財務・会計のすゝめ 【その1】 ~ CVP分析と営業レバレッジ vol.1 ~

春の暖かさが感じられた連休から一転、冬の寒さに逆戻り・・・
そんな寒暖差がみられる頃ですが、徐々に東京でも桜の開花が見られ、今週末から来週にかけて、お花見を企画されてる方も多いのではないでしょうか?
まだ桜満開には時間がかかりそうですが、道場ブログをご覧頂いている受験生の皆さまは、年末に“合格の桜”を咲かせてくださいね

こんにちは、フェイマオです

先日、道場ブログを書くネタに悩んでいたところ、当7代目リーダーこばより『そろそろ受験生のためになる記事を書いて頂かないと・・・』という指令を頂きましたので、フェイマオ流『財務・会計のすゝめ』と題しまして、シリーズにてお送りさせて頂きます


と、いう事で記念すべき(?)第1回目は、1次試験はもとより2次試験でも頻出の『CVP分析』について、簡単にご説明させて頂きます。

まずおさらいを兼ねて基本的なところから、おさらいしてみましょう

【問1】CVP分析(損益分岐点分析)のC-V-P とは?

【解】
C(Cost)    費用(コスト)
V(Volume)操業度営業量・販売量など
P(Profit)    利益

【問2】CVP分析を行う目的は?

【解】 管理会計上で、『利益計画』を検討・分析するため

※CVPで考える利益とは、『目標利益を達成するために、売上高をどれだけ確保すればいいか?または、原価をどれだけ抑える事が出来るか?』という考え方になりますが、ここら辺は深く考えなくて大丈夫です・・・

さて、昨年27年度の2次試験でも出題された頻出のCVP分析ですが、利益計画を検討するために費用を分解するところからスタートします。

費用分解

注)上記図では“経常利益ベース”にて費用分解を行っている


ここで費用分解の方法として上記以外にも幾つかありますが(最小二乗法など)、診断士試験では上記に記載した①勘定科目法 ② 高低点法 を覚えておけば十分です


さて、このCVP分析・・・。
公式がいくつか出てきますが、皆さんはどのようにして覚えてますか?
財務会計が苦手な方の場合は、“公式の丸暗記”に走りがちですが、これは正直おすすめしません

理由は、

①1次試験は範囲が広く暗記する量も膨大なため、財務や経済は出来るだけ理解に努め、暗記する量を少なくする
②試験本番の緊張を強いられる場面で、公式が思い出せない場合パニックになる
③少しひねられた問題が出た場合に太刀打ちできない

からです。

では、具体的にどのようにして理解したらいいかをCVP分析でお馴染みの図(利益図表)を用いてご説明致します。

利益図表
上の図では、縦軸が“費用+利益”と記載しておりますが、これは“売上高―費用=利益”より等式変形し、“売上高=費用+利益”となるためです。従ってこの図で示す売上高の線は、マクロ経済で学んだ45度線と同じく、傾き45度の直線になります。

利益図表では、売上高を示す曲線と総費用曲線の交点が、損益分岐点(BEP:break-even point)となり、BEPの左側だと損失が、右側では利益(図表の赤矢印)が生じます。
ご覧頂いてお分かりのように、BEPは利益がゼロです。


 

※ここでもう少しつっこんで話をさせて頂きますと、損益分岐点売上高とは『限界利益で固定費を賄う点』です。
上の図では、少しわかりずらいのでちょっと、上の図を変えてみます。

利益図表②

上の図では、変動費と固定費の位置を取り換えてます。
この図で表されている、“赤い点線の矢印”が表しているものがなんだかお分かりですか?

そう、この矢印は限界利益です。図を見てお分かりいただけるように、
・EFでは、限界利益が固定費を賄えていない
・CDでは、限界利益が固定費をギリギリ賄えている=利益0
・ABでは、限界利益が固定費を賄えている
と、いう事が一目瞭然です。

こうして図でみると、損益分岐点売上高の意味するところがお分かりいただけるかと思います


 

さて、ではこの図から今度は“損益分岐点売上高”を求める公式を下記に導出します。
S‐BEP公式導出

公式を覚えるのが苦手な方は、まずは上の式(導出方法)を理解して頂きたいと思います。
この考え方をベースに応用が利かせられます。

たとえば・・・

【問】損益分岐点売上高を達成する時の、販売量はいくつか?

なんて、問題が出てきたときにパッと式が思い出せないですよね?
※少なくとも、私フェイマオは覚えてもいなかったので、直ぐには出てきませんでした。

そこで、上の式を活用して以下のように導きます

S-BEP公式導出②

※上の式では『単位当たり限界利益が何単位あれば固定費をカバーできるか』を表しています。

このように、ベースとなる公式だけを覚えて、式の導出方法を理解しておけば、あとはその場で応用が利きます

財務会計は出来るだけ暗記を少なく、理解に努めて頂いた方が2次試験でも応用が利きます。
次回は、このCVP分析の利益図表を使って『安全余裕率』や『営業レバレッジ』のお話をさせて頂きます

To be continued・・・

 

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