【中小企業経営】白書のポイント5選(2013年度版中小企業白書第1部より)

ご無沙汰しております。

butaoです

本日から7月ですね。

暑くなりますが、試験まであとすこしなので頑張っていきましょう

さて、本日は前回の私の記事に引き続き、中小企業経営について2013年度白書からグラフを幾つか選出し、クイズを出したいと思います

今回は第1部に着目してクイズを出題します
その背景ですが、TACのスピテキの最後部に掲載されている出題分野の推移によれば、白書第1部からの過去の出題比率はそこまで高くないです。
しかし、白書第1部は、経年比較を追うグラフが多いために、覚えにくいと感じている受験生も多いかと思います
そこで、45個ある中小企業白書第1部のグラフの中から、5個を選んで出題・解説したいと思います

よろしくお願いします

※以降の『p.XX』の記述は、2013年度版白書のページ数を意味します。

***

■クイズ1: 09年度から12年度にかけて、製造業の設備投資の推移に関して正しい記述はどれでしょうか。

(A)大企業製造業でも中小製造業でも伸び(上昇し)続けている

(B)大企業製造業では伸び続けているが、中小製造業では12年度に下落している

(C)大企業製造業でも、中小製造業でも下落し続けている

(D)大企業製造業では、12年度は前年度比でマイナスとなっている

 

正解は(B)です。

コメント:大企業および中小企業の設備投資動向についてです(p.16)。
09年度から11年度までは、大企業も中小企業も伸び続けていたが、12年度は大企業製造業では前年度比で設備投資が伸びているのに対して、中小製造業では落ち込んでいる点を押さえておきましょう。

■クイズ2: 10年度から12年度までの中小製造業の設備投資における投資目的に関して正しい記述はどれでしょうか。

 

(A)12年度は『合理化投資』が前年度比で増加している

(B)12年度は『能力拡充投資』が前年度比で増加している

(C)設備投資の伸び率は前年度比で伸び続けている

(D)12年度で最も伸び率が高い目的は『合理化投資』である。

 

正解は(A)です。

 

コメント:中小製造業の設備投資における投資目的の変化です(p.16)。

1)12年度で最も比率が大きいのは『更新、維持・補修』である点、
2)前年度実績費で、ここ3年間で最も低い伸びとなっている点、
3)昨年度までは大きな割合を占めていた『能力拡充投資』が前年度比マイナスとなっている点、
4)昨年度は割合の低かった合理化投資が伸びている点、

の4点を覚えておきましょう。

 

■クイズ3:10年度から12年度までの中小企業の従業員化不足DIの推移に関してです。正しい記述はどれでしょうか。

 

(A)非製造業よりも製造業のほうが、不足感が強い

(B)製造業では低下傾向が続いており従業員の不足感が強まっている

(C)非製造業では低下傾向が続いており従業員の不足感が強まっている

(D)非製造業においては、従業員過不足DIは10年度から12年度まで一貫して負の値である

 

正解は(C)です。

 

コメント:10年度から12年度までの中小企業の従業員過不足DIの推移に関してです(p.17)。

1)製造業よりも非製造業のほうが一貫して人手の不足感が強い点、
2)非製造業では10年から12年で値の低下傾向が続いており、人手不足感が強まっている点、

の2点を押さえておきましょう。

 

■クイズ4:産業別の電気料金が10%変化した場合の利益率の変化に関してです。正しい記述はどれでしょうか。

(A)最も利益率が低下するのは『一般機械』産業である。

(B)最も利益率が低下するのは『窯業・土石』産業である。

(C)最も利益率が低下するのは『化学』産業である。

(D)最も利益率が低下するのは『鉄鋼』産業である。

 

正解は(D)です

コメント:電気料金が10%変化した場合の利益率の変化の試算結果(営業余剰/国内生産額)についてです(p.21)。

1)最も利益率が低下する産業が『鉄鋼』である点を最低限押さえておきましょう。

余裕があれば、

2)第2位が『化学』である点、

を押さえておきましょう。

 

■クイズ5:規模別の資本生産性の推移に関してです。正しい記述はどれでしょうか。

 

(A)規模別の資本生産性の差異は拡大する傾向にある

(B)商業・サービスにおける規模別の資本生産性は大企業が小規模事業者を上回っている

(C)製造業における規模別の資本生産性は大企業が小規模事業者を上回っている

(D)資本生産性とは、有形固定資産÷付加価値額で算出される

 

正解は(B)です。

コメント:規模別の資本生産性の推移に関してです(p.42)。

1)資本生産性=付加価値額÷有形固定資産で導出され、この指標が高いことは生産設備を効率的に使用できていることを示すこと、
2)従来は小規模事業者のほうが中規模企業、大企業に比べて資本生産性が高かったこと、
3)現在は規模別の資本生産性の差異は縮小する傾向にあること、
4)商業・サービス業では小規模事業者より中規模事業者、大企業のほうが値が大きいこと、

の4点を押さえておきましょう。

 

***

以上、5つのグラフについてクイズ形式で紹介いたしました

中小企業白書に限ったことではありませんが暗記は、一気に、全て、細かく、覚えようとせず、少しずつ、絞って、ざっくりと、覚えるほうが点数を獲得するために有効です。
前回の記事でも紹介しましたとおり、以下のポイントを守って着実に覚えていくことが大切です。

 

(1) 「イチバン」をチェック

(2) 特徴的な傾向をチェック

(3) 新たな傾向をチェック

(4) 自分の感覚との違和感をチェック

(※【中小】NANAさんが贈る中小のポイントより引用)

以上、butaoでした

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【中小企業経営】白書のポイント5選(2013年度版中小企業白書第1部より)”へ8件のコメント

  1. butao より:

    あっきー様

    こちらの記事にもコメントありがとうございます。
    昨年が易化した印象でしたので、
    今年は難化するかと思いましたがそうでもなかったようですね。

    あっきー様が高い得点を獲得できたとのこと、非常に嬉しく感じます。

    次は2次試験かと思います。
    2次試験はコツをつかむまでが難しいですが、勉強のコツさえつかめば合格は難しく無いと思っています。

    そのコツをうまく伝えられるよう、頑張ります。
    今後共よろしくお願いします。

  2. あっきー より:

    先ほど、もう一つの方のクイズ記事にもコメントいたしましたが、こちらの記事中の5問からは1問が論点的中したと言ってよさそうです。
    クイズ5→第3問(設問2)
    今年の中小は「そんなのあったっけ?」という出題は少なく「どっかで見たぞ」が多かった気がするのですが、それもbutao様の記事のおかげです。
    的中した問題はもちろん全部いただきました(笑)
    ありがとうございました!

  3. butao より:

    >あっきー様
    選択肢に関して貴重なコメントをありがとうございます。

    ■クイズ2
    (C)設備投資の伸び率こそ低下していますが、前年度比で伸び続けていることは伸び続けているから、これも正しい肢となりませんか?

    おっしゃるとおりです。『伸び率が上昇し続けている』という表現に修正させていただきました。

    (D)結果的にこの肢は誤りかもしれませんが、グラフから直接には読み取れないので、「最も比率が高い目的」→「最も伸び率が高い目的」等の表現の方が適切なのではないでしょうか?

    おっしゃるとおりです。『最も伸び率が高い目的』という表現に修正させていただきました。

    ■クイズ3
    (D)全産業のDIもマイナスですが、「この程度であれば不足感が強いとまでは言い切れない」と考えてよいのでしょうか?

    (非製造業に比べて)という前提のもと、その思想で作成しました。
    ただし、振り返ってみますと、誤解を招く可能性のある選択肢ですので、以下の様な選択肢に差し替えておきました。

    非製造業においては、従業員過不足DIは10年度から12年度まで一貫して負の値である。

    なお、クイズ3コメント「従業員化不足DI」→「従業員過不足DI」だと思うので念のため指摘しておきます。

    ご指摘ありがとうございます。
    修正しておきました。

    数々の指摘ポイントを残しており、お手数をお掛けしまして大変失礼いたしました。
    クイズを出す立場として以降、留意させていただきたく思います。

    今後共よろしくお願いいたします。

  4. butao より:

    >じおすと様
    いつも貴重なコメントをありがとうございます。
    模試で出題されていたとのことで大変嬉しく思います。

    今年の政策に変更点が多いかどうかは、調べてみたいと思います。おそらくじおすと様がそう感じられているということは変更点が多いのだと思います。

    次回のブログは中小企業政策のエクセルまとめ表を掲載させていただきたいと思います。

    私が試験1ヶ月前ころから何度も読み返していた形式のものです。

    今後もよりお役に立てますよう精進いたします。宜しくお願い致します。

  5. butao より:

    >shu様
    貴重なコメントをありがとうございます。
    グラフなどからあり得なさそうな記述を想像して、絞り込むということは大切なことだと思います。

    私は昨年、分からない問題が出てきた際には、よくフェルミ推定をしていました。

    身近な実感からおおまかな数を算出する方法です。
    参考程度にURLを掲載しておきます。

    http://wakarukoto.com/?p=743

    shu様の感じられている感覚(自分で想像してみる)は私が言っている感覚と同じ意味に近いと思います。

    そして、それは中小企業経営にかぎらず試験一般において大切なことであると思います。
    例えば、
    過去問から勉強することが良いことと、よく言われます。その理由の1つには、問題に対して自分なりの仮説を持って望む良いきっかけになります。仮説を持って望むことで、間違っていた際に「あれ?おかしいな?」という感覚が発生し、自分の頭に情報が刻みこまれやすくなる、ということがあげられると思っています。

  6. あっきー より:

    予告通り第1部からのクイズ出題ありがとうございます!
    投稿直後から反響も大きいですね。「中小~」は直前期に集中して取り組む人が多いからでしょうか。
    さて、選択肢の作り方について、少々疑問点があるので、お手数ですがご確認いただければ幸いです。
    ■クイズ2
    (C)設備投資の伸び率こそ低下していますが、前年度比で伸び続けていることは伸び続けているから、これも正しい肢となりませんか?
    (D)結果的にこの肢は誤りかもしれませんが、グラフから直接には読み取れないので、「最も比率が高い目的」→「最も伸び率が高い目的」等の表現の方が適切なのではないでしょうか?
    ■クイズ3
    (D)全産業のDIもマイナスですが、「この程度であれば不足感が強いとまでは言い切れない」と考えてよいのでしょうか?
    なお、クイズ3コメント「従業員化不足DI」→「従業員過不足DI」だと思うので念のため指摘しておきます。
    今回ピックアップいただいたポイントはしっかりマスターしておきたいと思います。一次試験までに続編があるようでしたら、楽しみにしております!

  7. じおすと より:

    butaoさん、こんにちは!

    中小企業経営クイズ、またも昼食食べながら楽しませてもらいました!

    クイズのみならず、コメント部分も大変勉強になります。

    4問目は、「石油」とセットで先週末のTACの模試で出題されてましたよ~!(^o^)

    残り一ヶ月余り、最後に記載のポイント4点を意識しながら勉強を進めていきたいと思います!

    (余談ですが、今年は政策の方の変更が多い方なのですかね?修正・変更の自分の書込みで、もうテキストがグチャグチャです…。(^-^;))

  8. shu より:

    いつもこのブログを見て勉強させていただいています。中小企業経営は、自分の弱い頭で色々な動向を覚えなくてはいけないので、「ストーリーでっちあげ」をして無理無理問題を解いています。
    産業にもよりますが、2009頃~2012の「動向」については「一貫して」という選択肢は消せる可能性が高いと勝手に考えています。理由はもちろん大震災があるからで、当年は復興需要と相殺されて横並びや伸びる場合もあるようですが、その場合翌年2012年には反動的下向く傾向があるパターンが多いような気がします。安直ですが、私の場合このくらいの当てずっぽうでもしな柄取り組まないと、途方に暮れてしまいます。これ実はbutaoさんのおっしゃる「自分の感覚」ということなのでしょうか。問題を解いてく中で自分の感覚(自分のストーリー)と合わないときは、「合わない」という強い感覚とともに模範解答が頭に入りやすくなる気がします。
    いつも有意義な投稿ありがとうございます。

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