真面目な優等生か奇想天外な天才か?

 

なごです。

 

予備校の模試が終了し、皆さん一喜一憂の時かと思います。何が出来て、何が出来なかったのか?試験結果だけでなく、疲れや眠気、集中力の維持に問題はなかったか?部屋の気温、隣の人の貧乏ゆすり、自分を惑わす様々な要素に負けず対応できたか?すべてが当日もあり得ることであり、その上で出た今回の結果は真摯に受け止める必要があります。
そのため、すぐに結果が分かる今回の模試は、現時点の立ち位置を知るための最高・最速の評価資料であると言えるでしょう。後日送られてくる模試の順位や通り一辺倒の予備校コメントは無視して、まずは今の自分の実力と正面から向き合うことが大切です。

 

最近、仕事が忙しく勉強が滞っていた。
7科目進めるのが大変で中小は出来てないけどしょうがない
4科目にもなると解くのが疲れて途中眠たくなったよ

 

言い訳を言い出せばきりがない。でも出来なかったこと、実力が出せなかった理由があれば、この際、すべて出し切ってみよう。それは決して逃げでもなく、弱気でもなんでもない。全てはこれから本番までに克服すればいいこと。問題なのは、自分の弱点から目をそらし、勉強を頑張っている自分に「ボクは本当はもっとできる子なんだよね」と甘えてしまうこと。自分自身の弱さに目をつぶるのではなく、本当の自分自身と対峙し、今だからこそ自分自身の“弱さ”の棚卸をしよう。そして苦手なところをこの後の期間で徹底的に補強しよう。

 

 

では、その上で本日は二通りのコメントを。

 

 
【420点を越えた方】

 
予備校模試は例年、本番試験よりも若干難易度が高い傾向があります。その中で420点を越えたことは、正直、自信を持って良いし、このペースで頑張ってほしいと思います。でも誰でも7科目あれば、大なり小なり取得点数にデコボコがあるはず。点数の高い科目は間違えた問題を丁寧につぶし、出来なかった科目はどこが理解できていなかったのか、出題範囲も含め自分自身の弱点をきちんと確認することが必要

 
このタイミングで全体的に60点をクリアしていれば、ストレート生でも2次試験のさわりくらいは始めても良いかも。でも決して深入りは禁物です。基本は1次を通過することが大前提です。できれば合格点を大幅に超えて1次突破する方が、将来に対する果実は確実に多いと思っています。

 
その上で一つだけ本試験に向けてアドバイスです。今回、いろいろなトラップが試験問題の中にあったかと思います。ひっかけ問題、分かりにくい二者択一、聞いたことのない範囲からの出題等…。でも本試験を経験している私たちから見ると、予備校の考えた模試のDEレベルの問題も、言ってみれば想定内の範囲なんです。だってあまりにも唐突な問題を出すと、通学生の皆さんから「それって○○○(予備校名)のテキストに出てないじゃん」と言われるからです。予備校の先生方が、今年出題されるだろう内容を網羅して作ったテキストで勉強しているわけですから、予備校の先生方が作成する試験問題は、テキストに準拠したような問題にならざるを得ないジレンマの中で作られた試験問題

 

そのため大幅なひねりを加えた難易度が高そうな問題があっても、全く見たこともないような突拍子もない出題はしてこないはず。例えて言うなら、予備校の模試は、「優等生が作った見栄えの良い難しい問題」なのです。難しいと言ってもひっかけ方が想定の範囲内だから、それなりに慣れた予備校通いの受験生なら何となくでも解いてしまう。そのため、全体的に平均点を下げるために、通常のABランクもちょいと難しめに設定してあります。

 

 

でも本試験は違います。まず作問者が違う。本試験は予備校のテキストとは関係なく、どこから問題を作成しても良いため、予備校テキスト内容をまったく無視した見知らぬ問題が、当たり前ですがたくさん出てきます。そのため受験生は皆、「完全に想定の範囲外だ」と動揺するわけです。言ってみれば「天才が好きそうな奇想天外な問題」が入っていたりする。しかも問題の最初のほうに。受験生は皆、そもそも解法が思いつきません。でも結果的に出題者は、そもそも想定している平均点をきちんと受験生にとらせる必要があるため、毎年、平易な問題もたくさん織り交ぜてあります。とすれば

 

本試験は、知らない問題が(模試と比較して)たくさん出るけど、そのぶん簡単な問題も多いはず

 

と今回の模試を通じて本番試験の傾向を推測できるのです。そうすれば心にも余裕が出来て、実際の試験時にも余裕を持って取り組めるはずです。

本番当日、1科目の経済終了時に試験会場のいたるところで聞こえてくる

「今年は試験問題の傾向が変わった~、難化したぞ~」

と嘆く周囲の受験生をよそに、次の科目に精神を集中させる。当たり前の実力を当たり前に発揮するための心の準備、気持ちの余裕。そんな状態を作るための予行演習である今回の模試は、いろいろな意味で本番さながらの練習台として活用すべき項目は多数あったはずです。

また「模試で合格点を越えたんだし、私は必ず合格できる」という自分への自己暗示は残りの時間を過ごすためには最高の良薬でもあります。でも油断は禁物ですからね。

 

 

【420点に届かなかった方】

 
当たり前だけど、ここからだよね。当たり前だけど、ストレートで1次を合格しようね。

 

まずは自分自身に問いかけてください。ストレートにこだわる理由はひとつ。科目合格を狙う場合、来年の自分を苦しめることにもなりかねないからです。なぜなら、得意科目が合格して、苦手科目だけが残った場合、挽回するのがとても難しいですよね。私の場合、得意科目だった企業経営理論、運営管理共に得意だったにもかかわらず本番で失敗して50点台でした。なんとか他の科目に助けられて1次はストレート合格できたのですが、今、思い返しても科目が少なくなるのはリスクが高いなと思います。得意科目ですら失敗すると落としてしまうのですから、それが苦手科目ならなおさら。そう考えてこれから先、今自分に出来る最大限を尽くすことが必要です。

 

特にこれからの時期は、受験生にとって大幅な点数の上昇が見込める大切な時でもあります。なぜならストレート生で点数がいまいち伸び悩んでいる場合は、基礎は出来ているけど、模試特有の変化球に対応できていない、言ってみれば“場数が足りない”ことによる伸び悩みのケースが多いからです。だからこそ、これからの努力如何で結果は大幅に伸びる、そう言えるのです。

 

でもその代わり自分自身の現実を直視した最善の努力が必要。自分自身に妥協したかどうかは自分自身がしっかり見ている、だから自分に偽らず全力でやる、そんな気持ちが大切です。

 

 

そんな中、もし模試の点数が40点を下回っている場合は、考え方を少しだけ変えてはどうでしょうか。まずは40点を目指すことで不合格ラインからの脱出方法を考えましょう。この段階から全部の論点を完ぺきにすることは必要ないです。このタイミングで今できることは、ABランクを固めた上で、Cランクの問題を出来る限りをきちんととること。必ず受かる、そのために何が出来るのか。そんな強い意志を持ちつつ、自分自身がどこで点数を稼ぎ、どこで失点を防ぐのか、客観的に自分の実力を見直す。まずはABランクの過去問を繰り返す、隙間時間でスピ問を解き直す、重要論点を整理する。今からどれだけ自分自身の必要時間を削って勉強時間を最大限捻出したとしても、来年一年間同じ勉強をすることを思ったら少ないものです。だったら8月まで死に物狂いで頑張ろう。ここまで来たのなら絶対受かる、自分自身を信じてあげる、そんな思いがこの時期は結構大切だったりします。

 

 

【ここからはみんなに】

 
試験時間の空き時間は何を見ていましたか?試験前10分間に何を読むのか?ファイナルペーパーと呼ばれる資料、皆さんは持参していましたか?そういう準備が、これからの皆さんには結構大切です。
また、お腹がすかないためにどうしたか?集中力を持続するため眠気防止にはどうしたか?

 
ちょっとした小手先の準備だけで、当日の大幅な点数アップは見込めません。でも動揺しないための心の準備、そのためには用意周到な対応が何よりも必要なのです。気持ちの揺らぎは数点の点数ダウンにつながる。自己採点して419点だった場合の自分を今日だけ想像してみてください。もう一年間、同じ勉強しなくてはいけない自分を想像してみてください。ちょっとした気の緩み、何気ないハプニングでも人は大きく動揺するもの。たった一問の動揺でも、7科目集めたらすごい点数になりますよね。4点問題が7問分なら28点分が加点(減点)されるわけです。だったら事前に出来ることがあれば、すべてできることを準備しよう。万全の態勢を持って当日を迎えよう。今ならまだ時間があります。

 

 

 

過去を振り返っている暇はない、あなたの勝利は目前にある。

 

なごでした。

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