ムダを省くというリスク

半年後の、君に。

連日投稿される、数々の素晴らしい体験記達を読みながら、自分の受験生時代に起きた出来事を思い出す。

読み進めていくうちにある一言に、視線がはたと止まる。
「参考書だけだと試験のための勉強に陥る可能性が高い(テキストは読まず過去問や問題集のみを解きまくるなど)、どうせやるなら体系的に勉強したい」
準一発合格という受かり方~U2さん~より

本人的には効率良く学習を進めていたつもりでいたにも関わらず本番直前から得点は伸び悩み、その状態で本試験に臨むハメになってしまった悪夢の日々。
その答えの一端が見えた気がしたからだった。

 
【学習初期にやるべき事】

 

受験勉強開始早々にこの道場の存在を知った。
色々な事が書かれていたが、当時は「とにかくアウトプットが重要なんだ」と解釈し早々にスピ問(TAC出版)・過去問に手をつけた。
道場で語り継がれる「答練80点」。当初の私の得点はといえば、企業経営理論80点、財務78点、運営管理92点・・
「なんだ、問題をやっていれば点は取れるじゃないか」
「きっと効率良く勉強出来ているに違いない」

それは、きっと間違っていない。

一次試験7科目、その1科目1科目の勉強範囲はひどく膨大だ。だからこそ「効率」がカギになる。
しかし予備校でも散々言われたその「効率」という言葉に、今思えば私は踊らされ躍起になっていたのだろう

 

【答練80点をとる、ということ】

 

合格者に共通するものの一つとして、「早めのアウトプット」が挙げられる。
沢山に詰め込まれた知識をどう答案に落として点数にするのか、これはある程度「慣れ」も必要で、最初の段階で点が伸びない受験生の原因は何だかんだ言って「演習不足」が大半だったりする。
事実、良い点が取れたとしても、自分は知識面で周りより多くのものを持っているな、と思えた事は一度もなかった。 単純に「慣れ」だったというのは当時から実感していた事だ。
それでも、「合格に必要な目標点はとれている、問題ない」と思っていた。 

ここで道場基本理論である「橋げた理論」をご覧頂きたい。
「めざせ答練80点」、これは「めざせ」でありながらも「目標」では無く、「学習の目安」もしくは「学習の成果」。
同じ様に聞こえるが、はなから「80点とること」だけが目標なのではなく、「科目ごとに基礎を愚直に(理解して)知識を引き出す練習を怠らない事が必要です」「点数の目安でいうと80点くらいですかね」という事なのではないかと。
当初は「形だけでも」80点取れていればOKで終わらしてしまっていた、今思えばこれが私の敗因。
橋げたに見せかけたハリボテを作っていた訳である。

「強固な橋げた」となるか「ハリボテ」となるか。
これはそれを左右するのはまさに今、基礎固めをしている段階が物をいう。

 

【効率、とは何か】

問題演習というのは「テストで点を取る」というところにおいて、学習当初は特に効果を発揮する。
ただただ目の前の小テストで得点するのであれば、試行錯誤している時間を問題集演習に充てた方が遥かに早い。

でも、それでは冒頭で挙げた、ただの「試験のための勉強」で終わってしまう。
あの時はそれでも考えて、必死にやっていたつもりだったけれど、やはりPDCAでいうところのCは確実に甘かった。 特に一次対策では。

「じゃあどうすればいいんだ?」
その一つの答えとしては受け売りだが、例えばこちらの記事を。

問題集を解いた後,解説を読む前に。  By はんた
ノートは『覚えるため』ではなく、『思い出すため』に作る  By お薬ハック

特に「ノート」作りに関して言うと、私は完全に「不要」だと思っていた。
直近の答練で80点とるためだけであれば必要ないと、今でも思っている。

しかし、一通り7科目を終えた後、「思い出し」ツールとしてこういう記録があれば・・・。
本試験前だけではなく、基礎論点の抜け落ちを感じながらも最早それをカバーする時間がないGW~7月までの直前期。
さっと見直した後で再び過去問回転が出来ていれば・・・。

その前の段階での「ちょっとしたムダ」や「あとプラスの15分」が自分を助けたかもしれない。
基礎部分をしっかり思い出し、もう少し得点を伸ばす事が出来たかもしれない。
何より「書く」「まとめる」という行為によって、より「知識の体系化」が為されたかもしれない。

 
【最後に】

何故診断士を目指そうと思ったか。
独占業務ではないこの資格を、ただ取れればいいと思う人は少ないはずである。

「効率良く」
診断士試験ではこれが大前提とはなるが、必要なムダまでそぎ落としてはいけない。

点を取るためにはまず問題演習。 これは必須である。
しかし効率を求めるあまり必要なものまでそぎ落とそうとしていないだろうか。

出来れば楽に受かりたい、それを叶える情報は溢れている。
しかし逆に、それを「やらなければどうなるのか?」
そういったリスクも少しばかり考慮に入れて、半年後の自分を見つめて、学習と進めれば良かったと今ではそう思う。

そんな訳で2012年に合格しておきながらも機会を逃し、今回ようやく実務補習を受ける事になったけれど、色んな意味で不安でいっぱいになっているまっきーであります。

それでは本日もはりきって参りましょう!

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