ワクワクしながら事例を解いてた—KensukeEguchi さんの合格体験記
こんにちは。ZonEです。
本日は、合格体験記×豪華(?)3本立てでお送りいたします。
まず1本目は、KensukeEguchi さんの一風変わった合格体験記です。
— 寄稿ここから —
合格体験記
私は、直前期に直面した「内なる敵」と、どう対峙しどう退治したか
1.前説
2.受験暦、2次再開~当日朝
3.当日の仕掛け(各事例対策)
4.最後に
2009年1次突破、2010年2次突破の、KensukeEguchiです。
基本スペックは、
・31歳、既婚、子なし。
・中堅企業(上場環境装置メーカー)勤務
・ここ3年ほどは事業開発に従事。
まっとうな合格体験記としては、
長い受験をともに戦った勉強仲間にささえられた事、
もっと言うと勉強会の運営にあまり貢献できずフリーライド状態だったこと、
支えてくれた家族や応援してくれた人達のこと、
などが実際の合格要因ですし、書きたい事、そして伝えたい感謝の中核なんですが、
まあ、それは日を改めるとして…
ここでは、私が直前期に直面した「内なる敵」とどう対峙しどう退治したか、
についてご一緒に振り返っていただければと思います。
2008年某日 参考書(スピードテキスト7科目分)を購入。ナナメ読み。
2008年初夏 T■C1次模試をためしに受験し、独学は無理と判断。
2008年11月 T■C1次2次ストレート本科 受講開始。
2009年7月 1次合格(合計469点)
2009年10月 2次敗退(ACBB総合B)
以上が初年度。色々な思い出や教訓もありますが、
本稿では、2次試験リベンジ開始から陳述していきます。
2010年5月、T■Cチェック模試を機に、試験対策を再開しました。
事例Ⅳがなんとかなれば、なんとかなるかな?というまずまずのスタート。
2010年9月のT■C直前模試では上位7%、A判定をマーク。
ただし事例演習ではA判定~D判定をぐるぐると全く安定せず。
とくに財務は直前までひどい点数を連発。
直前3週間の時点で講師に
「もう財務の過去問やんなくていいですよね?」と質問。
質問というより、あれは子供がぐずってる状態だったなあと。
(心優しい講師からは、的確なアドバイスをいただきました。本当に器が広い方でした。1次からずっとお世話になっています。)
そのあたりから、「もう時間ない」「今年駄目かも」的な不安が波状攻撃。
1週間前の土日を最後に、本試験まで、事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ対策は全く手をつけてません。
たまたま仕事もピークで、焦った精神状態に拍車をかけてました。
試験前々日の金曜は有給を取得。
この日、不安は波というより津波で来ました。
1日試験対策は何もせず。テキストも開かない。
ちょうど家族がいない日で、一日バイオハザード(iPhoneのゲーム)にハマる始末。
さすがに前々日に仲間や講師に愚痴るわけにもいかず…
やばい、このモードを引きずったら試験当日バックレそう、ってくらいダウナー状態でした。
今振り返ると、この状態は人為的には脱出できなかったんじゃないかと思ってます。
さて、試験前日は、身内の結納的な祝い事があり、名古屋へ。
結果的にこれが第1のリカバリー要因となりました。ラッキーでした。
東京からの新幹線で、事例Ⅳ経営指標だけひたすら解く。考える余地をいれず、ひたすら機械的に。
祝いの席では、めでたい席なのに仏頂面するわけにいかん、という大人の面子と、酒の力で、
無理やりテンションあげました。
コレで5割くらい、負の感情は退治しました。帰りの新幹線は爆睡、夜もスッキリと寝付けました。
試験当日、酒も残らず予定時刻に起床、少し道に迷いつつも余裕で会場へ。
試験ないのに応援に駆けつけてくれた仲間の顔を見て、バックレなくてよかったーと思いました。
そして、そんなこと考えて今年の戦友に申し訳ないと思い…
これでギアは入りました。これがリカバリー要因2。
リカバリー要因3は、当日のある「仕掛け」でした。
目的は、「いかに楽しい日」にするか。
仕掛けは、成功しました。
直前に某講師からいただいた「合格のしおり」
小学生向け遠足のしおり風のレジュメに、当日のプログラムケジュールがあり、
休憩時間のところに、わざわざBGM1、2、3と盛り込まれてました。
あ、聞く曲を決めとけばいいんだ。
せっかくだから事例に即したコンテクストで曲を決めよう。
実は前日の夜はそれしかしてません。(あと300円以内でおやつをチョイス)
準備はいいですか?
(1)事例Ⅰ 組織論対策
髭/ロックンロールと五人の囚人
http://www.youtube.com/watch?v=_r_Yaz0tM78
プライマルスクリーム/shoot speed / kill light
http://www.youtube.com/watch?v=K-ROepOxoGw&feature=related
中小企業においてマネジメントチームの存在感・影響・役割は大きいが、個人的にはロックバンドの役割分担や力関係みたいなもんかなあ、と思う。(無理筋)
成長期のマネジメントチームのサンプルとして、日本のロックバンド「髭」。
成長期にふさわしくカリスマ(?)がチームを引っ張る。が、実態は成り行きでフロントマンになったって所も、今様草食系ベンチャーにふさわしい。
てらいも無くベンチマーク企業(超有名曲)をさらっと模倣するところも◎
(それはリーダー企業のとるべき戦略だけどそれはおいといて…)
成熟期のマネジメントのあり方は、UKのロックバンド、プライマルスクリームから学ぶ。
有力企業からスピンアウトした社長が、何度も事業のドメインシフトを繰り返し、時には別の会社の役員をヘッドハントしたりしながらも、強烈なワンマンっぷりでサバイブしていく。
設立理念(=初期衝動)をうまく維持し、常に花形マーケットにいながら、円熟味を増すというのも、まさに企業成長曲線を見ているような錯覚を覚えるバンド。
ツアーやインタビューで、若手を積極的に紹介していくのは、若手にチャンスを与える今年のA社っぽかったかな?
(2)事例Ⅱ マーケティング対策
U2/Vertigo
http://www.youtube.com/watch?v=98W9QuMq-2k
iPodブレイクの契機となったCMのひとつ、U2のvertigo.。赤黒のU2モデルなんてものあってカッコ良かった。
当時流行ってたロックンロールリバイバル風サウンドに、大御所U2が便乗したフリをしつつ、その実圧倒的なオリジナリティを見せ付けた。U2のアルバム、iPodともマーケットを席巻。
かなりアゲアゲな曲なので、事例ⅠからⅡに頭を切り替えるにはもってこい。その過剰なノリのまま、事例Ⅱスーパーマーケットの戦略を指南。
U2(というかボノ氏)、気候変動やジュビリー2000など、CSRに過剰なこだわりがあるのも、最近の事例Ⅱっぽい。
(3)事例Ⅲ 生産管理対策
お弁当
何度か本試験を経験しているが、注意してるのが、昼食でテンション下げないこと。
コンビニおにぎりやサンドイッチだと萎えるので、毎回弁当を嫁に頼んでた。
さめてもOK、ボリューム少なめ、かつ腹持ちよいという条件を満たす、ヘルシー和風ハンバーグが定番。あと真空断熱魔法瓶であったかいハーブティーで体を温める工夫も。
で、必ずお昼寝をする。
で、昼寝から覚めたら、メタルカラーに自分をシフトする。
道場ハカセの教えに、「自分は急に工場長に任命されちゃった」というのがあり、
とにかく切削油とハンマービートの世界に自分を連れてく必要があり、
パフューム/ElectroWorld
http://www.youtube.com/watch?v=pyFgxQoaO_s
で、Perfume。
ブレイク直前のこのシングル曲、サウンドはとことんメタリック、インダストリアルなギターサウンドと機械的ビートに、プラスティックな歌がのる。一見派手だが、聞き込むほどに男泣きの職人気質が感じられる曲。
アイドルオタク村→サブカル村→ロックフェス→CM→紅白、と領土拡張してく様は、少ないリソースで中国進出を図る本年度事例ⅢC社のよう。(無理無理筋)
ちなみに亀戸サンストリートで偶然ライブを見かけたとき、彼女達まだ中学生、まさか天下を取るとは…
(4)事例Ⅳ 計算問題対策
Kraftwerk / Pocket Calculator
http://www.youtube.com/watch?v=5eI3gCWL-sY
もうね、コレ以外に事例Ⅳ直前に聞くべき曲があろうかと。
I’m the operator with my pocket calculator
I am adding and subtracting
I’m controlling and composing
(意訳)
ボクハ 音楽家 デンタク片手ニ
足シタリ 引イタリ
操作シテ 合格スルー
以上!
人様のブログで、愚痴を垂れ流したかと思えば、読者層を完全無視した自己満足が続き、読むのを断念した方がマジョリティかと思いますが、狭き門を突破しココまでお付き合いいただき、ありがとうございました。あなたとは良いお友達になれる気がします。
本当に試験日周辺の私の心の乱れっぷりは目も当てられない状況でした。
なのであえてそれをお伝えしたく、「終わった愚痴」と「与太話」を書いてみました。
色々な方も指摘されていますが、
特にこのブログを熱心に読まれるであろう一発合格狙いの方は、
残念ながら、当日まで「完全に仕上がった!」という感触は、得られないと思います。
初代道場師範の「ふうじん」さんくらいじゃないかな…
自分は2年目でしたが、その「不安」には目を背け、あえて不問にすることで、
「今日は趣味で、ライフワークの企業分析を、沢山出来る嬉しい日」
「今日の診断を肴に、夜は楽しい酒を飲もう!」
という境地まで至りました。(試験当日にそんなtweetをしています…)
http://twitter.com/#!/KensukeEguchi/status/28542041782
だから当日はそんなにしんどくなかったです。
むしろ、ワクワクしながら事例を解いてた気がします。
(唯一、事例Ⅲは例外。つらかった。kraftwerkは偉大だ)
本番を楽しむ。
そう、試験であれ何であれ。「本番当日」は「祭り」です。
祝祭は、祝うものをこそ祝福するものです。
どうですか?楽しみになって来ましたか?
皆さんも今年、「楽しい祭り」を迎えられることを、祈念します!
KeusukeEguchi
— 寄稿ここまで —
KeusukeEguchi さん、ありがとうございました。
本日の2本目は、takumi さんの合格体験記です。