なごです。

 

5月から当サイトでは【渾身】シリーズと称し、各執筆陣が思い思いの角度から1次試験の各科目について、解説を行っています。ちょうど1次試験まで100日を切り、皆さんの学びも本格化するこの時期、少しでも“気づき”はありますでしょうか。

 

そんな中、この時期は大手予備校の2次模試が実施される時期でもあります。実は2次試験本番まであと半年。意外に時間はありません。皆さん、模試は受験はされましたか?受験された方は、どんな印象を受けたでしょうか?それなりの手ごたえを持った方、まったく分からなかった方、様々な印象だったのではないでしょうか。

 

今日は、連日続く1次試験向けの渾身シリーズを一旦お休みして、2次対策の話題に触れたいと思います。実際の模試を受けられた人はその内容をイメージして、受けていない方は、過去問を、どの年度でも構いませんので一度解いてみてから、読んでいただければ幸いです。

 

===

 

まず今回の2次模試、実際に受けてみた感想はいかがだったでしょうか。特に本年度から診断士試験の勉強を始めている初学者の方は「本番さながらの2次試験は今回が初めて」という方も多いのではないでしょうか。

時間が足りない、文字が書けない、そもそも何をしていいのか分からないまま終わってしまった…等、人により感想は様々です。また模範解答と見比べながら、解答とは内容が若干違うような気がするが、自分なりの理論でマス目はきちんと埋めることができた、そんな人もいるかもしれませんね。

 

まず今の段階として、2次試験の大まかな全体像をつかむことができれば、第一段階はおおむねクリアしていると考えられます。

文字量が多い文章を短時間で読み、なんとなく苦労の跡が垣間見える企業の問題点や解決策を考える。制限時間の短さや慣れない直筆での疲れ具合などをまずは経験してみてください。また、周りにいる慣れた雰囲気の方々が、マーカーを何本も駆使したり、試験開始とともに問題冊子を破っていたりと、テクニック的なヒントも発見できたのなら上出来です。まずは結構、ハードルの高そうな試験であることを肌で感じることが大切です。
実際、1次試験が終わった後、達成感というか脱力感で8月を棒に振ってしまい、10月の2次本試験に準備が間に合わない人を何人も知っています。そのため、1次終了後、すぐにロケットスタートを切れるように、2次試験に対する危機感だけは持っていてほしいと思います。

 

さて、ここまでが試験の一つ目の活用方法です。ほとんどの人がここまでで満足するでしょう。今日は、さらに少しだけ踏み込んだ模試活用方法です。

 

 

実際の模試終了後、試験問題を持ち帰っていると思います。その試験問題をもう一度見直し、時間をかけて構いませんので、与件文(2ページ強の問題本文のこと)を一度、下記の要素に分解してみましょう。

 

・ 過去の(成功した)事実
・ 創業時より変化する外部(内部)環境
・ 現在の企業が抱える問題点
・ 今後成長できる自社の強み

 

具体的に上記に該当する箇所(キーワード)を見つけてみてください。実際、予備校によってはSWOT分析を実際の試験時間内の中で実施するよう指導するところもあるようですね。私はそこまでは(試験時間が限られているため)必要ないと思っていますが、上記のキーワードは常に意識するようにしていました。

またそのキーワードが抽出できたのなら、問題文(設問のこと)のどこの部分でそのキーワードを使うのが適切なのか考えてみてください。
特によくあるミスとして、時間軸がずれた回答をしているケースがあります。問題文の中で過去の事実について聞いているのに、回答で使用したキーワードは現在の事象だった、そんなつまらないミスが、特に初学者に多く見受けられます。

 

なぜこのような要素の抽出を提案したかというと、実は、どんな2次試験の問題でも基本的には与件文の構成が同じだからです。

 

1 企業が創業し成功する(規模が拡大する)
2 外部(内部)環境の変化により、今まで機能していたことに不具合が出る

 

あとは改善したかどうかなど、結果だけ書かれていたり、具体的には明記されず問題になっていたりと事例ごとの違いや年度により様々ですが、基本的は与件文の中盤あたりまで1と2の内容が何かしら書かれています。
そしてその1と2の文章の合間に、自社の強みがさらっと書かれている。全体的にはそんなストーリーで構成されています。そんな与件文の“型”を意識してほしいのです。予備校の模試は、実は少し分かりづらいのですが、実際の過去問を見ると如実にその文章構成の“型”が分かります。
その“型”を知る練習をしてみてください。少しでも「なるほど」と思う部分があれば、十分模試に行った甲斐があるというものです。

 

もう一つの模試活用方法、これはもう少しあとの時期になります。
たぶんご自身が想像する点数とかけ離れた得点が、結果とともに後日郵送されてくるはずです。点数の高低は、現時点では全く関係なく、落ち込む必要はないです。私も2年間、一度も平均点以上あったことがありませんし、2次模試の結果が上位常連者で、2回とも2次試験を落ちて三回目の挑戦をしている人を知っています。

 

私がここで提案するのは、一つだけ。それは自分の国語力の客観的な分析です。
自分が書いた文章を久しぶりに読むと結構、第三者的に読むことができます。

一文一文の主語と述語が適切に呼応しているか。キーワードを織り込みすぎて、文章として適切な言い回しになっているか。文章が長すぎないか。そもそも分かりやすい(読みやすい)文章になっているか、など自分の書いた答案を客観的にみてほしいと思います。

 

その時、文章が読みやすいかどうかの判断は、素人の人が読んでもわかる内容であることが基準です。

なぜなら、診断士試験は、将来の診断士を育成するための試験。私たちは、将来の企業診断報告書を書く訓練をしていると言えるからです。
経営を担う社長でも文章を読むことは得意でないかもしれません。ましてや診断報告書であれば、社長以外の人たちも読むことがあるでしょう。社長に対してプレゼンしながら説明するのなら、分からない部分について質問を受けながら対応できますが、すべての診断報告書の閲覧者に対して口頭での説明を付属するわけにはいきません。

そのため前提となる知識が乏しくても読むことができる文章にする必要があり、そのためには当たり前のことをきちんと書くことが大切なのです。

 

あなたの書いた答案の中で、文字数制限の関係で主語を安易に抜いている箇所はありませんか。内容や因果関係に飛躍はありませんか。そもそも他人が読むのですから読みやすい丁寧な字でマス目を埋めていますか。

 
もし自分の解答用紙を久しぶりに眺めてみて、不安が感じられるのなら、文章の要約などにも取り組んでみるのもいいかもしれません。人によっては日経新聞の春秋を要約して文章作成能力を養っている人(多年度生ですが)もいるようです。
私は新聞の要約まではやりませんでしたが、会社で業務を行う中、どんな書類でも文章の起承転結を意識し、第三者が見ても内容が理解できるような、主語述語を省略しない文章作成を心がけるようにしていました。初学者は、新聞要約などまで踏み込むことは一次対策との兼ね合いもあるため推奨できませんが、日常業務の中で主語述語を意識することくらいなら出来ると思います。
また、過去問等に取り組む時、文章を書く際は必ず20文字で改行することを意識し、毎回数えながら書く練習をしました。そうすることで本番、文章を毎回数えなくても、だいたい指定した文字数に収まる文章を書くことができるようになりました。

 
そんな風に模試を徹底的に活用することで、皆さんの実力が少しずつ養われていくわけです。初学者の方にとっては、これから一次に向けて集中する時期ですし、二次は合格してからでも十分間に合うと私は思っていますので、二次の勉強に深入りする必要はありません。

でも、模試という皆に与えられたチャンスに対し、周りよりも少しだけ有意義に活用するヒントとなれば幸いです。
どれだけ長くても、今年度はあと半年が勝負。明日の結果は今日のあなたにかかっています。

 

なごでした。


コメント & トラックバック

2次試験について。
1次試験あと4教科を今年受験します。
先日受験票が送られてきてました。
受験モードが一気に上がった感じです。
その勢いで2次試験過去問を読み出したら愕然としました。
「意味はわかるが言葉が出てこない。」
これにつきました。
要は説明する能力が足りていない事。
確かになおさんの言われる通りだと思います。
1次試験問題も過去問とよく読みながらやっていると、昨年の企業経営は過去問にも「あっ」というヒントがあったりしました。
繰り返しやると少しだけヒントがあるように思います。(甘いかもしれませんが)

怪獣の父親様
コメントありがとうございます。私も受験票が送られてきた時、スッと背筋が伸びたことを改めて思い出しました。
2次試験は、実は1次試験と同じく、作問に傾向があります。繰り返し解くことで、出題傾向に対する「定石」を身につけることができる、と私は考えています。

今回、4科目受験なのですね。まずはそちらに全力投球してください。そのうえでほかの受験生より少しだけ時間があることを最大のアドバンテージとし、2次過去問を、この時期、少しずつ解いてみることもよいかもしれませんね。
80分という時間は結構短く、真正面から勝負すると全く時間が足りません。そのため、自分なりの回答を作り上げる「スタイル(作法)」を固めることが実は大切だったりします。

今は、2次を深追いする必要はありません。でもその解き方の作法をある程度、複数試すことができればこの時期は良いと思います。
ストレート生は8月から2次対策を始めます。とすると解き方の作法を試すのも決めるのも8月。そのため自分の実力に合った作法かどうかも分からないまま、スタイルを決めて10月に臨むわけです。
そのスタイルが”たまたま”適切であれば合格、自分に合っていなければ不合格。そんな現状があります。

怪獣の父親様は、今の時間を少しだけ2次に使うことができるというアドバンテージを持っていると推察します。過去問を時間の合間を縫って何回か解いてみる、いろいろな解き方を試してみて、「自分はまあこんな感じで解くとしっくりいくかな」というような感触だけでもつかむことができたのなら、大きな前進だと思います。

これからが正念場、大変だとは思いますが、頑張ってくださいね。努力の分、大きな飛躍が待っていると思いますよ。

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