学習プランニング

 

こんにちは、 Xレイ です。

一次試験まであと4ヶ月弱
本試験までの学習プランを、どのようにお考えでしょうか。
受験校に通学されている方は、そこから指針を得るのでしょうが、そうでない方は自らで計画を立てなければいけません。
そしてここからは、先へ進む程7科目全体を考慮したものが必要となるでしょう。

今回は、それを以下の過程で考えてみます。

1.現状の能力を把握する
2.やるべきことを見極める
3.科目毎に適切な時間を配分する

 

1.現状把握

まずは、現状の能力を把握します。
多くの方は、過去問で行うのでしょうか。

取り組んでみたところ、まだ『合格点は厳しい』という科目もあるものと。

そこで一つ質問です。
テキスト・問題集等見てOK』なら全科目、合格点いけますか?
難易度は例年並み(平均55点程?)ということで。

・・・・・・・

科目毎、以下の成長曲線を考えます。

【①~学習時間に応じて得点が上がらない理解中心ゾーン】
まずは、必要知識を理解整理(体系化)し活用可能とする。
また、科目毎に必要なスキルを身に付ける。

【②~学習時間に応じて得点が上がっていく暗記中心ゾーン】

その後は科目を問わず、必要知識の暗記
その量が増えるほど、得点へ反映されやすい。

【③~成熟能力維持ゾーン】

必要知識・スキル・+αを習得し安定高得点。
以降はその能力の維持に努める。

そして、科目毎の簡単な考察は以下。

【中小経営・政策 経営情報システム 運営管理
①ゾーンが短い
用語や概念等の理解・整理が中心。
テキストをじっくり一読といったところ。
②ゾーンに入れば以降は暗記
要するにこれら科目は、用語等の知識を直接問われる場面が多い。

【企業経営理論 経営法務】
①ゾーンが中位
用語や概念等の理解・整理に加え、知識を使って考えるスキルを習得。
また、独特な言い回しや特有の形式で問われる設問への対応を知る。
そのため、テキスト学習に加え、問題演習(特に過去問)が必要。
②ゾーンに入れば使える知識量を増やすのみ。すなわち暗記

【財務会計 経済学
①ゾーンが長い
用語や概念等の理解・整理に加え、算式や表・グラフの解釈が必要。
また、種々の解法を熟知することで、設問毎に適切なものを選択し使いこなせるようにする。こちらも、テキスト学習に加え、濃厚な問題演習が必要。
②ゾーンに入れば理解したことを覚える、すなわち暗記するのみ。
一見、他の科目と違って見えるのは、暗記する内容・手法が違うため。

・・・・・・・

以上、一次試験学習への個人的見解です。

さて、冒頭の質問に戻って、
テキスト・問題集等見てOK』なら全科目、合格点いけますか?

⇒『大丈夫』という科目は②ゾーン
『テキスト等見てOK』=『暗記免除』ということ。
それならば『いける』と判断できた。
必要知識の理解や整理、必要スキルの習得が概ね済んでる。

⇒『それでも厳しい』という科目は①ゾーン
おそらく、財務会計と経済学を思い浮かべた方が多いと推測。
解法・算式・グラフ等の理解が不十分のため、少しひねられると対応できない、という状況では。
または科目を問わず、設問に対して使うべき知識や解法を咄嗟に連想できない、という状況でしょうか。
いずれにしても、知識量以外の何かが不足しています。

 

2.やるべきこと

現状把握の後は、やるべきことを整理します。

【②ゾーン科目の対策】
これは非常に解りやすい
テキスト・問題集等を漏れなくすべて頭に叩き込めば合格
究極の一次試験対策とはそういうことです。

しかし、それはなかなか大変だ。
そこで、以下のようなことを行うのでしょうか。
ⅰ.過去問演習によって、以前に問われた論点を把握する
ⅱ.出題頻度に応じて、重要な領域を見極める
ⅲ.それら領域で、未だ不十分な知識を認知する
ⅳ.自ら最善の方法で、その知識の定着をはかる

いずれにしても、ここで重要なのは
どんなことを、どの程度やれば、どこまでいけるのか
それを明確にイメージできること。
そして、それが可能な段階にあるはずです。

【①ゾーン科目の対策】
おそらくは、見通しが立たない状況でしょうか。
考えられるのは、理解学習不足トレーニング不足
それらを補い、理解度やスキルを高めるより他ありません。

ここで憂慮するのは、焦るあまり方向性を誤ること。
代表例は、理解すべきところを丸暗記
特定の問題のみに通じる解法を、さらにはいつしかその答えを覚えてしまって、①ゾーンを抜けた気になる。
これは危険です。

一次試験まで、まだ時間はある
焦らず、しかし、足早に正しい方向へ進むべきでしょう。
そして、①ゾーンを抜けたとき、視界は開け上記イメージが可能となるはずです。

 

3.時間配分

やるべきことを見極めたら、限られた時間を配分します。

・PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

横軸=期待得点率 縦軸=期待成長率 として雰囲気は出ましたか。

【問題児】
能力導入期~成長期前半。最も時間投資が必要
時間の使い方が正しければ、いずれ得点率は高まっていく。
しかし、方向性を誤ると永遠に成長しない【負け犬】に。
【花形】
成長期の中盤~後半。時間投資に応じた得点が期待できる。
相応の投資を継続し、安定高得点を目指す。
【金のなる木】
成熟期。安定高得点が期待できる。
以降は能力の維持に努め、積極的な投資は控える。

・・・・・・・

さて、先の成長曲線において
【問題児】  ⇒①ゾーンから②ゾーン前半
【花形】   ⇒②ゾーン中・後半
【金のなる木】⇒③ゾーン
といったところでいかがでしょう。

すべてを【金のなる木】にするのが理想ですが、それはなかなか難しい。
限られた時間で、どの科目をどこまで持っていくか
ここでは、各々成長戦略を立てなければなりません。
どんなことを、どの程度やれば、どこまでいけるのか
そのイメージを使いながら。

そして、もう一つ重要なのは時間の投資時期
早い段階で集中的にやらなければ間に合わないもの。
不安な気持ちを抑え、あえて今やらない方が効率的なもの。
それらの見極めは、結果を少なからず左右するでしょう。

限られた資源を適切な時期に、適切な量だけ配賦する。
自らが企てた戦略に沿った計画が必要です。

 

以上、学習プランについて考えてみました。

相対的に不得意な科目は、誰もが持っています。
しかし、それも含めて同時ゴールを求められる一次試験。
さらには、1科目でも40点未満があれば不合格というルール。
やはり学習の進め方は、そのボトルネックに留意すべきでしょう。

・学習がさほど苦にならない得意科目のみが先走らないよう、ボトルネックとロープで結ぶ。
・ボトルネックが試験当日に合格ラインを超せるようなリズムでドラムをたたき、歩みを進める。
・気づいたら追い越されていた、とはならないよう他の科目はバッファを保ち続ける。

ドラム・バッファ・ロープのイメージで。
そして、最後は仕掛品ごと売りつけて、500点越え

それでは、また。  Xレイ

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学習プランニング”へ4件のコメント

  1. Xレイ より:

    ふうじんさん

    補足説明をしていただき、ありがとうございました。
    私は『420点の以上の製品』を『7科目という工程』で作り上げる、つまり、①得点面のみに着目してボトルネックという表現を使用しました。制約理論の例えはあまり上手でなかったのかもしれません。
    リンクを張らせていただいた、ふうじんさんの記事を再度確認したところボトルネックの用途が異なるようです。
    大変ご迷惑をおかけ致しました。
    その箇所、削除したことをご報告いたします。
    以降、細心の注意を払って参ります。

  2. ふうじん より:

    zenzen様、コメントありがとうございます。ヨコからお邪魔します。
    .
    「財務」=ボトルネックと考える場合、①得点面 ②時間面の2つがあります。簿記得意タイプは1次2次で80点荒稼ぎをしますが、あくまで平均60点取れば良い試験なので彼らと競う必要はなく、得点面は必ずしもボトルネックとは言えません
    .
    一方、「財務」をコツコツやると他科目の学習時間を奪い、両方のパフォーマンスを下げます。これが制約理論ですね。従いXレイ氏も申している通り、「どこかでどっぷり財務漬け」がボトルネック解消に非常に有効です。

  3. Xレイ より:

    zenzen様

    コメント頂きありがとうございます。
    本記事で最もお伝えしたかった箇所についてご感想を頂けたこと、大変嬉しく思っております。
    『ボトルネックがボトルネックのままで60点を超える』
    これで一次試験100%合格。
    昨年度そのように考え学習に取り組んでいました。

    >ここでどっぷり漬かって理解レベルを押し上げる予定

    まさに今はその時期だと考えております。
    『8月までコツコツやって何とか・・・』などと悠長なことを言っていては危険です。一度は集中的にやってレベルを一気に押し上げなければ。
    逆に、ある程度目処が立っている科目こそは、あえて目先の模試のため無理に仕上げる必要は無いものと考えます。

    ちなみに、私のボトルネックも『財務会計』でした。
    以下は参考までに。

    不得意な理由は明らか。全く無知から始めた『簿記』です。
    しかし、数学力で乗り切ると決め、深くは取り組みませんでした。
    本試験はぎりぎり60点。
    簿記を水準以上知っていると、どの程度有利か?
    それを確かめるため、先日簿記2級を取得してきました。
    あらためて昨年度の問題を見たところ、少なくとも10~20点程は上乗せされます。
    やはり、簿記は重要なようです。
    現在は、ふうじん先生の『イケカコ5週講義』をテキスト片手に取り組んでいます。

    長々とすいません。
    zenzen様の必勝をお祈りしております。

  4. zenzen より:

    いつも楽しみにしております。
    「仕掛品ごと売りつけて、500点超え」のフレーズが刺さったため、初めてコメント差し上げます。
    やはり自分にとってのボトルネックは財務会計。
    1次模試まで2週間しかありませんが、まずはここでどっぷり漬かって理解レベルを押し上げる予定です。
    ドラムのリズムを速めてやっていきます。

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