「聞かれたことに答える」とは?<合格ラインの話:二次試験編>

世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし/在原業平

こんにちは。そのです。
11人のメンバーで廻している今年の道場ブログ。前回、「桜が咲いた!」とお伝えしてから一周した今では東京は既に花散る頃。今年もこの句が心に染みます。

桜が咲いて散る様子はまるで、目まぐるしく過ぎていく季節の、標準時間を計測されているようなものに感じられます。「花の命は短くて、その間私は何をできただろう?」気持ちばかりが焦って上手くいかない。去年もそんな感じで勉強がはかどらなかった事をよく覚えています。

私のように春ボケ気味の方…いえ、それ以外にも、この時期は仕事や環境の変化も多いですし、最近勉強がはかどっていないな、と困っている受験生の方いらっしゃいましたら是非、道場春セミナーに来てみてください。多くの方にお申込み頂き、空席が僅かです!(詳細は最下部をご参照下さい)疑問や不安を合格者にぶつけたり、受験生同士で情報交換することで、スイッチを入れ直せる良い機会です。私たちも、お会いできるのを楽しみにしております。


さて、前回に引き続き合格ラインのイメージについて書きたいと思います。今回は二次試験です。
二次試験でよく問われるのが、「聞かれた事に答えること」。これってそんなに難しいのでしょうか?

そこで、今日は「聞かれた事に答えられなかった」とあるエピソードをご紹介します。
今の時期なら想像しやすい、季節感のあるエピソード、まだ私がつるぴかの新入社員だった頃の実話です。

一通りの新入社員研修を終え、いよいよ初配属の法人営業部(東京:市ヶ谷)に配属された初日、歓迎会を開催して頂きました。ビール瓶を持って挨拶、自己紹介に廻っている中で、常務にこんな事を聞かれたのです。

「お前は鴻巣か。確か東松山のやつが居たな。どっちが遠いんだ。」

ローカルな固有名詞が登場しますので、地図をご参照下さい。
当然、埼玉は東京の北にあります。
埼玉県民の私は下のような地図を頭に思い浮かべ、こう答えました。

「鴻巣のほうが少し北に位置しています。」

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で、言われた言葉がこちら。

「お前、聞いたことに答えとらんやんけ!」

「・・・・・・!!」

埼玉は東京の北ですので、位置関係を考えれば、少し北に位置する鴻巣のほうが距離的にも少し遠いという事になります。(鴻巣⇔市ヶ谷:69.0km/東松山⇔市ヶ谷:56.4km)ここまで頭の中で考えてとっさに出た発言でした。相手にも当然伝わると思ったし、会話の中でまさかそんなに厳しいダメ出しをくらうとは思ってもみませんでした。

しかし、よくよく思えば確かにそうです。「どちらが遠いか?」を常務は聞いていたのですが、「遠い」という言葉は、実は一意性の無い言葉で、地図を思い浮かべて頭の中で距離を計測して答えてしまったのは、私の早とちりだったのです。

「遠い」には、時間の意味も含まれます。鴻巣や東松山から市ヶ谷に来るのに、どれだけ時間を要するのか?という質問であったのかもしれません。(鴻巣→市ヶ谷>:1時間9分/東松山→市ヶ谷:1時間14分)

皆さんならどう答えますか?

二次試験的に解答するなら、「①距離的には、鴻巣のほうが遠く、②時間的には、東松山のほうが遠い。」というのが、この時点で考えられる模範解答でしょうか。少なくとも②を全く想定できなかった私の解答では不合格だと考えられます。

更に、もう一歩踏み込んでこの時の状況を考えてみましょう。私は新入社員で、相手は会社の常務です。タイミングは初配属の自己紹介で、話題は居住地の話です。これは相手の立場に立って考えれば、会社の役員として、新人の通勤にかかる負担を心配してくれた、という状況に他ならないのだと、よく考えれば想定できます。

故に、もしかすると、二次試験で経営者の視点を重視し、②の通勤時間に敢えて焦点を絞った解答をすることで、高得点となる可能性もあります。こうなると「リスクをとって高得点を目指すか」という次元になります。ただ採点基準の不明確な二次試験で、敢えて差別化を狙うのは高リスクなので①も入れておくのが戦術としては無難でしょう。

二次試験で、「聞かれたことに答えることの難しさ」とは、このようなレベルの話だと思っています。「そんな簡単なこと」と思いますが、頭の中で一歩先、二歩先まで勝手に決めつけることで誤解を生じてしまいます。こういった事は日常生活の些細な場面でも当然起こっていますが、普通は流してしまえるので、当の本人も気づきません。

それでも、論理的に考える事ができれば解決は容易い問題ですが…皆さん是非この時の私の様子を想像してやってください。入社後配属初日で相手は常務。ガッチガチに緊張していたのです。まさに二次試験と同じです!緊張に慣れていないと、思考のレベルは数段落ちます。

何気ない大人の日常会話でも、実は思い込みによる小さな誤解が散見されます。二次試験を想定し、今から少しだけ、気にしてみるのは如何でしょうか。(ただ、あまり理屈っぽいのもどうかと思いますので会話は自然体が良いですよ…!)

それにしても、今なら少しは分かりますが、立場のある方はお酒の席で酔っぱらっているふりをしても、マネジメントの視点で社員をよく見て、言葉を聞いているのだなと痛感しました。(後日談ですが、事実、この方は寮へ入所できないか本社に掛け合ってくれたのです。)
こんな些細なエピソードを未だに覚えているのは自分でも不思議ですが、「聞いた事に答えていない」と言われたのがよほどショックだった事に加え、社会に出たばかりの自分がいかに矮小な存在であるかを思い知らされたのかもしれません。

そんな春もありました。
診断士試験がなかりせば、皆さんの心ものどけからまし。でも後から思えばそうした季節ももう二度と戻ってきません。

大丈夫、あなたは、ぜ~~~ったい合格しますから!

一瞬一瞬を大切に、お互い頑張りましょうね。
そのでした。

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