自習時間に何をすればよいですか?(ハカセの場合・その1)
こんにちは。ハカセ です。
合格後、TACの「合格の秘訣」を書かせて頂いたご縁で、TACの2011年目標の診断士講座の「無料ガイダンス」 に何度か参加させて頂き、体験談を話させて頂きました。
また、TAC渋谷校で体験談 を披露させて頂く機会などもありました。
それらの「ガイダンス」や「体験談」の時に、よく寄せられる質問に「自習時間は何をすればよいですか?」というのがあります。その関連質問についてまとめてお話ししたいと思います。
■ そもそも何のための自習なのか? ■
独学の方もおそらくテキスト一式(7科目)を揃えて勉強されていることと思います。受験校に通っている方は、テキスト一式に加えて講義まで提供されるわけです。
「もう学習範囲は十分カバーされているんでしょ?」
「カネ払って講座受けているんだから、それ以外の勉強は要らないよね?」
「テキストもらって、講義も受けて、さらに自習しなきゃいけないの?」
そう思いたくなりますよね。納得感のないままに闇雲に自習しても効果がありません。ここは冷静になって、自習の目的を整理してみましょう。
■ 合格への3要素 ■
皆さんの最終目標は「診断士試験合格」、その第一関門としての「一次試験突破」のはずです。
一次試験は主に知識の試験。診断士試験に限らず、知識の試験で必要な3要素とは、
- INPUTする知識量・情報量
- INPUT効率
- OUTPUT効率
です。自習は上記のいずれかを改善するために行われるべきであり、つまり、自習の目的は、
- 知識量・情報量を求めて手を広げるか
- INPUT効率を向上させるか
- OUTPUT効率を向上させるか
のどれかになります。
■ 知識量はテキストで十分 ■
まず、テキスト以外の知識・情報を求めて、学習対象を拡大させるべきでしょうか? 答えはNOです。
お世話になった TAC には申し訳ありませんし、確認したわけでもありませんが、診断士試験対策のテキストはどこも似たり寄ったりだと思います。主たる論点は、どこの出版社・予備校のテキストもカバーしていると考えてよいでしょう。なぜならば、診断士試験の出題範囲というものが診断協会から発表されているからです → こちらのP12-P19 参照。
確かに、それ以外の瑣末な論点において、TACがカバーしていないところをLECがカバーしている場合もありますし、その逆もあるでしょう。各社はなるべく最新の傾向を取り入れようと努力していると思いますので、各社のテキストの守備範囲が全く同じになることはありません。
しかし、だからと言って複数社のテキストに手を出したり、他の資格のテキストにのめりこんで自習するのは効率的とは思えません。何故ならば
- それらはあくまでも瑣末な論点であり、主たる論点ではないから
- それらの瑣末な論点をカバーしても、58点が60点にはならないから
「カルトQ」みたいな問題を答えられるようにしても、出題されなければその知識は無駄になります。
仮に出題されたとしましょう。その瑣末な論点を知っていれば、確かに他の受験生との差別化につながるかもしれません。でも、恐らく、80点が82点になることはあっても、58点が60点になることはないと思います(事実としてはあり得ますが、そういうシチュエーションには実際にはならないと思います)。ボーダー上の2点は、そんな難しい問題で稼ぐのではなく、もっと基礎的な問題で稼ぐことが出来る筈だからです。
道場では基礎的な問題だけをしっかりやりましょう、と訴え続けています。こちらの ZonE の名作記事 を参照ください。
「得意な科目で2点上積みすれば、不得意な科目をカバーできるじゃないか」という反論も聞こえてきそうです。
確かにその通りですが、80点を82点にすることを狙って瑣末な問題の対策を追及し続けることが出来ますか? そのような問題は恐らく前出の 出題範囲 に含まれていない論点です。出題範囲外の問題の対策を立てることは、砂漠の砂の数を数えるほどに難しい。それは「その科目を得意だから知っている知識で答えられた」と、ラッキー問題程度の認識にすべきであり、そこを追及し始めたら他の科目がおろそかになります。
上記から、まず、自習時間を「自分が持っているテキスト以外の知識・情報を求めて学習対象を拡大すること」に使うのは、あまりお勧めできません。
■ ではどうする? ■
では、どうすればいいでしょう。答えはお分かりと思いますが、紙面の関係から、それはまた次回に。
by ハカセ