2016年度一発合格に向けたスケジュール感

 

こんにちは、 Xレイ です。

二次試験に臨まれた方は、本当にお疲れ様でした。
その後、いかがお過ごしでしょうか。
受験校の模範解答を何度も見ながら、

「合格してないかな・・・」
「やっぱ無理か・・・」
「ちょっと待て、何とかなっているかも・・・」
「いや~厳しいかな・・・」
「う~ん・・・ひとまず合格ということでいかがでしょうか?」

とそんなことを思う日々。
このモヤモヤ感があと1ヶ月も続いてしまう。これがまたストレスですよね。「早く発表しろよ」と毎日思っていたものです。

 

さてこれまでは、二次試験を受験したほとんどの方々が、ひとまず“中小企業診断士試験合格”という共通の目標に向かって、日々励んできたものと思います。
しかし、これから合格発表まで、さらにはその後の過ごし方については、“合格を目指した動機”によってそれぞれ異なってくるのでしょう。

おおげさに言うと、資格取得が目的だったのなら、合格さえしてしまえば、この学習を通じてどの程度知識が身に付いたかなんて、どうでもいいわけですし、逆に知識習得が目的だったのなら、たとえ合格しなくても、納得できる知識量さえ身に付いていれば、それで十分なわけです。大半の方々はその両方を求めているが、各々比重が異なるといった感じでしょうか。

ちなみに私は、知識習得が主な目的でした。
もちろん合格もしたかったのですが、この資格を生かしてすぐに何かを、というようなことはありませんでした。

そんな私が二次試験終了後に思ったことが
「1年以上学習してきたけど、まだ全然だめ。」ということです。
例えば、「除却? なんだそれ。」でしたし。
これは先ほどの裏の話。知識習得が目的だったのなら、たとえ合格しても、納得できる知識量が身に付いていないのなら、それは十分ではない、ということになってしまうのです。
そこで、合否に関わらず学習しなければいけないという結論になってしまったので、試験後に抜けた魂をすぐに呼び戻し学習を継続。そして、もし合格していても、ひとまず直近の実務補習は受けないことに決めました。翌年2月という日程が、少々近くに感じたもので。

学習の継続まではいいとして、直近の実務補習についてはどういうことか。

私見ですが、実務に触れると本当に必要な知識は何かが分かり、そこだけを効率よく習得、強化できるようになっていくと考えていたからです。
「ん?それでいいでしょ。何がダメなの?」と思いますよね。
懸念したのは、“必要な知識”だけを求めるようになってしまって、“必要とまでは言えないけれど不要でない知識”のため、わざわざ辛い学習などしなくなるおそれがあるということです。いや、間違いなくしなくなるんです、私は。

例えば実務に触れた後、簿記でも取ろうかなと思っても、
「積送品に積送諸掛ですか・・・これ要るのかな? やっぱや~めた。」
となってしまうのですね、私の場合。

でもですね、“必要とまでは言えないけれど不要でない知識”というのは、いずれ役立つときが来るんですよ、たぶん。「いや~、これ知っててよかったな」という日が。根拠は勘ですがね。

まあ、そのように学習をしてきたことは、今となっては良かったなと無事に思えてます。

という、皆様には程よくどうでもいい話でしたが、さて、抜けた魂でも呼び戻し、そろそろ何かを始めてみるのも一考でしょうか。
きついですけどね。でも、今しかできないこともありますよ、きっと。

 

 

本題です。

2016年度一発ストレート合格を目指す方々は、まずは一次試験当日までどのようなスケジュールを描いて、日々の学習に励まれているのでしょうか。
「一次試験まで、まだ9ヶ月もあるのに何言ってるの?」
と思う方もいらっしゃるでしょうが、考えておくに越したことはありません。

その根拠は勘ではなく今度は経験で、この一次試験に対して残り9ヶ月という学習期間は、決して長くはないと思うからです。
具体的には、7科目の学習を、いつ頃までにどの程度どのような順番で済ましておけばいいのか、というようなことをおおよそ思い描いておかなければ、気付いたときには時間が・・・なんていうことにもなりかねません。

受験校で学習されている方は、その辺りも含めてプロの指導を受けているので大丈夫でしょう。しかし、独学の方はすべてを自分で決めなければいけません。

そこで、自らの経験から参考までに個人的見解を、と思った次第です。もちろん私は独学です。

以下は、【テキスト学習⇒過去問演習】という流れで考えてます。
テキスト学習とは、市販売上No.1、TAC社スピードテキスト、スピード問題集の使用を想定し、
スピードテキストでinputした知識等を、スピード問題集でoutputし定着させる
といったオーソドックスな学習法を指しています。

先々のことまで少々細かく説明しています。今時期まだ分かりづらいところは、適当に読み流してください。ひとまず大枠を捉えて評価していただければと。それでは。

 

(1)3月(遅くとも4月)までに7科目すべてのテキスト学習を終わらせる

達成度としては『スピード問題集をほとんど解けるレベル』です。

「あれ、これ何だっけ?」というような、暗記しきっていない状態は許容します。まだ3、4ヶ月前なので、完全に暗記している状態までは求めません。しかし、いずれ暗記しなければいけないのは確かです。そこで重要となるのは、その“試験当日までには暗記しなければいけないこと(以下、暗記事項)”をきちんと把握し、表を作るなどして覚えやすいよう自分なりに整理しておくということです。

また、このテキスト学習期間中、7科目もあるからといって、学習済みの科目を1ヶ月も2ヶ月も放っておいては、折角の『スピード問題集をほとんど解けるレベル』が退化してしまいます。そこで、空き時間を利用するなどして、既習のスピード問題集を繰り返し解いたり、整理した暗記事項を覚えようとするなど、平行した学習を行う工夫が必要です。

学習する科目の順序については、最初の方に学習した科目ほど、自ずと復習時間が多くなり習熟度が高くなるはずです。
その点から、財務会計経済学に早い段階で取り組む方がよいと考えます。

理由は、その2科目は暗記というより理解重視で、習熟度が高まるほど安定して得点できるからです。
理解重視の科目は、習熟度が高ければ多少難しくされても対応できる。しかし、暗記重視になればなるほど難しくされる、すなわちそれは、知らない知識を直接問われることを意味しますが、その時点で終了となってしまう。よって、後者は出題者の思惑に左右されやすい、ということです。

また、もう一つの理由として、その2科目でつまずいて学習を断念される方が、一定数いるということです。もし、そうなるならば早い方がいい。時間も費用ももったいないので。

ちなみに大手受験校TACは、スピードテキストの番号通りで講義を行っているようです。それは、二次試験を意識して関連の強い3科目から行っている、ということなのでしょう。
その点で経済学には賛否があるでしょうが、財務会計に関しては、いずれにしても早い段階で取り組む方が良いでしょう。

と、ここまで簡単に言いましたが、7科目すべて『スピード問題集をほとんど解けるレベル』というのは、なかなか大変です。しかし、確実に一次試験を突破するためには、なるべく早い段階でこの状態に達する必要があります。

 

(2)4月(5月)~6月は過去問に徹底的に取り組む

過去問を見ると分かるのですが、実際の試験問題はスピード問題集とは少々異なります。特に企業経営理論と経営法務には、当初戸惑うはずです。

“スピード問題集はドリル学習によって必要知識を定着させるための教材”と捉えるのが正しいでしょう。その点では大変素晴らしい問題集です。
しかし実際の試験問題では、科目によって、その問題集のように知識をそのまま答えるのではなく、知識を使って考えて解くといった対応を求められます。その要素の強いのが、先の企業経営理論と経営法務であるとの見解ですが、その辺り少々慣れが必要です。

そこを克服できれば、前段のテキスト学習によって、水準の難易度の問題であれば60点ほど取れるか、という実力になっているはずです。つまり、ボーダーライン付近というわけですが、一次試験3、4ヶ月前にそこに達していたいのです。言うまでもなく、確実に一次試験を突破するためには、もう1ランクレベルアップが必要だからです。

そのレベルアップの手法とは、過去問を解くという単純なことなのですが、ただ繰り返し解いて設問や答えを覚えるというのではなく、一つの問題に対して一度目は徹底的に取り組むというものです。もちろんその後、2度目、3度目と複数回解くことは理想です。

具体的には、解らないところがあれば解るまで徹底的に調べるのです。知識不足で解けなかった問題は当然ですが、一応は正解した問題でも、その選択肢の中に知らない用語等があったら、もちろん調べます。当然テキストには載っていないところでしょうが、過去問の解説で不十分ならば、納得いくまで調べ上げるのです。すると、その過程において様々な周辺事項に触れ、求めていた以上の知識の習得に成功するはずです。加えて、既習の関連事項も自ずと理解が深まっていくでしょう。

また、そのように取り組んでいくと、各科目の頻出領域、論点、用語というものも自ずと把握できます。逆に言うと、大して重要でないところも分かります。要するに、同一科目内での領域、論点毎へのウエイトのかけ方を、自身で判断できるようになるのです。

この一度目の過去問演習をできるだけしっかりと行いたいので、『スピード問題集をほとんど解けるレベル』にいち早く達したいのです。そのレベルでないと、徹底的に取り組んでも、解らないことだらけで大変なことになってしまいます。

また、このような過去問演習は、単元別に行う方が効果的でしょう。すなわち、一定期間ある科目に特化して複数年分に取り組んでいくということです。もちろんその期間中、他の科目を退化させてはいけません。先のテキスト学習と同様です。

以上の過去問演習に関しては、中小企業経営・中小企業政策(以下、中小)以外の6科目の話です。というのは、いずれ学習すると分かりますが、中小という科目は、ほぼ暗記の“時事”の問題といった趣で、他の6科目ほど過去問が役に立ちません。

 

(3)7月は暗記、中小仕上げ、二次関連科目の強化

上記の通り進むと、中小以外の6科目は、暗記事項さえ身に付いていれば、確実に一次試験を突破できるレベルになっているはずです。あとは、過去問を再度解くなどしてそのレベルを維持すると共に、暗記事項の不十分なところを、また、あえてこの時期まで覚えなかったところをしっかりと覚えていきます。

一方、中小はここでもう一仕上げが必要です。
中小に関しては、ほぼ暗記科目であることに加え、二次試験との関連も強くないため短期詰め込み学習で対応しようということです。上の“あえてこの時期まで覚えなかったところ”というのも同じような意図で、要するに、一次試験当日にだけ覚えていればいいので、寸前まで放置というわけです。
さておき、中小ですが、これまでのテキスト学習の内容では少々物足りません。そこで中小企業施策利用ガイドブック中小企業白書というものを使いますが、如何せん膨大な量なので、どの辺りをどの程度覚えるのか、その見当付けが重要となります。過去問の扱いも含め、中小は人それぞれ学習内容が異なってくるでしょう。

さらに、もし余裕があるならば、この時期から二次試験を意識します。
学習準備として集中特訓財務・会計全知識、過去問といった辺りを入手しておきます。そして、一次、二次の双方に有用な集中特訓財務・会計と全知識を、前者優先で学習することを推奨します。
二次試験の過去問に関しては、まだ真剣に取り組む必要はありません。なぜなら、それは片手間に取り組めるほど容易なものではなく、一次試験にとってはリスクとなるからです。一次試験が終了するまでは、二次試験とはどのようなものかを知るための参考資料程度の扱いで構わないでしょう。
たとえ余裕があっても、ここではまだ二次試験対策を始めるのではなく、二次試験を意識した一次試験対策を行うのです。すなわちそれは、二次試験と関連の強い一次試験科目(財務、経営、運営)を強化するということになるでしょう。

求められるのは7科目同時ゴールです。最後の最後まで、1科目として実力の退化することのないよう、それら平行して学習していくことが重要となります。

 

(4)8月の一次試験

高得点で合格できるはずです。
正答発表後、すぐに合格を確信し、まずは二次試験の過去問を1年分解いてみます。

 

以上です。

これはあくまでも一例です。この通り学習することが、多くの受験生にとって最善とも限りません。
もし、なかなか良いなと思うのであれば、大枠は真似をして、自分に合うよう改良していく。

基本はいつも『パクってカスタマイズ』です。

 

それでは、また。  Xレイ

 

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2016年度一発合格に向けたスケジュール感”へ2件のコメント

  1. Xレイ より:

    和尚さん

    >財務分析とアカウンティングは別物
    おっしゃる通りです。
    本文、例えが少々乱暴で分かりづらくなっておりました。
    反省の上、該当箇所修正したことご報告いたします。
    また、何かありましたらご指摘の程よろしくお願いします。
    今後とも和尚さんの破天荒な記事を期待しています。

    Xレイ

  2. 紫雲和尚 より:

    和尚です。
    .
    試験が終わったのにさらに勉強する、という姿、究極の求道者、という感がありますね。
    .
    和尚の診断士のお仲間が「(企業の真実の姿を求めること、そのための助言を与えていくことは)終わりなき旅」という言葉をおっしゃった方がおられましたが、まさにその通りで、これを続けていきたいよね、ということを素直に言える方が多いこの資格取ったことは余得と感じております。
    .
    財務について一言
    .
    診断士試験においても特に一次試験で、財務分析とアカウンティング(いわゆる簿記)について未分化な部分がありますけど、これは完全なる別物だと和尚は感じております。
    .
    前者は、企業を俯瞰して見るためのツール、後者は企業を測定するためのレギュレーション(規則)という定義でしょうか。もちろん、診断士は前者を重視したほうがよいよなーなんていうことを、簿記2級の和尚は思うのでありました。

    合掌

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