【経済学】落ちこぼれからの復活の理由(ワケ)
0.プロローグ
2010年8月7日午前11:00、経済学の終了を告げるベルが鳴った。この瞬間「経済・・・足きりかも」という思いが頭をよぎり、悔しくてなんか泣けてきた。そして気持ちを切り替えるべく満員のトイレへと向かった・・・。
刺激的なタイトルと意味深な出だしで始まりましたが、こういうときは疑ってかかれとはふうじんから教わったこと。
おっと挨拶が遅れました。みなさんこんにちは。wackyです。
昨年経済学を受験した方は、みんな言いたいこと満載のはず。もちろん私もその一人。本番の試験は結局60点と、足きりどころか科目合格も超えました。でもここまでくるには紆余曲折がありました。その辺の体験談と、今年の受験生に参考になることを書いてみたいと思います。
1.経済学は得意だった私
自分はそう思っていなかったのですが、結果だけみると経済学は得意科目でした。
経済学は全くの初学でしたので予備知識なし。どんな学問なのかもわからないまま講義に突入しました。その後苦難が待ち受けているとも知らずに・・・
2.落ちこぼれが生まれた瞬間
私はストレート本科生だったのですが、経済の基本講義だけは速修クラスに出席していました。というのも、経済2回目と3回目の講義の日の早朝、担当していたシステムの障害で会社に呼び出され、その後1週間以上激務が続いたため、経済の講義に戻れなくなっていたのです。幸いなことに3月に速修クラスの授業が控えていたので、そちらで受講することにしました。
第1回目の講義は企業行動分析。やたらグラフが出てきます。微分とか懐かしいねぇなんて思っていたら、気が付いたら「今どこやってるの?」状態。「限界××」という耳慣れない言葉に違和感を覚えたのを鮮明に覚えています。
第2回目の講義は消費者行動の分析なんですが、初っ端の効用関数、無差別曲線あたりで完全に撃沈。全く何を言っているかもわからなくなり、極めつけは所得効果と代替効果。ここで私の経済学は終わりました。チーン
これ以降は講義を聞いても、テキストを読んでも本当にさっぱり理解できません。「どうしてそうなるの?」が解決できず、講師に質問するにも、何がわからないかもわからない。また最悪なことに速修クラスの講義のスケジュールは、
3月20日(土):第1回講義、第2回講義
3月22日(祝):第3回講義、第4回講義
3月27日(土):第5回講義、第6回講義
と、なんと1週間で全ての講義が終わるスケジュール。私はこの1週間、なす術なく時間だけが過ぎていくという最悪の状況でした。こうして「経済学の落ちこぼれ」が生まれたのです。
3.落ちこぼれからの復活
そんな私を救ったのはクラスメイトの一言でした。
「経済学は入門書を読んだ方がわかると思うよ。」
早速書店に行って経済学のコーナーへと足を運びました。色々な入門書がありましたが、その中で私が手に取ったのは、「落ちこぼれでもわかる ミクロ経済学の本/木暮太一著」です。
まずタイトルがいい。まさに経済学に落ちこぼれた自分のためにあるような本。そして帯に書かれた「初心者のための超入門書」がまたいい。極めつけは「大学生協No.1ベストセラー」。これは「買うしかない!!」と思い、支払を済ませ家路につき早速読み出しました。1ページあたりの文字数は少なく、わかりやすい言葉と図解で説明しているので本当に「サクサク」と読みすすめることができ、1時間ほどで読み終えることができました。
自分の中で何かが弾ける感覚があり無意識のうちに基本テキストに手が伸びていました。今まで全く理解できなかった内容が不思議なほどスッと頭に入ってくる。人間不思議なもので、理解できるようになると何故か楽しくなってくる。気が付いたら私は経済学を面白いと思っていたのでした。
一通り基本テキストを読み終えた後スピード問題集を解きましたが、びっくりするくらいスラスラ解けました。養成答練は基本講義が終わった1週間後(4/3)にDVDブースで受講したのですがなんと満点でした。
ちなみに25問中22問がスピード問題集と同じか数値のみ違う改題というとんでもない答練だったんですけどね。
4.なぜ落ちこぼれたのか?なぜ復活できたのか?
原因2:論点のつながりを考えずに個別論点ごとに攻略しようとした。
先に書いたとおり、経済学は理論の展開がつながっている学問です。それを理解せずに、自分のわかりやすい論点を個別に攻略しようとしていました。確かに一見独立した論点に見えるものがいくつかあります。でもそれもつながりの一部分なので、やはりその独立した論点だけ学習しても理解は深まりません。
とりあえず原因はこんなところなのですが、原因がわかれば対策も見えてきます。当時の私はそこまで考えていなかったのですが、偶然はまっていたようです。
「落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本」は、理論の展開のつながりを意識して書かれており、どの話とどの話がつながっているのかを明確にしてくれます。これがわかればもうしめたもので、基本テキストに書いてある内容に感じていた唐突感も「あっ、これはあそこの話だな?」と前のページに戻り確認できるようになり、更に理解は深まっていきました。
5.経済学の学習のポイント
ここからはまとめです。
経済学は、モデル化して理論を展開していく学問なので、なによりも理解することが必要です。結論だけ「暗記」してもダメです。
先日のakiのエントリーにもあったようにしっかり理解して学ぶことは本当に重要。
ここ数年は経済学の難易度が易化しており、たしかに結論を問う知識問題も多かったのですが、ご存知のとおりH22は完全に傾向が変わり、結論を知っているだけでは歯が立たない問題ばかりでした。与えられたモデルを自分で展開して、結論を導き出すような問題が多く、応用力を試される試験だったのです。来年も同じ傾向になるかもしれません。ならないかもしれません。そんなことは試験当日までわかりません。であれば、知識のみで解答できるレベルの準備をすることがどれだけ危険か、懸命な道場読者はお分かりですよね?
経済学特有な対応がもう一つ。それはグラフ対応です。これは自分で実際に書いてみることをお勧めします。例えば与えられたグラフに対して環境変化が生じたとき、どう動くのか?それはなぜそうなるのか?を理解しながらすすめていけば、現場対応力がつきます。
さて、鋭い読者の中にはこのポイントにピーンときた方もいるはず。そう、これは基本テキストの最初に書いてあるんですよね。私は当時全然知りませんでした・・・
でも講義ではよく「理解できなければ結論を覚えましょう」と言われていました。これには騙されないでください。暗記に頼るのは、本試験まで1ヶ月を切ってからです。今なら理解することに十分時間をかけられます。
この記事を読んだ頃には経済学の講義も始まった頃だと思いますが、私の昨年の経験を参考に、是非あなたが「落ちこぼれ」にならないことを切に願っています。
最初の1コマが意外と大事ですよ。
それでは。
by wacky
chamaさん
説明理解していただけたようで何よりです。
グラフを書くことで理解も深まりますし、色々な発見もあると思います。くれぐれも暗記は禁止でお願いしますね。
一発合格道場はいつでも質問を受け付けています。不明な点はドシドシお願いします。
wachyさん
詳細な説明ありがとうございます。
まずは「供給の価格弾力性」を実際にグラフに書いて理解に努めようと思います。
あやうく暗記に走りそうでしたが、しっかり理解できるようにしなきゃ!
アドバイスありがとうございました。
また不明な点がありましたら質問させていただきます。
chamaさん
コメントありがとうございました。またわかりにくい表現失礼しました。
例えば、今日のきょくしんのエントリーにもあるように、過程を実際にグラフで書いてみるとイメージが湧いて理解できやすくなります。
他には「供給の価格弾力性」。供給曲線の傾きが緩やかなほど価格弾力性が大きいのですが、これを図に書いてみる。
明らかに傾きがことなる供給曲線を2つ書いてみて、供給力の変化を一定としたときの価格の変化量を見れば、上記定義を簡単に導けます。私の場合は、問題を解くときにド忘れしたら、サッとグラフを書いてみて確認してました。
あとは、マクロ経済で頻出のIS-LM分析のあたりでも、どちらかの曲線がシフトした場合どうなるかを、実際にグラフ上で曲線を動かしてみて確認する方法も有用だと思います。
わかりにくい説明かもしれませんが大丈夫でしょうか?
経済は意外と大変ですが勉強頑張ってください。
こんばんわ!
一つ質問です。
グラフを実際に書いてみるとの事ですが、どのように書けばいいのかいまいちイメージが沸かないので、出来たらもう少し具体的にグラフの書き方を教えて頂けますでしょうか。
宜しくお願い致します。