道場基本理論4:ストイック勉強法

こんにちは。ハカセです。

道場の基本理論を改めて紹介する4回シリーズ。

第一回橋げた理論 by JC
→ 各科目の基礎をしっかり固め手を広げない

第二回答練重視論 by ZonE
→ 基礎強化の目安として 答練80点を目指す

第三回アウトプット・スピ問重視論 by ふうじん
→ スピ問・過去問などアウトプットを重視して基礎力強化を図る

第四回ストイック勉強論 by ハカセ <<-- イマココ
→ それらを可能にするには「ストイック」な取組み姿勢が必須

で。最終回は、ストイック学習法 by ハカセ です。

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■ 予習重視・アウトプット重視の能動学習 ■

TACなどの受験校に通っている皆さんは、20-30万円の学費を前払いで負担しているわけです。「学費を払っているんだから合格させてもらわなければ困る」「テキストと講師とカリキュラムがなんとかしてくれる」と思う人もいるかもしれません。

でも、ちょっと待って下さい。診断士試験の1次試験の合格率は20%です。受験指導校の言う通りやっていれば受かるほど甘いものではありません。

では、上位20%に入るにはどうすればいいのか?

それは「どれだけ能動的に取り組めるか」ということにかかっています。
第一回・第二回・第三回の共通キーワードは「受身学習からの脱却」なのです。

時々、一次試験対策で「最適な講師」を求めて各地の校舎を渡り歩く受講生がいます。確かに TACでは「校舎を越えての代替受講」は受講生が持つ歴とした権利です。それは TAC の売りでもあります。でも、一次試験は結局は自分の記憶力・理解力の試験です。「上手に教えてくれる講師」を探し求めている時点で、「教えてもらおう」と受け身の姿勢が出てしまっているのかもしれません。(ただし二次試験は講師との相性がありますが)

この道場で何度も指摘していますが、受験校のテキストはどこも必要十分な情報・範囲をカバーしています。さらに TAC のテキストは講義を受けなくても十分理解できる程、非常に分かりやすい平易なテキストです。苦手科目では教え方の上手な講師を探すのは一案ですが、全体としては、このテキストを理解・暗記するのに講師の良し悪しは本質的な問題ではないだろう、と我々は思うのです。

では、「能動的な学習」とは具体的に何なのか?

それは「予習」と「アウトプット」に尽きます
診断士試験は7科目あり、ただでさえ情報量が多い。その情報のシャワーを漫然と受けているだけで合格出来るほど甘い資格ではありません。自分で課題に挑んでいく姿勢が大事です。
その典型例が「予習」です。初めて勉強する分野を予習するのはとても辛い。でも、そこを何とか頑張って理解することに意味があります。講義直後の復習では、講師の言葉が頭に残っており、「分かった気になる」のですが、本当に自力で理解しているのかどうかは微妙です。
アウトプットも同様です。自分の頭の中にある知識だけでスピード問題集を「自力で」解く。それによって能動学習が可能になり、知識の定着率も向上します。

■ 時間は「出来る」ものではなく「作る」もの ■

メンバーのふうじんから「週あと5時間の時間を捻出してスピ問に取り組もう」という指摘がありました (該当記事はこちら)。ここでのポイントは、「テキスト・講義 以外に自力で頑張る時間を捻出せよ」ということなのです。

もうひと頑張りして学習時間を捻出してください。

こう言うと「仕事が忙しくて出来ない」「もうやっている」という泣きごと必ず聞こえてきます。本当にお忙しい方もいるでしょう。でも、忘れないでください。診断士受験生はほとんどがビジネスパーソンです。忙しくない社会人なんていないのです。みんなそれぞれ忙しい中、時間のやりくりをして、診断士合格に向けて頑張っているのです。

時間は「出来る」ものではなく、「作る」ものです

「時間がない」と言っている方は、本当に「作る」努力をしましたか? 友人から期日指定で映画に誘われたらどうしますか? 映画が魅力的で予定が空いていれば行くかもしれませんね。でも予定が空いていなかったら残念ながら断るでしょう。でも、憧れの女性から映画に誘われたらどうでしょう。その日はなんとしてでも「時間を作る」よう努力するでしょう。

学習時間を確保するために朝早起きしてみましたか? 例えばラッシュ時間帯を避けて空いている電車に乗れば、通勤時間を勉強に充てられるかもしれません。テレビを見る時間を削りましたか? ネットの時間を無駄に過ごしていませんか? 仕事の効率向上を図って少しでも早く終業するような工夫してみましたか? 飲み会にメリハリをつける努力をしてみましたか? ボーっとする至福の時間を少しだけ減らしてみようと思いましたか? 夜、あなたが睡魔に負けて寝るとき、どこかでライバルは目をこすりながら勉強しているかもしれません。どこまでストイックに時間を創出しましたか?

必ずしも「時間を作る」ことだけが解決策ではありません。「学習効率の向上」を図れば時間創出と同じ効果が得られます。ただ漫然とテキストを眺めて時間がたっていませんか? 得意な科目ばかりをやって、苦手な科目(例えば財務会計)は自然と後回しになっていませんか?  スピ問をダラダラと時間をかけてやっていませんか? 正答率目標を立ててスピ問を解いていますか? どこまでストイックに効率向上を図りましたか?

■ 払った犠牲の大きさを考える ■

そうやって時間を作り出せば、時間の重要性効率の重要性をヒシヒシと認識することと思います。(もしかしたらそれに気づくことが、究極のコンサルタントマインドかもしれません)また、その過程で「少なからぬ犠牲」を払うこともあると思います。

診断士受験生の大半は30-40代です。家庭をお持ちの方は、家族に迷惑がかかっているかもしれません。恋人との時間を減らした方もいらっしゃるでしょう。仕事が疎かになって重要な昇進のきっかけを逃した可能性もあります。飲み会を減らして友人との関係が希薄になったかもしれません。合コンに行けずに婚期を逃した方もいるかもしれません。

例えば僕の場合、待望の第一子を授かったタイミングと試験対策の繁忙期が重なりました。ある時、出産準備に気が回らない僕に、妻がさめざめと泣いた時は、本当にヘコみました。心から申し訳ないと思いました。僕も大事なものを犠牲にした一人です。受験生はみな、大なり小なり同様の犠牲を払っていると思います。

無理を強いている周囲への感謝の気持ちと、犠牲にしてしまったものの重みをキチンと認識できれば、中途半端なことはできず、自然とストイックな学習方法になるでしょう。

■ なぜ診断士を目指すことにしたのか? ■

どうしてそこまでして診断士を目指すのでしょう?
皆さんはなぜ診断士を目指すことにしましたか?

・ 自己啓発・自己実現の手段として
・ 経営コンサルタントになりたかった
・ 経営者としての視点を身につけたかった
・ 「ただのSE」から脱皮したかった
・ 「何か」したくて、消去法で

理由は様々だと思います。「合格そのもの」がゴールの人もいれば、「合格して何かをしたい」とその先の夢がある人もいる。どちらでもOKです。でも、共通することは「理由がある」こと、つまり「動機がある」ことです。

診断士になりたい動機が強い人診断士合格への思いが強い人が、上記で紹介したことを「ストイックに」追及できる人が、最後は勝ち残ります。

では、診断士合格への思いを強くするにはどうればいいでしょう?

一つの解決策は「受験仲間を持つこと」です。受験校で隣で受講している人は、確かにライバルです。でも、共通の目標を持つ「同志」でもあるのです。受験校に通学している方は、懇親会があれば積極的に参加して、診断士を目指した動機・勉強方法などを聞いてみましょう。

そもそも、診断士は経営コンサルタントの資格です。診断士を目指す人は、みな「交流好き」です。懇親会があればみんな喜んで参加するでしょう。その中でグループ学習に発展したり、まとめノートを融通し合うなどの副次的効果も期待できます。「さっき飲み会を減らせと言ったじゃないか」というのは詭弁です(笑)。講義のあと毎回飲み会では具合が悪いと思いますが、そこはバランスをとって開催しましょう。

独学の方は、ブログを読んだり書いたりするのが効果的です。ほかの人がどんな勉強をしているのか、答練でどんな成績をとっているのかを知ることは、俄然やる気が向上することでしょう。皆さんご存じの 502教室 では、受験生の交流が盛んです。ブログに熱中し過ぎるのも考えものですから、適度に節度ある程度にしましょう。

■ 最後は「気持ち」が強い人が勝つ ■

診断士合格への思いが十分強くないと、結局、能動学習もしないし、アウトプットにも精が出ず、「講師の教え方が下手だ」と責任転嫁に走るでしょう。必死になって時間も作らないし、多大な犠牲を払ってまで合格しようとは思わないでしょう。

そうなれば、橋げたも出来ないし、アウトプット学習も疎かになるでしょうし、答練でいい成績をとる努力も怠るようになるでしょう。結局、ストイックさに欠けるいうことになります。

診断士合格の強い動機を持つ
払った犠牲を意識する

時間を創出する
時間を効率的に活用する

予習・アウトプット中心の
ストイック学習法が可能になる

こんなこと、言われれば当り前かもしれません。
でも、これが実践できた人が必ず生き残ると我々は信じています。

もちろん、気持ちがあれば合格出来るほど甘くはありません
でも気持ちがないと絶対に合格出来ません

人には得手不得手があります。気持ちがあるのに残念ながらなかなか成果が上がらない人もいると思います。その時は目標を少し現実的なところに引き戻しましょう。ふうじん が言うように、診断士試験は一年で受からなければいけないものではありません。科目ごとにコツコツと積み重ねていくことが出来ます。診断士合格への強い思いを「短期集中」から「長期戦」へと発想転換しましょう。苦手な科目はよい講師、よい参考書を見つけるのも手です。

気を付けて頂きたいのは「ストイック」と「マニアック」は違います。「マニアックに」打ち込むことなく、「ストイックに」取り組んでください。
そのストイックさが、きっと次の扉を開きます

最後に、診断士試験の勉強をしている間、僕が座右の銘にしていた言葉を贈ります。

終わってから、

なんでもっと頑張れなかったのかと思うレースはしたくなかったし

今回はそう思っていないし

初めて自分で自分をほめたいと思います

(有森裕子 in アトランタオリンピック銅メダル)

試験終了時、自分で自分を褒められるように、頑張ってください。

by ハカセ

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道場基本理論4:ストイック勉強法”へ10件のコメント

  1. ハカセ より:

    izu様。昔の記事まで掘り起こしてご覧いただき、ありがとうございます。診断士試験は「ぶら下がり競争」とも言われています。受験生の多くが脂の乗ったビジネスマン。一方で一次試験で7科目と学習の幅が膨大です。仕事に家庭に忙しい中、一念発起で受験を決意したものの不本意ながら撤退していく方も少なくありません。だから来年8月の受験日までの長期予定を立てて学習し「続ける」ことさえできれば、それだけで相対的な地位は上位に浮上します(そこから先は本人次第ですが)。izuさまのおっしゃるとおり、何とか「気持ち」を継続してぶら下がり続けることは大事だと思います。ご健闘をお祈りしております。

  2. izu より:

    はじめまして。
    独学で勉強をはじめました!
    気持ちの継続、大切ですね。
    ガンバリマス!!

  3. ハカセ より:

    >ごもやま様。こちらにもコメントありがとうございます! そうですね、どんなノウハウを知ったとしても、結局は「気持ち」です。気合で合格できる試験ではありませんが、気合がないと合格できません。資格学校や合格体験談のノウハウを上手に活用しつつ、強い気持ちを持ち続けて、知識や問題に能動的にアタックしていってください。応援しております!

  4. ごもやま より:

    とっても元気になりました!
    強い気持ち、
    時間をつくって、
    予習とアウトプット中心・・・。
    もっと能動的になることで
    成績を上げていきます!

  5. ハカセ より:

    ばんちょう様、コメントありがとうございます! 「やる気スイッチ」を「オン!」することは、道場の目標の一つです。セミナーや記事を通して少しでも皆様のスイッチをオンすることが出来たとしたら、こんなに嬉しいことはありません! これからもがんばりますので、ばんちょうさんも是非頑張ってください! また、電池が切れそうになったら、いつでも道場にコメントを残してくださいね!

  6. ばんちょう より:

    先日のセミナーに出席させていただいてから「やる気スイッチ」が常時オン状態に入りました。ハカセさんのこの記事、何度読んでも奮い立たされます。目標に向かって、ここまでストイックに打ち込むのって、大学受験以来で、少し若さを取り戻した気分です。こんな思い(第二の青春?)になれたのも道場との出会いがあったからかな、と最近感じております。ハカセさんはじめ、道場メンバーのみなさんに感謝&今後の活躍を祈念いたします。そして私も負けないよう頑張るぞ!と決意。気持の「橋桁」が揺るがぬように、この先何度も読み返すことになると思います。今後も、道場の志と質の高い活動に期待しています!!!

  7. 8 より:

    素晴らしく参考になります!!

    1. ハカセ より:

      8さま。コメントありがとうございます。今後もご愛読いただければ幸いです!

  8. atsuko より:

    ハカセさんの言葉、
    ひとつひとつが
    私の心に響き、
    忘れかけそうになるものを
    思い出させてくれます。

    ありがとうございます!
    がんばります!!

    1. ハカセ より:

      > atsukoさま。
      少しでも、モチベーション向上につながれば幸いです。引き続き頑張ってください!!!

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