意外な”アレ”から学ぶ 【目標管理】

こんにちは。マイスターです。

 先日は東京都中小企業診断士協会主催のスプリングフォーラムがあり、参加してきました。大学生だった経験があった方はイメージできるかと思いますが、診断士協会主催の新入生歓迎コンパのようなものですそれがサークルでなく、東京協会に登録されている診断士の方が自主的に運営している研究会ということです。診断士として今後どのような活動をしていくか、自分で自分の歩き方を考える1つのタイミングでもありました。

やはりそういったイベントに参加したり、先輩診断士の皆様の話を聞いていると、「合格」がゴールではないということを改めて実感します、皆様はおそらく自分自身の将来への不安や、何らかやりたいことを実現するために診断士合格を1つの目標に据えられていると思います。私もそうでした。

一方、合格したら「診断士としてどのように生きていくのか?」という次の課題テーマが待ち受けています。もちろん、「企業内診断士としてやっていくの?」「転職するの?」「独立するの?」という大きな課題にも直面します。

また、独立を考えるなら考えるで「何を強みにして自分は診断士としてやっていくのか?」「どこでやるのか?」といったような課題が横たわります。どれも自分の生き方にかかわる深いテーマです。これは診断士を目指してピュアに勉強に向き合っていた時間には直面していなかった課題でした。

何が言いたいか?というと、診断士の資格取得は自分の成りたい姿を実現するための1つの手段だと思います。できれば「試験のその先」を見ながら1次試験、2次試験に望めるように考えてみましょう。「その先」が見えているかいないかが、これからの追い込み時期に踏ん張れるかどうかにも関わってくるのではないでしょうか。

さて、本題の第3回目の

「意外な”アレ”から学ぶ」シリーズ

ですが、言いたいことは一番最後に書くことにしますので、まずは以下に挙げる「数字」をご覧ください。

■試験合格までに必要(とされる)学習ボリューム

-1次試験-

受験校テキストページ数:1科目300ページ×7科目=約2100ページ

過去問:1科目約25問×7科目×過去12年=2100問 (H13~H24)

スピ問:1科目約130問×7科目=910問

-2次試験-

過去問(H13~H24):記述文字数

1事例 約500文字×4科目×過去12年=24000文字

※もっと省エネでやり切れた方もいっしゃると思いますし、実際はこれ以外にも参考文献を読んだり答練や模試を受けたりする方も多いでしょうが、一通りきちんと試験対策をしようとすると最低限このくらいのボリュームになるんですね・・・。私は受験校のテキスト「1科目300ページ×7科目=2100ページ」を頭に叩き込むというのを結構強く意識していた気がします。 ※厳密に言えば過去問は企業経営や運営管理は1科目40問程度ありますが、細かい点なのでご容赦ください。

■学習時間

勉強においては「質」も大切ですが、まずは「量」がモノを言います。(学習の質が人と比べて良いのかどうかは、自分ではなかなか把握しづらいですしね)

 ちなみに診断士の試験において、一般的に言われている合格までの学習時間数(H)は1,000~1,300Hといわれています。1日あたりにすると2.73H~3.56Hですね。とはいえ毎日仕事している人が1日3Hを捻出して勉強するはかなり大変平日で賄えない勉強量は、休日で賄っている方が多いかと思いますし、場合によっては休日のみで平日分を賄っている、という方もいらっしゃるでしょう。

 ちなみに、1年間を時間数(H)に直すと 365日×24H=8760Hです。そのうち、睡眠やその他生活必需時間を計算すると、大体1日6~7Hの睡眠時間+風呂・洗顔・食事などの時間が入るので、1日9H=3285Hは最低限、普通の生活をする上では必要な時間でしょう。また、多くの方が仕事をされながら勉強をされていると思います。毎日定時で帰れるという方も多くはないでしょうから、業務従事時間を1日8H+残業2Hの計10H×年間245日と置くと、1年間で2450H。この3285Hと2450Hを、8760Hから除くと、たったの3025Hが本当の意味での1年間に使える「自由時間」として出てきます。(もちろん移動時間なども含みますが)

 ということは、もし1年でストレート合格をしようと思ったら、1年間の「自由時間」の最低3~4割程度は勉強に充てないといけないということですね。

ちなみに私も自分の数字を公開させて頂きます。下記が私の昨年のGWの学習時間です。有難いことに私の所属している会社はGWのお休みが長く、昨年は9連休でしたので集中して学習することができました。

 4/28 10.5H
4/29 9.5H
4/30 8.5H
5/1 9.0H
5/2 7.0H
5/3 11.0H
5/4 11.0H
5/5 11.5H
5/6 6.5H  (最終日はお酒を飲んだ記憶が・・・)

合計9日間 84.5時間

せんせいのこちらの記事では「もちろんやった派」に分類されていますが、GWは勝負時として超集中していた気がします。

  

■ストレート合格の確率(期待値)

「一発合格道場」という場を借りてですので、敢えてこの数字について言及させていただきますが、こうして期待値をみるとメッチャ低いですね・・・。

 平成22年 1次15.9% 2次19.5% =3.1%

平成23年 1次16.4% 2次19.7% =3.2%

平成24年 1次23.5% 2次25.0% =5.8%

■受験校別の合格者数 (2012年度)

ちなみに診断士講座で最大の受講者数を誇るTACはHP上で合格者数をに通って発表しており、2012年は368名(本科生のみ)とのことです。 368/1220名という規模ですのでやはりTACの合格者の母数は大きそうですね(受講生の母数が多いことの表れでもあると思いますが)。一方、診断士講座を持っているLEC、大原、マンパワー、その他MMCなどの2次専門校などはどこもTACほどの規模はもっていないと考えられ、TAC以外(大変失礼なまとめ方で恐縮ですが)でまとめても300人くらいではないかと予想しています。そう考えると、独学者の合格者の方はかなり励まされる数字が出てきますね。(あくまで数字は推測です)

 ちなみに私自身も受験校にはお世話になったものの、通学をしているからとか、特定の受験校いるから有利とか不利とかはないと考えてました。(実際に一発合格道場にも平平などのように独学合格者の方もいれば、お薬ハックまっすーのようにたった半年の学習期間とかで合格した強者もいます)。学習の質の担保、カリキュラムの網羅性、モチベーションの維持など等、受験校に通うメリットもあるかもしれませんが、要は「自分が置かれている学習環境の制約の中で、最適と思われる学習方法を選び、自分で工夫してやり抜くか」だと思っています。

■診断士の登録者数と独立開業

つい先日のエコノミスト(雑誌)でも、「会計士と税理士が食えない資格になった」的な記事が載っていましたので、診断士はどうなのか?と気になっていました。ネット上のデータを拾ってみたところ、

平成23年4月1日現在の中小企業診断士の登録者数 20,191人  うち、独立者数(プロコン) 27.6%
そのため、計算すると「市場では5,576人が独立されて活躍している」という計算になります。

 ちなみに診断士の統計という観点では以下に少しデータが乗っていますのでこちらもご参考にください。

http://j-net21.smrj.go.jp/know/s_hiroba/enquete/

ちなみに対比として、税理士もあげてみたいと思いますが、平成16年4月現在 税理士資格取得者73,725名となっています(第5回税理士実態調査報告書)。少し古いデータなので、その後の合格者を足して80,000名程度と定義してみましょう。また、税理士は独立開業率が高く、約8割が資格取得後に独立開業されているとあります。これを考えると、ざっと約64,000名が独立して税理士として活躍されているという計算になります。

やはり診断士は人数母数がまだ少ないこともありますが、圧倒的に企業内診断士の比率が高く、独立診断士にとっては市場の飽和度は他資格よりも相対的に低そう、と言えるかもしれません。一方、独占業務がないので独立開業して成功するのが相対的に難しいとも捉えられます。※ちなみに私の知り合いの税理士の方も、税理士の平均年齢は「超高い」とおっしゃっていましたが68歳が平均年齢とのことです。


■番

中小企業の社長の年齢は19年連続で上昇で、平均59.3歳とのことです。直近の年では社長交代率が3.61%で過去最低の社長交代率だったそうです。後継者不足に悩む、中小企業の実態を反映した数字になっていそうですね。ちなみに2次試験においては、

ちなみに2次試験においては、ざっくりいうと「事例企業に出てくる社長の悩みに対して、どのように中小企業診断士としてアドバイスをするか」という点が問われます。私は事例問題と向き合う時、よく社長の年齢や、性格、顔つきなどを想像して問題を解いていました。H24の事例4も事業承継がテーマでしたし、今後増えていきそうですね。

て、今回は数字をいくつか紹介に留めさせていただきましたが、お伝えしたかったのは「数字は頭に残るので、ベンチマークに役立つ」ということです。

上記は私の視点から捉えた「数字」ですが、1人1人多様な解釈が可能かと思います。例えば私の場合、受験生時代はストレート合格の期待値である「3%」という数字を意識しており、「3%のストレート合格者に食い込むには?」ということを常に考えていました。

学習時間でいうと「最低1年で1000H以上をクリアするために、1週間で20時間は確保する」と決めてやってましたし、「でもそれじゃ他の受験生の横に並ぶだけだから、どこで週に+5Hを捻出してやるのか?」みたいなことを考えていました。

1次の過去問も定着のために「3回転以上」と決めてやってましたし、模試では常に1次、2次とも合格率を前提にで「上位10%以内」を目標に置いていました。

 

 

アレレ・・・?これって何かに似ていないか・・・??? そう、これは毎日仕事でもやっているじゃないか・・・と。企業活動でいうところのKPIマネジメントと一緒ですよね。

 

「”KPI”を自分で決めて、自分をマネジメントしていただけだ」ということに自分で気づきました。

通常、KPIを達成できるようきちんとマネジメントしていけば、収益目標は達成できるものです( もちろん、設定したKPIに妥当性がある必要がありますが)。診断士試験に置き換えると「試験合格」=収益目標だとして、「ベンチマークした定量数字」=KPIみたいな所ですね。

 

という訳で、今日はかなり自分の体験談が混じってしまいましたが、もし参考になるようであれば、何か皆様も強く意識できる「KPI」を持ってみてはいかがでしょうか?目標管理がしやすくなるかもしれません。

 


それでは今日も1日コツコツと。
マイスターでした。

 

 

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