科目毎の各指標の計算に横串を入れてみる

こんにちは。ぽらーの です。
本日は財務、運営、中小などの科目で問われる各指標の計算式に関して横串を入れてみます。
まず、財務で問われる経営指標の全体感を図に表せば・・・

 

<①>収益性:売上高総利益率、売上高経常利益率など
ある一定期間(通常は1年)の努力の成果である売上から努力である費用を差し引いて残る利益。それを成果で除して歩留率を示します。P/L項目内で計算が完結。

<②>総合的な収益性:ROA,ROE,GMROI(交差比率)

P/L項目÷B/S項目
利益を生み出す原動力である企業の資本がいかに利益に貢献できたかを示す指標です。
つまり投資に対するリターンの割合を示すということがまず本質にあると考えます。

<③>効率性:資本回転率、棚卸資産回転率、有形固定資産回転率など
これもP/L項目÷B/S項目ですが、一定期間に資本が何回転したかを表す指標です。

<④>安全性:自己資本比率、流動比率など
企業の財務的な健康状態やバランスを示す指標です。B/S項目内で計算が完結。

<⑤>その他
①~④に属さない経営指標:労働生産性、相乗積

 

今日考えるのは主に<②>です。

<②>について、まずテキストでは、

資本利益率=売上高利益率×資本回転率

という導入からはいりますが、投資⇒リターンを本質としてとらえ、

ROAはつまりReturn(利益)on Assets(資産)の文字のごとく

リターン(利益)÷投資(資産)であるため、基本式としてはシンプルに

で良いと思います。

これを売上高で分解してみます。

まず、分母分子に売上高をかけて、


そこから分母分子をスワップすれば

テキストのようにまず分解ありきでなく、まず基本式を理解しそれを分解する考え方もアリなのではないかと思いまして。。
分解式は理路整然としてますが何だか覚えづらくないですか?
実は、ぽらーのは分解式の掛け算の式を良く忘れたため、基本式をまず書いて上記のように分解していく方法を試験中によくやっておりました。基本式さえ覚えていれば、あとは分解して何とかなると楽観的に考えておりました。
つまり英文字や名称から計算の基本式さえかければ、②の大項目であるBSの総資本(総資産)あるいはPLの売上高を基本式に入れてしまうことで、テキストの「資本利益率=売上高利益率×資本回転率」を現場で導こうとするという発想です。

ちなみにROEへ売上高と総資本の両方を入れてやることで、デュポン・システムと呼ばれる式まで分解が可能です。


GMORIは商品在庫という投下資本がいかに利益に結びつくか、という観点から基本式は


これも売上高で分解。

なお、Iは投資(Invest)。投資は原価で計上なので商品在庫は原価です。一方の交差比率は売価というように両方セットでいかがでしょう。

ここで補足ですが、Rの違い、つまりP/Lのどこの段階の利益を使用しているかに注意しましょう。
ROAのRは事業利益(営業利益+受取利息・配当金)一方のROEのRは当期利益でEはEquity(自己資本)。
事業利益は支払利息が控除される前の総資本の投資から発生する全て利益として用いられていることや、
当期利益は株主に帰属する自己資本の増減要素となる観点から用いられております。
また、GMROIのRは、商品の収益性を分析する観点から、より妥当性の高い売上総利益(粗利益)です。
経営指標がそれぞれの指標の特性にあった利益を選択していると考えて、基本式を覚える方法も有効ではないでしょうか。

【おまけ】
相乗積の式は体が馴染みませんでした。覚えづらいです。いつも混乱してました。たぶん、ぽらーのは

 

で覚えようとしたからでしょう。そうではなく、

上記のとおり部門粗収益率×部門シェア(売上)の分解した計算式からおぼえるべきでした。全て基本式からとは言えない例外です。

また、労働生産性は付加価値額という生産性を用いており、各指標の中でもちょっと異端児的存在。

覚え方として、中小で問われる労働生産性は(ヒト、モノ、カネ)の集合体。中小経営、カネとヒトとの効率を示す労働生産性をモノ(設備)で分解すれば

労働生産性の基本式とモノ(設備)で分解という点を抑えていれば、分解式を忘れてしまっても火事場の●●力で何とかでクリアできるかも。

 

本日の記事は以上です。
日々の学習を楽しみましょう♪
ぽらーのでした。

 

 

【6/10修正】

GMROIの分子が以下のとおり誤っておりましたので、掲載後訂正しました。
申し訳ございません。m(_ _)m

(誤)売上総利益率 ⇒(正)売上総利益

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