【合格体験記】オイラ式合格体験記 ~細川泰志さん~

なごです。

試験に合格された皆さん、おめでとうございます。本日は、大変な紆余曲折を経て、診断士合格を勝ち得た細川泰志さんの合格体験記をご覧いただきます。私の私見は後述しますが、合格に必要なエッセンス、本質を突く言葉が随所に表れており、大変興味深い体験記になっています。ではどうぞ。

 

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はじめに
一発合格道場のみなさんの推薦で合格体験記を書くことになりました、細川泰志と申します。私が勉強を始めてから合格するまでのことを、つれづれなるままに書き認めたいと思います。また、私の経験が受験生のみなさんの励みになれば幸いです。それでは少し長いですが、最後までお付き合いください。
自己紹介
昭和57年、岐阜県生まれ。大学卒業後は化学品の専門商社に入社し、現在は管理部門で主に顧客の与信管理を行っています。中小企業診断士の勉強期間は、(初期の頃に、それほど力を入れて勉強していなかった時期を含めれば)6年になります。平成27年にようやく2次試験に合格した、「一発」合格道場では落ちこぼれに含まれる人間?です。
試験を受けようとした動機
勉強を始めたきっかけは、管理部門に異動してから、「何か仕事で役に立てられる資格はないか」と本屋で立ち読みしていた時に、たまたま手にした本(タイトル忘れました…汗)を読んだことでした。そう、与信管理のうちの重要な業務である「取引先企業の評価」には、この資格を通して学ぶ知識が活用できると考えたから、です。難関試験であることは合格率からわかりましたが、「まあ、頑張れば何とかなるっしょ!」という軽い気持ちで勉強を始めちゃいました。合格まで、よもやここまで長期に及ぶとはつゆ知らず…。
先ずは形から(軟派編)
手始めに本屋でTACのスピードテキストと問題集を何冊か買い、勉強を始めました。と言っても最初の頃は勉強にあまり身が入っておらず、通勤時間や空いた時間にちょろちょろやって自己満足する程度。そんな有様ですから、1次試験の第1日目は遅刻する体たらく…。当然結果は推して知るべし。たまたまラッキーなことに、経営情報システムのみ科目合格と相成りました。
先ずは形から(硬派編)
「こりゃあかん。」試験結果がズタボロだったのが良い薬となったのか、「俺、覚醒する」。本格的に勉強を始める覚悟を決めました。そこでまず、大学生時代から住んでいた築40年の手狭なオンボロアパートから、築数年で広く快適な文明的アパートに引っ越しました。物が多くごちゃごちゃしていたので、勉強に必要な教科書等を置いておくには不便だったのと、一種の決意表明でした。ええ、変な方向に行動しましたとも。みなさんは決して真似しないように。
TACへの入学
とりあえず、「勉強する環境が悪い」という言い訳を一つ潰し、次は「勉強する習慣がない」という言い訳を潰すため、予備校に通うことに決めました。1次試験ならともかく、2次試験の筆記は独学で何とかなるとはとても思えなかったからでもあります。結局、数ある受験機関でTAC(池袋校土曜日コース)に決めたのは、TACのスピードテキストが優れていたこと、通勤経路の途中にあり、平日夜に立ち寄り自習室(本科生は無料!)で勉強するには便利であったためでした。
新たな日常始まる
大枚を叩いて入学したからには、元を取らなければなりません。というわけで、大学受験以来のまとも人間がこの世に再び誕生しました。私の仕事は幸いにもほとんど残業がありませんでしたので、夕方6時過ぎから夜10時前くらいまでTACの自習室に入り浸っていました。また、そのあとはTACや自宅の近くの喫茶店やファーストフード店で、終電ぐらいまで勉強していました。土休日は、授業がある日は開始2時間くらい前に教室に行き、予習・復習を行いました。授業の終了後は平日とほぼ同じような過ごし方をし、後述の勉強会に入った後は勉強会の活動に参加していました。俺ってまじめ!
勉強会との出会い
入学するまでは知らなかったのですが、TAC池袋校の中小企業診断士コースでは自主的な勉強会が盛んに行われています(池袋以外ですと、新宿校、渋谷校、横浜校でしょうか)。勉強会では勉強時間のノルマややるべき課題等がありましたが、みんなで一緒にやることでモチベーションの維持向上にもなると考え、参加しました。また、勉強会を通して様々な人と出会えたのも大きな収穫でした。結果的に勉強会への参加は、合格するまで続くことになります。
1次試験の勉強
1次試験の勉強でやっていたことは、①授業前にテキストを読む(予習)、②授業には必ず出席する、③演習の復習を徹底する、の3つでした。特に演習で間違えた問題や、たまたま正解しただけで自信があまりない問題だけを復習しました。また、ノートを作成することはせず、代わりに教科書への書き込みやポストイットの貼り付けを行って、なるべく情報を一元化することに努めました。こうしたことで、勉強の効率が向上し、復習がやりやすくなりました。
2次試験の勉強
2次試験の勉強でやったことは、①演習、②演習の復習(自己学習と勉強会)、③解答プロセスの作成でした。自己学習では復習シートの作成を、勉強会ではお互いの解答プロセスの確認を行いました。また安定した解答を作成する為、講師の先生の教えに従い解答プロセスを固めることに注力しました。この解答プロセスの改善は、合格するまで続けることになります。初年度は1次試験対策に専念する為、ゴールデンウィーク以降は2次試験の勉強はいったん中断することになります。
1次試験(平成23年―本気の1回目)
当日は前回のように遅刻することもなく?会場にたどり着き、試験を受けました。特に事故もなく、試験後の自己採点の結果は(既に科目合格していた経営情報を除いて)すべて60点以上となり、無事2次試験に駒を進めることができました。「俺ってすごい!」と浮かれていましたが、ここからが長かったのです…。
2次試験へむけて
ゴールデンウィーク以来の2次試験の勉強でしたので、8月以降は演習について行くので必死でした。自分は何ができて何ができていないのかもわからない状況の中、解答プロセスに従い問題を解き、そのフィードバックを繰り返しました。
2次試験(平成23年―1回目)
当日は講師の先生の励ましを受けて、試験後の飲み会を楽しみにしながら試験に臨みました。しかし結果はABBD。見ての通り、事例Ⅳ対策が不十分であったのが敗因でした。
2次試験(平成24年―2回目)
翌年はTACの2次本科コースに通いました。また事例Ⅳ対策の為に、より多くの演習をこなしましたが、結果はACCB。事例Ⅳは良くなりましたが、事例Ⅱ、Ⅲが課題として浮かびあがりました
1次試験(平成25年―2回目)
この年は1次試験からスタートでしたが、ぴったり420点得点し、何とか2次試験に進むことができました。1次試験は、一度突破した経験があれば2回目以降はそれほど苦戦しないと聞いていましたが、やはり最低限の勉強は必要です
2次試験(平成25年―3回目)
この年、事例Ⅱではグラフを読み取る問題が出たことで面喰ってしまい、(言い訳ですが)調子を崩してしまいました。結果はABBB。その場対応する能力が不足していることが課題となりました。
1次試験(平成26年―3回目)
1次試験は保険の為、ダメ元でやってみることにしました。結果、企業経営理論、運営管理、中小企業経営政策の科目合格となりました。この判断は、この年の2次試験の結果から見れば正解でした。
2次試験(平成26年―4回目)
4年目になり、いままでの自分のやり方に限界を感じ始めていたので、他校に通ってみることにしました。以前から気になっていたMMCは、幸いにも会社から近く平日夜に行くことができましたので、直前期に通学しました。ここでの収穫は大きく、後述するような様々な気付きを得られることができました。そして満を持して挑んだ2次試験。結果はBABA。得意な事例Ⅰで初めてBを採ってしまったのは少しショックでしたが、それ以上に事例Ⅲの対策が不十分なことを痛感しました。まあ、この年は念願の嫁と新しい住処をGETしたので良しとするか…。
1次試験(平成27年―4回目)
この年は勉強を続けるか迷っていましたが、勉強仲間や先生の後押しもあり続けることにしました。1次試験では、取り洩らした経済、財務会計、経営法務、経営情報を受け、何とか合格し2次試験に進む権利を得ました。前年に科目合格しておいたおかげで、全科目に注力する必要がなかったのは幸いです
2次試験(平成27年―5回目)
再びTACに通い2次試験の勉強を開始しました。今回注力したのは過去問の再答案作成です。もちろん他社の問題演習も行いましたが、それはあくまで解答プロセスの確認と、意外な問題が出題された場合の対応力の強化、そして知識の補完です。この頃になり解答プロセスがほぼ固まった為、どのような問題が出題されても合格答案が作成できる自信がようやくついてきました。そして本番当日、いままで以上の手ごたえを感じ、「今年こそいける!」という確信が持てました。
試験後
試験翌週の水曜日までに再現答案を作成しました。いままでも2次試験後は再現答案を作成していましたが、今回は解答プロセスが固まっていたため、ほぼ完璧な再現答案を作成することができました。再現答案を見た勉強仲間や講師の先生の意見、2次試験分析会の内容からも、合格への確信は深まりました。
試験結果発表当日
そしてドキドキの発表当日。もう5回目ですが、やはりこの瞬間は緊張します。仕事の合間にインターネットで受験番号を探し、自分の受験番号を発見したときは、見間違いではないかと何度も見直しました。
2次試験合格のコツ
この6年間を振り返って2次試験に合格する為に重要だと思われる主な点をまとめると、次の通りです。
①とにかく過去問をやり込む
受験機関がいかに作り込んだ演習問題でも、過去問の質には及びません。本番の試験はやはり難しいのです。それは過去問を何度も解くと、その度に新たな発見があり、前回よりも良い解答が作成できことからもわかります。1、2回、過去問を解くだけ満足せず、何度も解いたことで、試験の傾向をつかむことができました。1に過去問、2に過去問、3、4が無くって5に過去問!
②再答案を作成する
これは最初に作成した解答や、模範解答、他者の解答、教科書等を参照しながらもう一度解答を作り直し、より良いものにする作業です。その過程で、解答欄外に必要な知識や自分の意見等を書いて考えをまとめていくことで、自身の思考の癖をつかみ、修正しやすくなりました。また自分の解答内容を客観視することができる方法でもありました。
③経営者(=作問者)の視点に立った解答を作成する
当たり前のことですが、診断士は経営者の味方であり、助言内容をを実行するのは経営者と従業員です。ですから解答を作成する際には経営者(=作問者)の立場に寄り添い、従業員が実行可能な助言をしなければなりません。独り善がりのプロダクトアウトで上から目線の助言では、たとえその内容に妥当性があっても受け入れてもらえるはずがないのです。よく合格者が言っている、「与件に素直に解答する」というのと同じです。この視点を常に意識して解答を作成するようになってから、内容の質がかなり向上しました。
④事例Ⅳ対策
まわりの受験生の結果を見ても(私の初年度の結果からも)、事例Ⅳは他の受験生と差を付けられる大きなポイントです。特に初学者と経験者では、後者に有利になる科目です。毎日少しずつでも問題を解いて実力を維持向上させることが重要です。「事例Ⅳを制する者が試験を制す」。
⑤解答プロセスの確立
そして安定解答を作成する為に、自分なりの解答プロセスを確立することが重要です。私はPCを使って、知識の蓄積と絶え間ないプロセスの改善を行いました。
これから診断士を目指される皆さんへ
以上が私の合格体験記です。個人的な視点から書きましたので、参考にはならなかった部分や読みづらい点もあったかと思いましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。ただし受験生の皆さんに知っておいてほしいことは、この試験はあきらめずに最後までやりきった人が合格するものであることです。これは私自身や、その他の合格者が証明しています。何度も繰り返しますが、最後まであきらめないことが最も重要です。
最後に
この合格は、この5年間は、私と一緒に勉強してくれた仲間、ご指導を賜った先生方、そしていつも私を支えてくれた妻のおかげです。この場をお借りし厚く御礼申し上げます。そして、これをお読みになった受験生の皆さんの合格を心から祈念すると共に、将来一緒に診断士活動ができる日が来ることを心待ちにしております。

 

 

========(合格体験記はここまで)=========
合格体験記、ありがとうございました。合格に大切なエッセンスが多数含まれていたことはもちろん、私も常々意識しているキーワードが随所にちりばめられており、個人的に大変共感する部分が多い内容でした。

 

特に多年度生にありがちな、「自分の方が正しい!」ではなく、「経営者に寄り添う」スタンスは、2次試験通過に際し、極めて大切な要素になります。そして診断士としてもこれからずっと大切な潜在意識になります。
それ以外にも、情報の一元化や過去問を複数回解くことで学びが深まること、再答案の作成など、大変興味深い内容が多数書かれています。すこし時間はかかったかもしれませんが、今回、合格すべき方が合格されたんだなと、体験記を拝見しながら感じております。本当におめでとうございます。実際の診断士として、これからのご活躍を祈願しております。

 

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