【合格体験記】当然の帰結 ~カラさん~

 

こんにちは、Xレイです。
今日は、合格体験記のご紹介。

平成27年度にストレート合格された カラさん よりご寄稿いただきました。どうぞご覧下さい。

 

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Ⅰ 中小企業診断士に挑戦した理由・きっかけ

・所属している会社ではITコンサルを職務としているため、経営に対する知識を充実させ、コンサル品質とクライアントへの提供価値を向上させたい。

・いつか訪れる老後の生活の糧を得たい。

 

Ⅱ 保有資格と得意科目・不得意科目

【保有資格】 日商簿記2級 基本情報技術者 応用情報技術者

【得意科目】 1次:情報、中小  2次:事例Ⅱ、事例Ⅲ

【不得意科目】1次:経済、法務  2次:事例Ⅰ、事例Ⅳ

 

Ⅲ 合格までの受験回数、学習時間

【受験回数】 1次:1回 2次:1回

  • 1次 合計509
    (経済80、財務76、経営70、運営75、法務68、情報64、中小76)
  • 2次 予備校フィードバック
    LEC(CBAB),KEC(BABB),SLA(AAAA)
    マンガde診断士(AAAA)

【学習時間】 1次:約1,100時間  2次:約400時間

  • 長い通勤時間(往復約2時間)を有効活用した。
    また、朝は早めに出勤し、会社近くの喫茶店で問題を解くことをルーチン化した。

 

Ⅳ 学習方法

1次試験

会社の教育制度で補助を受けられるTAC通信教育(テキスト、問題集、養成答練の配布のみ)を受講。

<STEP1:基礎力養成> 10月~4月

養成答練80点を目標に、各科目1ヶ月間で以下を行った

  • 通勤電車でひたすらテキスト通読を繰り返す。理解できない部分があっても止まらずに、とにかく通読。
  • デスクに向かえる時間は、スピ問⇒トレーニングの順でひたすら繰り返す。追加で理解・記憶が必要な事項は、テキストに書きこむ。

なお、経済に関しては基礎知識皆無だったため、石川のマクロ・ミクロ経済を購入してyoutube講義で理解を深めた上で、TACテキスト通読&問題演習に入った。

<STEP2:実践力養成> 5月~8月

下記の方法で1か月間複数科目を回した。この時期はとにかく過去問を重視し、本試験の対応力を高めることが重要。

  • デスクに向かえる時間は、論点別・重要度別過去問完全マスターをひたすら解く(3回転)。間違った箇所は、テキストに書きこむ。
  • 通勤電車では、書きこみ含めてテキストをひたすら通読。
    (STEP1~2で、各科目確実に10回以上は通読した)

 

2次試験

<STEP1:1次並行> 1月~5月

1月からMMCの通信講座を受講し、1次と並行して学習。この時点で、2次の過去問には一切手をつけられず。また、財務に関しては2次レベルの問題は深追いせず、効率性を重視して基本論点のみを学習。

<STEP2:2次専念> 8月~10月

1次自己採点後、2次モードに切り替え。

  • 過去問を解き、その過程で解答プロセスの微修正を繰り返す。並行して、メリ・デメやキーワードの整理も行った。また事例Ⅳ対策として、TACの通販で事例Ⅳ計算問題集を購入し、ひたすら解いた。
  • 通勤電車では、全知識で1次知識の確認や過去問の与件文・解答解説を読んだ。

過去問学習でのポイントは、できる限り多くの模範解答例(ふぞろい含む)を集めること。理由は、受験校の過去問解答の中にはリスクの高い解答もあり、それのみを絶対解と信じると合格が遠のくリスクがあるため。私は、過去問を解いた後は複数(3~5つ)の解答例を比較し、自分で考えるベスト解答に基づき自己採点まで行った。

 

Ⅴ 受験時のエピソード

【1次試験】

  • 本試験はなぜか全く緊張せず、リラックスして受験。見直し時間が長くなると一度マークした解答を修正したくなることがあり、結果修正前解答が正解だったというようなことがあった(模試で実証済み)ので、それを回避するために経営、運営、情報、中小の4科目は、通しで1~2回見直しして途中退出した。

【2次試験】

  • 会場(@早稲田大学)の机が狭く、また机の傾斜でペンが転がり、非常にストレスだった。
  • 本番でのメンタルコントロールは極めて重要

    ①終わった科目の事は考えない
    ②びっくり問題が来たら笑う
    の2点を心掛けた。

    ①に関しては、手応えのなかった事例Ⅰ後も「次の事例で挽回しよう」などという心理にはならず、②に関しては、事例Ⅱで商店街がでても「ビックリ問題、きたぁ!!」と心の中で思い、ニヤリとしながら淡々と解いた。

  • 事例Ⅳでは、得意のCVPでまさかの手を焼く事態となり、残り10分の時点で第3問(CFとNPV)が丸々残っている状況だった。
    その時、「もう頭が疲れたから解いた問題の見直しでもしよう」という悪魔の自分が囁いたが、「本試験なのだから最後までやり切れ!」という天使の自分が最後は勝ち、無我夢中で試験終了の合図まで解ききったところ、受験校解答例と同一の計算結果となった。
    ダメもとでも、最後まで諦めずにトライしてみるものだと思った。

 

Ⅵ これから合格を目指す方へのアドバイス

【1次試験】

  • 個人の状況(仕事・家族等)にもよるが、1次はやはり7科目を一気に取りに行く方が間違いなく受かり易いと思う。
    理由は、1次は毎年科目によって難易度の上下が激しい試験特性により、受験科目が少ないほど不合格リスクが高まるため。
  • ストレート合格を本気で狙うのであれば、1次試験を420点で突破するという目標では厳しい。
    2次では1次知識の正確な理解と活用が求められるため、強固な1次知識を身に付け、本試験500点オーバー獲得を目標とする方がベター。

【2次試験】

  • 年々難易度が上昇しているので、「読む」「考える」「書く」の基本プロセスを、初見問題を前にいかに高速で行えるかが重要になってきている。小手先テクニックは通用しにくくなってきている
  • 模試の結果と本試験の結果に因果関係は全くなし。特にキーワード採点を行っている大手受験校の模試は、本試験と似て非なる物。
    本試験ではキーワード採点は行っていない(と思う)ので、間違っても「キーワードをひたすら詰め込みまくって列挙したが、日本語としては意味不明」な答案を書くスタイルだけは身につけてはいけない。

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いかがでしたでしょうか。

私は今後
「どうしたらストレート合格できるの?」
というような質問を受けた場合
「まずは、こちらをじっくりと読んでみて」
と今日ご紹介したカラさんの体験記勧めます。
ストレート合格という観点から、学習時間、学習方法、スケジュール等々理想的と思うからです。また、この試験に対する考え方もすべて同意します。

以下、私見ですがいくつか。

まずは、学習時間。
1次対策に1100時間、その知識をもって2次対策でさらに400時間。
簿記2級取得のITコンサルタントの方が。
結局はここだと思います。
合格に必要な膨大な知識を理解、記憶、さらには思考力等も鍛えなければいけない。
余程のアドバンテージがあるなら別ですが、かなりの学習をしなければ。
1時間で理解できなければ、もう1時間考える。
それでもダメなら、ひとまず丸暗記。
そのままではいけないから、後日もう1時間考え直してみる。
時にはそんな努力も必要でしょう。

その学習量から1次試験は500点越え。
『1次試験は500点を目標に』
筆者カラさんは『強固な1次知識が必要 』と指摘。
全くその通りだと思います。
私からはもう一つ。
1次試験で500点取れる実力があれば、2次試験で上位20%に入れるはずだと自覚できる。
すると2次対策、さらには 『メンタルコントロールが重要』な本番でも、躊躇せず自信を持って臨める。
「皆ができそうな問題は確実に」
「皆が難しいような問題は仕方ない」
とか言いますけども、2次試験でその判断ができますか?
上の自覚があれば、自分が解らない問題は多分8割以上の受験生も解らないはずだと判断できる。
それは間違っているかもしれないけれど、無駄に時間を使うことは無い。
そこも大きいと思っています。

2次試験対策。
過去問学習で「自分の考えるベスト答案」を複数の模範解答を参考にしっかり考えたとのこと。これが理想と思います。
ゴールさえ解ればそこに到達する手段を考え出せる。
ならばご存知、正答が公表されない2次試験において、ゴールつまり目指す答案をいかに設定するかが重要。よって、まずはそこに注力をする。
解答プロセスは、まずは型を決め、過去問演習を通じて微修正を繰り返し確立していく。
その折「何がダメだったのか」と失敗ばかりに目を向けるのではなく、成功したときのプロセスを検証し、その主因子を見極める。

基礎力を固めた上で1次試験前3ヶ月は過去問重視
本格2次対策(過去問学習)は1次試験後
2次解答はキーワードより方向性

とまだまだありますが、参考にされてはいかがでしょうか。

 

体験記のご寄稿、本当にありがとうございました。
大変参考になりました。

今後のご活躍を心より期待しております。

 

 

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