実務補習とは
こんにちは。ハーンです。
二次試験が終わり、2015年度の一次試験向けの記事が増えてきましたね。
一方で、二次試験を振り返るといった記事も、引き続き掲載されています。
二次試験が終わってから、もうすぐ1ヶ月が経とうとしていますが、合格発表はこれから20日程度先になります。本当に長いですね・・・
ということで、悶々としている方も多い中、今回は趣向を変えて、気が早いと言われそうですが、実務補習について記したいと思います。
今年、二次試験を受験された方。二次試験に合格していれば、すぐさま口述試験があり、年明けには合格発表。1月末には実務補習と、この間はあっという間に過ぎていく感じです。私の経験上もあっという間でした。
二次試験ができなかったと思っている方。みんなそうです。もし合格したら?口述対策もさることながら、仕事と実務補習をどうやって折り合いをつけるのか、休暇の申請は?などスケジュールを今のうちにシミュレーションしておく方が良いと思います。
他方、来年度の試験を受けるべくこれから学習を始める方。診断士の「資格取得」ということを仮にゴールと置いた場合、最後の関門(今の制度では試験ではありません)が「実務補習」となります。(今回の記事では実務従事で申請要件を満たす方は置いといて)
ゴールから現在地まで遡ってくると、全体が良く見える事があります。そうした観点で気軽に読んでいただければと思います。
◆診断士としての登録に至るまで◆
こちらの中小企業診断協会のホームページに、登録までのフローが掲載されています。既に二次試験まで受験された方は、熟知されていると思います。
(よく二次試験って言われているのは、二次試験の筆記試験を差します。口述試験は、ほぼ合格しますので)
この中にある実務補習(15日間以上)というのが、今回の記事の内容です。
診断士に合格して最初の実務補習は1月末にスタートします。合格してすぐ受けることが必須ではありません。ただし、二次試験(口述試験)合格後3年以内に受講する必要があります。
◆15日間コースと5日間コースの選択は◆
そして、15日間コースと5日間コースがあります。
よく聞かれる話として、15日と5日、どちらを選択したほうがいいのか?ってのがありますが、メリット、デメリットありますので一概には言えません。
何より早く診断士登録したいなら15日間コースです。その年の4月に登録可能です。ただ、仕事で都合がつかないなどの場合は、必然的に5日間コースになると思います。
その場合、次に実務補習を受けられる機会は、その年の7~9月になるかと思います。
ここで計10日間、実務補習を受ければ、秋に診断士登録が可能となります。
なお、15日間コースでよく言われるのが体力面の問題です。はっきり言って、15日間コースは、一段とハードです。私自身、15日間コースを選択しましたが、かなりしんどかったです。とはいえ、みなさん脱落せず15日間コースを無事修了していましたので、最後は「気力でカバー」ってことですね!(笑)
一方、合格した勢いで一気に頑張れるメリットもあります。同じメンバーでチームを組むので、結束が固くなる、メンバーの性格が分かるため調整がしやすいなどのメリットもあります。置かれた環境を考慮して、ご自身に合った選択をしてください。
個人的には環境が許すなら、合格した勢いで頑張れる15日間コースをお勧めしたいですね。
◆具体的にどんなことをやるの◆
今回は概要なので、詳細は平平の過去記事を参照願います。詳細は1月に機会があれば書くかもしれません。なお、私の時のスケジュールも過去記事と似たような感じでした。
まずは、「5日間」といっても最初に2日(木・金あるいは金・土)、そして1週間程度の自習期間があって、後半3日(土・日・月)って感じです。なので、5日間コースは実質11・12日とかいう感じです。15日間コースは1ヶ月以上に及びます。
大まかなイメージは、以下のとおりです。
・5~6名のグループで班を構成。経営・財務・人事・営業・生産・販売等に分担する。
・指導員の先生がついてもらえてアドバイス(時にはシビアな要求?)をもらえる。
・最初の2日で診断先企業へヒアリングをして、その後提案の方向性を決める。
・自習期間の1週間程度で、担当分野の資料を作成。(A4で10枚程度)
・後半2日で、資料の追加・修正など。そして資料を完成・製本。
・最終日は診断先へ行って報告会。(+打ち上げ!)
まず、いきなり初日から診断先へヒアリングに行くケースが多いです。私も初めて会った他のメンバー5名とその日にいきなり診断先へ行ってヒアリングをしたのには面食らいました。(一応、事前に情報はもらえたので少しは予習をしていましたが)
チームでの議論は夜に及びますし、自習期間のレポート作成は平日のため仕事が終わってから。なので深夜までおよぶことも多々あります。自分だけ遅れるとみんなに迷惑がかかりますから。
そうして作成した資料で3日目に指導員の先生から大幅なダメ出しがあると、4日目までには修正してFIXしなければいけない。ホントきついです。診断協会のホームページにあるスケジュール表をみていただければわかるように、15日間コースだと月曜に報告会が終わったら、その週の木曜か金曜には次の診断先の1日目がスタートします。ホント体力勝負です。
◆貴重な経験◆
個人的には、以下の理由から非常に素晴らしい制度だと思います。
・知らない企業にいきなり訪問してヒアリングをさせてもらい、提案を作り上げるというのは、なかなかできない貴重な経験。
・メンバーは診断士合格者のみ。高いレベルでいろんな経験を持ったさまざまな世代のメンバーと切磋琢磨するのは刺激的。
・指導員の先生から、ものの見方や提案を通じて一次試験で学んだ本当に基礎的な知識の使い方などを学ぶことができる。
あと完全な余談ですが、実務補習の指導員ができるのは、独立診断士で経験何年といったようなハードルがあると聞いたことがあります。
とすると、指導員の数が限られる→実務補習の受け入れ人数が決まってくる→合格者数が決まってくるということになります。それが毎年1,000人程度ということになるわけじゃないですかね。
この制度が、指導員のレベル・チーム構成の人数というのも含めて維持されるなら、他の資格あったような合格者が何倍にもなるといったことがない、ある意味で資格取得の参入障壁になっているかと。裏を返せば、毎年一定数は合格者がでるわけですので、読者のみなさまには、ぜひとも合格してほしいです
実務補習は正直大変ですが、得られるものも多いです。こうした情報が、みなさまの今後のモチベーション向上に少しでもつながるといいなぁと思います。
◆今日の要旨◆
・二次試験(筆記)に合格したら、口述試験、実務補習はあっという間。休暇取得も含めて仕事との調整を考えておいた方が良い。
・15日間コースと5日間コースはそれぞれメリット・デメリットがある。置かれた環境を考慮して、ご自身に合った選択をしてください。
・睡眠不足などで大変だけど、実務補習は自分を高めてくれる非常に貴重な体験。この制度は本当にありがたいと感じている。
最後までお読みいただきありがとうございました。ハーンでした。