【合格体験記】受験勉強の王道を行く~K.Mouriさん~

皆さま、おはようございます。細川です。あっという間に2017年の1カ月は経ってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私は先週の土曜日、東京都中小企業診断士協会会員部が主催する「診断士1年目の会」に出席して参りました。そう、我々7代目も道場で執筆を始めて、もう1年になるのですね…。

本日で私が紹介する合格体験記は最後です。しっかり読んでくださいね。

今回ご紹介するのは、独学で見事ストレート合格された、K.Mouriさんの合格体験記です。

それではどうぞ!

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(0)受験生情報 名前(HN)・年齢

K.Mouri 30歳。会計系コンサル会社勤務(2年目)

(1)診断士に挑戦した理由・きっかけ

挑戦した理由は2点ありました。

①会社の業務で使える知識を体系的に学べると思ったから。

②職業柄、資格があると箔がつくから。

大学卒業後に入社した会社に5年勤め、主に経営企画・経理部門で働きました。2015年4月に現在の会社に転職しましたが、業務上の知識が不足していることから勉強を始めました。また、外部の方々やお客様に対しても、有資格者だと説得力を高める効果もあるかなというのも勉強を始めた理由の一つです。

(2)学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目

保有資格:日商簿記1級(3年位前に取得)

得意科目:財務会計、企業経営理論

不得意科目:経済学、経営法務、システム

前職で経理関係の仕事だったので取得した日商簿記1級の経験が生き、一次の財務会計、ニ次の事例Ⅳについてはほとんど学習する必要はありませんでした。また、それなりにビジネス書を読んだりしていたので、企業経営理論は頭に入りやすかったです。

が、ただの暗記が嫌で理系に進んだ私にとって、不得意科目の3教科は初めて学習する分野だったので、とても苦労しました。

(3)学習スタイルとそのメリット・デメリット

独学です。一次科目のテキストはTBCで揃え、あとはTACの模試を一次、ニ次とも1回ずつ受験しました。

TBCを選んだ理由は、テキストでわからないことは講義動画で確認できるところが良いと思ったからだったのですが、結局見ることはありませんでした。

①メリット
自分のペースで進められるのが良いと思いました。学校形式的な授業だと『やらされ感』を感じることがあるため、自ら学ぶ方が自分にとって知識を吸収しやすかったのかもしれません。

②デメリット
完全に独学だと、他の受験生のレベルがわからないので、今のペースで良いのかと考えることもありました(特にニ次)。

(4)合格までの受験回数、学習時間とその作り方

①学習開始時期と受験回数
2015年10月頃学習スタート、一次、ニ次とも1回

②一次学習時間
平日:通勤の往復1時間、帰宅が早ければ1~2時間。
休日:4時間/日、直前期は7~8時間やった日も。

数えていませんでしたが、上記を踏まえると計600~700時間程度と想定。

③ニ次学習時間
平日:一次と同じペース
休日:6時間/日、直前期は7~8時間やった日も。

上記を踏まえると150~200時間程度と想定。

(5)合格までの学習法

①一次
TBCのテキストを、まずテキストを通しで1周読み、2周目は章ごとについている過去問と並行して進め理解を深めました。また、特に苦手科目についてはどうしてもテキストだけでは理解できなかったので、

経済学:大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる(井堀利宏著)

法務:会社法のツボとコツがゼッタイにわかる本(大越一毅著)

を参考に学習しました。どちらもタイトルは巷にあふれる胡散臭い感じでしたが、入門書として使えるようにはできているのではないかな、と初学者ながら思いました。

中小以外の科目は5月までに一通り終わらせ、6月から集中的に過去問に取り組みました(過去7年分)。それぞれ3回転くらいはしたと思います。

予備校の問題集には手を出しませんでしたが、これまでの経験上、試験勉強で参考になるのは過去問だけだったので、そこは貫きました。

②ニ次筆記
一次自己採点後にふぞろいを過去5年分と辞書的な役割として全知識を調達しました。また、一次試験の勉強中は二次に全く手を付けていなかったのですが、TACの模試に申し込みました。できないとわかっていましたが、①現在の実力と求められるレベルのギャップの把握と、②多くの受験生が解くであろう問題を経験しておく、ことが目的でした。

勉強法は、通勤時間に全知識で知識を固め、休日に机でとにかく過去問を解きました。勉強開始から1カ月程度は、解答プロセスを模索し、とても80分では解き切れませんでした。そのうち、徐々に慣れてきて80分ギリギリで解けるようになりました。直前期でも80分ギリギリかかっていたので多少不安ではありましたが、本番もギリギリで焦ることを想定しておきました。

採点では、ふぞろいの基準で辛めに採点することを心掛け、特に多くの合格答案に含まれている事項が記述されていたかを重視しました。合格ラインが不明確な試験の特性上、多くの受験生が書くような内容に少しスパイスを効かせることで、十分差別化を図れるのではないかと考えたからです。

過去問は過去5年分を3回転はしたと思います。また、事例Ⅳを得点源とすべく意思決定会計講義ノートを購入し、並行して解きましたが、過去問のレベルとはかけ離れた問題が多く、結局最後まで解き切りませんでした。

③再現答案
二次筆記が終了後、1週間以内に作成しました。下書きも残していたので、ほぼ100%作れました。

(6)学習時・受験時のエピソード

一次試験後の自己採点では、全体で420点は超えていましたが、システムは48点(加算前)、法務はなんと40点と、マークミスがあったら・・・と眠れぬ夜を過ごしました。ギリギリだった法務は、終了30秒前に間違いに気づいた問題があり、これを修正したおかげで40点に乗りました。

一転、二次筆記はこれまでの勉強ではできなかった、会心の出来でした。運も実力のうちと言いますが、実力の120%は出ていたと思います(笑)。

こんなこともあったので、本当に、最後まであきらめない姿勢が大切だと実感しました。

(7)これから合格を目指す方へのアドバイス

ラッキーで合格したので偉そうなことは言えませんが、合格ラインを知り、自分の実力と合格ラインの距離を測りながら進める習慣をつけることかと思います。また、そのギャップの大きさや重要度に応じて、必要な施策を人から与えられるのではなく自ら考え、実行していくことが必要です。このようなプロセスは、まさに中小企業診断士のコンサルティングのプロセスなのではないでしょうかね。

また、個別の話で行きますと、自分よりちょっとできる競争相手を見つけることでしょうか。私は独学で勉強友達もおらず、二次筆記の解答は自分でチェックするしかありませんでしたが、誰かに見てもらうことで客観的な視点も取り入れることができますし、それが自分よりちょっとできる相手だと互いに切磋琢磨しあえるのではないでしょうか。

あとは最後まであきらめないこと、これに尽きると思います。

============ 寄稿ここまで ============

いかがだったでしょうか。

確かにK.Mouriさんはお仕事の特性上、診断士試験に直結する知識をある程度持ち合わせていたため、ストレート合格しやすかった側面はあると思われます。しかし、これまでの合格体験記で何度となく紹介してきましたが、やはり合格者には共通した勝因というものが存在します。

一つ目が、過去問を重視した勉強を行ったことです。過去問を何度も解き、それを補う形で参考書等を活用したことで、ゴールまでの最短距離を走り抜けることが出来ました。

二つ目が、自分の実力を冷静に判断したことです。模試を受ける際には、しっかりと目的意識を持ち、ゴールまでの距離感を正確に把握するよう、常に努力されていました。

そして三つ目が、最後まであきらめなかったことです。自分で解いた問題をしっかり見直せたおかげで、一次試験では足切りを回避し、二次試験では実力を遺憾なく発揮でき、強運を手繰り寄せることが出来ました。

これらの勝因は、結局どのような学習スタイルでも必要であることが改めて感じられたかと思います。
また、私が個人的にも共感できたのは、二次試験では「多くの受験生が書くような内容に少しスパイスを効かせて差別化を図る」ことです。つまり、解答すべきことの大部分は「寄らば大樹の陰」の内容であり、それを実行できたことが短時間の勉強でも十分合格圏内に到達できた要因ではないでしょうか。
なお、独学者の方でご自身の二次試験に対する客観的な評価を得たいと考えている方は、勉強会などに参加してみるのも良いかもしれません。

いよいよ来週からは新生道場8代目が登場します!みんな優秀で楽しい人ばかり!どんな記事を書いてくれるか楽しみですね。

そして日曜日には、我々7代目からのラストメッセージが掲載されます。お見逃しなく!

以上、細川でした。

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【合格体験記】受験勉強の王道を行く~K.Mouriさん~”へ1件のコメント

  1. 岡崎教行 より:

    お~、大越君の書籍で勉強されたというところに、親近感。
    実は、大越君は僕の大学時代のゼミの後輩です!

    ってどうでもいいですねw

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