【合格体験記】戦略的 de 泥臭く スト合格!~うみのさん~
ご無沙汰してます。U2です。
今週も合格・未合格体験記をご紹介いたします
敵を知り、己を知りつくすまで努力を重ね、見事ストレート合格を勝ち取られた、うみのさんです。
それでは、どうぞ
寄稿はここから
(1) 診断士に挑戦した理由・きっかけ
私の場合、以下の2つが主なきっかけでした。
●広告代理店で企画職をしておりまして、「現状とあるべき姿のギャップ(=課題)と、それを埋めるための解決法」として広報や広告の戦略を考えるというロジックを基盤にして、クライアントに提案する機会が多かったこと。
●研修でマネジメントスクールの科目をいくつか受講し、それがものすごく刺激的で面白かったこと。
これらが次第に自分の中で大きくなって、「経営戦略にかかわる知識を体系化してみたい」と思うようになりました
最初はMBAを取得したいと思ったのですが、コストと時間面での制約が大きかったため、他にこういった知識を学べる機会はないだろうか、と調べたところ、中小企業診断士の資格があることを知り、「面白そうだしやってみようかな~」とゆるく決意しました
(2) 学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目
知識:仕事柄、多少マーケティングの知識がある程度。あとは、国語が得意だったこととコピーライティングが仕事の一部だったため、2次に対しては少しだけ「向いている」感じはありました。(実際はもがきながら勉強することになりましたが…)
得意科目:経営情報システム、運営管理
不得意科目:財務(超ニガテ〈E〉)
(3) 学習スタイルとそのメリット・デメリット
●TACの「1・2次ストレート本科生コース」に通学。
メリット:効率的な勉強計画がカリキュラムとして組まれていること。特に1次対策は、独学でやろうとしたら自分の場合は絶対挫折していたと思います。
デメリット:講師の合う・合わないによって理解度が大きく異なる。
●2次はTACと並行して、MMCの通信も受講。
メリット:色々な参考書を見ましたが、自分にとって最も腑に落ちたのがMMCのロジックでした。そのロジックに基づいて添削してもらえたことも大きかったです。添削のコメントは直前まで、何度も何度も読み返しました。
デメリット:通信だったため、先生に質問しにくかった。
(4) 合格までの受験回数、学習時間とその作り方
1次試験、2次試験ともにストレート合格
学習時間:
2013年8月からTACへの通学を開始し、平日3時間、休日各7時間程度。
2次試験は繁忙期と重なってしまったので、平日は2時間、休日各7時間程度。
(5) 合格までの学習法
大学受験時代でさえ、ほとんど寝ていた記憶しかなかったので「受験勉強のやり方」自体がよくわかっていませんでした
そこで、巷にある「勉強法」に関する本を片っ端から読み、片っ端から試してみる、というやり方の中で、自分に合った勉強法を少しずつ確立していきました。
なかなか方法が定着しきらない焦りはありましたが、一度手ごたえのある方法をつかんでさえしまえば、最も大事な直前期に迷わなくて済むと信じて、思考錯誤し続けました。
結局、「このやり方で行こう」と決めたのは、3月ごろでした。
(このへんの経緯や具体的な内容は少し長くなるので、またお話しできる機会があれば…と思います)
1次試験:
8月~3月までは、勉強法を模索しながらTACのカリキュラムに必死についていった記憶しかありません。
模試や完成答練の成績を振り返って、4月以降に思ったことは…
1次試験の戦略としては「強みを伸ばす」しかない、ということでした。
苦手意識があったり点が伸び悩んでいた財務会計、経営法務、経済学・経済政策に関しては「40点以下を取らない」ことを目標にし、そこそこ点数の取れていた経営情報システム、運営管理で苦手を補えるよう強化していくことに注力しました。
私の本試験の成績は以下の通りです。
経済64 (平均点61.49)
財務48 (平均点47.60)
経営76 (平均点56.49)
運営67 (平均点59.44)
法務47 (平均点54.00)
情報56 (平均点 55.28)
中小69 (平均点69.36)
合計 427点
結果的には、企業経営理論と運営管理、中小企業政策に救われた形で合格しました。
頼みにしていた経営情報システムが思いのほか難しく全く強みになりませんでしたが、中小企業政策、経済学・経済政策が易化したことに救われました。
結果論ですが、何かが難化したら必ず何かが易化しているはずなので、「易化したものを逃さず点を稼げるようにする=“7科目通して、みんなができる基礎的な問題は解けるレベル”を目指す」という感覚で勉強することも大切だと、本番を終えて思いました
意外だったのが、企業経営理論です。
最初のTAC養成答練で謎の奇跡の87点を取って以降はずっと50点前後から一向に伸びなくなり、その一方で過去問では70点前後という、よくわからない点数の取り方をしていました
「TACのテキスト自体が過去問に即して作られているのだから、過去問でそこそこ解けるのは当然で、答練や模試の成績こそが自分の実力なのだ」と解釈していました。
ですが、実際に本番に臨んでみると、過去問と同じような「分かる、解ける」感覚がありました。
本番の採点を終えて、「もしかしたら、作問者の違いによって成績の出方が違っていたのかもしれない」と思い、
(一概に言うことはもちろんできませんが…)
「過去問こそが最上の参考書である」ということを改めて感じました。
受験生の皆さんにも、予備校の答練でなかなか思うように点が伸びない場合、過去問に目を向けてみることをおすすめしたいです。
2次試験:
8月は、ほとんど何もできませんでした
(1次試験終了後の放心状態があまりに大きかったのと、仕事が繁忙期に入ったため)
2013年の10月くらいからTAC生同士の自主勉強会にちょくちょく参加しており、月に2~3事例ほど解いていましたが、4月以降は1次試験に集中していたため、9月に入って再び演習問題に向き合った時、さっぱり書き方を忘れていることに気付き、激しく焦り出しました。
勉強を再開してからの、自分のテーマは
●限られた残り時間で、
●いかに自分の弱みを克服するか?
でした。
私にとって、1次試験は「強みを生かす」試験なら、2次試験は「弱みを克服する」試験でした。
2次試験は、1次と異なって4科目しかなくそれぞれの比重が大きいことと、「点を取れない理由」は科目別と言うより、4科目共通した本質的な部分に大きくある、と感じたことがその理由です。
私の場合、点数の良い時は50~70点程度、全然取れない時は30~40点程度と、非常にムラの激しい成績だったため、そのムラがなぜ起こるのか?を自分なりに考えることからスタートしました。
並行して、「演習や過去問を解いて復習する」というサイクルを回していくにあたって、どのような方法でそれを行っていくかを再度考えました。
半分は、「1次試験でやっていた勉強方法を踏襲する」ことに賭けてみようと決めました。
もう半分は、思考錯誤の余地を残すことにしました。
色々なセミナーに参加して勉強法を聞いたり、合格者の方にお会いするたびに「得点が伸びるきっかけになった勉強方法、回答プロセス」を尋ね、片っ端から試してみました。
ただし1次の時ほど時間がないので、PDCAをより早く回さなければなりません。
1事例解くごとに、「今試してみた方法はどうだったか?」「定着できそうな感覚はあるか?」を振り返り、2事例を1サイクルとして、「この方法は残す」「これは自分に合わないのでやめる」を決めるようにしました。
その中で少しずつ、「なぜ点数のムラが起こるのか」に気付くことができました。
(このへんも長くなるので、また別の機会にお話しできればと思います…)
またいくつかの勉強会に参加してみて、自分に合った勉強会を見つけるようにしました。
(「自分に合った勉強会=自分の弱みを補完してくれるスタイルの勉強会」と定義していました)
私に合っていたのは、「お互いの回答を見せ合い、それぞれに足りない箇所を指摘しあう」勉強会でした。
自分では分からなかった自分の弱みが見え、その克服に必要なことが見えてきて、そこからは点数が少しずつ安定するようになりました
この勉強会に出会えたことが自分にとっては本当に大きく、感謝しています
(6) 学習時・受験時のエピソード
本番はガチガチに緊張して、事例I・IIは全く手ごたえがなく、終わった後に
「もうだめだ。帰りたい…」
と思いました。
なんとか昼休みに気持ちを切り替え、IIIとIVでようやく、ずっと続けてきた「自分に合ったやり方」が生かせた感覚がありました
それでもまさか、合格できているという感覚は全くなかったので、合格発表当日、仕事の移動中に携帯から自分の番号があることを確認し、呆然としました
やがてじわじわと実感がやってきて、見慣れた電車からの景色が光輝いて見えました
あの時の感覚は、多分ずっと忘れられないと思います
(7) これから合格を目指す方へのアドバイス
本当にギリギリで合格したので、偉そうなことは何も言えませんが、二つだけ…。
受験勉強においては「自分を知る」ことが大事だと知りました。
周りがどうであろうと、自分の見つけた自分のやり方を愚直にやり抜くこと、それが何よりも自分を強くしてくれるのだと思います。
数ある教材も情報も、それを見つけるためのツールに過ぎません。
また、オリンピック選手などもそうだと聞きますが、「本番当日にベストパフォーマンスな自分を強くイメージし続ける」ことも大事だと思います。
答練や模試の成績は、すべてそのための材料に過ぎません。
と言いつつ、私もなかなか点数が伸びず、何度も何度も落ち込みました
「今こんなんで、本番で良い点が取れるわけない」と思っていました。
でも、「本番当日の自分」は「今まで一番勉強してきた自分」なわけですから、本番こそ、最高のパフォーマンスを発揮できる自分であるはずです。
「本番の自分」を他の誰でもない自分で信じてあげましょう。
今回の体験記を書くにあたって、勉強ノートを読み返してみたら、冒頭に大きく「何度も何度も間違え続けることが、本番で正解するたった一つの道」と書いてありました。
自分をむりやり励ますために書いた言葉ですが、皆さんもぜひ、間違えて間違えて間違えまくって、本番での正解につながってほしいと強く願っています。
長文になり申し訳ありません。
読んでくださった方、ありがとうございます
あなたの合格を心から祈念しています
寄稿はここまで
いかがでしたでしょうか?
一次試験は自分の強みを強化し、二次試験は自分の弱みを補うという戦略。
診断士試験突破のための、本質を突いている勉強方法だと思います。
その過程において、 何度も何度も悔し涙を流し、間違えることを恐れず、自分を信じ愚直に突き進むことが、スト合格を勝ち取られた要因の一つだったのではないでしょうか。
そして、自分を知ることの大切さを、改めて教えていただきました
うみのさん、合格体験記のご寄稿大変にありがとうございました
本試験まであと7か月余り。
今日もまた、新たな気持ちで価値ある一日を
今日の四字熟語:不撓不屈(ふとうふくつ)
意味:どんな困難に出会っても心がくじけないこと
今日も元気で
U2でした。