難関国家試験をどう乗り越えるか

こんにちは、牛嶋・寺前・和田法律事務所の弁護士岡崎教行です。
当職の実質的に最後の投稿(以後は、合格体験談などの御紹介になる予定)となります。
最後の締めくくりは、道場6代目の中でも当職にしか書けないことを書きたいと思います。

当職にしか書けないことといえば、やはり労働法務の最前線でしょうか。
でも、それは一発合格道場の読者の方々にはあまり響かないかとも思いますので、
やはり、難関国家試験2つを乗り越えたという経験を踏まえた、
試験に対する姿勢、気持ちなんだろうなと思います。

1 旧司法試験と中小企業診断士試験の共通点
(1)旧司法試験の概要
旧司法試験は、年に1回あり、
5月に択一試験(憲法、民法、刑法各20問を3時間30分)
7月に論文試験(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法各2問を2時間ずつ)
10月に口述試験(憲法、民事系、刑事系を10分程度ずつ)
となっておりました。
そして、合格率は約3%(3万人のうち択一合格が6000人程度、論文合格が1100人程度、口述合格が1000二人程度)でした。
論文試験が一番の山場なのですが、論文試験に落ちると翌年はまた択一試験から始めなければなりません。

(2)中小企業診断士試験の概要
ここであえて触れる必要はないかもしれませんが、
8月に一次試験(7科目)
10月に二次筆記試験(4事例)
12月に二次口述試験
となっていますね。二次筆記試験が一番の山場で、不合格であったとしても翌年だけは一次試験免除となってますね。

(3)共通点
両者の共通点は、択一から始まり、山場の筆記があり、最後に口述という点です。

両方の試験似てますよね?
こういったことからも、当職としては、中小企業診断士試験は比較的スムーズに入れたのかなと思います。

(4)ちなみに
当職は、司法試験は合計4回受けました。
大学3年生のときに1回目を受けて、択一試験不合格
大学4年生のときに2回目を受けて、択一試験合格、論文試験不合格
大学院1年生のときに3回目を受けて、択一試験不合格
大学院2年生のときに4回目を受けて、最終合格
これをみていただければわかると思いますが、3回目の試験で不合格のときには、めっちゃ気持ちが落ち込みました。
なんせ、大学4年生のときに、あと少しで合格だったので、翌年は、岡崎は今年は受かるでしょ~と周りからは言われていたにも関わらず、不合格となってしまったからです。
2 司法試験のときの合格体験記
当職、司法試験に合格した平成13年当時、2カ所に合格体験記を掲載していただきました。
改めて、それを見てみると、こんなことが書かれてました(エール出版社 私の司法試験合格体験記2001年 受験新報2002年1月号)。

・問題演習をひたすら繰り返せ、弱音を吐いたら負けだ!
・問題演習が一番重要だと思います。問題を解いて、解説を読み、基本書にあたって、それから模範答案を読む、使えそうな論証にはチェックをして覚える。これをひたすら繰り返す
・本番でわからない問題が出題されたら、他のみんなはどういう答案を書くのだろう?ということを考えましょう
・答案の量は気にする必要はない
・私のスランプ脱出法は、ズバリ、合格体験記を貪るように読むこと
・答練は絶対に休まないこと
・継続は力なり
・暗記することも重要である。よく、現場思考さえできれば司法試験は受かるといわれるが、それは誤解であると思う。なんら基本的知識のない真っ白な状態から、現場思考とやらで、論文が書けるのであろうか。甚だ疑問である。
・試験本番は絶対に諦めないこと
・一般に受験友達は多いほうがいいと言われているが、私は必ずしもそうは思わない。人間が多数集まると馴れ合いになってしまうおそれがあるからだ。この間、友人が、「知り合いがいっぱいできてしまって困る。みんなで落ちれば怖くないというような雰囲気がある。負のパワーたまりまくり。だから最近ここに来ないんだ」と言っていた。予備校の自習室ではよくある光景だと思うので、みなさん注意しましょう。

これをみていただくと、そして、当職が当ブログで最初に3回で公開した合格体験記とも重ね合わせていただけると、だいたい言っていることが一貫していることが御理解いただけると思う。

3 試験をどう乗り越えるか
中小企業診断士の試験も司法試験も1年に1回だけ。不合格となればまた1年。
試験勉強をしていると、色んなアクシデントが起きます。アクシデントを乗り越えるためにはどうすべきか。

(1)合格への気持ち
合格するということの強い気持ちを持つことが大事だと思います。
当たり前ですけど、これって結構心に負担がかかることです。
当職の場合、司法試験のときは、合格しなかったら将来が見えないという不安感に苛まれていました。
すごく怖かった。自分は将来、どうなってしまうんだろうって。
中小企業診断士のときには、弁護士なんだから受かって当たり前という周りの士業の先生方からの黙示のプレッシャーがあって、
落ちられない!という気持ちでした。合格したいというのとは少し違くて、落ちられないという感じでした。
だから、どんなに時間がなくても、少しだけしか時間がとれなくても継続的に頑張りました。
中小企業診断士の場合、多くの受験生は他に仕事を持っている人だと思います。そうだとすると、落ちても特段問題ないという気持ちになってしまうこともあるように思えるのですが、そこを他の何らかの動機をもって奮い立たせるのが重要かと(モテたいというのでもOKかも(笑)モテるかどうかは別ですよ)。

(2)やっぱり問題演習
司法試験のときも、中小企業診断士のときもそうですが、資格試験全般にあてはまるのは、問題演習の重要性。
テキスト読んで、問題解いて、というのも良いのですが、時間がなければ、先に問題演習やって、それからテキスト読むのでも問題なし。
むしろ、社会人たるもの。仕事に追われ、あまり時間はないと思うので、問題演習先行型が良いのかなと思います。

(3)継続は力なり
司法試験のときからそうなのですが、1日少しだけでもいいので、勉強をするということを心掛けていました。
もちろん、司法試験のときは学生だったので、1日ずっと勉強していました。
診断士試験では、業務多忙につき、平日は殆ど勉強できませんでしたが、
朝に少し、夜にちょびっとだけでも勉強するようにしていました。

(4)合格させてくれるのは友達じゃなくて自分
中小企業診断士の場合、グループワークが有用だというのは理解しているのですが、勘違いをしてはいけないと思います。
合格させてくれるのは他人じゃなくて自分だけだということをしっかりと認識する必要があります。
最後に頼れるのは自分だけ!という意識は持っていたほうが良いかと思います。

(5)今年の不合格をカラダと心で受け止める
当職は、司法試験のときに合格間近と言われながら、3回目に択一試験で落ちてしまいました。
このときは、本当に辛かった。周りからは、岡崎択一落ちたよ~と言われるのが、ほんと情けなくて。
だから、がむしゃらに勉強しました。負けず嫌いだからという性格的なこともありますが、ほんと腹立たしかった。
あの人が受かって、なんで自分が?みたいなことを良く思ってました(笑)
今回の二次筆記試験で不合格だった方々は、あの悔しさを風化させないように意識したほうが良いと思います。
間違いなく、来年の8月頃には、不合格だった今の悔しさは風化しています。
その際に、また頑張れるように、あの悔しさを思い出せるように、何らかのことを考えておいたほうが良いと思います。

4 財務の取り扱いについて(所感)
前々からブログでも言っていますが、当職は、中小企業診断士試験の二次筆記試験は当日の出たとこ勝負の要素が結構あると思っています。
そうなると、事例Ⅳがやはり重点的に大事になるのではないか思っています。
当職がもし不合格であったら、間違いなく、1年間、事例Ⅳに注力していたと思います。
僕だったら、事例Ⅳの問題集を全てやって、イケカコも間違いなくやったと思います。
イケカコは意味がないという意見もあるようですが(和尚がそうだったと思います)、僕は、そうは思いません。
実際やったことがあるわけじゃないけど、注力するということは、試験に関連しそうなものであれば全てやるということと同義だと思っているからです。
もしかしたら、イケカコに似た問題が出るかもしれない、それならばやるべき。
今後、イケカコの必要性の有無について、和尚とも議論をしてみたいと思います(笑)

5 最後に
当職はこの1年弱、色々とご批判もうけながらも、当職が思っていることを正直に書き連ねてきました。
なぜなら、中小企業診断士試験は難関国家試験だから。
難関国家試験に簡単に受かるなんてことはなくて、みんな、いろんな犠牲を払った上で合格をもぎとっているんだと思っているからです。
だから、甘いことなんかは書けない。
合格は降って来るものではなくて、もぎとるもの。自分の力で、なんとかもぎとるもの。
がむしゃらにやって、来年こそはもぎとれるように!

 

 

 

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