【渾身】運営 都市計画法は食わず嫌い克服を!!

 

なごです。

 

本日は、都市計画について。この分野は生産管理と店舗・運営管理のはざまで、比較的、毎年出題されるにもかかわらず、正答率が低い分野でもあります。丸暗記するには、奥が深くすぎること、労力の割には出ても1問程度しか出題されないため、予備校の授業等でも軽く扱われがちな分野です。
実際の出題傾向を見ると、難解な選択肢の中に、すごく分かりやすい誤答が混ぜてある場合が多く、知っていると即答できのですが、如何せんその他の選択肢が分かりづらく、すべてを深追いするべき内容でもないため、毎年切り捨てられているのが現状かと思っています。

そんな食わず嫌いが多い分野である都市計画について、今日は表面上だけの知識をさらっと学んでみましょう。

実はこの程度の知識だけで、さらっと解けるのが広く浅い知識を求められる診断士試験の魅力であり、こんなことまで聞かれるのが診断士試験の怖さであると感じています。
===ではスタート!!===
【都市計画法】
住みよい街づくりを行うための法律。そのための必要性のある場所を「都市計画区域」として、都市計画法で規制を行う。
規制するのは、街づくりを進めていく区域と抑制する区域。

 

 ⇒ 進めていくと抑制するがキーワード
市街化区域」…すでに市街地となっている区域、もしくはおおむね10年以内に優先的に市街化を図る区域
市街化調整区域」…市街化を抑制する区域

 

 

でも街以外の便利な場所(例えば郊外のインタチェンジ付近とか)もきちんと規制しないと、行政の目が届かない場所で、乱開発が進む可能性あり。そのため都市計画区域以外でも「準都市計画区域」を指定し、行政が規制をかけられるように指定。
要は県や国が、地域の開発を自分たちで規制したい。開発のハードルを事前に設けておけば、行政が知らないところで勝手に開発できない。市街化を進める」「抑制する」「インター付近を規制する」の3種類を頭の中でイメージできれば大丈夫。
ここで過去問を。

 

平成22年 第21問
都市計画法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街地を図るべき区域をいう。
イ 市街化調整区域とは、おおむね10年後から段階的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいう。
ウ 都市計画区域は、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域として、原則として都道府県が指定する。
エ 都市計画法は、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的としている。

 

上記の内容が分かっていれば、即決で誤答はイ。ちなみにウの設問はいやらしい。地域のことなので国がいちいち判断するのは広すぎる。そのため原則は都道府県が指定するが、県をまたがっているときは国土交通大臣。このレベルでひっかけるとDEレベル。このレベルではひっかけてこないのが浅く広くの診断士試験。もし出てきたらこんなのは誰も解けないので笑ってスルー。

 

===ふたつめの話題===

 

【用途地域】
これは皆が毛嫌いする項目。知っていればびっくりするくらい簡単な設問でも、はなから毛嫌いしていると、DEレベルに早変わり。

 

上記の「市街化区域」(街づくりを進めていく場所)は、市街化を進めていくための規制。

さらに市街化区域を細分化しておけば、各々の条件に合った適切に規制がかけられるため個々にルールを設定。

それが「用途地域」。その「用途地域」には12種類あり、すべて暗記が必要。その用途をすべて丸暗記、、、、する?

… ほとんどの人がここでフリーズ。12種類も丸暗記出来ない、よね …

 

 

というわけで、丸暗記するための脳の空き容量は他の科目に使いましょう。ではここではポイントだけ、さらっと行きますよ。

 

 

用途地域は3種類。住宅系、商業系、工業系。基準は二つ。

 

住宅系…人が住むための規制をかける、基準は閑静かどうか。

商業系…ルールは緩い。

工業系…工場を作るための規制をかける、基準は危なくないかどうか

 

これだけ知っておけば、解ける問題があります。びっくりするくらい実は簡単だったり。

 

あとは「住宅系」「商業系」「工業系」の≪閑静度≫と≪危険度≫の程度によって分類分けがされているだけ。さらっと分類分けのレベル感を把握する。

 

●住宅系
第一種低層住居専用地域」…“第1種”、“低層”と言う通り、一番基準が厳しい。低い家じゃないといけないし、うるさくてもいけない。閑静な高級住宅街みたいな。
第二種低層住居専用地域」…第1種と違うのは、150㎡までの店舗が設置可能。コンビニとか喫茶店とかなら、そんなにうるさくないし建設可。

⇒ ここまでがひとくくり「低層」「専用」がキーワード

 

 

第一種中高層住居専用地域」…低層じゃなくても良くなった。さらに大学や病院なら、賑やかさも許容範囲。多くの人が使うし、少しばかりはうるさくなるけど建設可。
第二種中高層住居専用地域」…1,500㎡までの店舗や事務所を建てても可

⇒ ここまでがひとくくり。「中高層」「専用」がキーワード

 

 

第一種住居地域」…専用という言葉も無くなった。3,000㎡までの店舗も可
第二種住居地域」…パチンコ店も可、カラオケボックスも可。もはや基準はだいぶ緩め。
準住居地域」…道路沿いのイメージ。それなりにうるさくても平気

⇒ ここまでがひとくくり。「住居」だけど「専用」の文字が“無い”

 

 

たくさんあるように見えるけど、「低層・専用」「中高層・専用」「それ以外」の3種類がある、のレベル感でおおむね理解。順番に規制が緩くなる。

 

 

●商業系
近隣商業地域」…商店街のイメージ。映画館や小規模工場も建築可
商業地域」…駅前繁華街のイメージ。デパートや風俗店も可、一番基準が緩くて何でもアリ

 

⇒ 下記の「準工業」とあわせて3つが最も規制の緩い部類と記憶。
●工業系
準工業地域」…下町の町工場のイメージ。生活もするし、工場もあるし。
工業地域」…工場を推進するということは、人が住みにくくなるということ。住居はいいけど、学校やホテルが立てられなくなる
工業専用地域」…コンビナートのイメージ。もはや人が住むとトラック等の出入りで危ない。そのため住宅や店舗も建てられない。安全性が必要なものは規制をかける。

 

住宅系から商業系に近づくにつれて閑静度合いが低下し規制が緩くなる。逆に工業系に入ってくると、危なくなるため、住居関連の規制がきつくなる。

 

そんなイメージをおぼろげながら持てれば十分。

 

では、上記のイメージを頭に思い浮かべながら、どの用途地域に何が建てられて、何が建てられないか、具体的な事例で例題を。

 

住宅…住まいは必要だから、ほとんどの用途地域で建築可。だけど、プラントがある「工業専用地域」だけはトラックの出入りで危ないからダメ。大規模工場を推進するには人の出入りを制限する。
小学校…人が住んでいる場所には基本的に必要だから、ほとんどの用途地域で建築可。でもトラックが行きかう「工業地域」「工業専用地域」はトラックが通るため危ないからダメ。「工業地域」は生活するための住宅は良いけど、人が集まる学校は危ないから建築不可。
大学・病院…大学生や救急車はうるさいから(?)「工業地域」「工業専用地域」のほか、閑静な「第1・2種低層住居専用」もダメ。
診療所…病院だと救急車の出入りなどうるさいだろうけど、小さい診療所程度ならうるさくないし生活に必要だろうからどこでも建築可。
神社・教会・派出所…うるさくないし、みんなが必要(?)だから、どこでも建築可。

 

…。

 

そろそろ苦しくなってきましたね。知識はこの程度で十分でしょう。ではこのあたりで知識の深堀りはやめて、実際の試験問題を見てみましょう。

 

平成25年 22問
都市計画法に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

ア 映画館やアミューズメント施設などにも、大規模集客施設として、大規模小売店舗と同様の出店制限がある
イ 商業地域とは、商業その他の業務の利便性を増進するために定められた地域であるが、住宅や小規模の工場も建てられる
ウ 店舗の床面積が150㎡以下の小規模店舗であれば、第1種低層住居専用地域へ出店することができる
エ 床面積が1万㎡を越える店舗の出店が可能な地域は、原則として近隣商業地域、商業地域、準工業地域の3地域である

 

どうです、難しいですか?

(ア)賑やかな施設は住居系で規制を受けそう。

(イ・エ)商業地域は規制が緩そう。

(ウ)第1種低層住居専用地域は、たしか基準が最も厳しいはず。

で何となくでもあたりがつけられれば、ゴール(正解はウ)にたどり着けると思います。ちなみに専門的な試験だと、床面積が1万㎡まで平気か超えたら建てられないかなど、具体的な数値まで覚える必要がありますが、診断士試験だとまずそこまで聞かれません、聞かれたら、その時は、ほかの選択肢が簡単か、誰にもこたえられないレベルなので、笑ってほかの設問をきちんと確認しましょう。
===説明はここまで===
まったく食べずに過ごすか(食わず嫌い)が、少しだけかじってみるかで大きく違う診断士試験。深追いは禁物の世界ですが、上記の内容くらい頭に入れておくと、もしかしたら簡単にワンマークが取れるかも。そんな気付きになればと思い、若干重箱の隅をつつく話題でしたが掲載させていただきました。

 

 

この時期の努力は、1か月後に大きな成果となりますよ。今はまず、答練や過去問で前進してくださいね。

 

なごでした。

 

 

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【渾身】運営 都市計画法は食わず嫌い克服を!!”へ2件のコメント

  1. なご より:

    スライム様
    コメントありがとうございます。
    そうなんですよね。予備校だとホントの専門の方では無い方が教えるので、単なる脳のメモリーを使う教え方になりがちなのです。分類分けしてある理由さえ理解すれば、実は難しく無いのがこの分野。
    専門である宅建の試験だと業務に使うため、正確に覚えているかが問われます。でも診断士だと全体像を知っていれば、診断時にはそれなりに対応できるため、「理解しようとトライしたか」程度のレベルで答えられるような、安易な問題が出ることも多いのです。
    深追いは禁物ですが、ここでのワンマークは結構美味しいので、頑張ってくださいね。

  2. スライム より:

    素晴らしい記事でした。
    予備校では12種類あって大変なので出題はされるので可能な限りで良いので覚えてくださいと言われ、概要すらつかめずに途方に暮れておりました。
    おかげさまでイメージがついて表もなんとなく覚えることができました。
    ありがとうございます。

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