【渾身】経済学・経済政策vol.1

おはようございます。フェイマオです

日中はだいぶ夏らしい日が続いており、いよいよ1次試験まで残り54日となりましたね。
私は去る2013年6月から予備校の通学コースの『1.5年コース』に通い始めましたので、3年前のちょうどこの時期に勉強をスタートさせました。

私の通っていた学校では、初年度の3科目が「経済」「法務」「中小」でしたので、この時期からの経済の勉強は結構骨が折れました
※それなりに3ヶ月弱で科目合格を狙えるところまで仕上げたつもりですが、平成25年度の経済は科目合格率2%と難問だらけでしたので、当然合格は翌年にお預けになりました・・・

それでもベース知識の無い「法務」と「中小」は60点を大幅に超える形で得点できましたので、試験日が近づくにつれ心が挫けそうになってしまう方でも、ここからの巻き返しは十分可能です

この試験はなによりも“諦めない”事が大切ですので、残り54日を悔いのないように過ごして頂きたいと思います


さて、連日続いておりますこの【渾身シリーズ】。今回は当代ではあまり出てこない?“経済学”について、記事を書かせて頂こうと思います
※私フェイマオは、昨年2次試験のみに専念しておりましたので、約2年近いブランクがありますがご容赦下さいませ

さて、経済学1回目はマクロ経済の分野でも頻出の『IS-LM分析』について。
IS-LM曲線の分野での出題傾向は以下の通り。

~IS-LM関連問題~
① IS曲線、LM曲線の傾きに影響を与える条件に関する知識
② IS-LM曲線のグラフ上での超過需要・超過供給発生領域に関する知識
③ IS曲線、LM曲線がシフトする条件
④ 財政政策と金融政策
※ここに国際収支要因が加わると、マンデルフレミングモデル(IS-LM-BP分析)が登場
昨年、一昨年と経済学は比較的易しかったので、今年はやや難化傾向が予想されてます
※詳細なデータ分析は、こばのこちらをご覧ください。

IS-LM関連は科目合格を狙う上で点を取りたい分野ですが、問題を難しく作ろうとすると①~④の中では、①が一番作りやすく(と思われます)受験生を惑わす余計な情報を設問に盛り込んでくる可能性が高い・・・

百聞は一見にしかずで、ちょいと過去問を見てみましょう。

こちらは、平成21年度の第8問の問題ですが、問題がなんと2ページ半に渡ってます
下記に画像を添付しますが、実際の過去問はこちらから。

スクリーンショット 2016-06-12 20.31.30 スクリーンショット 2016-06-12 20.31.47 スクリーンショット 2016-06-12 20.31.55

 

さて、こちらの問題は設問に入る前の問題文だけで1ページ半を使ってます
経済学が苦手でない方でも、問題を読むだけで正直うんざりします
この分野で問題を難しく作る場合、このように設問をあえて長くして“問題を難しく見せる”事が出来ますが、実際に解答を導くうえでは、問題文を全部読まずとも十分だと思います。
特に上記で挙げた①と②の知識を復習するうえでは、(個人的には)比較的良問だと思いますので、知識の整理を兼ねて問題を見ていきましょう。

※設問文のみ下記再掲します。

スクリーンショット 2016-06-12 20.31.47 (2)

■aの選択肢⇒②の知識整理問題

この問題は、『地面の上に木が立っている』で覚えれば瞬殺できます
では、イメージ図をご覧ください。

超過需要超過供給モデル図

これをIS曲線と重ねると・・・

IS曲線②超過供給超過需要

これは暗記するには超簡単なイメージですが、覚えておけばaの選択肢(IS曲線の右側が超過供給である)が正しい事が直ぐ導き出せます


 

続いて、bとdの選択肢を見ていきましょう。

■bとdの選択肢⇒①の知識整理問題

こちらも、IS曲線の傾き=ちりとだけ覚えておけば瞬殺できます

問題文には、何やら長い式が書かれていますが必要なのは、Yの前の分数のみ。
こちらも下記に図を記載します。

IS曲線の傾きの決定要因

では、選択肢を見ていきましょう。
b:限界貯蓄性向(ち)が大きい→分子が大きい→傾きが急になるので、選択肢は×

d:投資の利子感応度(り)が小さい→分母が小さい→傾きが急になるので、選択肢は○

 

これにより、(設問1)は a と d が正しい事が瞬時に導き出せます。


では、引き続いて(設問2)へ。同じように設問のみ再掲します。

スクリーンショット 2016-06-12 20.31.55

■aの選択肢⇒前出②の知識整理問題

これも、IS曲線と同じです。下の図をご覧ください。

LM曲線の超過需要超過供給

上の図をご覧頂ければお分かりの通り、LM曲線の下方領域は地面となりますので、超過需要となります。
よって、aの選択肢は×


続いて、cとdの選択肢を見ていきましょう。

■cとdの選択肢⇒①の知識整理問題

こちらも、『LM曲線の傾き=しり』とだけ覚えておきましょう。
※ちょっと言葉が適当でなくてすみません

問題文ではLM曲線の式はIS曲線よりはやや簡潔になってますが、こちらも必要なのはYの前の分数のみ
こちらも下記に図を記載します。

LM曲線の傾きの決定条件

では、選択肢を見ていきましょう。
c:貨幣需要の利子感応度(り)が大きい→分母が大きい→傾きが緩やかになるので、選択肢は○

d:貨幣需要の利子感応度(り)がゼロ→分母が限りなく小さい→傾きが極端に大きくなる(=垂直)ので、IS曲線が左右に異動しても国民所得(GDP)は変化しないため、選択肢は○

これにより、(設問2)は c と d が正しい事がわかります。

 

いかがでしょうか?
経済学ではこの問題のように“やや文章が冗長すぎる”場合は、敢えて難しく見せようとしていますが、基本的な考えを抑えておけば惑わされずに問題を解く事が出来ます。

ちなみに、この①と②の考え方については、“平成19年度の第5問”も同様に解く事が出来ますので、試してみてください。

1次試験まであともう少し。皆さんの頑張りを道場メンバーは一丸となって応援しています

では、本日はここまで

To be continued・・・

 

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【渾身】経済学・経済政策vol.1”へ4件のコメント

  1. フェイマオ より:

    丸に十字 様

    投稿頂きました内容への返信が遅くなり大変失礼致しました。
    お問い合わせ頂きました、「時事・統計資料」問題への対策ですが、正直なところ、ご希望に沿うお答えが用意できせん。

    受験生時代、私は「過去問完全マスター」(同友館出版)を利用していたのですが、当然のことながら同じ論点が出されるはずが無く、対策が立てにくい事から、この問題への対処方法については“出たとこ勝負”に気持ちを切り替えました。

    「時事・統計資料」は悩んでしまうと時間がかかってしまいますので、最初に取り組む問題ではないと考え、以下の流れで経済学を解いてました。

    ①マクロよりも後半のミクロ経済の分野から解き始め、波に乗り(→設問の論点として、ミクロの方が解きやすいため)
    ②波に乗ってきたところで、冴えた頭で「時事・統計資料」問題に取り組み、
    ③マクロ経済へ取り組む
    という流れで問題を解いていました。

    問題を解いて波に乗る事で、最初に問題に取りかかるよりも正解に辿り着きやすいのではないかという妄想でやってみたのですが、結果としては良かったと思います。

    正直、この設問での対策を考えるのであれば、過去問から対策の取りやすい、ミクロ経済学の方で対策を講じた方が宜しいかと存じます。
    ご期待に沿える回答が出せず申し訳ありませんが、ご一考頂ければ幸いです。

  2. 丸に十字 より:

    フェイマオさま、次の記事にも期待しております。わざわざのお返事を誠に、ありがとうございました。

    追伸

    経済学の一問目「時事・統計資料」問題ですが、対策法などございましたらぜひ!ここでどうしても、あと4点欲しいのです。

  3. フェイマオ より:

    丸に十字 様

    いつも一発合格道場をご愛読頂きましてありがとうございます。
    次回も引き続き「経済」の記事を書かせて頂く予定でございますので、またお役に立てる記事になるよう尽力致します。
    これから本試験に向け、佳境に入ってくるかと思いますが、くれぐれも体調を崩さぬようご自愛くださいませ。
    今後とも引き続き一発合格道場をよろしくお願い致します。

  4. 丸に十字 より:

    ありがとうございました。頭の中がスッキリしましたよ。なるほど!

    って事でスピ問をやってみたところ、4分かかってた問題を50秒で正解させました。嬉しい!

    IS-LM曲線って個人的に、時間食われる苦手分野でした。本番では得点源になりそうで、楽しみになりました。ありがとうございました。

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