【渾身】企業経営理論 「難解な日本語」をどう攻略するか?

 

日本語

そうは言っても、日本語である。

 

こんにちは、うみのです。

岡崎さんの中小企業経営・政策おはともさんの経済学・経済政策の記事がすでに上がっておりますが、5月3日~15日の期間は休みなく、渾身シリーズをお届けしていきます

6代目メンバの得意科目を中心に、それぞれの科目の攻略のキモをお伝えしますので、ぜひ1次試験突破の参考にしていただければと思います。

 

さて、私が担当するのは企業経営理論です。

多くの受験生が伸び悩むこの科目について、私が思う「攻略のキモ」を3つのポイントでお伝えしたいと思います。

 

1.「難解な日本語」という漠然とした苦手意識を、課題解決思考で分解してみる。

 

企業経営理論と言えば、苦手理由として真っ先に挙がるのが「あの難解で独特な日本語」。

問題文や選択肢を読んでも、何を言っているのかよくわからない…といモヤモヤ感に悩まされている受験生は多いのではないかと思います。

 

しかし、そうは言っても、日本語です。

 

外国語のように、徹頭徹尾わからない、というわけではなく、

実はそこには、「わかった部分」と「わからなかった部分」があるのではないでしょうか?

平成25年度 第1問の選択肢(ウ)の文章を例に挙げて考えてみます。

 

「経営計画に盛り込まれた戦略ビジョンは、予算計画や下位レベルのアクション・プランと連動させるとコントロール指針として機能するようになり、戦略行動の柔軟性を失わせる。」

 

文章全体を見ると、モヤモヤ感の強い文章ですね。

これをたとえば、

 

①    経営計画に盛り込まれた戦略ビジョン

②    予算計画や下位レベルのアクション・プラン

③    コントロール指針として機能する

④    戦略行動の柔軟性

 

このように分解をしてみると、「わかった部分」「わからなかった部分」が明確になるのではないかと思います。

 

漠然と「難解な日本語」と捉えてしまうと、攻略のとっかかりがなかなか見えてきませんが、このように「難解と感じた原因」を具体化していくことで、「なぜ間違えたのか?」「どこの理解が足りなかったのか?」が見えてくるようになるのではないかと思います。

原因が明確になったら、その原因ごとに、足りなかった知識を補強したり、難解な表現を分かりやすく言い換えてみるなどの対策を考えてみましょう。

時間はかかりますが、こうした復習方法を取ることで、「難解な日本語」への苦手意識は確実に薄れていくはずです。

 

間違えた原因を明確にし、「問題が解けなかった自分」と「問題が解ける自分」との間にあるギャップを解消していく。

こうした課題解決思考を通して、コツコツと着実に、得点アップにつなげていきましょう。

 

 

2.企業経営理論は、過去問に始まり、過去問に終わる。

 

現在、スピ問や様々な予備校の問題集、答練を通して演習をしていらっしゃるかと思いますが、企業経営理論に関しては、「過去問」が何より重要な教材であると思います。

(過去問が重要なのはどの科目でも同じですが、特に企業経営理論においては重要度が高いです)

その理由は、「文章の癖」に正しく慣れる事が必要だからです。

 

「難解な日本語」と前述したように、企業経営理論には、「独特の言い回し=文章の癖」があります。

その文章の癖に慣れ、独特の言い回しから「つまり何を言っているのか」を汲み取れるかどうかが、まず問われる科目です。

 

この文章の癖は「出題者」によるもの、独特の言い回しは「出題の意図」による部分が非常に大きいと思います。

 

予備校の問題集や答練、模試なども、よく練られてはいるものの、出題者が異なる以上、そこに何かしらのズレが生じている可能性があります。

私自身も、「予備校では点が取れず、過去問では点が取れるという不思議な成績を持っていたが、実際の本試験では過去問と同じ感覚で解けた」という経験がありました。

「難解な日本語」を攻略していく上では、過去問を参考にしてその癖に慣れておくことが、本試験での感覚のズレを最小限に抑える方法だと私は思います。

 

 

3.優先順位をつけて解く。

 

解答に熟考を要されることの多い企業経営理論。時間内に全ての問題を解ききれない…という悩みの処方箋として、「マーケティング分野は組織論や戦略論と比較して簡単な問題が多いため、まずマーケティングの問題から解いて手堅く得点する」ということがよく言われていました。

しかし、平成24年度試験後の時点で「マーケティングは難化している」というひろいんさんの指摘もあったように、その手法が通用しなくなってきているとも見られています。

 

さらに、ここ近年の分野別難易度を見てみると、下記のような傾向になっています。

 

平成25年度 分野別難易度(TACデータリサーチ)

平成25年度分野別難易度

 

平成26年度 分野別難易度(TACデータリサーチ)

平成26年度分野別難易度

 

平成26年度は、TACデータリサーチ上の平均点が前年比4.4点上昇したり、Eランク問題がなくなったりと全体的にやや易化した傾向があり、特にマーケティングでのABランクの問題の比率が上がっています

それは裏を返せば、マーケティングは年度によって難易度の変動が大きい科目ということでもあります。

やはり「マーケティングから解く」という戦略が一概に通用するとは言いにくい状況なのではないかと思います。

 

そこでおすすめしたいのは、「分野ではなく、問題の性質として解きやすいものから回答していく」という方法です。

 

他の科目もそうですが、「時間をかけなくても解ける問題」「時間をかければ正答を導ける問題」を見極め、前者から優先順位をつけて解答していくことで、分野ごとの難易度に振り回されることなく、確実にABランクの問題を潰していくことができます

具体的な解く順番の参考としておすすめしたいのは、以下の通りです。

 

①知識だけで解ける問題 

②考えれば解ける問題 

③知らない用語が出てきた問題 

④何を言っているか一読しただけではわからない問題

 

ここで注目したいのは、3つ目の「知らない用語が出てきた問題」です。

過去に出題例の少ない用語が出てきた問題は、単純に知識を問う問題として扱われることが多いためか、選択肢の文章は比較的素直な表現のものが多く、じっくり読めば正解を選べる可能性が高いです。

平成26年度の第30問・設問2を例に挙げてみます。

 

問題:文中の下線部①に示す「ライフサイクル・アプローチ、ライフスタイル・アプローチ」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 近年の家計調査によれば、家族ライフサイクルの終点近くに位置する後期高齢者による耐久消費財支出の増加傾向が読み取れる。

イ  ライフサイクル・アプローチに示されるフルネスト(full nest)段階におかれた家計の消費支出をみると、医療、外食、ファッションといった項目の構成比が高まることが分かる。

ウ  ライフサイクル・アプローチは、家族という集団を人の一生に例え、「家族のライフサイクル」の普遍的な共通性に着目したアプローチである。個別の家族に固有な出来事の影響を反映した分析を行う点に最も大きな特徴がある。

エ  ライフスタイル・アプローチは、モチベーション・リサーチやパーソナリティ研究から発展したサイコグラフィクスを源流とするとされる。

 

ここで「ライフサイクル・アプローチ」という用語自体を初めて目にする人もいたかと思いますが、じっくり選択肢の文章を読解してみましょう。

以下は、私が実際に本試験で解釈した内容です。

 

ア⇒「後期高齢者」が「耐久消費財」(多分、車とか家具とか?)の支出を増やすかなあ。そんなイメージはないな…。

イ⇒「フルネスト(full nest)段階」が「医療、外食、ファッション」の購入傾向を高めるかどうか…そもそも「フルネスト段階」が何の事か分からないので判断できないな。

ウ⇒「個別の家族に固有な出来事の影響を反映した分析」って、現実問題として難しそう。

エ⇒「モチベーション・リサーチやパーソナリティ研究」は「サイコグラフィクス」の一環っぽいニュアンスを感じる。「ライフスタイル・アプローチ」もデモ、ジオ、サイコの中のどれかで言えば「サイコ」っぽいな。

 

ここで、選択肢がイかエに絞られます。

「知識がなく全く判断できない」イか、「間違った箇所がなさそう」なエを比較してみて、最終的には「より妥当そうな可能性の高い」エを選択しました。(正解はエ)

 

何をどこまで読み取れるかは状況によりそれぞれですが、未知の用語が入っていても、じっくり読むことである程度正解まで近づける問題もありますので、時間のある限り諦めずに粘って解釈してみることも有効ではないかと思います。

 

そしてこの、「文章をじっくり読み、正しく解釈しようとする」プロセスは、そのまま2次試験で求められる「国語力」につながります

「難解な日本語」にくじけずに企業経営理論を攻略していくことは、ストレート合格の強い味方になってくれるはずです。

「国語力」の話は、また1次試験の終わった8月以降にじっくりお伝えしたいと思います。

 

他の科目に比較して、成果が出てくるまで時間がかかるかと思いますが、地道にコツコツ努力を重ねていけば、モヤモヤ感や苦手意識は確実に減少していきます。

焦らず少しずつ、実力をアップしていきましょう!

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