼーっとしてしまいました。
私は、全科目1問目から順番に解くのですが、この時ばかりはさすがに、
比較的解きやすいマーケティングからいこうか、と思ったほどです。
気をつけてください。

それでは、一次試験、悔いの残らぬよう戦ってきてください。  Xレイ



 

こんにちは、 Xレイ です。
今回は、マクロ経済学知識問題です。
昨年(平成26年度)でいうと問6~問12ですが、正答率は低いはずです。時間的制約からこれら領域まで手が回らない、といったところだと思います。
直前期対策シリーズということで、簡潔にみていきます。

1.経済成長
2.投資理論
3.その他

 

1.経済成長

【出題~H26問12 H25問12 H24問11 H23問9 H22問20 H19問10】

経済成長を分析する成長会計、また、経済成長の理論として“新古典派の経済成長モデル”と“内生的成長モデル”。
これらを併せると、ここ5年は毎年の出題です。
成長会計ならまだいいですが、他はかなり厄介です。

(1)成長会計

$\frac{ΔY}{Y}=\frac{ΔA}{A}+α\frac{ΔK}{K}+(1-α)\frac{ΔL}{L}$

$\frac{ΔY}{Y}$
:GDP成長率  $\frac{ΔA}{A}$:TFP成長率 
$\frac{ΔK}{K}$
:資本の成長率 $\frac{ΔL}{L}$:労働の成長率
$α$:資本所得の割合 $(1-α)$:労働所得の割合

過去の出題レベルなら、細かなところは解らなくても大丈夫です。

成長会計とは
『GDP成長率は、TFP成長率・資本の成長率・労働の成長率に依存する』
言い換えると、
『経済成長は、技術の進歩・資本の蓄積・労働力の拡大に依存する』
というもの。
例えば日本の数値を調べてみると、TFP成長率以外は「国民経済計算」や「労働力調査」等から知ることができる。
一つ残ったTFP成長率は計算でわかり、それはソロー残差と呼ばれている。

このくらいでどうでしょう。

 

(2)新古典派の経済成長モデル(ソローモデル)

平成25年問11がこのモデルの一部分です。
関数の問題化して得点した方も多いでしょうが、これは難しいと思います。

全くの個人的見解ですが

①生産関数は、規模に関して収穫一定、資本の限界生産力逓減、と仮定している
②資本ストックには定常状態水準が存在する(経済は長期均衡する)
③持続的な成長は技術の進歩のみによって説明できる

この辺りかと。

 

※追記 平成27年8月21日

平成27年問11で、平成25年問11と全く同じグラフが出題されました。
今後のため、そのグラフについて若干説明を加えておきます。
おそらく、過去問題集ではあまり解説されないと思いますので・・・

まず、設問で想定している生産関数が
$Y=F(K,N)$ というマクロ生産関数です。
この生産関数が規模に関して収穫一定と仮定すると
任意の$λ$($λ$>0)に対して $λY=F(λK,λN)$ が成り立ちます。
そこで $λ=1/N$ とおくと $Y/N=F(K/N,1)$
$Y/N$は1労働者当りの生産量を
$K/N$は1労働者当たりの資本量を表しています。
それらを $Y/N=y$、$K/N=k$ と置き換えて
$y=F(k,1)$
さらに生産関数は2次元となっているので $F(k,1)=f(k)$ として
$y=f(k)$ ・・・①
この①が、平成25年問11の4行目(平成27年問11の5行目)の式で、
そこまででこんな感じです。

先のように、1労働者当たりの資本量$k=K/N$から
$Δk/k=ΔK/K-ΔN/N$  ・・・②
が近似的に成り立ちます(証明は省略)。
この $Δk/k$ は、$k$の成長率を表しています。

一方、投資を$I$とすると、それは資本ストックの増加分$ΔK$に等しいので
$I=ΔK$ ・・・③
次に、貯蓄を$S$、貯蓄率を$s$とすると
$S=sY$ ・・・④
財市場が均衡していれば
$S=I$ が成り立つので、③、④より
$ΔK=sY$ ・・・⑤

②式の右辺第1項 $ΔK/K$ に⑤を代入すると
$ΔK/K=sY/K$
さらに、分子、分母とも$N$で割って
$sy/k$ と、1労働者当りで表します。
さらに①式より
$sy/k=sf(k)/k$
よって右辺第1項は
$sf(k)/k$ ・・・⑥

また、②式の右辺第2項$ΔN/N$は労働成長率$n$のことで
$ΔN/N=n$ ・・・⑦

⑥、⑦から②式は $Δk/k=sf(k)/k-n$ となり、その両辺に$k$をかけると
$Δk=sf(k)-nk$ ・・・⑧

この⑧式は、1労働者当りの資本ストックの増加量$Δk$は、共に$k$の関数である$sf(k)$と$nk$によって決まる、ということを表しています。
そこで、$sf(k)$と$nk$、そして①式も併せて描いたのが、設問のグラフです。

はい、やっぱりこれ難しいんです。

 

(3)内生的成長モデル

平成23年問9で足早に説明してますが、これも難しいと思います。
同様に個人的見解で

①生産関数は、資本の限界生産力一定、と仮定している
②それにより、技術進歩がなくても永続的に成長することを示せる

この2つが、(2)ソローモデル と大きく異なるところなので。

 

2.投資理論

【出題~H26年問7 H25年問12 H22年問4】

(1)ケインズ型投資理論

利子率<投資の限界効率 のとき、投資を行う

投資の限界効率とは『投資における利益率』。
それが利子率より高ければ、投資をした方が良いということになります。

 

(2)加速度原理

①生産量の増加分に比例して、投資を行う
②資本係数は一定 資本ストックの調整速度=1 と仮定

資本ストックを$N$、生産量を$Y$、資本係数を$\nu$(定数)とすると
$N/Y={\nu}$  両辺に$Y$をかけて $N={\nu}Y$
投資$I$は資本ストックの増加量に等しいので
$I={\Delta}N={\nu}{\Delta}Y$ となり
“投資$I$は生産量の増加分${\Delta}Y$に比例する”

というのが加速度原理です。

また、資本の調整速度=1 とは
${\Delta}Y$を、例えば1年間の生産量の増分とすると、それに対して必要な投資$I$(=資本ストックの増加分${\Delta}N$)も1年間で達成される、
ということです。

 

(3)トービンのq

トービンのqが1を上回るとき、投資を行う

『株式市場』に着目をしています。
トービンのqとは、
『企業の評価額(株式の時価総額+負債総額)』を
『資本の再取得価額』で割った値。

平成25年問12が解れば大丈夫なはずです。

 

(4)新古典派の投資理論

平成26年問7の選択肢イ、ウで出てきましたが、これは難しいと思います。
またまた、個人的見解で

①資本の限界生産物価値 > 資本の使用者費用 のとき投資をする
②資本の使用者費用は、実質利子率・減価償却率に依存する
③生産要素間の代替(労働と資本の代替)を認めている(資本係数が可変)

この辺りかと。

 

3.その他

その他、『ほぼ暗記』というところでは

①国民経済計算
【出題~H23年問1 H22年問17 H21年問1 H20年問1】
(統計のグラフ問題は除く)
平成23年問1~GDPとGNP(GNI)の関係
平成22年問17~産業連関表
平成21年問1~付加価値
平成20年問1~三面等価の原則

②マネーストック マネタリーベース

【出題~H26年問9 H24年問8 H23年問4 H21年問6】

・マネーストックの構成(M1、M2、M3)
・マネタリーベースの増加・減少(買いオペ 売りオペ)
・信用乗数とは

この①、②の領域は、しっかりとおさえておいた方が良いかもしれません。

 

今回は、以上です。
それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。
今日は、ミクロ経済学の知識問題です。
といっても、ミクロ経済学からの出題の多くはグラフ問題。
特にここ3年は、その比率80%。
その他頻出領域としては、『市場の失敗』の知識問題、『ゲーム理論』
といったところでしょうか。

そこで、前半はグラフ対策でできなかった『生産者行動の理論』の領域を、
後半に、その『市場の失敗』の知識問題と『ゲーム理論』をみてみます。

過去の出題では、これらいずれの領域においても、易しい設問が多いという印象です。以下の内容も知識の確認程度です。

 

生産者行動の理論

1.生産関数
2.費用関数と収入関数

グラフ問題として、この領域からの出題は特徴的です。
というのは過去8年で3回、すべて上2つを同年度にそろえての出題です。
互いに関連深いのでそうしてるのか、それとも偶然か。
いずれにしても、過去の出題を見る限りそれほど難しくはないので、受験生としては歓迎でした。でも、昨年にその出題があったので、今年は・・・

 

1.生産関数

【出題~H26問13 H24問18 H21問13】

過去の出題では、およそ以下の事項で選択肢が構成されています。

①限界生産力逓減・一定・逓増
②平均生産物と限界生産物

まずは①。

平成24年問18で、一文だけ『規模に関する収穫逓増』としてますが、
1生産要素の場合は『限界生産力逓増=収穫逓増』として問題ありません。
そして、試験にグラフ問題として出題されるのは、1生産要素のみを考えた限界生産力逓減の生産関数になるはずです。

次に②。

平均生産物=原点を通る直線の傾き
限界生産物=接線の傾き

過去に設問で問われたのは、この程度です。
いずれも、グラフで視覚的に捉えておければ十分だったはずです。

 

生産関数とは、『生産要素の投入量』と『生産量』の関係を表しています。
よってそこから、生産者が目指す生産量(=利潤を最大にする生産量)に対して必要な生産要素の投入量(=生産要素需要)を知ることができます。
そこで、その生産要素を労働力のみとしたとき『実質賃金』と『労働需要』の関係はどうなるか・・・
と、ここまで話が進むと正答率が下がって、平成26年問13の設問2。

・利潤最大化条件: 労働の限界生産性=実質賃金
・労働需要曲線は右下がり

 労働市場ですが、この辺りは苦手な方が多いようです。

 

2.総費用曲線・総収入曲線

【出題~H26問18 H24問19 H21問13】

完全競争市場下での、総費用関数・総収入関数の出題です。
2つの関数を同時に示しての出題で、利潤利潤最大化条件について問われます。平成24年問19をきちんと解ければ問題ないはずです。

①利潤=総収入-総費用(図左)
②利潤最大化条件: 限界収入=限界費用 となる生産量(図右の点A)

①は、見ての通り。
②は、限界収入=価格=総収入曲線の傾き
限界費用=総費用曲線の接線の傾き

間違えやすそうな選択肢をつくるとすれば
図右で 〔点Bは損益分岐点である〕→×
こんな感じでしょうか。

 

『市場の失敗』の知識問題

【出題~H24問22 H23問15 H21問14 H20問11,15】

公共財・逆選択・モラルハザード

『市場の失敗』の知識問題といっても、これら用語がどういったものか問われる程度です。
ちなみに、平成21年問14のサーチコストの問題もこの関連なのでしょうが、もう一度出題される確率は低そうです。面白そうな話ではありますが。

 

ゲーム理論

【出題~H26問22 H25問21 H24問23 H23問23 H22問11,14 H22問17 H19問15】

このところ、毎年何らかの形で出題されています。
用語の意味』を問われている、といった印象です。
そこで、頻出の囚人のジレンマ型ゲームを確認しながら、
一通り用語の整理をしておきます。

・価格引下げ競争

  Y社
 維持 引き下げ
X社  維持  (6・6)  (1・9)
 引き下げ  (9・1)  (3・3)

いま、X社とY社は同じ商品を同じ価格で販売し、今期の利得(利潤)は互いに6となりました。
両社は来期に向けての価格設定を、『維持』・『引き下げ』の2通りから選択をします。
共に、来期の自社の利得ができるだけ大きくなることを目的とし、話し合うことはなく、他者の選択を知ることもできない
いわゆる、戦略型ゲーム非協力ゲーム)で、上はその利得行列です。

ゲームを構成する基本要素
プレイヤー・・・X社、Y社
戦略・・・維持、引き下げ
利得・・・表中の数字(左がX社、右がY社)

それでは、X社・Y社それぞれの立場に立って
相手の戦略を固定したとき、最も利得を大きくする自らの戦略
すなわち、最適反応をみていきます。

まずは、X社。
①Y社の戦略を『維持』に固定したとき
X社の利得は、戦略を『維持』としたとき6、『引き下げ』としたとき9
このときのX社の最適反応は、『引き下げ』です。
②Y社の戦略を『引き下げ』に固定したとき
X社の利得は、戦略を『維持』としたとき1、『引き下げ』としたとき3
このときもX社の最適反応は、『引き下げ』です。

次に、Y社。こちらも全く同様に
③X社の戦略を『維持』に固定したときは、『引き下げ』
④X社の戦略を『引き下げ』に固定したときも、『引き下げ』
がY社の最適反応となることが確認できます。

ここで②と④から、X社とY社が共に『引き下げ』を選択したとき、
それぞれ相手の戦略の下で最適反応となっていることが分かります。
この【互いに最適反応となっている戦略の組合せ】がナッシュ均衡です。
ちなみにナッシュ均衡は1種とは限りません。条件によっては複数の場合もありえます。

また①と②から、Y社がどちらの戦略をとっても、X社の最適反応は
『引き下げ』ということが分かります。このように
相手の戦略に関わらず、常に最適反応となる戦略】が支配戦略です。
同様に③と④から、Y社も『引き下げ』が支配戦略となっています。
つまり『引き下げ』『引き下げ』の組合せは、支配戦略同士でもあります。
この【互いに支配戦略となっている組合せ】が支配戦略均衡です。

支配戦略均衡はナッシュ均衡の特殊なケースであり、
プレイヤーが2人の場合、それが唯一のナッシュ均衡となります。

 

(1)1回限りのゲーム

これが1回限りのゲームのとき、上でみてきたように、それぞれ自社の利得を大きくしようとした結果、両社の戦略は唯一のナッシュ均衡に決まり、利得3ずつを得ます。

しかしここで、両社とも『維持』を選択すると共に利得6となって、互いに、そして全体としても利得が大きくなることが分かります。
つまり、共に最適反応をとった結果、
互いにもっと良い状態があるのに、それよりも悪い状態に陥っている
ということです。これが囚人のジレンマです。

このように囚人のジレンマ型ゲームの解は、
全体として最適な状態】すなわちパレート最適な状態にはなりません。

 

(2)有限回数繰り返しゲーム

今度は、1回限りではありません。
2回でも、100回でもいいのですが、有限回数繰り返します。

1回限りとの違いは、将来の利益を考慮して行動できるというところです。

『1回目に自分が『引き下げ』を選択し、たまたま相手が『維持』だったら大きな利得を得る。でも、そうなると次回は間違いなく相手は『引き下げ』を選択をしてくるだろう・・・ それならば、1回目に『維持』を選択しておいたほうが良いのかも・・・』
例えばこのような感じです。

焦点は、互いに協調し『維持』を選択できるか、というところです。

結論から言うと、すべての回で『引き下げ』を選択してしまいます。
2回でも100回でも、です。

簡単に説明すると、まずは最終回に着目をします。
最終回では、次回はないので、将来の利益を考慮する必要がありません。
すなわち、そこは1回限りのゲームと同様です。
ならば、(1)でみたように互いに『引き下げ』を選択します。

すると、その前の回。
次の最終回では、相手が『引き下げ』を選択することが分かっているので、その将来を考慮する必要がなくなります。
そこで、これまた互いに『引き下げ』を選択します。

さらに前々回では、最終回とその前の回を考慮する必要が・・・
と初回まで続いて、すべての回で『引き下げ』を選択します。

理論上ではこうなるとのことです。

 

(3)無限回数繰り返しゲーム

さて、その最終回が無くなったらどうでしょう。

結論は、互いに『維持』を選択するという可能性が生まれます。つまり
無限回数繰り返しの囚人のジレンマゲームにおいては、互いに協調するという解が成立する】ということです。これがフォークの定理です。
なぜそうなるかは、フォークの定理なので・・・

それではこの場合、どのような戦略が考えられるのでしょうか。
もし試験に出るとしたら、というものを2つだけ。(私見です)

トリガー戦略
初回は『維持』を選択する。
初回に相手も『維持』を選択したならば、次回も『維持』を選択する。
そのうち相手が1度でも『引き下げ』を選択したときには、それ以降はすべて『引き下げ』とする。

しっぺ返し戦略(オウム返し戦略)
初回は『維持』を選択する。
2回目以降は、直前回の相手の戦略と同じものとする。

最後に平成26年問22の選択肢で『割引因子の値が~』となってますが
これは財務会計でもよく出てくる現在価値の概念です。
『割引因子の値が十分に1に近い』=『ほとんど割り引かない』
これがフォークの定理に必要な条件です。
将来の利益を考慮することが重要なので、この値が小さいと別のゲームになってしまいます。
そのため、『繰り返しゲームが続く確率』と捉えることもあるようです。

 

今回は、以上です。
それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。
今日は、経済学のグラフ対策part3
マクロ経済学のグラフ問題をみていきます。

1.45度線分析
2.IS-LM分析
3.マンデルフレミングモデル
4.AD-AS分析

まずは、財市場の均衡をみる45度線分析。
その財市場と貨幣市場との均衡から国民所得と利子率を考えるIS-LM分析。
さらには、海外部門を組み入れてマンデルフレミングモデル。
いずれも物価水準を一定とした、短期的な観点からの分析です。
これらケインズ経済学に基づいた分析は、互いに関連強くなっています。

そして、その物価水準の変動を考えたAD-AS分析。
ここでは、労働市場も関わってきます。

 

1.45度線分析

【出題~H26問4 H25問3,4 H24問7 H23問6 H22問5 H21問4】

グラフ問題としては過去8年で2回(平成26年問4、平成21年問4)ですが、財市場関連の数式・計算問題を含めると、このところ毎年の出題です。
グラフ問題では、そのグラフの形状や変化について問われていますが、
式が与えられているので、それほど難しくはありません。
計算が必要な問題の方が、時間的な観点から厄介でしょう。

①均衡国民所得
②乗数効果・乗数
③インフレギャップ デフレギャップ

まずは①。

総供給Ys: $Ys=Y$
総需要Yd: $Yd=c(Y-T)+C0+I+G$
のとき
均衡国民所得Y: $Y=\frac{1}{1-c}(-cT+C0+I+G)$

この単純なケースを『すぐに導き出せる、かつ、覚えている』ことが
理想でしょうか。
新たな項目が加わっても同様の手順でスムーズに導出ができ、
単純なケースならば導出を省きより短時間で、ということです。
もし、必要なときがきたならば・・・ですが。

次に②。ここはしっかりと。
例えば政府支出を増やしたとき、その額以上に国民所得は増えるというのが乗数効果、そして、その上乗せされる比率が乗数

以下、c:限界消費性向 t:所得税率 m:限界輸入性向 として
上の①で扱った単純なパターンでは
政府支出乗数他:$\frac{1}{1-c}$ 租税乗数:$\frac{c}{1-c}$

平成26年問4の $\frac{1}{1-c(1-t)}$ と
平成23年問6の $\frac{1}{1-c+m}$ は少々複雑です(共に租税乗数なら分子はc)

要するに、国民所得に依存する項目が増えると複雑になっていくのですが、
上の2つを併せた $\frac{1}{1-c(1-t)+m}$ が最も複雑なパターンでしょうか。

これらは、設問で与えられる条件からその場で導き出せますが、時間をロスしてしまいます。
一度はすべて自力で導き出した上で、覚えておく方が話は早いでしょう。

また、特殊なケースとして『均衡予算のとき、政府支出の乗数は1』。
これも覚えておきます。

以上の①、②をおさえて、平成23年問6のような計算問題を解くのですが、例えばその問題では、選択肢ア.の均衡GDPは計算しません。
②の乗数をマスターしてれば、選択肢イ、ウの計算の方が明らかに速く、そこで答えが解ります。(選択肢エは計算以前です)
大半の問題が同様に、時間のかかる均衡GDPの計算はしなくてもいいようにできています。(例外~平成22年問5の単純なケースのみ)
ポイントは『乗数を使って効率よく』計算することです。

最後に③。


財市場の話をしているのに、突然労働市場の均衡が・・・
と言ってくるのでわかりづらいのですが、要するに
働きたい労働者全員が働いてつくれる財の供給量』と
実際に国全体で消費したい財の需要量』が同じとは限らない。
その供給量需要量の差のことを、各々ギャップといいますよ、
ということです。

上図では、財市場を均衡させる国民所得がY0
完全雇用を実現したときの国民所得がY’です。
左図・右図各々Y’のときの総供給総需要の差がそれぞれ
インフレギャップデフレギャップです

つまり、これはグラフでみると縦軸の値の差のことです。
平成25年問3では、この辺りの間違いも誘っています。

 

2.IS-LM分析

【出題~H26問4 H24問9 H22問6 H21問8 H20問6 H19問5】

グラフを示したり、数式にしてみたり、文章だけのときもあり、バラエティに富んだ設定をしてきます。
いつも同じようなことが問われてはいるのですが、基本的な事項を基にして少々考えて答える必要があります。

①IS曲線、LM曲線の傾きの変化と曲線のシフト
②クラウディングアウト
③流動性のわな

まずは、①。
これは、各々解りやすい方法が一番です。
以下に一例ですが

各曲線を数式で表すと

IS曲線 : $i=-\frac{1-c}{b}Y+\frac{-cT+C0+I+G}{b}$
LM曲線 : $i=\frac{a}{b}Y+\frac{d}{b}-\frac{M}{bP}$

例えばこのような感じに表せます。
ここから変化が問われるところだけを残して、

偽IS曲線 : $i=-\frac{1-c}{b}Y+(-T+G)$
(c:限界消費性向 b:投資の利子率弾力性 T:租税 G:政府支出)
偽LM曲線 : $i=\frac{a}{b}Y-\frac{M}{P}$
(a:貨幣需要の所得弾力性 b:貨幣需要の利子率弾力性 M:貨幣供給 P:物価水準)

上図はLM曲線のY切片が負であるなどおかしいのですが、
傾きやシフトの変化の把握に特化させたものと受け止めて下さい。

また、IS-LM分析に関しては物価水準は一定で考えるため、LMのY切片の分母Pの変化が問われることはないはずです。
そこで、Pも省いてしまって構わないのですが、AD曲線を考えるときに必要なため残してあります。

そして例えば、IS曲線で
・c:限界消費性向が減少→傾きの分子が大きく→傾きが急
・G:政府支出が増加→Y切片が大きく→IS曲線は右移動(上移動)
一方、LM曲線で
・b:貨幣の利子率弾力性の上昇→傾きの分母が大きく→傾きが緩く
・M:貨幣供給が増加→Y切片が小さく→LM曲線は右移動(下移動)

このような感じですが、符号には十分注意します。(特にLMのY切片)
あとは必要に応じて、2曲線の交点から所得と利子率の変化をみます。

といいますか、シフトに関しては
拡張的な政策=右シフト
〔拡張的な政策~政府支出増(IS)・減税(IS)・貨幣供給増(LM)〕
あとは、傾きだけです。

次に②、クラウディングアウト

政府支出の増加→利子率が上がる→民間投資が減る

このような現象のことですが、結果、財政政策の効果は弱まります。
設問では、この発生の有無や影響の大小を問われます。

政府支出が増加しても、クラウディングアウトが発生しないということは
(1)利子率が上がらない
(2)利子率が上がっても投資が減らない
のどちらかということになります。

それは、グラフ上で
(1)LM曲線が水平
(2)IS曲線が垂直
のときに実現します。

その逆の変化に進むほど、クラウディングアウトの影響は大きくなります。

最後に③、流動性のわな
利子率が極端に低い場合、貨幣と比較してリスクが高く流動性の低い(交換しづらい)債権など誰も持ちません、というようなことです。
そのときの特徴は

・LM曲線は水平(貨幣の利子率弾力性=∞)
・金融政策効果なし

平成23年問7が解れば問題ありません。

 

3.マンデルフレミングモデル

【出題~H23問8 H22問8 H20問9】

過去の出題においては、『政策の効果ある・なしの結論』を覚えておくといった程度の対応では、選択肢を絞ることはできても、正答を導くまでには至りません。
『出題されたときには得点を』と考えるならば、なぜそうなるのかを知っておかなければいけません。

さて、マンデルフレミングモデルは、IS-LMモデルの開放経済版です。
そのため、IS曲線に『純輸出(=輸出-輸入)』項目が加わっています。


まず、『小国モデル・資本移動が完全』という仮定があります。
これにより、例えば政策によって自国の利子率が上がったとしても、海外から資本が流入し、すぐに元の水準(海外と同水準)に戻されてしまいます。
つまり、常に『自国の利子率=海外の利子率』となるわけです。
グラフでいうと、ISとLMの交点は常に水平のBP上に決まるということです。

その利子率を戻す資本の動きは、他に何に影響を与えるのでしょうか?
それは、為替です。
そこに着目をしていきます。

それではみていきましょう。(政策は拡張的政策、為替は円で表現)

(1)財政政策→IS右シフト→利子率上昇
(2)金融政策→LM右シフト→利子率低下

ここまではIS-LM分析です。
その閉鎖経済モデルでは、ここで国民所得が増加して終わりです。

しかし、このとき自国と海外との間に資本移動が生じると

(1)財政政策→IS右シフト→利子率上昇→資本流入→円高圧力
(2)金融政策→LM右シフト→利子率低下→資本流出→円安圧力

となっていきます。
この最後の為替に対する圧力が分岐点です。
各々の相場システムは、この圧力に対して正反対の結果を生み出します。

まずは変動相場

(1)財政政策→IS右シフト→利子率上昇→資本流入→円高圧力
→実際に円高→純輸出減少→IS左シフト効果なし
(2)金融政策→LM右シフト→利子率低下→資本流出→円安圧力
→実際に円安→純輸出増加→IS右シフト効果あり

変動相場制では、実際に為替の変動が起こるため、
純輸出が変化してIS曲線がシフトします。
そして、前述のようにISとLMの交点は水平のBP上に落ち着きます。

そして固定相場

(1)財政政策→IS右シフト→利子率上昇→資本流入→円高圧力
→為替介入(円売り)→貨幣供給増加→LM右シフト効果あり
(2)金融政策→LM右シフト→利子率低下→資本流出→円安圧力
→為替介入(円買い)→貨幣供給減少→LM左シフト効果なし

固定相場制では、為替の変動は起こりません。というよりも
変動させないため、為替介入を行いLM曲線がシフトします。
もちろん同様に、ISとLMの交点は水平のBP上に落ち着きます。

このような変化ですが、グラフをイメージしながら考えると、より解りやすいのではないでしょうか。(PDF

ちなみに『資本移動が全く無いケース』は、おそらく出ないでしょう。

 

4.AD-AS分析

【出題~H20問10】

ここから出題されると、難易度が高くなるはずです。
平成20年問10のように、曲線の形状やシフトを問われただけでも簡単だったかどうか。出題も少なく対策に迷うところです。

個人的には、時間があるならばここを通じて『労働市場』を知っておくのがよろしいのでは、と考えています。
時間がないならば、あえてここは・・・

 

今回は、以上です。
それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。
今日は、経済学のグラフ対策part2
『消費者行動の理論』をみていきます。

 

消費者行動の理論

何らかの形で毎年1~3問出題されている、予算制約線・効用・無差別曲線関連、代替効果・所得効果等の領域です。

この領域は、例えば『2財の消費量(x,y)と効用(u)の関係』というような3次元関数を多く扱います。
数式があまり出てこないのは幸いですが、グラフにしても、3変数の扱いは通常慣れていないところです。
表現が難しいのですが、より幾何的にといいますか、ビジュアル的にといいますか、『右へ左へ』といったような捉え方が有効と感じています。

1.無差別曲線 予算制約線 最適消費点

2.代替効果 所得効果 (スルツキー分解)
3.上級財 中立財 下級財 ギッフェン財

まずは基本的な概念の確認です。
グラフ問題全般にいえるのですが、『基本的な知識を基に考えて解く
といった対応が求められるでしょう。
前向きに捉えると、『考える余地のある問題』ということです。
多少難しくされても、全く知らない知識を問われるよりはマシです。
その正答率を高めるために、基本的な知識をしっかりと身に付けて臨みたいところです。

4.特殊な無差別曲線
5.応用論点

後半は、この領域の難しそうなところをみていきます。
深入りしていますので、必要なければ軽く流してください。

 

1.無差別曲線 予算制約線 最適消費点

・一般的な無差別曲線
①右下がり(単調性の仮定)
②原点に凸(限界代替率逓減の仮定)
③交わらない(推移律の仮定)
④右上にあるほど効用が高い(不飽和の仮定)

・予算制約線
①傾きの絶対値=財の価格比
②所得が増加すると右上に移動する(切片の値が上昇する)

・最適消費点
①予算制約線と無差別曲線が接する点
②最適消費点では 限界代替率=財の価格比

まずは、基本事項の整理です。
一通りその意味するところを知った後は、すべての文言を覚えるのではなく、グラフでイメージできるようにすることが実践的といえるでしょう。

 

2.代替効果 所得効果 (スルツキー分解)

【出題~H26問16 H25問14 H24問17 H20問18 H19問16】

設問では、代替効果・所得効果の識別が繰り返し問われています。
スルツキー分解を以下の程度知っていれば、ほとんど対応できるはずです。

〔スルツキー分解〕

上はX財の価格の低下によって、予算制約線がABからACへ、
それに伴い、最適消費点が点Lから点Nへ変化したところです。
この変化は『価格効果』と呼ばれ、以下の2つの要素からなっています。
(価格効果は、全効果・全部効果とも呼ばれます)

X財の価格が低下したことによって

①Y財と比べて相対的にX財が安くになった
実質的な予算(所得)が増加した

①による変化が『代替効果』、②による変化が『所得効果』です。

つまり、価格効果は代替効果と所得効果に分解され
価格効果』=『代替効果』+『所得効果 と表せます。

これが、スルツキー分解です。

それでは、各々効果の程を調べてみましょう。

いま、価格効果は分かっているので、あと一つ分かれば引き算です。
そこで、代替効果を求めてみます。

代替効果』とは何なのか。先ほどよりも詳しく言うと、
『財の価格比が変化したときに、いまと同じ効用を得る』ための消費量の変化です。(少し難しく、補償需要を求める変化といえます)

さて上のグラフに戻って、
確かに価格比(予算制約線水色)は変化しています。
しかし、効用(無差別曲線ピンク)も変化してしまっています。
そこで、価格比(傾き)は変化後のままにして、効用は変化前と同じ状態に戻してみましょう。そうすると、代替効果が分かるはずです。

それをグラフで行うと、
変化後の予算制約線平行な直線を(価格比は変化後のまま)
変化前の無差別曲線と接するように引く(効用は変化前と同じ)
ということになります。
(設問では、およそこの状態のグラフから問いかけられます)

そして、当初の点Lから点Mへの変化こそが『代替効果』。
あとは 『価格効果』=『代替効果 』+『所得効果』なので、
効用の大きさを変化させている点Nへの残りの変化
すなわち、点Mから点Nへの変化が『所得効果』となるわけです。

そこから、必要に応じて2財各々の消費量の変化を
X財であれば横軸  Y財であれば縦軸 に着目し、
それぞれの点から読み取ります。

設問では、例えば
〔ア.代替効果によって点Lから点Mへ変化した〕
のように、2財同時の変化を表した選択肢と
〔イ.代替効果によってX財の消費量は増加した〕
のような、どちらか一方の変化を表した選択肢を混在させてきます。
各々選択肢に合わせてグラフから読み取り、正誤を判断します。

・・・・・・・

以上、X財の価格低下の局面でみてきました。
他にもX財の価格上昇、Y財の価格低下・価格上昇のパターンがあります。

各々に、多少は慣れておくことが望ましいでしょう。
そうでなければ、試験本番で混乱する恐れがあります。
例えば、以下の 3.で説明する『財の分類』を、価格上昇局面では
所得の減少による消費の変化で行わなければいけません。

①『価格効果』= 『代替効果』+『所得効果』
② 代替効果 価格比~変化 効用~不変
③ 所得効果 価格比~不変 効用~変化

 

3.上級財 中立財 下級財 ギッフェン財

【出題~H26問16 H24問17 H23問19】

〔ウ.X財は上級財の性質を示している〕
というように、これらも上記設問の選択肢に混ぜてきます。

上級財~所得の増加によって消費が増える
中立財~所得の変化によらず消費は一定
下級財~所得の増加によって消費が減る

これらは、所得の変化による消費の動向で分類されます。
よって、スルツキー分解のグラフでは『所得効果のみを考えます。
また、ここでの財の分類は、X財とY財の各々に与えられる性質なので、
必要などちらか一方に着目をします。

引き続き、X財の価格低下局面(実質所得増加の局面)でみてみましょう。

それでは、X財について調べてみます。
いま、代替効果によって点Lから点Mへ変化したところです。
ここから、『所得効果』によるX財の消費の増減(X軸の値の変化)
すなわち 『点Mから左右どっちの方へ行くのか』をみます。
移動する距離(高さ)は関係ありません。向かう方向が重要です。

その行く方向によって
ピンクの線上~上級財
境界の橙点 ~中立財
水色の線上 ~下級財
となります。そして
緑の線上
  ~ギッフェン財

ギッフェン財とは、価格の変化による消費の動向で分類される財です。
すなわち、『価格効果』による消費の増減をみます。
この例でいうと点Lよりもさらに左へ、つまり価格が低下すると消費が減少してしまう財のことです。そうなるためには

① 下級財
②『代替効果』<『所得効果』

以上、2つの条件を同時に満たさなければいけません。
平成23年問19では、そのことを直接問われました。

①上級財・中立財・下級財は、所得と消費の変化で分類
②ギッフェン財は、価格と消費の変化で分類

 

4.特殊な無差別曲線

【出題~H24問16 H23問16】

完全補完財(レオンチェフ型選好) と 完全代替財。

過去に一度ずつ出題されていますが、いずれまた出てくる気がします。
そのときは、最適消費点を問われるでしょうか。

可能性が高いのは、完全代替財の方(図右)。
予算制約線と無差別曲線(直線)の傾きが異なる場合、
最適消費点は、必ずX切片もしくはY切片に(端点解・コーナー解)、
また、傾きが同じ場合は、予算制約線上のすべての点が最適となります。

もう一つみておくとすれば

図左は、円の中心に効用を最大とする飽和点を持っています。
例えば、日々の晩酌での X財=ビール、Y財=日本酒 でどうでしょう。
各々適量が一番です。
そして設問では、図右のようにして最適消費点を問われるでしょうか。
答えは、点A。当然、飽和点の効用が最も高くなります。

 

5.応用論点

最後にこの分野の応用論点を簡単にみておきます。

(1)消費と余暇の選択モデル

【出題~H25問14 H20問18】

このモデルは、『賃金と労働供給の関係』を調べようとしています。

図左から代替効果や所得効果を問われるくらいなら、特別なことは何もありません。むしろ、余暇の時間は上級財の仮定でしょうし、制約線もY切片しか動かないため、パターンが狭まっているほどです。

代替効果と所得効果の大小比較から労働供給曲線の形状は・・・
となってくると少々難しくなるかもしれません。
そのときは、結論として中央の図(後方屈曲的労働供給曲線)の形状を答えさせるような設問となるでしょうか。
それとも、あらかじめ中央の図を示し、図に書き込んだような代替効果と所得効果の大小比較を問われるか。

一応、想定できる変化として図右をあげておきます。
Aという不労所得を得たときのものですが、余暇時間の最大値は増やせないため、途中で途切れたような制約線となっています。
設問では、不労所得を得ると労働供給は減少しますよ、と結論付けてくるでしょうか。平成20年問18設問2を単純にしたようなものです。

 

(2)二期間消費モデル

【出題~H25問13 H22問2 H19問16】

このモデルは、家計を二期間(若年期、老年期)に分けて考えています。
そして所与の利子率(r)において、各々の期間に得られる所得(Y1,Y2)をどのように分配し消費(C1,C2)するのが最も満足できるか、というようなことを調べています。

平成19年問16で、グラフ無しでこれをやるという暴挙に出ています。
平成25年問13も、制約線のY切片と傾きの数式を問うという、意図をはかりかねるような設問となっています。
要するに、これが絡むとろくな事にならないようです。

あまり関わらない方がよろしいのでしょうが、一応想定しているものを。
これに政府の行動を組み入れて『リカードの等価定理』というものを説明できるのですが、そこまではしなくても、何らかの形でその概念を選択肢に絡ませてくるようなことがあってもと。平成25年問8の雰囲気ですが、このあたりのお話がまたどこかで出てくるような・・・

 

今回は、以上です。
それでは、また。  Xレイ

 

※追記~質問の回答

ご質問ですがおそらくレポート課題は

X財の価格Pxが下落、上昇したとき、X財が上級財、ギッフェン財それぞれの場合について予算制約線と無差別曲線はどう変化するか?
同様に、Y財の価格Pyが下落、上昇したとき、Y財が上級財、ギッフェン財それぞれの場合について予算制約線と無差別曲線はどう変化するか?

こんなところではありませんか?

以下、X財の場合についてその回答を。

上図を基本図として、各々変化後を青線で図示すると

①X財が上級財でその価格Pxが下落した場合

②X財がギッフェン財でその価格Pxが下落した場合

③X財が上級財でその価格Pxが上昇した場合

④X財がギッフェン財でその価格Pxが上昇した場合

このようになります。

Y財の変化も同じ要領で、グラフはX財のものを左右反転かつ時計回りに90度回転した形状となります。
この辺りはご自身でご確認願います。

以上、求めている回答でなかった場合はすみません。

Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

今日は、経済学のグラフ対策part1です。
需要曲線・供給曲線(完全競争市場)、不完全競争、市場の失敗、自由貿易の理論を見ていきます。

先週から続く 【渾身】シリーズby6代目 いかかでしたでしょうか。
得意分野からの執筆ということで、力の入った迫力のある文面が多かったように感じます。私も渾身の力を込めて書き上げたつもりです。
所々PDFによる 【渾身の解説】付きver. でどうぞ。

 

1.需要曲線・供給曲線(完全競争市場)

完全競争市場における需要曲線・供給曲線からの出題。
ここでは
(1)需要の価格弾力性
(2)課税・価格規制が消費・生産に与える影響
をおさえておきます。

(1)需要の価格弾力性

【出題~H25問15、H23問12(グラフ無)】
juyou1改

①需要曲線が上のような線分で表されるとき、中点の価格弾力性ε=1
②X軸に対する傾きが緩やかな程、価格弾力性は大きくなる
また、同一線分上では、左へいくほど価格弾力性が大きくなる

過去2回の出題では、①を知っていればほぼ即答です。
今年はどうかとは思いますが、いずれまた問われるでしょう。
②に関しては、そのことを直接問われる可能性は極めて低いと考えます。
しかし知っていると、関連の問題で解答しやすくなるはずです。

 

(2)課税・価格規制が消費・生産に与える影響

【出題~H26問14、H24問13・14、H23問11、H22問10】
※H23問11は違和感を持つでしょうが、以下の課税の論点と同一です。

まずは課税(従量税=財1単位につき課税)。

①財1単位につきt課税されると、消費量・生産量はQ0→Q1となる

これは、消費者・生産者のどちらに課税しても同じです。(PDF

そして、そのときの余剰が以下。

②消費者余剰=水色 生産者余剰=ピンク 政府税収=緑
死重損失は△ABF
③課税によって、消費者=台形ABCD 生産者=台形ADEF だけ
余剰が減少する。
よって、価格弾力性が小さい程、課税による影響が大きくなる。
(X軸に対する傾きの絶対値の大きい程、台形の面積が大きくなる)

上の例では消費者の方が、より課税による影響が大きくなっています。

つまり、課税による消費者・生産者各々の負担割合は
どちらに課税するかではなく、価格弾力性の大小で決まる
ということです。
このあたりが問われやすいのではないでしょうか。

また同じ税率のとき、死重損失の大きさを決めるのも価格弾力性です。

図の灰色部分が死重損失です。
例では供給曲線を固定して、需要の価格弾力性の大小で比較をしています。
価格弾力性の小さい右図の方が、死重損失は小さくなっています。そこで、
『より価格弾力性の小さい財に高い税率を課せ』
というのが、平成23年問13のラムゼイルールです。

 

次に価格規制(P0→Pcへ価格の下限規制)。

④Pcに価格を規制されると、消費量・生産量は共にQ0→Q1となる。
⑤余剰は“課税”のときの政府税収部分も生産者余剰となる
(価格の上限規制でP0>Pcの場合は消費者余剰)。

消費量・生産量の考え方や死重損失は“課税”のときと似ています。
余剰のとり方が違うのですが、これも何かに似ています。

独占企業です。
どちらも結果として一方の都合よく価格が決定されることで、生産量が社会全体として最も効率的な量よりも少なくなってしまいます。
そのため、このような余剰となり損失を生むのです。

 

2.独占企業・独占的競争(不完全競争)

【出題~H26問19 H22問12】

独占企業・独占的競争からの出題です。
まずは『独占的競争』について、しっかりとおさえておきます。(PDF

上で余剰について触れましたが、過去にグラフから問われているのは利潤です。

D=需要曲線 MR=限界収入曲線 AC=平均費用曲線 MC=限界費用曲線

①生産者からみた最適な生産量はWで価格はAとなる。
そのときの利潤は□ALMB。
②独占的競争では、長期的には需要曲線Dが左にシフトし利潤はゼロに。
(DとACが接する点まで新規参入が続いていく)

このグラフは曲線(直線)が入り乱れているため、一見難しく感じます。
しかし、すべてを同時に考察することはありません。
ほとんどの場合、必要な2つをみるだけです。
一つ一つの曲線の持つ意味を理解し、題意により適切なものを選択する。
例えば、利潤を求めるのであれば必要な曲線は DAC のみ。
最適な生産量を知りたければ、MCMR のみ。
さらに、消費者価格までを知りたければ、その生産量WとD
といった具合です。
すべてを同時に見渡さなければ、それほど複雑ではありません。
そして、いま例にあげた辺りが解れば対応できるでしょう。

 

3.費用逓減産業(自然独占)

【出題~H25問17 H23問22】

費用逓減産業(自然独占)からの出題です。
このグラフの示す内容は、独占企業のものと同じです。
そのため一見複雑に見えますが、対処法も同じです。

D=需要曲線 MR=限界収入曲線 AC=平均費用曲線 MC=限界費用曲線

①生産量は、独占企業として振舞うときQ0 平均費用価格形成原理でQ1 限界費用価格形成原理でQ2 となる。
②生産量Q1のとき利潤ゼロ、Q2のとき□JIGP2の赤字となる。
③生産量Q2のときの赤字額□JIGP2は固定費用に相当する。

まずは、①の価格設定に関する事項を知っておく。
そして、グラフからDACに着目し、各々利潤の考察をできるようにする。
といったところでしょうか。
設問では、規模の経済二部料金制等の用語を使って惑わしてくることが予想されるので、あらかじめそれらを把握しておく方がいいでしょう。

 

4.負の外部性

【出題~H26問20、H24問21、H23問24、H22問15】

負の外部性からの出題です。
ポイントは、死重損失コースの定理ピグー税。(PDF

①外部性を考慮しないとき、生産量はQ0となる。
このとき、負の外部性がB+C+D 社会的余剰はA-D 死重損失はD。
②ピグー税tを課すと社会的に最適な生産量Q1となる。
このとき、社会的余剰は最適でA、税収=負の外部性=B。
③コースの定理によっても、社会的に最適な生産量Q1が実現する。

①~③、すなわち死重損失とその是正方法が繰り返し問われています。
ただし、上のグラフを仮に基本型とするとそこから以下のように
グラフの形状を変えて惑わしてきます。

H26とH24は一企業のモデル。
H23は消費側の外部不経済。
H22は従価制的な外部性。

基本的な考え方は同じなので、基本事項をおさえた上でじっくり考えればできるはずです。
しかし本試験では、そう時間をかけてもいられません。
そこで各々の型を一度は考察しておくことで既出のものならば問題なく、また新たなパターンの出題にも比較的短時間で対応できるようにしておきましょう。

 

5.自由貿易の理論

【出題~H26問21、H24問15、H21問10、H20問8】

自由貿易の理論からの出題です。
いずれも輸入国側のグラフから、余剰等を問われています。

①世界市場での価格をP0とすると、自由貿易下では
国内消費量はQ1、国内生産量はQ2、輸入量がQ1-Q2。
②関税tを課したとき価格はP1、
国内消費量はQ3、国内生産量はQ4、輸入量がQ3-Q4 となり
経済余剰の損失はb+d 税収はc。

①、②を理解していれば、過去の出題レベルなら対応できるはずです。
しかし、この領域からの出題は問題文がややこしい(H26年を除く)。
題意・条件といったものを読み解くことが、非常に面倒です。
本試験では時間的な観点で、他の問題に影響の出ない範囲での取り組みが求められます。

もし、輸出国側のグラフが出てきても慌てないでください。

上下反転しているので、消費者余剰と生産者余剰の大きさが入れ替わりますが、基本的な考え方は同じです。

 

今回は以上です。
それでは、また。  Xレイ

 




こんにちは、 Xレイ です。

5月に入りました。
これから一次試験まで、私は経済学を中心にお話をしようと考えています。
まず今回は 1.出題領域とグラフの性質 です。

 

・出題領域

中小企業診断協会のHPには、過去8年分の問題が掲載されてます。
経済学に関して出題領域をまとめてみました。(PDF)
(領域区分・論点等は個人的見解です。使用に関しましては自己責任でお願い致します。※H27.10.1 H28年度版に改訂

改めて解いてみたところ、
最も易しい年=26年度
最も難しい年=25年度
との所感です。

それでは、今年27年度はどうなるか。
『昨年よりは難化する』との予測が適当でしょうか。

ならば、対策は?

頻出領域・論点をしっかりおさえておく
そのうえで、時間に余裕があるならば
①頻出領域からの出題を確実にしとめるため、さらに理解を深める
②他に出題されそうな領域を予測し、手広く構える
といった選択に迫られるのでしょうか。

いずれにしても、まずは『頻出領域・論点をしっかりおさえておく』ことは重要でしょう。
そこで、領域毎におさえるべきポイント等をまとめいこうと考えています。
1回では収まらないので、数回に分けて行うことになりそうです。

その前に今回は、経済学のグラフの整理

『経済学では、性質の違うグラフが混在している。
よって、すべてを一つのアプローチで理解するのは難しい。』
このように考えております。
まずは、そこを確認しておくのはいかがでしょうか。

 

・グラフの性質

さて、中小企業診断士試験経済学で扱う主なグラフ等を、4つに分類してみます(名称・区分等は独自のもの)。

1.数学型関数グラフ
2.縦軸独立変数型グラフ
3.3次元→2次元化グラフ
4.その他ダイアグラム

 

【1.数学型関数グラフ】

図1

横軸の値が決まると縦軸の値も決まる』といったグラフ。
数学的には、横軸が独立変数、縦軸が従属変数となっています。
学生時分より慣れ親しんだ、スタンダードな型といえるかと。

数学が得意という方は、大歓迎の型でしょう。
まずは、グラフから直感的に情報を得やすい。
そして、直線や曲線を一般形に表せれば、水準の経済学的知識をもって、
数学の問題化しやすい。
一般形とは、例えばIS-LM分析においては
IS曲線 $i=-\frac{1-c}{b}Y+\frac{-cT+A+I+G}{b}$
LM曲線 $i=\frac{a}{b}Y+\frac{c}{b}-\frac{M}{bP}$
というように。
(数式表記にmathjax使用。環境により表示に不具合あり)

過去8年の出題では
(ミクロ) 費用関数・収入関数・生産関数・期待効用仮説
(マクロ) 45度線分析・IS-LM分析・マンデルフレミングモデル
といったところです。

 

【2.縦軸独立変数型グラフ】

図2

需要曲線・供給曲線やその延長線上にあるグラフ。
価格が数量を決めるという前提で扱うとき(完全競争市場)
縦軸が独立変数 横軸が従属変数 となっています。
つまり『縦軸の値が決まると横軸の値が決まる』といったグラフで、
1.数学型 とは縦・横逆です。

数学では慣例で、定義域と値域を入れ替えるところです。
要するに、縦軸と横軸を書き替えてしまいます。【逆関数の概念】
しかし、経済学ではこのまま考察します
そのため、価格弾力性といったような概念をグラフからイメージしづらいのです。(私だけかもしれませんが)

そして、余剰という概念で見たときには縦・横一転します。
そうなると、1.数学型 と同様に横軸を独立変数として捉えられます。
例えば、『自由貿易の理論』のグラフ(図2右)の考察では、頻繁にその余剰を問われます。
また、不完全競争におけるプライスメイカー(独占企業等)も、横軸(生産量)を独立変数として捉えることができるでしょう。

過去8年の出題では、
需要曲線・供給曲線 自由貿易の理論 独占市場 独占的競争
負の外部性 費用逓減産業  (いずれもミクロ)
といったところです。

 

【3.3次元→2次元化グラフ】

図3

無差別曲線と予算制約線等のグラフ。
(厳密に言うとダイアグラムなのでしょうが以降もグラフと称します)

これは、上記1.2.とは別物です。
その成り立ちは以下。

まず『2財の数量が効用を決める』という効用関数は、3次元関数です。
それは『横軸・縦軸が共に決まると高さ軸が決まる』といったグラフ。
しかし、3次元のまま、様々な分析を行うのは大変です。
そこで、2次元化するのに無差別曲線という概念を使います。
その無差別曲線とは、同じ効用水準を2次元で表したもの。
すなわち、3次元効用関数のグラフをX-Y平面と平行な面で切り取って得られる曲線、それを上から見て2次元に投影させたもの、と捉えることができるでしょう。


その無差別曲線と、通常それと接するような予算制約線をもって、先のグラフ(図3左)の完成です。
ちなみに、時折見かける図3右のグラフ(顕示選好理論)は、いくつかの効用を点で表したもの。3次元に変わりはありません。

重要なのは、3次元を2次元化して分析しているというところ。
つまり、この種のグラフは3つの変数を持っています
例えば、X財の消費量:x Y財の消費量:y 効用:uといったように。

この予算制約線・効用・無差別曲線関連の問題は、毎年出題されています。

 

【4.その他ダイアグラム】

ダイアグラムとは『ある情報を2次元に可視化したもの』。
よって、3.のグラフも厳密にはダイアグラムというわけです。

過去に問われたものは
・エッジワースのボックスダイアグラム
 ~H25年の第20問 H26年の第17問 の2回
・寡占モデル(没問) ~H22年の第18問
・労働移動の効果を示したという ~H23年の第10問

いずれも、2つのグラフを合体させた型といえるかと。

出題頻度から考えても、あまり深入りなさらない方がよいのでは
と考えています。

 

このように経済学では、性質の違うグラフが混在しています。
そのため、同一のアプローチでは、理解し難いかもしれません。
次回から、各々グラフにおいて実際に問われた論点を基に、最低限おさえておきたいポイントをまとめまていきます。

それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。

一次試験まであと4ヶ月弱
本試験までの学習プランを、どのようにお考えでしょうか。
受験校に通学されている方は、そこから指針を得るのでしょうが、そうでない方は自らで計画を立てなければいけません。
そしてここからは、先へ進む程7科目全体を考慮したものが必要となるでしょう。

今回は、それを以下の過程で考えてみます。

1.現状の能力を把握する
2.やるべきことを見極める
3.科目毎に適切な時間を配分する

 

1.現状把握

まずは、現状の能力を把握します。
多くの方は、過去問で行うのでしょうか。

取り組んでみたところ、まだ『合格点は厳しい』という科目もあるものと。

そこで一つ質問です。
テキスト・問題集等見てOK』なら全科目、合格点いけますか?
難易度は例年並み(平均55点程?)ということで。

・・・・・・・

科目毎、以下の成長曲線を考えます。

【①~学習時間に応じて得点が上がらない理解中心ゾーン】
まずは、必要知識を理解整理(体系化)し活用可能とする。
また、科目毎に必要なスキルを身に付ける。

【②~学習時間に応じて得点が上がっていく暗記中心ゾーン】

その後は科目を問わず、必要知識の暗記
その量が増えるほど、得点へ反映されやすい。

【③~成熟能力維持ゾーン】

必要知識・スキル・+αを習得し安定高得点。
以降はその能力の維持に努める。

そして、科目毎の簡単な考察は以下。

【中小経営・政策 経営情報システム 運営管理
①ゾーンが短い
用語や概念等の理解・整理が中心。
テキストをじっくり一読といったところ。
②ゾーンに入れば以降は暗記
要するにこれら科目は、用語等の知識を直接問われる場面が多い。

【企業経営理論 経営法務】
①ゾーンが中位
用語や概念等の理解・整理に加え、知識を使って考えるスキルを習得。
また、独特な言い回しや特有の形式で問われる設問への対応を知る。
そのため、テキスト学習に加え、問題演習(特に過去問)が必要。
②ゾーンに入れば使える知識量を増やすのみ。すなわち暗記

【財務会計 経済学
①ゾーンが長い
用語や概念等の理解・整理に加え、算式や表・グラフの解釈が必要。
また、種々の解法を熟知することで、設問毎に適切なものを選択し使いこなせるようにする。こちらも、テキスト学習に加え、濃厚な問題演習が必要。
②ゾーンに入れば理解したことを覚える、すなわち暗記するのみ。
一見、他の科目と違って見えるのは、暗記する内容・手法が違うため。

・・・・・・・

以上、一次試験学習への個人的見解です。

さて、冒頭の質問に戻って、
テキスト・問題集等見てOK』なら全科目、合格点いけますか?

⇒『大丈夫』という科目は②ゾーン
『テキスト等見てOK』=『暗記免除』ということ。
それならば『いける』と判断できた。
必要知識の理解や整理、必要スキルの習得が概ね済んでる。

⇒『それでも厳しい』という科目は①ゾーン
おそらく、財務会計と経済学を思い浮かべた方が多いと推測。
解法・算式・グラフ等の理解が不十分のため、少しひねられると対応できない、という状況では。
または科目を問わず、設問に対して使うべき知識や解法を咄嗟に連想できない、という状況でしょうか。
いずれにしても、知識量以外の何かが不足しています。

 

2.やるべきこと

現状把握の後は、やるべきことを整理します。

【②ゾーン科目の対策】
これは非常に解りやすい
テキスト・問題集等を漏れなくすべて頭に叩き込めば合格
究極の一次試験対策とはそういうことです。

しかし、それはなかなか大変だ。
そこで、以下のようなことを行うのでしょうか。
ⅰ.過去問演習によって、以前に問われた論点を把握する
ⅱ.出題頻度に応じて、重要な領域を見極める
ⅲ.それら領域で、未だ不十分な知識を認知する
ⅳ.自ら最善の方法で、その知識の定着をはかる

いずれにしても、ここで重要なのは
どんなことを、どの程度やれば、どこまでいけるのか
それを明確にイメージできること。
そして、それが可能な段階にあるはずです。

【①ゾーン科目の対策】
おそらくは、見通しが立たない状況でしょうか。
考えられるのは、理解学習不足トレーニング不足
それらを補い、理解度やスキルを高めるより他ありません。

ここで憂慮するのは、焦るあまり方向性を誤ること。
代表例は、理解すべきところを丸暗記
特定の問題のみに通じる解法を、さらにはいつしかその答えを覚えてしまって、①ゾーンを抜けた気になる。
これは危険です。

一次試験まで、まだ時間はある
焦らず、しかし、足早に正しい方向へ進むべきでしょう。
そして、①ゾーンを抜けたとき、視界は開け上記イメージが可能となるはずです。

 

3.時間配分

やるべきことを見極めたら、限られた時間を配分します。

・PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

横軸=期待得点率 縦軸=期待成長率 として雰囲気は出ましたか。

【問題児】
能力導入期~成長期前半。最も時間投資が必要
時間の使い方が正しければ、いずれ得点率は高まっていく。
しかし、方向性を誤ると永遠に成長しない【負け犬】に。
【花形】
成長期の中盤~後半。時間投資に応じた得点が期待できる。
相応の投資を継続し、安定高得点を目指す。
【金のなる木】
成熟期。安定高得点が期待できる。
以降は能力の維持に努め、積極的な投資は控える。

・・・・・・・

さて、先の成長曲線において
【問題児】  ⇒①ゾーンから②ゾーン前半
【花形】   ⇒②ゾーン中・後半
【金のなる木】⇒③ゾーン
といったところでいかがでしょう。

すべてを【金のなる木】にするのが理想ですが、それはなかなか難しい。
限られた時間で、どの科目をどこまで持っていくか
ここでは、各々成長戦略を立てなければなりません。
どんなことを、どの程度やれば、どこまでいけるのか
そのイメージを使いながら。

そして、もう一つ重要なのは時間の投資時期
早い段階で集中的にやらなければ間に合わないもの。
不安な気持ちを抑え、あえて今やらない方が効率的なもの。
それらの見極めは、結果を少なからず左右するでしょう。

限られた資源を適切な時期に、適切な量だけ配賦する。
自らが企てた戦略に沿った計画が必要です。

 

以上、学習プランについて考えてみました。

相対的に不得意な科目は、誰もが持っています。
しかし、それも含めて同時ゴールを求められる一次試験。
さらには、1科目でも40点未満があれば不合格というルール。
やはり学習の進め方は、そのボトルネックに留意すべきでしょう。

・学習がさほど苦にならない得意科目のみが先走らないよう、ボトルネックとロープで結ぶ。
・ボトルネックが試験当日に合格ラインを超せるようなリズムでドラムをたたき、歩みを進める。
・気づいたら追い越されていた、とはならないよう他の科目はバッファを保ち続ける。

ドラム・バッファ・ロープのイメージで。
そして、最後は仕掛品ごと売りつけて、500点越え

それでは、また。  Xレイ



ピグマリオン~ギリシャ神話の彫刻家

ピグマリオンは現実の女性に失望し
自らが理想の女性ガラテアを彫刻した
その彫刻をこの上なく愛してしまい
現実の人間にならぬものかと熱烈に願った
愛と美の女神アフロディーテはその願いを叶え
彫刻ガラテアに命を与えた
こうしてピグマリオンの切なる願いは叶えられた

こんにちは、 Xレイ です。

冒頭、ギリシャ神話とはいかにも胡散臭い。
その通り、今日はゆるわだ精神論』です。
年度初め、多忙な中での試験学習。
その合間の息抜きと思っていただければと。

精神論
君ならできる、だから、がんばれ!
結局最後は気持ちの問題、気合だ!
こんな感じでしょうか。

評判悪いですね、この論。
論理的な説明が難しいからでしょう。

そんな私も、学生時分は生粋の理系脳。物理、数学、大得意。
精神論?それで空は飛べるのかい?』といった具合。

そんな無理難題ふっかけて、論破した気になっていた若かりし頃。
そこから思考志向嗜好も随分変化した。
ならば今一度、『精神論』について、考えてみようかと。

そこで、今日の議題はこちら。
君ならできる、だから、がんばれ!!!
これ、いってみましょう。


・ピグマリオン効果~『期待は能力を向上させる。』

さて、冒頭のお話になぞらえて、命名されたこの効果。
人材マネジメント関連で目にする『ホーソン効果』や、偽薬の『プラセボ効果』と類似の概念でしょうか。
抜群のネーミングセンスゆえ、事実であって欲しいとも考えますが、
未だ賛否両論のようです。

 

提唱者ローゼンタールは、アメリカでこのような実験を行いました。

ある小学校のクラスで、学力判断のためと知能テストを行った。
その知能テスト、実は学力判断とは無関係なものであった。
しかし、そのこと教師には伏せておいた。

数日後、クラスのうち数名の生徒を無作為に選んで
「テストの結果、この子たちは伸びる」
と偽りの情報を教師に与えた。

そして数ヵ月後。
他の生徒と比べ、その数名の生徒の成績が本当に伸びていた・・・

その後、他の学者が再実験を行ったところ効果は確認されなかった
よって、効果の真偽は不明ということに。

しかし、最初の実験から、上の結果が得られたことは事実。
ならば、そこでは何が起こったのでしょうか。

ピグマリオン効果に否定的肯定的の双方の視点から考えてみます。

 

(1) ピグマリオン効果に否定的見解

① 選ばれた数名の生徒と他の生徒の教育内容が異なっていた
② 偶然『伸びる子』が選ばれていた

まず、考えられるのは①。
選ばれた生徒に手厚い教育を施した。
さすがに、これでは実験の目的を果たしていない。
よって、教育水準は同一であったと推測し、①は排除
とはいえ、人のやること。全く同一条件であったかどうか。

次に②。
この可能性はある
というより、否定するならこれが本丸。
今日は反対側の夢のあるほうをやりたいので
どんな要因が・・確率が・・といったようなことは省略。

 

(2) ピグマリオン効果に肯定的見解

③ 教師が『伸びる子』に期待をかけた
④ 教師の期待を感じとった生徒の態度が変化した

これは、上記①、②の図式と異なり、
③が前提となり④を生み出すという構図。

まずは、③。
生徒が『期待されている』と感じる態度を教師がとった。
これは、ピグマリオン効果に必須の前提です。
言い換えると、数名の生徒に好意的な態度をとった。
いわゆる『えこひいき』のような感じでしょうか。

そして④。
教師の好意的な態度をプラスに感じ、生徒の態度が変化した。
態度の変化=学習の強化 ということ。

ここで、肯定的見解の過程を整理すると、
期待 ⇒ 態度の変化(学習の強化)⇒ 学力向上

期待が、学習意欲を向上させる原動力となった。
その結果、他の生徒より学習し学力が向上した。
ということですか。

これはあり得る
そういえば学生時分、好意的な関係にある教師の科目は、意欲的に学習したような気がします。

しかし否定派に『期待されなくても、やる子はやるんじゃないの?
と言われたら・・・

肯定的見解に立って、もう少し考えてみましょう。

 

・快楽原則と現実原則~フロイト提唱の基本原則

人は本能的に不快な状態を避ける(快楽原則
しかし、その先に相応の欲求があるならば、
それを満たすため不快を受け入れる(現実原則

寓話『アリとキリギリス』
キリギリスが快楽原則、アリが現実原則に従って行動。
解りやすく言うと、そんな感じです。

これを使って肯定的見解のメカニズムを説明すると、説得力が上がるかもしれません。

 

それでは学習に例えて

『学習をしよう。でも、面倒・大変。やっぱりやめよう。』(快楽原則
『学習をしよう。でも、面倒・大変。でも、がんばろう。』(現実原則

実験では、数名の生徒に下のメカニズムが働いた。

つまり、まずは全員が学習に対し『でも、面倒・大変』とネガティブに反応をする。(快楽原則
しかし、数名の生徒は『でも、がんばろう』とそれをポジティブに反転し行動した。(現実原則

そこで、1回目をネガティブでも』、2回目をポジティブでも』として
ネガでも ポジでも』  
となったとき現実原則
で行動する、ということでいかがでしょうか。

肯定的見解では、そのポジでも』の源泉が他者からの期待だった。
他の生徒にはそれが無かった、あるいは小さかった
そのため、ネガでも』優位のままだった、ということでどうですか。

議論を発展させて、他者からではなく自分から自身への期待ではどうか。
例えば、試験において合格への強い欲求が生み出す『絶対合格したい』という気持ちなど。
このように内的に生み出せるものも、ポジでも』の源泉となり得るのなら
「期待されなくても、やる子はやる」の説明ができますか。

さらに言うならば、効果が確認できなかったとした再実験
実は効果はあったが、他の生徒も上のような別の源泉を得たため
差がつかなかっただけかもしれない、という推論はどうでしょう。

それでは、各々『でも』の源泉を定量化して比較検討を・・・
といければ、なかなかのものなのですが、そこが難しいから『精神論』

残念ながらここまでです。

 

今日の議題
君ならできる、だから、がんばれ!!!
どのようにお考えでしょうか。

学習の意欲と行動』について考えてみました。
これからさらに数ヶ月以上、試験準備期間は続きます。
日々の学習を継続していくことは、決して楽なことではありません。
実現するのには、確かな原動力が必要でしょう。

家族の支え』、『学習仲間の存在』、『公言して責務化』等をよく目にしますが、それらを源泉として各々ポジでも』優位を築ければよいのかな、と考えています。

この時期、多忙を極め志半ばで断念する方が多い、と伺ったものでこのような話題を。具体的な試験対策からかけ離れたこと、お詫びいたします。

それでは、また。  Xレイ



 

こんにちは、 Xレイ です。
二次試験、合格者の得点を知ることができるのですね。
事例毎の対策はさておき、トータルの戦略は考え直す必要がありそうです。
以下の記事は前回と一体のもので、上記を知る以前に書いた二次試験関連のものです。
現状は微塵も思ってはいないのですが、万一、気が変わって非公開などとなった場合、前回の記事を読んでくださった方に申し訳が立ちません。
そこで予定を早めて投稿いたしました。
本文は一切変更しておりません。
なぜならその事実、今のところむしろ歓迎。変わるミライを見据えても。

さて、前回は『ストレートSランク合格』が可能であるとすれば、一次試験の段階でテキストレベル『完全装備』さらに『+α』が必要では?
という私の主張を聞いていただきました。
その『+α』を得る例示からが、今日のお話です。
先にお断りしておきますが、すべて私論です(途中、妄想の域)。
それでは、どうぞご覧ください。

 

4.オペラント条件付け
~『成果のあった行動は強化される』

ストレート生が大変なのは十分に解った

でも頑張ってみるにしても、『完全装備』はともかく、
『+α』未知=調べるの全数検索なんて到底無理。
何とかならないの?

そうだ、最強教材過去問に聞いてみよう。
重要な論点は一次試験の段階で、いくつか問われているはず、と。

 

例えば、今後このような問題に出会うはず。

平成22年度一次試験 企業経営理論

第14問
従業員の動機づけ理論と、報酬制度との関係についての記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢 略

答え オ 利益分配制度のような変動給与制は、個人の業績とモチベーションが最大となったときに受け取る報酬との間に強い関係があるとする期待理論と整合性が高い。

これはどうか。

略したア~エ不正解選択肢の記述があまりにも醜い、ということではなく『動機づけ理論と実際の施策との関連性 』という論点について。

踏み込んでみる。

すると・・・
「なぜテキストは、重要な現代の理論にもっと紙幅を割かないのか。」
と不満を言いながらも仕方なく調べ、そうして得た新たな知識深まった理解が、その+αになるかもれない。

さらに・・・
「ちょっとまて、マズローとかいうアメリカ人のいうことは本当か?リスク回避(安全)と協調性重視(所属・愛)の傾向がより強い、ここ日本で。余計な仕事増やしてモチベーションアップ、とか言ってるアージリスと一緒に一次試験が終わったら置いていこう。」
(妄想の域、各々十分にお考え下さい)

と考え、二次試験向けに使いやすいよう、知識をスリムに体系化することが、その+αなのかもしれない。

 

そこで成果があったと感じたとき、過去問への取り組み方が変わってくる。
そのオペラント行動をおこさなければ、現能力の判定と解説レベルの知識補充で終わってしまう。

ストレート生の時間的制約から、一次試験学習のひとつひとつを最大限有効に行うことが欠かせない。

そうして何とか食い付いていき、Sランク2年目受験生と互角に渡り合ってはいけないものか。
まずは、ストレート生には必須の一次試験学習そのものを、強みに変えていかなければならないようです。

 

5.サンクチュアリ~『聖域』

ストレート一発合格
その野望を阻止しようとする最大の敵は、やはり二次試験

 

読む力・考える力・書く力』が重要と言われている(事例Ⅳを除く)。
確かにそうなのだが、それは小説や解説文といった類を読み書きする、汎用的能力のことを直接指しているのではない、と理解している。

あくまでも、中小企業診断士試験におけるそれら能力のこと。すなわち、

与件の世界を正確に読み解く力
専門的な観点から考え抜く力
適切な用語で通じるよう書き表す力

と言い改めていいものと。
こちらの記事にある各スキルの引用を考えましたが、その構成要素や用途において、同一との認識を得なかったため控えました)

汎用的能力を、それら必要な能力に変える源泉は何か。
それこそが知識なのだと。

イメージで語るならば、知識という土台の上に汎用的能力をのせることでそれらに変換する。
それら能力は、高さや深さといった縦方向、広さといった横方向、双方へ拡大する。

縦方向、すなわち、ある1つの論点においてより深く読み・考え・書く力の拡大には、トレーニングによって向上できる汎用的能力によるところが大きい。

しかし横方向、いわば、いくつかの論点・視点から多角的に広く読み・考え・書く力の拡大は、学習によって向上できる知識によるところが大きい。

 

主催者の用意した模範解答はある。
その聖域にたどり着くのには、横方向への大きな力の拡大が必要と考える。

事例毎に主催者の確認したい能力は異なる、との所見から一概には言えないが、テキストレベルを超えた知識を求めてくるものも少なくはない。
こと事例Ⅰに関しては、その傾向が強いものと。
それを身に付けなければ、聖域は見えてはこない。

そこで、ストレート生は一次試験当日の知識レベルが重要となる。
なぜなら、以降はトレーニングに、大幅な時間を費やさなければならないのだから。

それゆえ、一次試験当日に『完全装備+α』。

 

6.ソリューション~『解法』

水準以上の力を得たとき、うっすらと聖域が見えてくる。
しかし、その眺めを答えてはならない。
『出来過ぎ答案』というリスクがあるようだ。

まずは、じっと後ろを振り返る。
そして、こっちに向かってきている『人並み』を見つける。
その位置を確認し、そこから見える眺めを正確に答える。
さらに、先にある『人並み』の知らない絶景を一言添えておく。

すべての『人並み』が行く先も解らずさまよっているのなら、そのときは自らの眺めを答えておけばいい。

そのためには、常に聖域へ向かい『人並み』より先を歩んでなければならない。
『+α』を求める所以がそこにある。

これぞ、My ソリューション

 

以上です。前回からの長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

私がこの試験に対して今持つ認識を、もし1年前に持ち得ていたら、このように対応するだろう、というお話でした。
やはり、この試験に対して真正面からぶつかっていきたかった。

ストレート生は、“一次試験前日までの努力が明暗を分ける” そう考えています。
一次試験後、知識が重要とのお話をすることはないでしょう。
もう時間が足りないので。
そこでは、“開運”の策を考えておきます。

『合格』という事実を得るため、あるいは、合格したその先の『理想の自分』を得るため、各々目的によってもこの試験への取り組み方は変わってくるのでしょう。
仮に後者で、昨年度“たまたま不合格”であったという2年目受験生は、その『理想の自分』になるのには、むしろ近道だったかもしれません。さらには、『理想以上の自分』になれるチャンスを得た、そう考えても決して気休めとは、私は思いません。

最後にもう一言。
二次試験、解答根拠がシンクロニシティでは、間違いなくシンクロニシティは起きないので、ご注意を。

それでは、また。  Xレイ

 



 

こんにちは、 Xレイ です。
今回は少々長くなってしまいました。
そのため、2回に分けてお届けいたします。
(文中すべて、『Sランク』=高確率合格 として言葉を使用しております。)

 

1.シンクロニシティ
~『意味ある偶然の一致。共時性』

さて、一次試験を受験される方は、その対策で大忙しのことでしょう。
それもそのはず、計7科目に及ぶ学習範囲は相当なもの。
合格ラインに至るのには、相応の努力を要します。

絶対評価のその試験、予定合格者数をおおよそ決めている様子。
主催者にとって、そこへの難易度の調整は腕の見せ所、と十八番のようで。
テキストなど周知とはいえ、なかなかの腕前であることは確か。

しかし、ときには筆を誤る模様。
「もう得点調整など恥ずかしいまねはできない」
と昨年からは調整のタネ(没問可問題)を仕込んでいる、とはさすがに杞憂でしょう。

さておき、そこで上位20数%が手にする、次なるステージへの招待状。
向かったところ、ここでも予定合格者数を決めている様子。
再び件の腕前を・・・と思いきや、あろうことか運試しにしましょうよ、と。

ストレート生にとって、たまたま合格という偶然の期待しかできない試練、それが二次試験とは。

そんなの、あまりに不合理だ。
何としてでも、その偶然を必然に・・・
そう、シンクロニシティを起こせばいい

 

戯れはほどほどに、本題へ。

Sランク合格、たまたま合格の詳細は過去の記事におまかせして(こちらこちら)、運試しは御免というストレート生は、そのSランク到達の術を考えなければならないようです。
ひとまず、道場説を信じるとして。

そこで、Sランク可の2年目受験生と否のストレート生の違いは何か。
言うまでも無く、時間経験かと。
そこが重要なので、スト生=たまたま合格なのでしょう。
それでは、どんな時間が足りないのか
また、経験はどのように生かされるのか

 

2.プロアクティブ~『先取り志向』

例えば、こんな時間が足りない

ここから先は私論です。

人並み解答』を押し並べお団子付けたらSランク、と。
ならば、それは『人並み知識』でできるのか?

答えは、NO。押し並べるのには、その上をいく知識が必要

(ちなみに私は、その卓越した知識こそがSランク到達には不可欠であり、ストレート生に最も足りない時間とは、それを身につけ体系化する時間、と考えています。)

 

さて『人並み』とはいえ、一次試験の上位20数%のさらに中段よりは上かという人並みのこと。
二次試験当日、おそらくテキストレベルの関連知識はほぼ『完全装備』。
さらにその体系化をもって、ようやく活用可能となる。
たまたま合格でさえそのレベル

そうなると、求められるのは『完全装備+α』。

仮に一次試験後、テキストレベルの知識を「あれ、これ何だっけ?」では、行き着く先は運試し
そこからでは時間が足りない

ならば、先取り志向
一次試験当日を『完全装備+α』、少なくとも『完全装備』で迎えよう
ということに。

それには、さらに続ける一次試験の学習を、二次試験関連分野を意識しながら行うことが、いかにも重要。

と言うは易く、計7科目に及ぶ学習範囲は相当なもの。
当然、一次試験合格という前提のもと、非関連とおぼしき分野を置き去りにできはしない。

 

時間は足りている?

まだ5ヶ月ある いや、もう5ヶ月しかない
このままでは時間が足りない
と感じたのなら、プロアクティブな行動をとるしかない。

そうして要件を満たしたとき、Sランクストレート合格も夢ではなくなる・・・かもしれません。

 

3.ヒューリスティック VS アルゴリズム
~『経験則』対『定式化』

例えば、こんな風に経験はいかされる

完全装備』はいいとして、その『+α』ってどんなもの

そこの見極めが難しいところ。
案内役のいない領域に踏み込み、必要な何かを手に入れてくる。
行く先を誤ると、それは単なる時間の浪費。
ここは踏み込む価値あり」と感じる嗅覚が必要となる。

その感覚、いつどこで身に付けるのか?

ここに経験が関与する。
二次試験に受かるべく、試行錯誤を重ね必死に学習し、そして受験した。
その経験の中で、少なからず身に付いていく。
論点になり得そうなこと」「視野が広がりそうなこと
それらを嗅ぎとる感覚が。

 

要するに、2年目受験生は『経験則』をもって効率的に検索できるのに対して、ストレート生が確実に成果を挙げるには『定式化』(未知=調べる)の全数検索。

仮に時間無制限と言うのなら、成果確実アルゴリズム的問題解決の勝利。
しかし、無制限どころか明らかな時間不足。
ならば、効率的ヒューリスティック的問題解決が勝るのです。

 

これまた、一次試験後では時間が足りない・・・とくれば先取り志向

しかし、ここで留意すべきは、『+α』の検索は一次試験へのリスクを高めるということ。
ある論点において、テキストを超える知識を探し得ようと、さらには不必要なものは置いていこう、とすることなので。

一次試験前に行える条件は、言うまでも無なく“一次確実合格”レベルに達しているということ。

 

やはり、時間は足りない

 

 

ご覧頂いたとおり、今回のテーマは『Sランクストレート合格』。
それを、知識という観点から考えてみよう、というお話です。

そして、私(独学)がこの試験に対して今持つ認識を、もし1年前に持ち得ていたのなら、このように対応するだろう、との観点から述べております。
すなわち、そこには個人戦で戦う、つまり『答案みせっこ』はできない、という前提があります。
仮に、到達過程でそれこそが重要とあらば、『Sランク』という言葉の使用は不適切、との考えから冒頭にお断りをさせていただきました。
次回も同様ですのでお含みおき願います。

さておき、ストレート生の境遇は、このようになかなか厳しいのです。
しかし、なんとか食い付いていけないものか。
次回もう少し考えてみましょう。

そして、何故、卓越した知識にこだわるのか。

それでは、また。  Xレイ

 

 



 

はじめまして。6代目メンバーの Xレイ と申します。
こちらこちらをもって自己紹介にかえさせて頂きます。

学習はすべて独学で行ってきたため(模試等も一切無し)、受験校の実情は全くわかりません。
そのため、通学し学習されている方々からは「そんなこと言われなくても
と時にはお叱りを受けることを憂慮しておりますが、何卒、1年間お付き合い願います。

なぜ独学に決めたのか? それを思い出せないでいるのですが、
一般的には、コスト、ライフスタイル等の物理的な要素を検討する一方、
精神的な観点からの適性いわゆる『独学への向き、不向き』も考慮することは、多くの人が認めるところかと。

ならば、どのような人が『独学向き』なのか。

それを具体的なパーソナリティ(=性格・人格)で示してみよう、と言うのが今日のお話です。

 

早速、結論から(これより私論)。

①ローカス・オブ・コントロールが内的統制型
②タイプA行動パターン
③達成動機が高い

以上の①~③の特性を持つ人は『独学向き

聞きなれない言葉が・・・という方のため簡単に説明を。

ローカス・オブ・コントロール(以下LOC)とは、
「自身の行動とその結果を決める源泉の所在を、どこに意識しているのか」ということ。内的統制型とは、自己の中にその所在を意識し「行動と結果は自らで統制できる」と考えている人のこと。

タイプA行動パターン(以下タイプA)とは、
競争的・野心的。常に時間に追われている。機敏でせっかち。等々」の性格傾向を持つ人のこと。

達成動機とは、
中程度のリスクを好み、自らの力で卓越した水準に到達しようとする動機」のこと。マレーやマクレランドの動機づけ理論のそれ。

 

それでは、なぜこの3つの特性が重要か

独学のデメリットのうち、都合よく代表的なものをあげると

(1)人に聞けない
(2)効率が悪い
(知識習得において適切な学習範囲の設定が難しい)
(3)モチベーションを維持できない

これらを、自身のパーソナリティで克服できるとすれば?

より目標達成に近づくことは想像に容易い。

 

(1)人に聞けない は ①LOC内向 と ③高い達成動機 で克服。

①を持つ人は、自己責任の意識が強いあまり、外部からのコーチングの受け入れに対して柔軟性に乏しい。
③を持つ人は、自力での目標達成をより好む
要するに①、③を持つ人は、そもそも人に聞こうとあまりしない。自力で何とかしたい、そして、何とかしようとする

 

(2)効率が悪い は ②タイプA と ①LOC内向 で克服。

②を持つ人は、質を量でカバーすることをいとわない。適切な学習範囲の設定が難しいため広範囲とせざるを得ないが、可能な限り短時間でそれを成し遂げようとする。「全部やってしまえば問題ない」と。
①を持つ人は、行き過ぎた範囲の拡大が、他の科目に悪影響を及ぼすと判断するや否や、即座に自身の行動をコントロールできる。

 

(3)モチベーション は ③高い達成動機 と ②タイプA で克服。

③は理論どおりの動機づけ要因。ただし、この試験に対して適度な難易度との認識は必要。
②を持つ人は、モチベーション云々ではなく、目の前の課題を責務として捉える。やらなければならないのだという義務感が、自らを動かし続ける。

 

このように、①~③の特性を持つ人は独学のデメリットを克服しやすい、
というよりはそれ程デメリットと捉えてはいない
すなわち『独学向き』と言える。

 

いかがでしょうか?

 

といったところで、
この時期に学習方法について小難しく言われてもね
という声が多くて当然。

それを百も承知で今言うのには・・・

 
二次試験事例Ⅰ。
人材マネジメントの観点から、生産性の向上離職率低下の施策を議論するとき、このところ問われているように、従業員の雇用・勤務形態文化の違いを考慮するのは当然のこと。
併せて、今回テーマにあげたパーソナリティまで考えをめぐらすことは、その議論において職務満足感動機づけ等の心理学的要因が重視される以上、決して行き過ぎではないものと。
また、近年のコンピテンシーという言葉を目にする頻度からは、むしろ必要とさえ感じたもので。
ただし、直接の解答根拠や議論の中心となる可能性は低いことを、お含みおきください。
それゆえこの話題、先に行くほどリスクが高くなる。
視野が広がることは、間違いないはずですが・・・

 

 

7つの敵を倒し、たどり着いた最後の砦
そこで、ペルソナ(仮面)をまとった番人と出会う
“我が正体、見破れるか 無理ならここは通せない”
多くの戦士は、仮面越しに目や口の形ほどを答え、天命を待つ
“必ずやその素顔、暴いてみせる そして押し通る”
誓いを立てたその瞬間、新たな戦いが始まった

何か足りないので、カッコよくエピローグを書いてみた。
この度の執筆にあたって改めて考えてみると、この試験やはり簡単ではないですね。
もちろん、難敵は二次試験なのですが。
ほぼ確実に合格したいとなると、何をどの程度にすればいいのか。限られた時間の中で。
私は、『道場説』を支持した上で、卓越した知識が最も必要との立場をとります。
そのあたりのお話を次回にもう少し。

それでは、また。  Xレイ

 


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