オイラ式【その4】~2次試験で問われていることは何か~

皆様、おはようございます。池袋ではいつもつけ麺、細川です。
ここ関東は今週に入って温かくなりやっと春らしくなってきましたが、1次試験まで残り推定140日、2次試験まで残り推定217日となった今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。

私自身はnoriさんと同じく、怒涛の15日間実務補習が今週月曜日にやっと終了し、しばしの余韻に浸っている次第です。正直キツかったですが、そこから試験対策(特に2次試験)に役立ちそうな気づきも得られましたので、今回は前回までの話も受けた上で、2次試験の過去問の構造についてお話ししたいと思います。

1.診断・助言活動と2次試験の比較

実務補習を含めて、中小企業診断士が診断・助言活動でやることの主な要素は簡単にまとめると、次のようになります。
①社長への診断・助言希望項目のヒアリング
②内外環境調査
③診断
④経営戦略やオペレーション等の助言

これらを2次試験の構造に当てはめてみると、
①=設問(出題者が解答してほしいことが提示されている)
②=与件(試験時間の制約上、予め出題者に環境調査をしてもらっている)
③=分析(②と自分が持っている1次試験の知識を活用し、論理的に行う)
④=解答(出題者に解答する)
と、とてもよく似ていることが分かります。そもそも診断士になるための試験なのですから当たり前の話なのですが、実際の活動は、①~③の順序は前後する上、常に仮説の構築・検証・修正を繰り返す必要がある等、ペーパーテストとは違う苦労もありちょっと痩せました(><)。

これらの中で特に重要なのが、①の「診断・助言の希望事項のヒアリング」=設問です。なぜなら、ここでちゃんと社長=出題者の意図を汲み取れていないと、その他の作業がどんなに素晴らしくても社長=出題者の希望に沿った診断・助言内容=解答にならず、無駄=低得点になってしまうからです。
このことから、問題を開いて真っ先に手を付けるべきものは「設問」となるのです。

2.設問のレベル

次に、設問のレベルについて過去問の傾向から分析してみると、次の4つの段階で問われることが分かります。
①内外環境分析…SWOT、5フォースモデル、3C、VRIO等の活用による分析・診断
②経営方針…目標売上高・利益・シェアの提示
③経営戦略…ドメインと資源配分の決定
④機能戦略(オペレーション)…人事組織、販売・マーケティング、生産・技術、財務での具体的な対応策

過去問では、例えば、平成27年事例Ⅰの場合でしたら、
第1問…「スポーツ用品事業の市場特性」=(内外)環境分析
第2問…「関連会社を設立し事業移管した理由」=(経営)戦略
第3問…「プラスチック製容器製造事業が(略)今後の経営に与えうる課題」=(経営)戦略
第4問…「成果主義賃金制度を導入しない理由」=オペレーション
第5問…「サービス事業を拡大させていくうえでの組織文化の変革や人材育成の留意点」=オペレーション
が、設問のレベルとなり、それぞれに期待される解答例は、
第1問…「需要変動の大きさ、競争環境の程度等」
第2問…「本社の事業継続、経営資源の集中、経営体制の在り方、販路開拓の方向性等」
第3問…「製造技術の陳腐化、設備投資の負担、経営リスクの高さ等」
第4問…「協働意識への配慮、人的資源への先行投資等」
第5問…「意思疎通の円滑化、知識の形式知化等」
となります。
このように設問を読む際や解答を作る際は、設問のレベルはどの段階かを問う視点を持っているだけでも、出題者の意図を大外しする可能性を低減でき、記述内容の過度な重複(内容の希薄化)や抜けを避けられます。

3.ちょっとは読もうよ2次試験

とは言いつつも、現在、受験生の皆さんの中には、「1次対策で手がいっぱい」、「2次対策の勉強をする時間がない」という方がいらっしゃるかもしれません。しかし、特にストレート合格狙いの方は、1次試験終了から2次試験までたった76日しかないことを考えると、今からでも何かしら手を付けておき、1次試験後の円滑なスタートダッシュが切れるよう、下地を整えておく必要があります。
そこで細切れ時間でもできる2次対策として、「過去問のざっくり読み」をお勧めします。

「え、でもそれだけじゃつまんないし…」というそこの方!
お待たせしました!それでは本日の目玉商品、土曜の朝から早起きして道場ブログを読んでくれている真面目な皆さんにプレゼントです。
過去問のデータベースを提供します!
ダウンロードはこちらから(DL PASSは「ippatsu」です。)。
これは、(平成27年分を除いて)私が受験生時代に過去問を研究・暗記する為に作成しました。
特にExcelの「過去問DB」は、
①センテンスと設問毎に切り分けることにより、それぞれのつながりや不自然さ等が分かりやすくなる。
②ブックの検索機能の活用で、同じ単語や表現を一括検索できる。
という特徴がありますので、ガンガン活用して過去問に親しんでください。

その際に意識すべきことは、ただ漫然と読むのではなく、「横串」を意識して読むことです。「横串」、つまり事例の本質については、上記で私が言及していることの他、くれよんさんのこの記事がとても分かりやすいので、是非一読してみてください。ⅠからⅣのすべての事例で共通する事は何か、各事例ごとに共通することは何かを意識しながら読むと、1次試験終了後の2次試験勉強への本格的な復帰が円滑になります。

次回は、今回の話をもうすこし深く掘り下げていきます。

以上、つけ麺、タキメン、僕イケメンの細川でした。

※2016年9月6日:データのアップロード先を変更しました。データは一定期間経過後、自動的に削除されますのでお早めにDL願います。再々UPの予定はありませんので、なくなり次第終了ですよ~。

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オイラ式【その4】~2次試験で問われていることは何か~”へ9件のコメント

  1. 匿名 より:

    大変、助かります。
    膨大なデータ、本当に感謝しております。
    ありがとうございました。

  2. 細川泰志 より:

    kazuum様
    お待たせしております。
    データのアップロードが完了しましたのでお知らせします。
    次のURLを参照ください。
    http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org821570.zip.html
    DLPassは上記のものと同じです。

  3. kazuum より:

    細川様

    しばらくおいてから数度試したのですが、やはり、DL、うまくいきません。
    ご対応をお願いします。よろしくお願いします。

  4. 細川泰志 より:

    kazuum様
    ご指摘有難うございます。
    おそらく使用している外部のアップローダーが、メンテナンスか何かでサーバーを落としていることが原因と思われます。しばらくお待ちいただいてから、再度試してみてください。
    回復の見込みが無さそうでしたら、改めて他のアップローダーにUPいたします。

  5. kazuum より:

    上記文中のクリックからでは、過去問DBのDLができませんでした。
    是非、DLしたいのでURLを教えてください。

  6. 細川泰志 より:

    まさし様
    コメントありがとうございます。
    「問題文をざっくり概要把握する力」は、読み取りの精度を高めるだけでなく、精度の高い分析をしつつ、要素の詰まった解答を記述する時間をより稼ぐことにも役立ちますので、今のうちから鍛えていきたいですね。
    1次からのリベンジということですが、一度でも1次を突破されているならおそれることはありません。普通に勉強していれば、必ず2次には進めます。そして来年はまさし様が受験生を励ます側に立つことが出来るよう、我々も全力で応援していきますので、これからも一発合格道場をどうぞ宜しくお願いします。

  7. まさし より:

    過去問DBのご提供ありがとうございます。
    知り合いの診断士の方からも、二次の問題のざっくり読み及び、ざっくり概要把握を薦められていましたので、活用させていただきます。
    まずは一次のリベンジからですが、二次のことも見据え、努力を致します。
    これからもよろしくお願いいたします。

  8. 細川泰志 より:

    Skywalkerさん、いつも道場ブログをご覧頂きありがとうございます。私の記事に初めてコメントをいただけて、また学習のお役に立てることができとてもうれしいです。
    DBは全て手打ちでシコシコ作ってきました。喜んでいただいて、苦労して作った甲斐があります。
    これからの投稿記事でもDBの話は時々触れるつもりなので、少しずつで構いませんので慣れていただければ幸いです。
    その他、お気づきの点がありましたら何なりとお申し付けください。
    これからも一発合格道場の応援よろしくお願い致します。

  9. Skywalker より:

    過去問DB、ありがとうございました。
    今朝ダウンロードさせていただきました。
    ExcelのDBは凄すぎます。
    大変便利に利活用できそうです。
    通勤時間や細切れ時間にざっくり読み始めます。
    ありがとうございました。

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