【もうすぐ診断士コラム】「・・・・で、目的は何よ?」
こんにちはきょくしんです。
今日は、休憩時間のためのテキトーなコラムです。すみません(笑)。
【もうすぐ診断士コラム】というのも、私が勝手につけた名前(他の執筆者にも言ってなくてごめん)、今後続けるかわかりません。
で、今回のテーマは「・・・で、目的はなによ?」。
私はコンサルタントなので、「その企画の目的は?」、「会社を選んだ理由は?」とか尋ねることも多い。それで、今日書きたいのは、目的や手段を聴くと、その人のビジョンや戦略が伺えるということです。
1.あなたが診断士になる目的は何ですか?
以前wackyが診断士人を目指した理由を問う記事をかいていましたね。ほんとに動機付けの確認になります。
いきなりですが、この問いの答えを想定して、上から目線でコメントしちゃいます。
(1)自他ともに認める資格とふさわしい実力がほしいから
→ 自己満足や自信につながり結構です。「診断士になってから何をするか」はまた考えましょう。
(2)会社で認められたいから
→ 周囲から認められることは重要です。仕事意欲にも関係します。「認められてから何をするか」は考えましょう。
この会社を良い方向にしたい、周囲のみんなを助けたい、などという目標につながるかも知れません。
(3)独立する実力を持ちたいから
→ 実力は自信につながるし、一つの夢ですね。「独立後何をするか」考えましょう。
(4)日本の中小企業を元気にさせたいから
→ 日本や世界経済にも貢献する重要なことです。「元気にさせた後は何をするか」また考えましょう??
・・・こうは、ちょっと言えないと思います。中小企業を元気にさせることは、仕事の幅広く、時間もかかり、ある意味際限ない目的ですよね。
さて、(1)~(3)と(4)の違いはなんでしょうか。
目標達成時間、スケールの大きさ、など多くありますが、総じて言うと、目標設定が、自分への影響を主眼としたものか、外部への影響を主眼としたものかという事だとおもいます。ここでは仮に、前者をインプット型の目標、後者をアウトプット型の目標ということにします。アウトプット型の目標はビジョンに近い目標ともいえます。
あと、目標と目的という言葉の使い分けですが、前者は「目標」に比べ抽象的で長期にわたる目あてに使い、後者は目ざす地点・数値・数量などに重点があり、ある程度具体性があるものに使われます。でも私は、あまり厳密に使い分けしていません。あしからず。
2.インプット型とアウトプット型の目標
インプット型目標を持つ人の場合、目標達成された後何をするかは、本人もよくわかっていないことが多くあります。これまでの目標とは別な道に進むかもしれない。
無論それも結構だとおもいます。別にこの目標が悪いわけではありません。たとえば病気のときには、ともかく早く病気を治すということ自体が目標になります。現状改善・脱出の目標も大切だとおもいます。
でも、早く治して家族と旅行したいというアウトプット型の目標を持つ人もいます。アウトプット型の目標を持つ人にとっては、インプット型の目標は、途中のマイルストーンや手段として認識されます。つまりビジョンがあって短期目標を持つようなイメージです。
だから、動機や目的を質問するだけでも、その人のビジョン、時間のスパン、現状把握が推測できますよね。
まあ、誰かに問われた時にはアウトプット型の目標を言えるのがカッコイイかもしれません(笑)。でも、自分自身にそこまでの動機や考えがなければ難しいことです。
インプット型の目標は短期的で、ともかく何らかの理由(現状改善など?)で、短期目標がマイルストーンとしての目標ではなく、とりあえず最終目標になっていると考えられます。たとえば、10年後を見据えたビジョンや目標ではなく、最終目標が1から3年後位のイメージです。
3.目的と手段の整合性
アウトプット型の目標の動機は強そうです。インプット成果それ自体が目的ではなく、外部への影響を与えることが目的になっていますから。きっと使命感もあることでしょう。
でも、長期的目標になりがちな故に、手段が目的に合っているかということも大事です。たとえば
(目的)中小企業を元気にさせること
(手段)自分が政治家になる、自治体の長になる、診断士になる、経営者として自ら成功する・・・。
手段は現状を踏まえて検討されますね。もし自分が区議会議員なら、都議でチャレンジするのもよし、区長でチャレンジするもよし。サラリーマンなら診断士になるもよしです。
手段と目的を取り違えないために「なぜ? それで?」を何度も問うことについては、すでにAkiの記事やらいじんの記事も指摘しています。
たとえば、トヨタの「なぜなぜ5回」は、なかなか優れていて、目的と手段の確認に加え、最終目標に至る過程がどこまで「見える化」(形式知化)されているかというチェックに役立つものです。
これは生産現場の管理だけではなく、思考の確認にも役立ちます。たとえば、診断士合格する→会社の名刺に入れてアピールする→会社の経営企画の仕事につく・・・その先がないとすれば、最終目標が経営企画の仕事をするというインプット型の目標だった、ということがはっきりします。
目的に至るための因果を把握し確認する、という考え方は、n-kenさんの体験記とふうじんの記事で指摘されているとおり、私も2次試験でも大切な視点だと思っています。また、くれよんの【2次道場】のモニタリングの記事も、目的に向かうためのチェックが述べられています。
4.戦略があるか
さて、最終目標に至る道筋は経営戦略で表されますが、その概念となるモデルは現状と目標をつなげるモデルです。全体像がイメージできるなら、単なるマイルストーンや手段を目標と間違えることはないですね。
たとえば、「中小企業を元気にする」目的の達成手段の検討のために、以下のようなモデルを考えたとします。
この場合は、中小企業診断士合格を今年の目標にしていても、最終目的に近いわけではなく、ある意味ひとつのマイルストーンに過ぎないということになります。講演やネットワーク作りの手段ですね。
5.最後に
今回は、計画部分に視点を当てましたが、マネジメントでは実施やチェックも重要です。PDCAサイクルですから。
また、「なぜなぜ5回」に加えて「それでどうよ5回」(注:後者は私の勝手なネーミングです)、ロジカルシンキングで言われるところの”why so?” でなく”so what?” も重要になります。逆方向のロジック確認も必要だから。でも・・・・ここではこのくらいに。
言いたかったことは、「目的は何?(なぜやっているの)」の質問に対する答えで、その人の思考モデルのイメージ、目標の大きさや展望かがわかるということでした。また、動機づけの強さもわかってきます。
よければ、勉強の休み時間に時々自問して、最終目的(目標)、マイルストーン、手段を含む全体像をイメージしてみると、勉強の気分転換や動機づけにもよいかも。
・・・・以上休憩タイムでした。
by きょくしん