【渾身】オイラ式【その12】~設問分析までのまとめ~

皆様おはようございます。毎度毎度の細川です。本日を入れて1次試験まで残り61日、2次試験まで残り139日となりました今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
私細川は、土曜日はとある受験生セミナーへの参加とその後の懇親会で、日曜日は大学時代の部活のOBOGや現役を交えた懇親会でしこたまお酒を飲んできました。勉強も重要ですが、仲間と直接交流する息抜きも楽しいですよね。

さて、今回から2回にわたりお送りする懇親、もとい【渾身】シリーズは、いままで説明してきたプロセスを活用し、細川が実際に問題を解いていく過程を順にお伝えします。

まずはこちらの画像(平成27年事例Ⅰ)を横目で見ながら、以下の解説と合わせて振り返ってみましょう(汚い字でごべんなさい…)。

設問分析の前に

早速設問分析…といきたいところですが、まずは問題と解答用紙を開いた時点で、

①与件の量、問題の数、解答文字数の数

を見て、難易度(与件の量が少ない=情報が少ない=類推や知識が多く求められ難易度が上がる)や、時間配分(問題数や解答文字数が多い場合)をざっくり見積り、事例全体を取り組む際の方向性を仮決定しましょう。

また、設問分析を円滑に行うために与件の最初の部分だけを読み、

②当該企業の業種

を把握し、その業種で問われそうな論点も想定しておきます

【実際】
①与件の量は2.5ページ、問題数は5問、解答文字数は520字と、以前の過去問と比較すると標準的な量なので、いつも通りのペースで解く
②「A社は、1950年代に創業された、資本金1,000万円、売上高14億円、従業員数75名(非正規社員を含む)のプラスチック製品メーカーである。」
→製造業なので、技術的難易度や設備投資に絡めて解答する必要があるかも

最初はこの程度の分析で止めておき、さくっと第1問に飛びます。

なお、設問分析中の【スラ打ち】【白フラグ】【黒フラグ】【リンクワード】については各リンク先の説明を参照ください(解説は省略します)。
また、【設問レベルと内外環境】【構成分析】【知識想定】【編集パターン】【難易度想定と得点見積り】も合わせて参照ください。

第1問(配点:20点、解答文字数:100字)

【設問レベルと内外環境】
ここでは明らかに外部環境(スポーツ用品事業の市場特性)を問うているので、設問レベルは「環境分析(環に○)」、該当部分を黄緑の蛍光ペンで塗ります。

【構成分析】
主語がA社ではないので、「A×(バツ)」と書き、解答の際にはA社以外の業界全体のことも述べるよう注意喚起します。

【知識想定】
「市場特性」という言葉から、参入障壁の高さ(低いと競合が多い→競争激しい→低収益)、技術的難易度(付加価値高められる製品開発は可能か)、ニーズの動向等が考えられ、思いついたことをとりあえずメモしておきます。ここでのメモは後で自分の思考を整理するのに活用しますが、必ずしもすべてを解答に盛り込む必要はありません(逆にここでメモしなかったことを解答に使うこともあります)

【編集パターン】
解答文字数は100文字とある程度余裕があるので、「特性は、①、②、③、~である。」というような、因果を列挙する方法を採用すれば、多面的に切口を展開でき出題者の意図に合致する可能性を高められるため有効です。

【難易度想定と得点見積り】
過去問の傾向からしても、解答すべき内容は与件内に多く記述されているはずなので、難易度は「中」、目標得点は16点としました。ただし、与件内に多く散らばっている内容をうまくまとめあげる編集能力は必要です。

第2問(配点:20点、解答文字数:120字)

【設問レベルと内外環境】
「関連会社を設立する」という、高度な経営判断について問われているので、設問レベルは「戦略レベル(戦に○)」です。

【構成分析】
「その理由」の「その」という指示語が示しているものは、「当初」と「その後」、「社内」と「関連会社」、「新しい分野(と時間の経過によって一般的になってしまった成形事業?)」等が考えられます。このように、指示語が示している可能性のある言葉や対比すべき部分には黒フラグやナンバリングを行い、出題者の意図を漏らさないようにします。

【知識想定】
コスト削減、意思決定迅速化、経営資源集中等の、経営上のメリットになるものを想定します
また、分社化したのは第1問で問われた外部環境のことも関係するかもしれません。

【編集パターン】
「理由は、①、②、③、~である。」というような、因果を列挙する方法が有効です。

【難易度想定と得点見積り】
問われているのは過去の話であるので、与件中には分社化するまでの歴史的展開やその結果が述べられている可能性が高いと考えられます。それらがヒントになりそうなこと、また知識想定もある程度できたため、比較的取り組みやすく難易度は「中」、目標得点は16点としました。

第3問(配点:20点、解答文字数:100字)

【設問レベルと内外環境】
「今後の経営への課題」ですから、当然「戦略レベル」であり、該当部分をピンク色で塗っておきます。

【構成分析】
第2問と違い「今後」の話であり時制が変化しているので、第2問と第3問の間に「過去ライン」を引いて注意喚起します。

【知識想定】
「売上が60%」というのを「高い」と捉えれば、一事業に売上高が集中することによるよる経営不安定化、が考えられます。また、「低い」と捉えれば、まだ伸びしろがあり経営資源をもっと投入し強化していく必要がある、という方向性もありえます。さらに「企業グループ」としていることから、第2問の分社化の話とも関連しているのかもしれません。

【編集パターン】
「課題は、①、②、③、~の可能性がある。」というような、因果を列挙する方法が有効です。ただ、複数の懸念事項をまとめ上げ「1つの課題」と抽象化することも考えられ、その場合は因果のみ(複数列挙せず、一本の因果関係)で編集する方法(例えば、「課題は~等という…の可能性がある。」等の編集パターン)もあります。
ちなみに、出題者が求めていることがよくわからないという理由から解答では複数列挙を行い、そのうちの1つ2つの部分点を狙っていくという考え方もあります。

【難易度想定と得点見積り】
「将来の可能性」のことを問われており、与件に記述はあまりないと思われること、「売上が60%」であることと経営への影響度合は様々な方向性が考えられ、出題者の意図を捉えにくいため難易度は「やや高」、目標得点は10点はとしました。

第4問(配点:20点、解答文字数:100字)

【設問レベルと内外環境】
「賃金制度」と人事のことを問うているので、「オペレーションレベル(オに○)」としました。

【構成分析】
特になし。

【知識想定】
「企業グループ」で「成果主義」を「あえて導入していない」ことから、成果主義のデメリットを避けるためかもしれません。成果主義のデメリット面を人事面の切口、例えば採用、配置、能力開発、評価、報酬、モラール等から述べる必要がありそうです。

【編集パターン】
「理由は、①、②、③、~である。」というような、因果を列挙する方法が有効です。知識想定では切口を列挙できましたので、そこからいくつかを選び記述することができそうです。

【難易度想定と得点見積り】
ただし設問文がたった2行しかなく、しかも問うていることが抽象的な内容の為、出題者の意図を外す可能性も考慮して難易度は「やや高」、目標得点は10点としました。

第5問(配点:20点、解答文字数:100字)

【設問レベルと内外環境】
「サービス事業拡大の留意点」を「組織文化」「人材育成」の観点から述べるので、組織や人事等の「オペレーションレベル」を主軸としながらも、経営への効果等の「戦略レベル」のことも意識する必要がありそうです。

【構成分析】
「XだけでなくYも」という呼応の副詞を使った文章構成から、「製造・販売」と「サービス事業」を対比します。

【知識想定】
オペレーションレベルでは、組織という切口から、リーダーシップ、権限委譲、コミュニケーション等が考えられます。
戦略レベルでは、今までやっていなかったことをやるので、チャレンジ精神や事業円滑化等を想定しました。また、事業分野ごとの関連性ではシナジー等の発揮も述べられそうですが、そうすると第3問との関連性も気になります。

【編集パターン】
「留意点は、①、②、③、~である。」というような、因果を列挙する方法が有効です。また、オペレーションレベルだけでなく戦略レベルのことも述べる場合、それぞれが解答に占める量(=ボリュームバランス)も見積もっておく必要があります。本問で問われていることの主軸はオペレーションレベルなので、オペレーションレベル:戦略レベル=4:1程度の解答分量にしておきましょう。

【難易度想定と得点見積り】
過去問では最終問題は難しいのが一般的であること、オペレーションレベルと戦略レベルの両方の観点を盛り込む場合は編集が大変になること等を考慮し、難易度は「高」、目標得点は8点としました。

取組順序と時間配分
どうも設問間の関連性が順に繋がっているように思えるので(かつ時制も過去から将来へ流れている)、取組順序は第1問から順番に解答します。
また詳細分析と記述の時間配分は、全体的に解答文字数、難易度ともに標準的(例年通り)と判断した為、各10分ずつとしました。
目標得点も16+16+10+10+8=60点と、今の段階では合格点に達しているので問題なさそうです。

本日はここまで、それではみなさん良い一週間を!

細川でした。

※2016年6月8日:一部加筆修正しました。

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