【合格体験記】事例Ⅳでミス連発?するもストレート合格!~シーナカリンさん~

こんにちは。こぐまです。

幅広い範囲から角度を変えながら出題され、毎年、受験生を悩ませる、1次試験の「財務・会計」と2次試験の「事例Ⅳ」。

得意としている方でも「罠」にはまることがある、怖い科目です。

今日はシーナカリンさんから寄稿いただいたストレート合格体験記をご紹介しますが、財務・会計を苦手としている方はもちろん、得意な方も必読です。

 

==========寄稿ここから=========

◯自己紹介

・ シーナカリンと申します。2011年8月に人生初の緊急入院・手術を経験し、「今後の人生、何があるかわからない」と痛感し、将来何が起きても自分の力で社会を生き抜けるだけの「武器」を身につけたいと思い、中小企業診断士の資格取得を目指しました。

・同年10月からTAC の 1・2次ストレート本科生コースに通い始め、自習時には道場の記事を進度のベンチマークにして勉強を進めた結果、何とか合格できました。

◯1次試験に向けた準備 (勉強時間:TAC授業200時間、自習380時間 合計580時間)

全教科を通じて心がけたのは、とにかくTACの「答練」でよい成績をとり、モチベーションを維持することです。「今、自分は合格圏内にいるはずだからもう少し頑張ろう!」と考えることで、これまで長期間の受験勉強経験のなかった自分を騙し騙し、約1年間モチベーションを維持し続けることができたと考えています。

・ TACの答練でよい成績をとるのはそんなに難しいことではありません。答練のほとんどの問題はTACの「スピード問題集」から出題されるので、スピード問題集を試験前に1-2周やれば、ある程度の高得点はとれてしまいます。
当然、その高得点は「まやかし」なのですが、モチベーション維持効果に加え、基礎力がつくという一石二鳥の勉強方法だと思います。

◯1次試験本番 (自己採点結果:495点

・ 初日の2教科目、財務会計が終わった瞬間、「やらかした!」と思いました。基本は同じでも、TACの出題の仕方と少し視点を変えた問題が多かったような気がします。

・ 元来、数学が得意でない私は、本番という緊張感から問題の出方が変わっただけで焦ってしまい、焦れば焦るほどドツボに嵌るという魔物」に取り憑かれてしまったわけです。学生時代のテストで何度も経験した事をまたやってしまいました。

・ 結果的には、まぐれ当たりの問題もあり52点で何とか足切りを回避。他の科目で財務の凹みをカバーし、無事突破に至りました。

◯2次試験に向けた準備 (勉強時間:TAC授業 60時間、自習20時間  合計80時間)

・ 事例Ⅰ~Ⅲは最低限しか勉強をしませんでした。TACの模試は合格判定だったのですが、その後、点数は伸び悩み、やればやるほど深みに嵌ってしまうと感じたため、過去問は一部をさっと見通すだけにし、TACの事例を中心に与件を無心で拾うこと」と「言い回しを固めること」に集中しました。
ちなみに、事例「開眼」の瞬間は結局、訪れなかったと思います。

・ 事例Ⅳについては、1次試験の結果からも財務を集中的にやるべきと感じたので、問題集・過去問をやりこみました(これで下手に自信がついてしまったのが、本番で裏目に出ました)。

◯2次試験本番 (2次試験自己採点結果:AAAC)

・ TAC最後の授業の時に「本番では逃げの回答をせず、勝負をしてくるように!」という先生の言葉を繰り返しながら受験しました。

事例Ⅰ~Ⅲではそれが実践できたと思います。回答が難しいと感じた問題は曖昧にして保険をかけながら、ある程度自信を持てるところは逃げずにストレートな回答で勝負しました。

・ ところが最後の事例Ⅳで「勝負」が裏目に出ます。事例Ⅰ~Ⅲで体力・気力を奪われていたためか、全ての問題を解こうと、身の程を知らず全問全力勝負を挑んでしまいました。

・ 結果、すべての問題で計算ミスを連発。特に痛かったのが、1問目の予想損益計算書を作る問題で変動費の計算を間違い、その後の問題をすべてドミノ式に間違ったことです。

・ 試験会場からの帰り道は失意のどん底で、家までの記憶がほとんどありません。。。今年の高合格率に助けられたのと、恐らく事例Ⅳは足切りラインのギリギリで踏みとどまり、その他でカバーできたのだと思われます。

◯最後に

1次、2次ともに財務(事例Ⅳ)で大失敗しながら、今年の高い合格率にも助けられてギリギリで足切りを回避し、薄氷を踏む思いで何とか合格しました。

・ TACの答練、模試ともに財務は一定以上の点数をとれていたのですが、結局、土壇場では数学・算数のテストに必要な「最低限の応用力」の不足により、大苦戦を強いられました。

・ 私は恐らく、合格者の中で1次の財務、2次の事例Ⅳの合計点数が最も低い合格者に近いと思います。
当初から「財務を捨てて他でカバーしよう」と考えていたわけではなくあわよくば得点源に・・・と考えていた結果が、これです。

・ 私と同じく「算数、数学」が昔からあまり得意でない方へ。
もし私が再度受験するとしたら、「勉強段階ではテキスト、模試レベルの問題は100点を目指して完璧にやり込み、本番では60点(2次試験では、難易度から判断して合格レベルと思われる最低限の点数)の得点を目指し、解けそうな問題を絶対に間違えないよう、徹底的に時間をかけて完璧に解く」ことを目指すと思います。
志の低いことを言うようですが、そういう「戦術」もあるということを参考にして頂ければと思います。

==========寄稿ここまで==============

 

同じ論点が繰り返し出題されている「財務・会計」ですが、瞬殺できる問題から「これは無理でしょー」的なヒネリ問題までが混在し、60分という短い時間で解き切ることは至難。
しかし絶対評価の試験ですから、60点を確保することが至上命題です。

事例Ⅳに至っては、難易度、出題形式とも毎年のように急変。合格のカギとなる事例と言われながらも、出題者はいつも裏をかいてきます。

この記事でも書きましたが、スト生でも多年度生であっても、事例Ⅰ~Ⅲで一定レベル以上を確保できないと「合格の確実性」を高めることは難しそうです。
つい「結果がわかりやすい」事例Ⅳにばかり目が向いてしまいがちですが・・・。

シーナカリンさんは、決して財務を苦手とされていたわけではありませんが、(特にスト生にとっての)本試験の怖さと、確実に合格点を確保するためのひとつの考え方を示しておられます。

特に2次試験への取り組み姿勢は、戦略として大いに学べる含蓄深いものと思いました。

シーナカリンさん、貴重な合格体験記を寄稿いただきありがとうございました。

 

by こぐま

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