合格体験記の鵜呑みは危険
みなさんこんにちは、きょくしんです。
今日が初めての投稿です。みなさん宜しくお願いします。
さて、ストレート生の方は一次対策まっしぐらの時期だと思います。この道場の記事もそんな皆さんを応援しているわけですが、私の最初の記事は、皆さんの指針となる「合格体験記」について考えたいと思います。
合格体験記では、合格者が自分の成功要因を分析しています。これらは貴重な情報ですが、そのまま信じてはいけないという人も多くいます。私も、あくまで自分にふさわしい要因を検討することが大切だと思っています。成功モデルのイメージを作っていく感じです。モデルについては後述しますが、まず体験記のトピックスを検討していきたいと思います。
そこで質問です。「合計800時間の学習をすれば合格するでしょうか?」
・・・答えは「いいえ」です。もっと長時間学習したのに一次不合格だった人はたくさんいます。もちろん勉強時間を増やせば可能性は高くなると思いますが、質問の答えとしては「いいえ」ですね。
2.養成答練で80点以上とっていれば合格するか?
これを目標にすることは道場の記事(道場基本理論3)でも書かれています。とても重要な目標だと思います(注:養成答練とは、某予備校の講義科目毎で基礎的な学習内容理解の確認テストです)。私もこれを目標にこの時期を過ごしました。
では 80点以上で一次不合格も私のクラスメートで2人もいます。私自身も「いいえ」に近い結果でした。
3.公開模擬試験で成績優秀者に入れば合格するか?
各予備校が実施している模擬試験は、だいたい本番よりも難しい試験です。じゃあ、この
私の知人2名は成績優秀者100番台で一次試験不合格となりました。4.じゃあ、どうすれば合格するのか?
合格体験記には他にもいろんなヒントが書かれています。
・サブノートで要点をまとめろ
・過去問を3回復習せよ
・○○問題集をやろう(スピード問題集、財務問題集・・・)
・自分の職場にあてはめてイメージ・説明しよう・・・などなど
じゃあ、「これらをやったら合格するでしょうか」・・・これも答えは「いいえ」です。
私の場合をいうと、 点、模擬試験は合格ライン超え、上記のヒントもほとんど試してみました。そしてその結果?
・・・・・経済得点調整なければ一次不合格という結果でした。
さて、何が言いたいかというと、体験記の情報は貴重だが、書かれたことだけをやっても合格するわけではないということです。合格とその要因の関係(合格モデル)は、合格者の環境依存だからです。合格に影響する要因は数多く、人によって各要因の重要度も違うし、自分に関係ない要因もあるからです。だからそのままではなく、自分に合わせて取捨選択することが必要です。体験記は、合格者が重視する合格要因を公開してくれる非常に貴重な情報なのですから。
では、一体どうすればよいのでしょうか。未来に対する必勝方程式はありません。そもそも、試験は自分のコントロールの及ばない外部要因も多く、様々な不確実性があります。
すると、私たちにできることは何でしょう?。それは、自分自身に応じた合格のイメージを持って、合格に影響する要因を最大限コントロールして、不確実性を減らす努力をすること、しかないと思います。こうすれば合格するのではないかという、合格モデルのイメージをもつことだと思います。
5.私の合格モデルのイメージ
具体的に、私がイメージした合格モデルはこんな感じ。これは数理モデルではなく、定量的に説明力を示すデータはありません。あくまでイメージとしての仮説モデル。体験記・体験談や自分自身の体験から合格要因(因子)をピックアップして、自分のケースで影響と重要度を検討し、それらをコントロールする対策を考えたものです。
少し文章で説明すると、
①まず、合格は、当日のコンディションや学習理解度の影響を受けます。
②また、学習理解度は、学習方法や学習時間の影響を受けます。
③学習時間は、800時間達成目標、仕事進捗管理、周囲の理解、モチベーションの影響を受けます。
なおコンディション、理解度、学習時間、モチベーションなどは、更に細かく列挙された様々な因子の影響を受けています。
これらの因子をコントロールする対策を考えます。そして不確実性を減らします。
たとえば学習時間の800時間の達成目標では、細切時間活用、半身浴学習などの対策でコントロールしました。また、体験記の学習方法には、サブノートが学習理解を高めるという意見も多かったのですが、私の場合は逆に時間のロスを感じ、別な方法をとりました。よってサブノート記入という対策は入っていません。さらに、問題が難しかった時の動揺対策など、合否に関係しそうな要因やその対策はいくらでもありそうですので、自分にとって重要なものから考えていきましょう。
6.合格の可能性を高めよう、不確実性を削減しよう
さて、言いたいことをまとめると
(しかしこれはとても貴重な情報、ケーススタディのひとつです)
・各自状況は違うので、鵜呑みにして合格できるわけではない。
(他人のケースは、自分自身のケースを網羅していない)
・だから、
・不確実性をなるべく減らしていこう!合格の可能性を高めよう!
これはある意味、wackyの学習方法や、らいじんの記事で自ら踏み出すことを言っているのと類似のステップだと思っています。
そうそう、私のこの記事も鵜呑みにしないでくださいね。皆さんも情報収集と実践で自分の合格モデルをイメージしてみてください でも、これはとても楽しいと思います。フォーマットだって、マインドマップや特性要因図をつかったり、何でもよいと思います。
先月、合格体験記を先に書くという記事を書きました。私は一昨年11月に最初の合格体験記を書いたときに、最初の合格モデル(イメージ)を作りました。その後、学習や試験の経験につれていろいろ変化しました。この検討作業は、勉強の副産物でもありますので、気分転換にお奨めの楽しい作業です。
ちなみに、この考え方を格好つけていうと「シナリオプランニング」重要度・影響度からシナリオドライバーを考えて、未来への対応を検討するフレームワークです。コンサルティングでも使われる手法です。
それではみなさま頑張って参りましょう。
まさ様
コメントいただきありがとうございます。合格おめでとうございます。また、同じ診断士仲間として今後とも宜しくお願いいたします。
同感していただきとても嬉しいです(o^。^o)。
診断士試験は、難易度や傾向も大きく変化するなど、予期せぬことがおこります。私も、学習時間・答練・模試など信頼に足る目安ではないと思い、この記事を書きました(これらはある程度の合否との相関はあるにせよ・・・・)。書籍も予備校もこれらを目安としているのは、受験生を安心させるためかも知れませんが、それが本当に良いことかどうか・・・。私自身、経済の養成答練96点で油断して本番36点でしたから(笑)。
「未来の予期せぬこと(不確実性)を覚悟し、想定できる限りの対策を準備する」ことが大切と思い、このシナリオプランニングの記事を書きました。
まさ様、どうも有難うございます。これからも宜しくお願いします。
きょくしん様
今年なんとか合格しました。
きょくしんさんの指摘はまさしく当たっていると思います。
答練、模試そして学習時間の長さは関係無いと思います。
私は1年目1000時間かけて学習しましたが1次試験に失敗しました。
合計で相当な時間(2年で2000時間強)を学習時間に費やしたという観点から、失敗だったように思います。
某難関資格の社会人ストレート合格者様
コメント有難うございます。不合格者の平均学習時間は見当がつかないのですが、合格に必要とされている時間はかなりバラバラです。私が通った予備校の講師や記事に引用した合格体験記では、合格に必要な時間は1次2次あわせて1000時間程度だそうです。また、1次2次あわせて180時間(一次で150時間)で合格レベルに到達すると書いてある書籍もあります。
何時間やれば合格すると一概に言えないこと、そして「合格に必要な時間」というのを「○○時間やれば合格」と解釈してしまっていること、これらにも問題があると思っています。ご指摘のコメントどうも有難うございました。
不合格者の平均学習時間は、おそらく合格者より長いはず。
合格者の平均学習時間は、あくまでも最低ラインと思います。