財務会計の復習 時間を有効に使って得意科目に変身させる
世間を大騒ぎさせたカンニング騒動も、あっけなく収束しましたが、たかがカンニング程度で騒ぎすぎでしょ、と思っていたのは私だけでしょうか。
こんにちは、らいじんです。
ところで今回の報道はタイムリーでしたね。何がタイムリーかって、診断士を目指して学習している人にとって(特にTAC生)は情報の良い復習になったでしょ。あの報道を見聞きしたときに、ネットワーク関連の用語を頭に浮かべた人、さらに忘れかけていた点をテキスト等で確認した人。
日常生活でも頭が診断士学習モード
になっているGOODな状態ですよ。
人は、見たいものしか見ない、聞きたいものしか聞かない生き物。私も道場で執筆をしているおかげで、今回の報道においては診断士試験に関連する言葉がどのくらい出てくるかに興味が集中していました。
財務会計を得意科目に
さて、TACスト本科生(速習は除く)にとって来週は、復習に時間を割ける貴重な復活の時であることは前回書いた通り。もう、ここで何をどうやって復習するか計画は立ててありますよね?
ここで、ガッツリ財務会計の復習をして、不得意から脱却すると考えている人も多いでしょう。くれよんの記事にもあるとおり、財務会計は2次の結果にも大きく影響する大事な科目。しかも、くれよんの記事を別な読み方をすれば、2次の事例IV(財務会計)はスト生が上級生をKOできる可能性が十分にある科目。2次対策をどうしようと不安で仕方がないなら、財務会計を得意科目にすることが優先順位の高い2次対策と理解して財務会計に励むべし。
ちなみに道場執筆陣には財務会計を武器にしていた人がほとんど。そんな中、私は最後まで不得意意識を払拭できなかった失敗者。
私の得意・不得意の定義は若干他の人と異なっていて、財務会計が全然出来なかったというわけではないのだが、不得意意識があると試験の最後に事例IVが控えるだけに、最後まで不安を抱えながら試験に臨むことになる。
事例IVに不安をかかえていると、事例I~IIIで無理をしようとするため(得点を取りにいこうとする意識が働きやすくなる)、リスクが増す。
このあたりについては、別途詳しく書いていくのでお楽しみに、ということで、今日のメッセージは、来週とGWで財務会計を得意科目化することが、ストレート合格への近道なんだということ。
財務会計の学習方法
学習法については、既に沢山の記事があるので今回はポイントだけ。詳細については、過去の記事の中から、納得できるものを実践すればよし。
・公式の暗記などに頼らず論点を理解するよう努力
・アプトプットを多く
・最初は難易度の低い問題を優先して解く
・時間を意識する
・毎日コツコツはどっぷり浸かって理解してから
無駄に時間を使わないために
財務会計の勉強は、どうも時間ばかりかかって進みが悪いという方のための、
「無駄なことに時間を費やしていないかチェック」
以下、該当する点があるなら、やり方の再検討を推奨。
①解答のプロセスを頭で整理する前に、とりあえず計算を開始する
例えば企業価値算定の問題に取り掛かるとき、すぐに計算を始めるのはなく、与えられた資料をもとに、どういう手順で解答を導くのか頭の中で整理してから取り掛かる。
税引後負債利子率と株主資本コストを負債価値および株式価値で加重平均
↓
WACCを算定
↓
FCFを求める。
営業利益×(1-実効税率)+減価償却費-運転資本増加額-設備投資額
↓
FCFをWACCで割り引いて企業価値を算定する
この流れをまず頭で整理してから取り掛かることなく、とりあえず計算を進める方法では、なかなか得点力はついてこないばかりか、時間を浪費する可能性大。
現時点で身に着けるべき力は、このプロセスを理解して覚えることであって決して答えを出すことではない。闇雲に計算をして出した答えが仮に合っていても、次に繋がらないし、間違っていたとしたら、それこそ全くの無駄。
②解答のプロセスが思い浮かばない問題を延々と考える
プロセスが思い浮かばないのに、延々と考えるだけ時間の無駄。自分はどこのプロセスまで覚えているかを確認したら、さっさと解答をみて、その手順の意味を理解しながら覚えていくことに時間を費やすべき。
③電卓を使用しない
1次試験はご存じのとおり電卓の使用は不可。でもこの時期に計算練習をする優先度は低い筈。あくまで優先すべきは問題を読んで解答プロセスが瞬時に思い浮かぶこと。であれば、計算に時間をかける必要なんて無いし、もしかすると計算すること自体必要ないかもしれない。
④すでにできる問題を完璧に繰り返し解く
そりゃ出来ない問題ばかりやってたら、モチベーションも上がりづらいでしょうが、わからない問題を解けるようにすることを優先すべきなら、理解している問題は飛ばすくらいの気持ちでOK。せいぜい解答プロセスを頭で確認する程度に留めておくべき。もちろん仕上げの時期には、完璧に答えを出す練習はしないとダメだから、今の時期の話ね。
最後に
以上、財務会計の勉強としては、本質的な論点ではないものの、いくつか思う点を書いてみました。多くの財務会計を苦手としている方々に共通する点は、練習量が絶対的に足りない。10回解いてわからなければ11回目にチャレンジする。30回でわからなくても31回目にチャレンジするくらいの意気込みがあれば、絶対に点数をとれるようになる。
最後はベタだが、合格への強い気持ちさえあれば、診断士試験レベルの問題は絶対にクリア可能。負けるなー
では、今日はこれまで
by らいじん
ふうじんさん
補足コメントありがとうございます。秀逸なくれよん記事にフリーライドしつつ、補完的な意味を込めてスト生向けに書いたのが、やっぱりバレてますね。流石です。
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事例IVには絶望的に難しい問題があるのは事実。でも、その問題の出来によって合否は影響されない。だからできなくて大丈夫。このような無責任な話が多くて嫌になります。
ポイントはその絶望的な問題にドンキホーテばりに何も考えずに特攻した結果、時間と余裕を失い、できる問題もできずに玉砕してしまう。このリスクを考えたときに、どのような対策をとっておくべきか。まさにご指摘の選別眼を鍛えることですよね。
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もう一点、ほとんどの受験生には読み飛ばされたと思いますが、事例I~IIIを平凡に処理する大切さと難しさを、実は強調したかったんですけどね。
by らいじん
らいじんさん、こんにちは。当記事、前日のくれよん記事と合わせ読むと効果的。そう、「財務はコツコツ」も有効なんだけど、コツコツなんてやってたら短期合格など絶望的、という実態を指摘するのは勇気が要るから。そういえば「短期合格者」には財務会計を得意にする人が多い。でもこれには、
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理由1. 財務会計得意=事例IVで高得点
理由2. 財務会計が得意な場合、事例I~Ⅲ対策に十分な時間を使える
理由3. 短期合格するような論理的思考力(=理屈で考える)があれば、診断士レベルの財務会計学習など容易
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の3要素がある。理由1が確かに大きな要因であるとはいえ、事例Ⅳはギャンプル要素が強いから、確実な合格を狙うなら、理由2・3を早めに意識する方が有利。そしてここに最後まで気づかない人が多すぎる(講師含め)。財務を得意にする人がスト合格しやすいのは、事例Ⅳ対策などそこそこに済ませ、事例I~Ⅲ対策に十分な備えをするからでもある。だから百戦錬磨の上級生を追い抜く勝ち目が出てくるわけね。
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よって未だに「財務はコツコツ」とか言う合格体験談を稀に目にするけど、読むだけで恥ずかしくて耳まで真っ赤になるから、もういい加減卒業してほしい所(講師含め)。
そしてらいじんさんの言う「診断士試験レベルの問題は絶対クリア可能」。これ、真実。ただ、「事例Ⅳ本試験には絶望的に難しい問題も存在」もまた真実(例:H21年問(2))。この場合、「2次試験本番において、問題の難易度を見極める力」が合否を大きく左右する可能性あり。その意味でらいじん提唱の、
・非効率を排除した上で
・10回でも、20回でも、30回でもチャレンジする意気込み
が短期合格に大きく近づく有利な戦略になりますね。