診断士受験生市場における「差別化」

こんにちは、マイスターです。
本日は、差別化 がテーマです。

ビジネスの世界ではよく言われる「差別化」。そんな私も、今の自分の仕事でも事業をどう差別化していくか、毎日のように考えています。。。難しいですよね。差別化って。

さて、診断士試験を「差別化」という観点から眺めてみると、さらに難しいはずです。 なぜなら既に述べられているように

 ・試験範囲は想定ができ受講形態は違えど学習内容は殆どの受験生が類似

・効率的にインプットをし正確にアウトプットできた方が有利

・特別な発想をする人を合格させるのではなくあたり前の発想をできる人を合格させる
中小企業診断士試験においては、ニッチャーやチャレンジャーといった考え方が通用しない。決まり手(本試験でのアプローチ方法)は考えなければいけないものの、全員が同じ市場(試験問題)に対して、真っ向勝負の”横綱相撲”を取りにいかなければいけないということです。

では、どこで他の受験生と差別化するか?


まずはこの図を見てイメージを掴んでほしい。
 
さて、みなさんの目的は1次試験にも2次試験にも通用するような「堅牢な知識DB」を作ることです。
そこを視点に見ていきましょう。

①Inputの質の向上

例えばイサラムのこの記事で述べられているように、「自分にあったInput方法」を探り当てるのが望ましい。
目を使うのか、耳を使うのか、手を使うのか、それとも口を使うのか。語呂あわせなどはバカにできない効果的な学習方法。記憶にとっても残りやすい。
もちろん、inputの質で差はつくが学習方法は人それぞれなため、”明確な差別化”というものが図られているかどうかは分かりづらいものです。

 

②Inputの量の向上

個人的にはここが一番差別化可能と考えたいところかと。
物理的に「平日5日間の仕事時間」と、「睡眠時間」は削れないとして物理的に勉強できる時間は平日の2時間程度と、休日の半日程度。しかし、合格圏にきちんと入ってくる人はもちろん寸暇を惜しんで勉強しているのは明白です。
ではどこで差別化するか、それは隙間時間です。私は基本テキストの重要論点を小型カードに写し、
・駅までの徒歩途中で
・通勤満員電車の中で
・会社での休憩室で
・営業活動の移動中で
・風呂の中で
・寝る前で
など、いつでも見れるようにしておきました。でもこれは効果テキメン。洋服のポケットに忍ばせておけばよいのです。人間、何度もパラパラと眺めると頭だけでなく、心に知識が入ってくるようになる。Aランクの重要論点だけでも、いつも眺めることができるようになっているとずいぶん違うと思いますよ。


③知識の構造化

これはスト生にとって、「1次試験と2次試験における知識の繋げ方」という観点で考える上でとても大切。また、最近の傾向では事例風の1次問題が増えているのも事実。特に生産管理、組織論などは知識が構造化できてないと、2次試験の対策を始めた際に知識と知識がつながらず、立ち往生してしまう可能性もあります。しかし、受験生にとっての問題は自分が知識を構造化して理解できているのか、理解できていないのか?が、自分ではわかりづらいことです。ちなみに私は製造業に所属したことはないので、工場に立ち入った経験は皆無でした。
とはいえ、生産管理についてはテキストに出ていることは出ているなりに
「生産計画は需要予測がベースで・・・」「生産統制は進度・現品・余力があって・・・」
なんて、1次対策としては理解していたつもりでした。(実際、答練・模試などでも点数はとれていた)
しかし、2次試験の勉強を始めた時に「結局なんだったっけ?」と全く理解が追いつかず、事例企業の課題に対応した解決策に
対応できるようになるにはとても苦労しました。これは、まさに「知識が構造化」できていなかった証拠です。
特に主要3科目のうち、苦手意識があるものについては、特に、特に
「枝を見ずに木を見る」「木を見ずに森を見る」
という意識を持ってインプットに取り組めるといいでしょう。
「あ、これ構造的にわかってないな」ともし感じたら、テキストの内容を、自分で体系図に整理しなおしてみたり、受験校の先生に聞いてみたり、などの工夫が効果あると思います。
この辺はまた今後、2次対策の場面でも触れていきたいと思います。

④反復output

ココはいわずもがなですね。
過去問スピ問が代表例

⑤知識活用

皆様におすすめしたいのは、この⑤番です。私は、過去問をやっている時にH21にコーズリレーテッドマーケティングの問題を見つけてから、「あ、これ面白い」と思ってさっそく翌日に仕事で使ってみました。(まさかの本試験でヒット)。また、頻繁にマーケティング系のセミナー講師をする機会があったので、企業経営理論で学んだ組織論、マーケ、生産管理の知識をそのセミナーにバンバン入れ込んでいきました。そうしたことで仕事の質も高まるし、自分の頭で知識を体系化して、整理して、話すという所まで経験を詰めたので、確実に知識が定着しました。また、2次試験の記述に必要な体系的な理解が深まり、一石二鳥でした。

もちろん仕事だけでなく、例えば料理をしている時にボトルネックを探してドラムバッファーローブ意識した工程設計をしてみたり、ホテルやマッサージ店に行った時にサービスマーケの特徴(むひふかしょうじゅ)意識したマーケティング活動をしているか、等を分析できるかもしれません。こうすると、頭だけでなく、身体全体でアウトプットをして定着させることができます。『まだ中途半端な知識だから仕事で使うのはちょっと・・・』という方も気にせずバンバン使ってみましょう。


最後に・・・やはり学習範囲は広げてはいけない??

この図で一番大切なのは、どの矢印もAランクとBランクにしか向いていない所です。
もちろん、学習範囲を広げることで1次試験で拾える問題が出てくるようになる一方、「学習範囲を広げる」という方向性はリスクが高く、差別化にはなりづらいということですよね。 ここでもあるように、Aランク・Bランクの問題群が8割抑えられれば本試験で5割以上は確保できます。また、2次試験は基本的にそんなに細かな知識をテーマにした出題をしてきません。2次試験が主眼においているのは細かい知識ではなく、中小企業診断士としてのコンサルティング力です。

頻出Aランク(と少しのBランク)の知識を「構造化」して考えて引き出せることができれば、基本的には妥当性のある解答が導き出せる構成になっています。

まだ3月。各科目の基礎を固める時間はあります。みなさんも自分なりに何で「差別化」できるのか。その方法を考えてみてはいかがでしょうか ?

それでは、今日も1日コツコツと。


マイスターでした。

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診断士受験生市場における「差別化」”へ5件のコメント

  1. 多年度ダラダラ受験生 より:

    マイスター様
    困らせてしまってすみませんでした。
    この時点では、TOP記事への記入でないと特定の方を指名しているようで・・と思い。
    結果、不適切な記事でご迷惑をおかけしました。

    こぐま様
    ご親切にご回答いただき有難うございました。
    よく理解できました。
    省略形での公式のはめ込み、かつ思い込みで対応していたので、テキストの原型も目に入りませんでした。
    本当にかなりすっきりして、次に向かう意欲になりました。

    ハカセ様
    おっしゃる通りですね。
    たいへんご心痛をおかけしました。
    深く反省しております。
    道場の関係者の皆様すみませんでした。
    それでもご親切に対応していただき感謝しております。

  2. こぐま より:

    内部収益率の考え方では、「時間価値」の概念が入ります。
    .
    つまり、各年度のCFを現在価値に割り引き(その乗数率が複利現価係数)、合計したものが、投資額とイコールになる割引率がIRR(r)です。
    CFは単純合計ではありません。

    期初:-2800
    1年目:1000/(1+r)
    2年目:2000/(1+r)^2(二乗)
    上記合計がゼロとなる割引率です。

    従って解答が正しいと思います。
    .
    このような場合は、試行錯誤でrを計算することとなると思います。
    .
    内部収益率法の意味を理解できているかどうか、を問う問題です。
    財務・会計の参考書にはDCF法と並んで必ず説明が載っていますので、再確認ください。

  3. 多年度ダラダラ受験生 より:

    こんにちは。
    IRR関連の解法についてよろしければ教えてください。
    以下条件
    投資額2800(1年目期首取得)
    CF 1年目 1000(期末に得られる)
       2年目 2000(期末に得られる)
    さらに複利原価係数表が3%~7%まで1、2年目分が与えられています。
    「IRRを求めよ」という問題です。

    これまでの私の認識では、
    CF 1000+2000=3000という前提で
    →3000/(1+r)-2800=0
    →3000/(1+r)=2800
    →3000/2800=1+r
    →1+r≒1.071
    →r≒7.1%
    と思っていたんですが、
    解答ではちょっと違う方法で、
    「各年度のCF」に「3~7%それぞれの時の複利原価係数」をかけあわせて、「投資額」を引いて得た数値が「0になるのは何%か?」を求めているようです。
    これによると解答は、割引率(IRR)が「4%~5%の間」となっています。

    宜しくお願いいたします。

    1. マイスター より:

      多年度ダラダラ受験生さん

      コメントありがとうございます。
      おっしゃられている問題が私にとっても初見ような出題なので(3〜7%それぞれの時の複利原価係数をかけあわせという点)、イメージが
      つきづらいのと、IRRは私が財務で特に苦手だった計算でしたので、理解が追いついておらず、
      頑張って解答差し上げても不適切な返信になってしまう可能性が高いかもしれません。(><)
      ちょっと私も調べてみますが道場メンバー、また受験生のみなさまで、もしお分かりになるようであればお助けいただければ幸いです。

    2. ハカセ より:

      >多年度ダラダラ受験生さま。いつもご愛読ありがとうございます。まず最初に、この種類のコメントに返信するべきかどうか、道場執筆陣の中で議論がありました。一発合格道場は受験のノウハウを提供する場であって、知識そのものを授ける場ではないと考えるからです。「分かりにくい論点をこういう風に理解したら分かったよ」という具合に受験生目線から説明することはあっても、各項目の基礎知識そのものを理解させるのはテキストや予備校・受験校の範疇と考えています。こぐま が既に申し上げたように、この問題は(計算過程の複雑さはともかくとして)IRRの基礎的な知識であり、道場で語るべき範疇から外れていると考えます。
      とはいえ、それではあんまりですので、お役にたてるか分かりませんが、下記をご参照ください。
      まず、IRRはエクセルで簡単に算出することが出来ます。こちらのリンク画像を参照ください。
      https://rmc-oden.com/blog/wp-content/uploads/IRR1.jpg
      このような数式を入力することでIRR値を得られますので、模範解答に疑義があった場合は活用されてはいかがでしょうか。
      また、この程度の難易度であれば、二次方程式の解の公式を用いて手計算でも算出可能です。こちらを参照ください
      https://rmc-oden.com/blog/wp-content/uploads/IRR2.jpg
      ご参考になれば幸いです。

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